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タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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221.  海よりもまだ深く 《ネタバレ》 
近年の是枝監督作品はかつての小津監督の映画を彷彿させます。共通していることは、「家族」がテーマであることはもちろんですが、特にその時代を象徴する家族の姿を適格に、少しの哀愁を以て描いていること。本作で言うなら、もはや珍しくもないバツイチ 、低収入の中年男、ダンナより稼ぐ女性などは、今よりもむしろ何十年か経ってから、あの当時はこんな家庭が多かったなあ、としみじみ感じさせるような、そんな予感がするのです。 阿部寛の小悪党のようでもあるが、まったく憎めない魅力的なキャラを含めて、登場人物全員、人生の成功者ではないが人間味のある描き方をされていて、それはとても好感が持てました。 人生にも「台風」があるとすれば、それはたぶん離婚だったり死別であったりします。(要するにあまりよい出来事ではないということ) 台風の最中、深い海の底に潜むタコの姿は、彼が今人生のどん底であることを示唆しています。でも台風一過に覗いた晴れ間は明るくて、暗闇を抜けた先に見えた一筋の光明 (アカルイミライ) にも見えました。 彼は父親になれなかったのではなくて、愛はあったがお金が足りなくて父親稼業に失敗しただけ。だから彼のために一言だけ言わせてもらおう。「失敗も、一度は許そう、父親稼業」 ・・どうか彼の第二、、いや第三の人生に幸あれ。
[映画館(邦画)] 7点(2016-06-03 23:54:05)(良:2票)
222.  リップヴァンウィンクルの花嫁 《ネタバレ》 
この映画3時間でしたか。話にぐいぐい引き込まれて全く長さを感じませんでした。 黒木華さん、よかったです。好演とか物語の世界観に合っていたとかそんな次元ではなく、まるで彼女ありきでこの映画が創られたほどに。 私は、題名は "虚像の幸せ" の別名と解釈しました。出会い系、結婚式のサクラ、確かに今は取り繕った虚像の幸せであふれている。ネット社会の利便性と引き換えに、モラルや感謝の心など人が失ったものも多く、もはや幸せ感覚はあきらかに麻痺した。彼女たち二人は現代社会の被害者ではなく、"迷い子" であると思う。幸せも出会いもお手軽すぎて、何が本当の幸せだか、誰が自分に見合うのか、あげくには自分が何なのかわからなくなった。でもそんな現代に、心に傷を負って人の温もりを誰よりも欲していた二人が、お互いが最も必要とする相手に "サクラ" を通じて奇跡的に出会った・・。 題名すなわち "虚像の幸せ" とは、ネット社会に対する鋭い風刺と思いましたが、実は逆説的な意味だと思うのです。つまりこのような現代でも、生きる価値は絶対にある。ニセモノであふれたこの世界のどこかに、あなたに見合う本物 (幸せ) は確かに存在している、だからとにかく生きろ、そう言っている気がします。
[映画館(邦画)] 8点(2016-04-09 19:35:39)(良:1票)
223.  腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 《ネタバレ》 
これは一見家族の崩壊を描いているようでもあるが、まあシュールなブラックコメディと思って楽しみましょう。てんで歯車のかみ合っていない三兄妹よりは、道化を装っているが実はただ一人真っ当な待子さんがよろしい。この人、我慢強いし空気読めるし本心顔に出さないし、きっと女優目指したら澄伽より大成するだろうね。漫画家志望の妹さんにしてもしかり、二人は例えるなら"能ある鷹は爪を隠す"人たち。もちろん澄伽は"能なし犬の高吠え"、お兄さんは差し当たって"負け犬の遠吠え"か。それはさておき、この映画はキャスティングこそ監督の真のメッセージが込められているように思えます。グラドル出身の佐藤江梨子とアイドル出身の永作博美。彼女たちに共通しているのは、"外見"が最優先である職業の出身者ということ。でも映画の女優となればそれだけでは当然いきません。それは演技ができなければ生き残れない厳しい世界。劇中の小森監督と澄伽の関係。これはそのまま、映画に便乗して吉田監督が突きつけた"映画監督"たる権力誇示のようでもあり、同時に、映画の女優という世界の門戸を叩いた彼女たちに対する厳しい激励のようにも感じました。
[DVD(邦画)] 6点(2016-04-05 23:42:33)
224.  海がきこえる<TVM> 《ネタバレ》 
本作は決して宮崎ジブリのような高い完成度ではない。でも作り手の映画に懸ける熱意や郷土愛が映画の雰囲気からよく伝わってきて、私はとても好きな作品です。本作の物語、魔法やファンタジーがあるわけでもない、奇跡も何も起きないただの若い日々、これは宮崎ジブリに慣れていた私にとっては逆に新鮮に映りました。でも若いときは気づかなかったけど、若さと平凡な日々はもうそれだけで奇跡ですよね。私自身、青春時代を海も山もない都心近郊で過ごしたこともあって、はるか遠い街、海がきこえる故郷は昔から憧れでした。この同窓会の場面を観る度に昔を思い出す。親友、好きだった女の子、受験。みんな元気でやっているだろうか。実はこの映画を最初に観た時はピンとこなかった。気になってたまに観返すようになり、いつの間にか自分にとって大切な映画になった。まるで映画の二人のような関係。この映画、すごく好きです。
[DVD(邦画)] 10点(2016-03-15 23:16:42)(良:1票)
225.  女が眠る時 《ネタバレ》 
ウェイン・ワン監督の「SMOKE」が大好きで、公開前からかなり期待をしておりました。しかし、このガッカリ感はなんだろう、まさかのサスペンス映画でございました、、。 映画は、西島秀俊さんが走って、走って、走りまくります。サスペンス映画らしからぬ、身体的な「動き」があって、狙いがよくわからない感じです。 時折、得体の知れないリリーさんが登場しては、楽しい雑学集を語ります。特に「バカ殿様」のエピソードが面白い。何もせんでも女をホイホイ与えられていたから、昔の殿様たちは頭が退化していて、みんなバカ面してよだれをたらしていた。 (だったかな?) それはつまり、お前はそうなるな、って遠回しに言ってるんでしょうけど。男だったら走り回って、自ら女をつかまえろ。そして、ようやく「While The Woman are Sleeping」 女が眠っている時こそ、男は爪を研ぎすませ、てこと。でも、彼のように行き過ぎるあまり、気づいたら盗撮やストーカーじゃあ、シャレにもならんぞ (笑) 総括。 役者はよい。 官能的な雰囲気もよい。 フランソワ・オゾン監督の「スイミング・プール」を意識しまくりです。 そして、、邦題がダサい。 (これ、直訳じゃなくてもよかったんじゃ・・汗)
[映画館(邦画)] 5点(2016-03-05 02:27:41)
226.  俳優 亀岡拓次 《ネタバレ》 
観てきました、亀岡拓次の酒場放浪記 (笑) 作風としてはシュールな人情劇、といったところでしょうか。適度にシュールでコテコテの人情劇でもない。横浜聡子監督のこの演出は新感覚であり、過去の作品も観てみたくなった。 居酒屋ムロタでの麻生久美子とのやり取りが面白い。しかし、とぼけた会話の中にも、お互いが相手を探り、値踏みしている様子が見て取れる。結局、女は最後まで心の奥底は表情には出さなかったし、男は恋に恋する自分を演じていた。"芝居" 以上に芝居らしい居酒屋の場面からわかるように、実はこの映画は「俳優亀岡拓次」と亀岡拓次の境界線はほとんどありません。 きっと人生なんて「自分」という人間を演じ続けるお芝居のようなものなのだ。
[映画館(邦画)] 7点(2016-02-04 17:17:49)(良:1票)
227.  蝉しぐれ
今田耕司とふかわりょうがスクリーンに登場する度、まるでコントのようで緊張感が台無しになる。演技の良し悪しの話ではない。キャスティングにあまり文句を言っても仕方がないが、藤沢周平氏の名作の映画化に、それも端役ではなく大役にタレントやコメディアンとはいくらなんでも稚拙なキャスティング。原作は日本人の心を描いた名作です。だからこそ、この映画は本物の役者たちで臨んでほしかったです。
[DVD(邦画)] 5点(2015-11-23 22:55:24)
228.  孤高のメス
臓器移植とは人一人の臓器を、次の人に繋ぐこと。まさに命と命のリレーです。重たい題材ではありましたが、堤真一演じる当麻を筆頭に登場人物たちのキャラが面白くて、どこかコミカルなタッチの映画に仕上がっています。生瀬氏の悪漢ぶりなどは典型すぎて逆に笑ってしまうほど。 この物語で言う「孤高」とは、当麻の外科医師としての手腕ともう一つ、地位や金に惑わされず決して権力に屈しない、医師としての志の高さを言っていると思います。 でもこれにはちょっと物申したい。我々も大きな病気になれば、健康を取り戻すためには全てを賭けるし、執刀医にはまさに命を託すわけです。野本のような男が執刀医では大変です。(と言うか、彼は執刀医以前に人間としてクズすぎて論外でしょう) 患者の本音として言わせていただくなら、当麻の志の高さは決して孤高ではなく、これが医師たち全ての「標準」であってほしいと切に願うのだ。だから、私は彼の志の高さを孤高とは言いたくない。もちろん、彼の外科医師としての技術はまぎれもなく孤高でした、それは認めます。 そして、、その天然ボケもまぎれもなく孤高でした、それも認めます。
[DVD(邦画)] 6点(2015-10-21 00:45:05)(良:1票)
229.  岸辺の旅 《ネタバレ》 
美しい切り紙の花園をゆっくりと浮かび上がらす光。村の集会所で一つずつ灯る天井の照明。ピアノの場面における人物の立ち位置と構図。等々、映画というよりは舞台劇宛らの演出の数々がとても印象的であり、同時にこの映画そのものが、この世に未練を持ったまま死んだ霊たち、成仏できずに"境界線"を彷徨う霊たちに、どうか安らかにあの世に旅立てるようにと、まるで彼らの為にお膳立てされた大がかりな舞台装置のようにも感じました。その彼らの未練とは決して怨恨に起因するものではなく、育んだ"愛"が本物(真実)であったのか、それを生前に確信することができなかったこと。彼らは死してなお、愛を確かめるために彷徨い続ける。そして瑞希と優介がとうとう触れ合い交わうことによって、彼が本当にもう一つの世界に旅立った光景から、やはりこの映画は本質的にはただ愛を描いただけの物語である、と言いたい。個人的には理解するよりも感覚で感じるべき映画と思っていて、私はあの世から見た光景と現実の曖昧さにふわふわとした浮遊感を感じ、鑑賞後に残る憂いの余韻はなぜかとても心地よかったです。
[映画館(邦画)] 8点(2015-10-07 00:36:01)(良:1票)
230.  ピース オブ ケイク 《ネタバレ》 
"ピースオブケイク"の題名通り、恋のつまみ食いが好きな女のお話。彼女は恋愛にはだらしなく、いつも自分の考えを相手に一方通行。はっきり言って苦手なタイプの女でしたが、いつも内に隠さず思ったこと言いたい放題の彼女が内心羨ましかった(笑)。未婚率の上昇が示すように、今って人が恋愛に奥手な時代だと思う。愛するより愛されることに執着する人が増えたようにも感じます。思えば彼女の行動力には見習うべきことも多いですね。これは田口トモロヲ監督の恋愛普及映画。お前たちもっと本音で目の前の女(男)とぶつかり合えよ!といった監督のメッセージも感じるし、観た人の多くに"愛したいパワー"を与える映画だと思いました。愛するきっかけは、、そうですね、風が吹いたからとか、歌が聴こえたからとか、そんな理由でどうでしょう?
[映画館(邦画)] 7点(2015-09-23 23:32:12)
231.  あん 《ネタバレ》 
木々を揺らす風、踏切の音、鳥の囀り、耳元で囁く声。そして、"あん" が煮立つ音。その音はどれも心地よく、目をとじていても、すぅっと心の中に入ってきます。これはとても "音" にこだわった映画だと感じました。まるで目の不自由な方でもその情景が浮かぶほどに。樹木希林さん演じる徳江を店から追い払ったどら春のオーナーは、はっきり言ってこの映画の悪役です。確かに、誰にでも自分の人生と守るべき生活はある。なのになぜこれほど嫌悪感を感じるのか? それは彼女に "罪の意識" がないからです。どら息子 (甥っ子だったか?) を店にひっぱり込んで千太郎の真心を踏みにじるあたり、彼女に罪の意識というものは微塵も存在しません。千太郎には "罪の意識" がありました。何かに苦しむ人を救えなかったり、保身の為に見て見ぬふりをしたことに、罪の意識や自責の念が強い人ほど彼の涙に共感して泣けるでしょう。僕らが差別や偏見をもってきた人たちは、おいしいものや人の笑顔を好む、豊かな感性をもった普通の人々でした。救えなかったことが悲劇ではなく、それを忘却の彼方へと葬り去ることが本当の悲劇。我々は伝えていくことでしか償うことができないのだ。
[映画館(邦画)] 8点(2015-06-09 23:38:30)(良:2票)
232.  WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~ 《ネタバレ》 
同監督の「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」を、素材に対する愛情やリスペクトがまるで感じられないとかつては酷評したが、この変貌ぶりは何だろう。 実際、「林業」ってこういうものでは? というのが素人目にも伝わるし、そこに携わる人たちやその土地古来からの習慣に対する尊敬の念を強く感じる映画でした。 また、一言で言うなら、本作はとても「セクシー」な映画。第一次産業で働く日本の男たちの姿、、それはとても力強く、そして色気がありました。 「がんばっていきまっしょい」や「少年時代」など、邦画の名作の数々のオマージュもよかった。(たぶん、探せばまだありそう) 出演者たちも総じてよかったですが、意外と脇役が光っていて、特に伊藤英明さんは海猿よりはよっぽどはまり役だし、(まさに山猿!!笑) 光石さんはキャリアの中でもベストと言えるほどカッコイイ役だったと思う。そして、自衛隊クンと "愛羅武勇" のタオルをくれたお兄チャン、なぜだか、私はこの二人がとても忘れ難い。杣人祭では、しっかりとこの二人がピックアップされているという、実に抜け目のない脚本に拍手。(GOOD JOB!笑)
[DVD(邦画)] 8点(2015-06-08 22:35:05)
233.  ALWAYS 三丁目の夕日 《ネタバレ》 
吉岡秀隆、堤真一は明らかに過剰演技で、映画というよりは舞台の演技に近い。音楽はそれに拍車をかけるように過剰で、毎回さぁここで泣けと言わんばかりだ。小雪の指輪や堀北真希の里心にはそれなりに感動するが、真摯な愛や故郷を想う愛は昭和時代に限らずいつの時代も永久不変です。この精神が昭和のあの時代にだけは存在した、などとは絶対に思わないでほしい。建設中の東京タワーのたもとで力強く生きる人々の物語に、なぜ建設に従事する人間が誰ひとりとして登場しないのでしょう?メインキャストとは言わなくとも、飲み屋の片隅で建設作業員が苦労を語っていたり、建材を運んで走る車などを映せばさらに面白そうなのだが。。天の邪鬼なコメントばかりでしたが、VFXといった特殊効果をアクションではなく、古き良き日本の風景の再現に執着した着眼点は素晴らしいと思います。大作ありきではない特殊効果のこの使い方は邦画の可能性を一つ広げたように感じました。
[映画館(邦画)] 5点(2015-05-19 01:55:44)
234.  大阪ハムレット 《ネタバレ》 
人それぞれの、外見と内面の不一致、それを面白おかしく、切なく、時には人情的に描いた、大阪ハムレット。 テーマはズバリ、「人は見かけによらぬもの」と書いて、その心は、人と違って何が悪い!? (逆ギレぎみに) 三男の彼は性同一性障害で、これは最もわかりやすい。しかし、本作はLGBTの問題を議論する映画ではないので、あくまでテーマの一貫として。 二男くん。見た目はDQNだけど、愛読書はちょっと知的にシェイクスピアの「ハムレット」。 長男くん。パッとしないし、人一倍おとなしそうだけど、やる時はやるゼ、恋には情熱的なラテン系男子、でした。 次、大人たち。おじさん (岸部一徳) は何考えているのかわからんし、不気味。だけど、絶対にいい人だ。(と思う) 反対に要注意人物はお母さん (松坂慶子) かも。美人で人当たりよさそうだけど、突然妊娠したりして、男関係は絶対にハデだと思う (笑) あなたは、外見の印象だけで人を判断していませんか? 目の前にいる人のこと、本当に理解していますか? そういう映画なんだと思えます。 ん、肝心のハムレットのコメントがないな。ごめん、読んだことないからさ~。
[映画館(邦画)] 6点(2015-05-12 23:12:06)
235.  洋菓子店コアンドル 《ネタバレ》 
スイーツ好きにはたまらない映画。出来上がった完成品はもちろんだが、洋菓子を作成する過程、特に手首より先を意識したショットの数々はよかったと思います。完成品ばかり映すなら、お店の陳列で本物を眺めた方がいいからね。 キャストでは、蒼井優はキャラがわかりやすくてよかったのですが、江口洋介演じる十村の人物描写が浅かったのが残念。現場を捨てた理由は痛いほど伝わりました。しかし、現場復帰の決断に至る心境はよく伝わってこなかった。彼の部屋で、表彰楯などパティシエの賞や、輝かしい過去の写真などがさりげなく飾ってあるショットを入れたらよかったと思います。現場への未練が言葉なくともよく伝わるし、なつめはきっかけを待っていた彼の背中をポンと押しただけ、で違和感なく繋がりそう。それにね、やはり本音として彼の手腕をもっと観たかった。だって、せっかくの「伝説のパティシエ」の技、もっと映さなきゃダメでしょ。
[ブルーレイ(邦画)] 5点(2015-05-02 22:54:00)(良:1票)
236.  みんなのいえ 《ネタバレ》 
家を建てる。ただこれだけのことを仰々しく映画にする着想と、この題材を娯楽映画に仕上げた脚本はお見事。個人的には、伊丹十三監督の"お葬式"あたりがヒントになったのかな、と感じました。冠婚葬祭にまつわる云々など、知っているようで実はよく知らない日本のしきたりを、ほどよいさじ加減で茶化して人情喜劇にするのは日本映画のお家芸。このへんは米映画にはない味わいがあります。登場人物では、横文字連呼で何を言ってるのかさっぱりわからない唐沢寿明のデザイナーが秀逸。彼に代表されるように人物の風刺を楽しむべき映画ですが、実は一番喜劇的な役回りはある意味で田中直樹と八木亜希子夫婦なのかも。お客様であるべき二人が一番物腰が低くて周りには振り回されてばかり。これは人が好すぎて損をする我が日本人の愛すべき気質を、非常にユーモラスに描いていると思います。良くも悪くも日本らしい映画、正月に家族揃って気軽に鑑賞するのがおすすめです。
[DVD(邦画)] 6点(2015-04-30 21:31:52)(良:1票)
237.  くちびるに歌を 《ネタバレ》 
まず、舞台である五島列島の美しさに、否応なしに惹き込まれました。海に港に坂道に教会・・。どこもかしこも、実に映画映えするロケーションばかりでございました。 そして、女王様のようにお高くとまってるガッキーには、むしろいつもよりドキドキしたし (笑) 、道徳の教科書のように正しく、カルピスのCMにでも出てきそうな爽やかな生徒たちも、皆よかった。 もちろん、本作のテーマでもある、彼らの歌も素晴らしかった。序盤の「マイバラード」からして、すでに心をつかまれたというか、、それがまた最後に待ち構えていて、その大合唱の圧巻に私も心燃えました、、。 柏木先生の言葉、「ここにソプラノがいるね。アルトもいて。例のやつ、するしかないね」←これ、なんか好きでした。 「冷蔵庫にジャガイモがいるね。たまねぎもいて。にんじんもいて。カレーライス、するしかないね」←私はいつもこう (笑) ラストは見ての通り、「船出」ですね。それは生徒一人一人、そして柏木ユリにとっての、新たな人生の旅立ちも意味します。 もちろん、新たな旅立ちを戸惑うあなたの背中を力強く押してくれる映画でもある。 3月~4月あたりの、別れと出会いの季節にまた観たくなる映画です。
[映画館(邦画)] 9点(2015-03-14 19:08:28)(良:1票)
238.  TRICK トリック 劇場版 ラストステージ 《ネタバレ》 
特別なファンだという強い意識も持たずに軽い気持ちでこのシリーズを観てきたが、本作のラストで懐かしい名曲"月光"を聴き、過去の名場面の数々に二人の歴史を思い出し、最後に二人が再会する場面でとうとう涙腺が・・。自分自身、いつの間にか二人のキャラクターに愛着が湧いていたことを最後の最後で気が付きました。「まだ続編を企画していることなど、全部まるっとお見通しだ!」と高らかに叫びたいところですが、残念ながらこのラストは真剣に終幕でしょう。だって二人がくっつきそうでくっつかないこの距離感こそが、このシリーズの醍醐味だったのですから。"天才巨乳美人マジシャン"の山田。"どんと来い、超常現象"の上田。二人のキャラが大好きでした。仲間由紀恵 さん、阿部寛さん、長い間本当にお疲れ様でした。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2015-02-14 23:44:17)
239.  夜のピクニック 《ネタバレ》 
"歩行祭"をまるまる物語にするという着眼点が斬新で面白いと思いました。そして主人公二人、貴子と融が異母兄妹であるという事実、これこそが本作の肝であり、ただの同級生同士が一晩イチャイチャ歩きながら惚れた腫れたという話であったら、全く深みがなく物語として成立しないでしょう。恩田陸さんの原作を先に読みましたが、当然ロケーションに劇的な変化はない上に、一晩歩くだけの話を退屈させないために人物の感情が多く描かれています。映画はまさか2時間延々と歩く場面だけを映すわけにもいきません。歩くだけでは感情の機微を描写するのも難しい。従って必要以上に回想場面を入れたり、梨香の妄想をインサートしたりと、あれこれと間を持たせる手段に苦慮していたように思います。印象として、やはりこの題材は元々小説向きで、あまり映画向きではないように思えました。残念ながら、私の母校では歩行祭のような学校行事はありませんでした。あったのは修学旅行、文化祭、体育祭といった"ど定番"の3点セットだけです。生徒が学校行事に期待するもの。それは、思い出作りだと思います。もう一つ、非日常である解放感、高揚感が普段はできない思い切った行動を後押ししてくれる"シチュエーション"だと思います。歩行祭は、これに"達成感"も加わると思います。それも、ただ歩き通した達成感だけではなく、みんなが一晩歩きながら達成したそれぞれの熱い思いです。ゴールのシーンは清々しく、その熱い思いが充分に伝わりました。この映画が唯一原作を超えた瞬間だと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2015-01-31 20:03:56)(良:1票)
240.  あ、春
人情味あふれる喜劇、といったところでしょうか。悪人らしい悪人は一人も登場しません。平凡な人たちがただ平凡に生きようとしているだけなのに、なぜか誰かと衝突して泣いたり怒ったり。人の人生そのものが滑稽であることを痛切に描いた風刺の映画でもあると思います。人生は思い通りにいかない厳しいもの。でも疲れた時にこそ、一度立ち止まって周りをゆっくりと見渡す余裕を持ちたいところです。日本の風景、巡り巡る季節、新しい命の産声・・。たまには日々の喧騒を離れて、ほっとするもの見つけてみませんか。もっと心にゆとりを持って、のんびり行きましょう(生きましょう)、と相米監督は伝えたかったのではないでしょうか。
[DVD(邦画)] 7点(2015-01-23 18:03:12)
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