261. サマーウォーズ
《ネタバレ》 トトロの様な普通の一家団欒(この映画の場合は二十人近くになるが)を描くというのは、単純かつ難しい事だと思うが、見事に表現出来ていたと思う。私の家系も正月など年の節目には二十人近くが祖母の家に集まるから分かるのですが、正に映画のあの感じです。映画はただ家族がご飯を食べる、話をする、何かで遊ぶなどのシーンを描かない作品が多いだけに、本作の様な"普通の家族の生活"を自然に描けている所には関心しました。 問題はOZの中に舞台が変わってからです。イマイチ他のアバターを取り込んでパワーアップするという事がネット上でどういう状態である事かよく分かりませんし、敵のコンピュータ(名前がラブ・マシーンって……)の性能が、「ただ情報をより多く自分で収集する」といった物からいつの間にか「ゲーム好き」に変わっていたり、コンピュータ相手に花札で勝負したり(しかも勝つ)、もう滅茶苦茶です。 前半が上手くいってた割に後半でガックリしてしまったのが惜しいと思います。序盤のペースを最後まで持続して欲しかった。 [映画館(邦画)] 6点(2009-08-09 12:23:09)(良:3票) |
262. 劔岳 点の記
《ネタバレ》 名カメラマンである木村大作の作品と云う事で、とても映像は綺麗です。素晴らしい山々のショットが次々に映される様は圧巻の一言。これだけでも観る価値はあると思います。 でもこの人監督業は今回が初めでだったらしいですが、正直いってあまり上手くないと感じました。展開が兎に角ありきたりで、観ていて辛い。宮崎あおいがお守りをそっと忍ばせるシーンなんか、チープ過ぎて笑ってしまった。それ以外にも所謂"テレビドラマ的"な演出が多かったりして、この人は、やっぱり撮影だけしてる方がいいと思いました。多分現場でも監督本人が大御所だから演出等に口出しできる人がいないんかなぁと、つい邪推していまいます。 あと至る所で四季の曲やそれのアレンジ曲が使用されていましたが、イマイチ風景と合っていなかったと思います。特に"冬"なんかは使い所が違うと思うんですけどねぇ。 [映画館(邦画)] 6点(2009-08-07 23:18:57)(良:1票) |
263. アマルフィ 女神の報酬
《ネタバレ》 酷い出来でした……。何が酷いって編集と天海祐希が酷すぎます。天海祐希の演技は本当に大根で、子どもを誘拐されている筈なのに焦燥している感じが表現出来ていない。よって緊迫感なんて物が生まれるわけありません、登場人物が焦っていないわけですから。これはこの手のサスペンス映画では致命的なのでは? 編集に関してはもう絶句です。観た人には絶対わかるのですが、本当に酷い。それかこういう演出でやっているのか?素人の私には分かりませんが……。オープニングとラストのぶった切り方は流石に素人から見ても酷いもんです。劇中もイタリアの風景を切って貼ったような編集の仕方で旅番組かと思ってしまいました。 あと物語の主となる人物の黒田の描き方が悪いですよね。どんな人物なのかよく分からない。冷酷な気もすれば、情に厚い所もあってハッキリしない。なんとなくエリートでイケメンってことしか分かりませんよ、これじゃ。 しかも話は完全に二時間ドラマの質です。まとめとしては「映画で二時間ドラマをするなインターナショナル篇」これに決定! [映画館(邦画)] 3点(2009-07-29 10:32:20)(良:2票) |
264. ROOKIES-卒業-
《ネタバレ》 今年の大ヒット作品という事で鑑賞しました。期待などは全くしていませんでしたが、それでもこれは酷い……。 個人的に映画が始まって三十分は良かった部分もあったと思うのです。例えば桐谷健太は画面に出るだけで面白い演技を見せてくれますし、佐藤隆太の熱血教師っ振りも板に付いていたと感じました。それにニコ学の野球部員にとって甲子園出場を一つの「夢」として明示しておいて、じゃあその夢が達成されたとき「夢の先」は存在するのか?という事を何度も作品のテーマとして問いかけるのは良かったと思います。 作品が崩壊するのはその後です。この映画で主要な部分は地区予選の決勝戦なのですが、まず相手チームの描き方が余りにもずさん過ぎます。普通のスポーツ物は相手チームにも試合に負けられない理由や意地みたいなものが示されて、その試合展開に観客が白熱出来るという流れがお約束ですが、本作では相手チームのアイデンティティはエースのピッチャーのみ、監督が三カットくらい映りますが他のナインはロクに映されません。そのエースのキャラ付けも「ちょこっとムカつく奴」程度で非常に淡泊。これで試合に白熱出来るわけがありません。あと試合中にしょっちゅうタイムを取っては監督やチームの一人がナインに喝を入れて「じゃららら~」というメインテーマが流れる展開が繰り返されるのには辟易しました。アホかと。その間相手チームは完全に無視されて、画面にも映らない。これではまるでゲームでコンピュータ相手に戦っているようなものです。感動できるわけがない。最後は何とか逆転して試合に勝って終わりですが、その際も相手チームは全く映りません。ここで相手のエースが悔しがっているカットを入れるだけでもドラマとして成立すると思うのですが……。総括すると只のカッコいい俳優たちの感動ごっこを鑑賞する映画といった感じでした。 最後に許せなかった点を一つだけ。「夢の先に何があるのか?」と云う事が本作品のテーマだと前述しましたが、終盤に市原隼人がこう言いやがります。『やっぱり夢の先には何もねーよ!』と。それテーマに対する答えじゃねえから! [映画館(邦画)] 1点(2009-07-05 22:12:40)(良:1票) |
265. 夜のピクニック
《ネタバレ》 前半は観ていて単調だし只の青春ロード・ムービーかと思っていると、後半でかなり面白くなってきます。特に夜になってからの高見のキャラは中々良くて要所要所で笑ってしまいました。当たり前のことをサラッと云ってくれる映画です。ベタさの加減も丁度いい感じで好感が持てます。 しかしアニメの部分や杏奈の弟の部分は特に必要無いように思ってしまうなぁ。 [地上波(邦画)] 6点(2009-05-24 09:58:39) |
266. 少林少女
全てが酷すぎる。映画の進行に頭がついていけません。ここまで酷い脚本の映画は久々に観たような気がします。こんな脚本に巨額をつぎ込むフジテレビは絶対どうかしてます。 あと酷かったのが、アクションシーンの表現です。「マンガ的表現はマンガの中で行うから優れているのであって、実写では必ずともそうではない」という事です。一昔前に日本のマンガ的な演出を取り込んだハリウッド映画(例:マトリックス)が大ヒットしました。それは全然かまいません。でも実写でオーラが体から染み出たり、水中から回転しながら飛び出したり、なんかよく分からんけど登場人物が空を飛んだりすると、誰がどう見ても不自然でしょ!こんな演出を本気で考えた十川誠志は猛省しろ! [地上波(邦画)] 1点(2009-04-30 09:35:45) |
267. ドラえもん のび太の大魔境
《ネタバレ》 ドラえもん映画の中でもギャグシーンが多い一作だったと思います。畳みかけるようなギャグの連続は見ていて普通に面白かったです。でもそれに時間を割き過ぎたせいか、イヌの王国に行ってからの展開が少し淡泊すぎた気もしました。 あと最後のロマンス展開は蛇足かなぁ。相変わらず主題歌はいいです。 [ビデオ(邦画)] 6点(2009-03-02 22:51:54) |
268. 魁!!クロマティ高校 THE MOVIE
おそらく原作を少しでも読んでないと意味が分からない映画なのでは?というくらいの暴走っぷり。1つ1つのショートストーリーのテンポが良かった点と最後までバカを貫き通した点はよかったと思います。 しかしなんでしょう……、やっぱりギャグ漫画を実写映画化するのは難しいようですね。「ピューと吹く、ジャガー」と同じ様な匂いを感じました。 [地上波(邦画)] 3点(2009-03-01 10:04:03) |
269. オリヲン座からの招待状
すごく良い話でした。良い話なんですが、それだけなのが惜しい。もう少し観客に訴えかける何かがあればもっと良かったかな?ノスタルジーにはどっぷり浸ることができましたが。 [地上波(邦画)] 7点(2009-03-01 09:59:01) |
270. 銀色のシーズン
《ネタバレ》 余りの脚本の酷さに終始笑いっぱなしでした。中学生が書いたのかという位酷い、ホントに。とにかく主人公三人(といっても二人の存在感が皆無なので実質一人か)が人間的にダメすぎです。空からビラをばら撒く、当り屋として金を騙し取る、山に高射砲を撃ち込む、村興しのイベントを雪崩で破壊する、等々の犯罪者三人組をこの脚本では何を思ったのか「馬鹿だけど憎めない根はイイ奴等」として描いてるもんだからチャンチャラ可笑しいです。 そういうわけで脚本の酷さは折り紙つきですが、雪で覆われた綺麗な山々の風景や、スキーの滑降シーンは素直に楽しめました。逆に言えばこの映画を観るくらいなら、テレビでやっているスキー番組を見ればそれで事足りるという事です。それ位どうしようもなく残念な映画でした。 [地上波(邦画)] 2点(2009-02-16 01:28:44) |
271. 椿三十郎(2007)
三船敏郎版は未見です。織田裕二が結構頑張って役になりきっていたと思いましたが、それでも本来の椿三十郎の持つ飄々とした物腰がイマイチ表現できて無かった気がします。それと あとラストの殺陣が微妙だなと感じました。もう少しカッコよく立ち振る舞って欲しかった。 [映画館(邦画)] 6点(2009-02-14 09:35:45) |
272. 誰も守ってくれない
《ネタバレ》 テーマとしては良いと思うんですよ。これまで加害者側の家族を描いた作品って余り無かったと思いますし。でも嘘はやめて欲しい。私の読んでいる新聞は一般的な全国紙ですが、加害者家族の保護を非難した記事なんて読んだことはありません。将来の問題を示唆するような映画でもありませんし……。しかも最近ネットでの個人情報問題も盛んに取りざたされていますが、あそこまで酷い事例は無いのでは?加害者の家族の本名は私生活に言及したような例は私は聞いたことがありません。 重いテーマなだけに軽々しく作られている気がして残念でした。 ただラスト近くの海辺で刑事が少女に優しく人を守る事について諭す場面は非常によかったのでおまけで5点とさせていただきました。 [映画館(邦画)] 5点(2009-02-04 20:31:46) |
273. K-20 怪人二十面相・伝
《ネタバレ》 ヒーローものとして観るならば結構面白い出来の映画でした。建物を飛び回りながらの格闘シーンは見応えあります。 ただ乱歩好きの人には確実にお勧め出来ない内容でした。完全に同人作品といっていい様な内容です。まあ第二次世界大戦を回避した、所謂パラレルワールドのお話と割り切ってもいいのですが、ある程度はオリジナルの設定を尊重して欲しかったです。どうしても許せなかった点だけ書いていきます。 1、怪人二十面相は世の中を騒がす、つまり愉快犯なのでオリジナル版ではあんな銃を撃ちまくったり、格闘したり、世界の発電所の破壊を目論んだりは絶対しない。美術品を盗む事と明智の鼻を明かす事しか興味が無いですし。因みに二十面相は血が苦手です。 2、明智が無能すぎ。全ての謎を平吉に解決してもらってる。D坂や心理試験の時の頭のキレはどこ行った! 3、オチは乱歩への侮辱であると思う。このK-20の原作者は怪人二十面相を読んだ事があるんでしょうか? [映画館(邦画)] 4点(2009-02-04 18:35:42) |
274. 下妻物語
《ネタバレ》 深田恭子と土屋アンナの体当たり的な演技が素晴らしかったです。観るまでは普段の映画を観ていると二人とも演技力はあまりある方の役者では無いと思っていたので不安でしたが、映画開始数分で不安は見事に吹き飛びました。二人とも役柄に助けられている(というか似合い過ぎ)感はありますが、見事な演技を最後まで見せてくれました。しかも最後にはキッチリ女の友情も描き、なおかつ笑わせるところは思い切り笑わせてくれる。ここ数年のコメディ?映画では突出している出来だと感じました。 本当に深田恭子はゴスが似合います。 [地上波(邦画)] 8点(2009-01-15 21:49:17) |
275. 犯人に告ぐ
劇場型犯罪のストーリーだけに話を絞ったのは良かったと思います。でも他に褒める部分が見つからない……、同じく貶す部分も見つからないので悪くは無い映画だったと云う事でしょうか。 [地上波(邦画)] 5点(2008-12-31 15:03:12) |
276. 闇の子供たち
「今」の世界をしっかりと撮った事は評価出来ると思います。未来あるべき子どもも、そこでは未来無き子どもだったのです。内容は私が世間知らずなのもあるでしょうが、かなりショッキングな物でした。 宮崎あおいの演技が一番しっくりきていたと思います。だって理想論を振りまいている彼女を見た時には本気で腹が立ちましたから(笑)。 [映画館(邦画)] 7点(2008-12-19 20:45:35) |
277. 252 生存者あり
《ネタバレ》 前半まではそれなりに見れるレベルのディザスター映画だったのですが、後半はヒド過ぎる出来だったと思います。といっても前半も津波のCGがゴールデンタイムの再現VTRレベルだったり、展開を偶然で片付け過ぎだとか色々云いたい事はあるのですが……。 その微妙な出来の前半と比べても後半のダメさは特筆すべきものがありました。前例が無いほど大きい台風がすぐそこまで近づいて来ているのに外でお喋りするハイパーレスキューの隊長とその弟の妻(しかも風が強すぎて出動出来ないレベルなのに!)だとか、タイムリミットが近づいているのが明確なのにも拘らず延々と過去を振り返る隊長とその弟だとか、負傷者の安否をその娘に話そうとするシーンでミリ○ネアのみの○んたの如く溜めて溜めて溜めまくる隊長、etc...書いているとキリがない!一つ確かな事は、こんな隊長には普通だれも付いて行かねえと思います。 次いでに云いますと大したメッセージ性もありませんでした。どーなんでしょう、この映画。 [映画館(邦画)] 3点(2008-12-19 20:40:01) |
278. レッドクリフ Part I
数年前に大量生産されたB級戦記モノよりは十分良くできていたと思います。監督がジョン・ウーという事で少し期待して観ましたが、ジョン・ウーらしさが余り出ていなかったので残念でした。お得意のスローモーションや二丁拳(剣)銃は多用しているのですが、どうも普段のジョン・ウー作品とは離れている感じ。かといって別に製作のスタイルを変えたわけでも無いようですし、例を出すならば違う監督が少しジョン・ウーの影響を受けて作った映画の様でした。つまりどのシーン変に中途半端。超大作なのは分かるけど、もっといつものスタイルで突っ走ってほしかったです。 それにしても三国志って面白そうですね。この期に読んでみたくなりました。 [映画館(字幕)] 6点(2008-11-07 02:04:22) |
279. ハンサム★スーツ
《ネタバレ》 絶対に地雷だろうなぁ……っとあまり期待せずに観たところ、結構上手く仕上がっていたのでビックリ!割と色々な人間関係をわんさか詰め込んでいるのに間延びしか感じが殆どしなかったのは脚本の出来の良さと云えると思います。テンポよく話が進んで行ってくれるので安心して観れます。しかし終盤のガールズ・コレクションのシーンは要らなかった感が否めません。さっと來香に真実を打ち明けて走り出した方が良かったと思います。 それにしても至る所で青山の宣伝し過ぎなのは、呆れを通り越して笑ってしまいました。最早青山の為の映画といっても過言ではない? [映画館(邦画)] 7点(2008-11-02 22:53:12) |
280. 容疑者Xの献身
《ネタバレ》 ドラマの映画化作品としては上手く出来ていたと思いました。しかもジャンルは映画化しにくい本格ミステリと呼べるモノですし。原作を既読の方なら誰しもが共感してくれると思うのですが、この作品のキャストが発表されてから石神役に抜擢された堤真一の事が非常に気になっていました。だって石神は余り容姿は優れていない設定ですから。でも堤真一が石神の性格面や表情面で熱演していたので観ているうちに「こういうのもアリかな」と感じました。 しかし工藤役のダンカンだけは完全にミスキャストでしょう。どう考えても工藤が石神より容姿が整っていた方が物語に説得力が生まれる筈です。まあ大人の都合というヤツがあったのかもしれませんが……。 [映画館(邦画)] 7点(2008-11-01 10:49:13) |