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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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301.  ドラえもん のび太の魔界大冒険 《ネタバレ》 
単純明快なストーリーで面白かった。最初のシーンでドラえもんとのび太が石になった自分たちを見つけるのを描いておいて見てる側に謎を残しておいて、後から「そういうことだったんだ。」と納得させる脚本は実によく出来ていると思う。石像にされたドラえもんとのび太がドラミによって元の姿に戻され、ドラミのもしもボックスで元の世界に戻そうとするシーンで突然エンドマークが出てしまうのはちょっと笑える。それにしてもこの頃のドラえもんは本当にどれも傑作だと思う。
[ビデオ(邦画)] 8点(2005-05-05 16:02:10)(良:1票)
302.  続・男はつらいよ 《ネタバレ》 
前作の予想外の大ヒットを受けて、急遽作られた2作目。前作からあまり時間を置かずに作られたため、シナリオを一から書く時間がなく、シナリオはテレビドラマ時代のものを一部手直ししたものらしい。寅さんの恩師を演じる東野英治郎が最高に良い。寅さんの実母役のミヤコ蝶々も存在感抜群だ。瞼の母との対面にショックを受けた寅さんを気遣って「おかあさん」という言葉を喋らないようにするとらやの面々だが、次々と「おかあさん」や「母親」、「おふくろ」といった言葉を連呼してしまうシーンが笑える。寅さんの恋敵役で登場する山崎努が若い。
[地上波(邦画)] 8点(2005-05-02 16:51:02)
303.  男はつらいよ 寅次郎夢枕
ラストのとらやの面々と八千草薫の談笑シーンが少し悲しい。
[地上波(邦画)] 8点(2005-04-30 01:05:50)
304.  男はつらいよ 知床慕情
三船敏郎演じる無骨な獣医と寅さんの対比が面白い。ただ、三船と淡路恵子のロマンスに重点が置かれていて、寅さんの恋が霞んでしまってるように思えるのが少々残念だ。 しかし、主演ではない三船を初めて見たのがこの作品だっただけにとても印象に残り、また、黒澤明監督の「野良犬」で共演していた淡路恵子が共演しているというのも黒澤映画ファンにとっては嬉しかったりもするし、「野良犬」ではまだ女の子だった彼女が、堂々と三船の相手役を演じていてなにか感慨深いものがある。ちなみに淡路恵子はこの作品が一時引退して復帰した後の最初の映画とのことで、両方の作品で三船と共演しているのも偶然ではなくもうこれは山田洋次監督が「野良犬」を意識した上でのキャスティングとしか思えない。冒頭が夢ではなく、1作目を意識したかのような寅さんの語りと桜の映像で始まるオープニングも意表をついた感じで印象に残った。竹下景子がマドンナを演じる回では「口笛を吹く寅次郎」のほうが好きだが、この「知床慕情」もやはり後期シリーズの名作であり、三船の助演としての、そして晩年の代表作であることは間違いないと思う。最初は7点にしていたが、8点に変更だ。
[地上波(邦画)] 8点(2005-04-29 13:12:55)(良:2票)
305.  時代屋の女房
夏目雅子につきる映画。
[地上波(邦画)] 8点(2005-04-25 18:22:21)(良:1票)
306.  蜘蛛巣城 《ネタバレ》 
山田五十鈴と浪花千栄子が怖かった。映画の保存状態が悪く、登場人物たちが時々何を言ってるのか分からなくなるのが困ったけど、やはりラストの大量の矢が武時(三船敏郎)に襲いかかるシーンは迫力ありすぎ。森が動くシーンも「そうだったのか。」と驚かされた。
[ビデオ(邦画)] 8点(2005-04-21 15:24:36)
307.  ドラえもん のび太の宇宙小戦争 《ネタバレ》 
リメイク版も公開というタイミングでめちゃくちゃ久しぶりに見た。特撮映画を撮影中のジャイアン、スネ夫、出木杉の三人の前に現れたピシアの戦艦がジャイアンの投石一つで簡単に故障するというのは序盤から敵の小ささをうまく表現していて、その上で後になってスモールライトを奪われるという展開がよく出来ているし、ビッグライトを使おうよ(子供の頃見る度いつも思ってた。)と突っ込みつつもけっこうハラハラしながら見れたし、今見てもやはり純粋に面白かった。ドラコルルたちに誘拐されたしずかを助けるためにパピが一人交渉に出向くくだり、自分の身代わりにパピが捕まったことを知ったしずかが引き返し、それまで「パピさん」っと呼んでいたしずかがピシアの宇宙船が空へ飛び立った瞬間に「パピー!」と絶叫するのが、しずかの必死さや無念さといったものがこちらに伝わってきて、ここのシーンは思わずしずかに感情移入してしまい、とても印象に残るし、子供の頃はこのシーン実はそんなに印象になかったので、やっぱり見方が変わったんだなと感じた。スネ夫のラジコン戦車の活躍が見どころの映画であるが、メンバーが二手に分かれたあと、怖気づいていたスネ夫が一人で戦いに出たしずかを勇気を振り絞って助けに来る展開は見ていて熱くなってしまい、今回はドラマとしてはこのスネ夫の勇気が見どころになっていて、やはり今回の主役はスネ夫を置いてほかにはないと改めて感じる。クライマックスの逆転劇は今見ると多少無理やり感があるものの、まあいいか。悪役のドラコルルはかなりの策略家だったんだなというのも今回見た新しい発見。オープニング主題歌のバックでは様々なSF映画のパロディが出ていて、その中でもジャイアンが「キングコング」のクライマックスシーンをやっていて、本作のクライマックスでもドラえもんが同じパロディをやっているのが楽しい。(C3POとR2D2が出ているカットはさすがに著作権が気になってしまったが。)そしてエンディング主題歌の「少年期」はやはり歴代の主題歌の中でも屈指の名曲だと今も信じて疑わない。(2022年3月7日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-04-20 13:42:37)《更新》
308.  雪之丞変化(1963)
長谷川一夫の映画300本記念作として、彼がまだ林長二郎と名乗っていた戦前にあたり役としていた「雪之丞変化」を市川崑がリメイクした作品。主演はもちろん長谷川一夫で、記念作らしく雷蔵や勝新まで出演するオールスター作品になっていてかなり豪華である。オリジナルは未見だが、約30年ぶりに同じ役で主演している長谷川一夫はそりゃあ戦前は水も滴る色男だったのかも知れないが、既にこの頃になると中年になっていてただの汗臭いおっさんにしか見えないのがちょっと辛いところ。でも市川作品として見るといつものように実験精神溢れる傑作になっていて、面白い映画だった。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2005-04-19 15:09:02)
309.  ウォーターボーイズ 《ネタバレ》 
矢口史靖監督の出世作となった大ヒット作。久しぶりに見たが、やはりスポコン映画としての面白さよりも肩の力を抜いて気楽に見るコメディー映画としての側面が勝っていて、その辺が評価の分かれるところかもしれないが、笑える映画が見たいという気分だったこともあり、素直に楽しめた。メインの五人が揃いも揃ってバカなのだが、同時にどこか憎めないのが良く、見ていて微笑ましくなってくるし、矢口監督もオーディオコメンタリーでスポコンらしいところをあえて入れなかったと語っていたが、確かにこのノリでスポコンらしい熱さを加えてしまうと失敗していたようになんとなく感じるので、これで良かったと思う。昔、見返す度に玉木宏のアフロが燃えるシーンで大笑いしていたのだっが、久しぶりに見ても同じところでいちばん笑ってしまった。バックにかかる「伊勢佐木町ブルース」も妙に合っているのがまた笑える。バカっぽい映画かもしれないが、クライマックスの競技のシーンはやっぱりちょっと感動。その競技が終わると同時にエンドロールが流れ始めるのが「スウィングガールズ」でもそうだけど、エピローグなどを一切描かずにスパッと終わるのが潔くて好きだ。(2022年12月11日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-04-18 19:18:29)
310.  タンポポ 《ネタバレ》 
伊丹十三監督の第2作。久しぶりに見たが、やっぱり面白いし、さびれたラーメン屋を立て直すメインストーリーに人々の食に関する群像劇を絡めて構成されているが、それがいかにも伊丹監督らしい着眼点で描かれていて、伊丹監督の食に対するこだわりのようなものも感じられる。「ラーメン・ウエスタン」とも称される映画だが、冒頭のゴロー(山崎努)とガン(渡辺謙)が「タンポポ」に入った後の店の雰囲気がいかにも西部劇の悪役がいそうなガラの悪い雰囲気だったり、このメインストーリーである「タンポポ」の立て直しのエピソード自体も西部劇を意識しているようでなるほどと感じる。このメインストーリーの合間にあるのがその他の人々による食に関する群像劇で、この部分もメインストーリー以上に面白く絶妙で、これがあるからラーメン屋のサクセスストーリーというだけではない幕の内弁当のような楽しさがある映画になっていると思う。その中でもやっぱり井川比佐志演じる男が今わの際の妻(三田和代)に炒飯を作らせるエピソードは今見ても印象に残るし、炒飯を食べる家族を見つめて笑顔を見せる妻がなんとも切ない。深夜スーパーに現れた老婆(原泉)とスーパーのマネージャー(津川雅彦)との攻防も面白いが「スーパーの女」を先に見ていると津川雅彦の役柄が正直屋の五郎の若い頃のように見えてしまうのも面白い。タンポポ(宮本信子)の息子にせがまれてホームレスが作るオムライスは相変わらず美味そうだ。大学教授を騙って詐欺を働く老人役が中村伸郎だったのは今回見て分かったが、彼のインテリ系イメージを逆手に取ったうまいキャスティングだ。そして狂言回しとして登場する白服の男(役所広司)のエピソードは黒田福美や洞口依子とのエロシーン(生まれて初めて見た濡れ場シーンだったので強烈に覚えていた。)が今見ても強烈なインパクトを残している。(黒田福美は同時期に戦隊もので悪役やってたのがこれを見ると信じられない。)料理映画だけあって登場する料理はどれも美味しそうに描写されていて、そのあたりも抜かりはなく、見たのは数日前だったが、見る前の夕食にラーメンを食べ、深夜寝る前に見たのだが、思わずまたラーメンが食べたくなってしまった。(2022年9月18日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-04-17 11:47:01)
311.  マタンゴ 《ネタバレ》 
これ見ちゃうとしばらくキノコが食べられなくなるんだよねえ。ラストの顔半分がマタンゴ化している主人公に衝撃を受けた。極限状態になった登場人物たちが徐々に理性を失っていくのが一番怖かった。ホラー映画というよりは心理ドラマの傑作だろう。
[ビデオ(邦画)] 8点(2005-04-09 19:19:38)
312.  助太刀屋助六
同じ真田広之出演の「たそがれ清兵衛」や「ラスト・サムライ」とは違い、軽いノリで楽しめる映画である。ところで岸部一徳は時代劇ではなぜいつもこういう役なんだろうか。
[ビデオ(邦画)] 8点(2005-04-01 23:44:07)(良:1票)
313.  かあちゃん
市川崑が奥さんの遺した脚本を映画化した作品。終始ほのぼのとしていて、見た後とても幸福感を味わうことが出来る傑作。
[ビデオ(邦画)] 8点(2005-03-27 22:52:24)(良:1票)
314.  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 《ネタバレ》 
原作知らないし、押井だからストーリーもわけ分からんだろうと思いながら見たら、やはりストーリーがやや複雑ではあったが、けっこう面白かった。ニセの記憶を刷り込まされた清掃員が哀れ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2005-03-26 22:15:14)
315.  ルパン三世(1978) 《ネタバレ》 
「ルパン三世」劇場版第1作。もうテレビ放送では何度か見ている映画だが、初めてDVDでノーカット版を見た。この時期に放送されていた第2シリーズを再放送で見ているのだが、それと比べるとキャラクターデザインが違っていたり、コメディ要素の多いテレビシリーズに対してそういう部分を損なうことなくハードボイルドでシリアスな作風に仕上げてあるなど第2シリーズと差別化を図っていることがよく分かる。とくに破壊されたアジトでのルパン、次元、五右衛門の三人のやりとりや、不二子をマモーにさらわれたあと単身でマモーのところに向かおうとするルパンを次元が止めようとするシーンは明らかに大人の観客を意識したつくりになっていて印象的だし、ルパンたちのセリフもカッコよく、ルパンの映画の中ではいちばん大人向けな感じがする。マモーの恐ろしさもテレビ放送版よりも感じられ、ルパンたち三人が砂漠をさまようシーンや、試験管ベビーのシーン、マモーがルパンに幻覚を見せるシーンといったテレビ放送版でカットされたシーンでよく見ることができる。クローン技術を使って生き続けるマモーの不気味なインパクトはもう何回も見ているにも関わらずすごいし、ラストの巨大な脳が宇宙空間で爆発するシーンが無音というのもリアリティがある。「ルパン三世」としての面白さだけでなくSF映画としての面白さもあり、その二つがうまくバランスがとれている傑作だとあらためて感じた。「カリオストロの城」も好きなのだが、「ルパン三世」という枠内で考えると個人的には本作のほうが好きかもしれない。(2015年1月25日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-03-18 23:31:27)(良:1票)
316.  異人たちとの夏 《ネタバレ》 
大林宣彦監督のファンタジー映画と言えば尾道三部作など若者を主役にした作品を思い浮かべがちだが、本作では40歳の脚本家を主人公に彼が体験するひと夏の不思議な出来事を描いていて、尾道三部作などとは一味違った雰囲気ではあるが、同時にそれとは違った魅力もあり、いかにも大林監督らしいメルヘンチックな大人のファンタジーになっていて、20年ぶりに見たが、やはり良い映画だと思った。主人公の原田(風間杜夫)が出会う死んだはずの両親(秋吉久美子、片岡鶴太郎)が幽霊であることを最初から明示しているのはやがて別れが来るということも示していてその時点で切なさがあるし、初めて見たころはあまり感じなかったが、今見ると現在主人公と同じ40歳である自分があと両親と過ごせるのはどれくらいだろうとか、亡くなったあとにこの映画を見たらどう感じるだろうかということをつい考えてしまう。原田が両親と会っているシーンはどこかノスタルジックな雰囲気で描かれているのも良く、父親と野球をするシーンや、母親の作ったアイスのくだりなど、そういう両親とのやりとりが見ていて微笑ましく、思わず顔がほころんでくる。しかし、それだけにやはりすき焼き屋での別れのシーンは分かっていても泣けてくる。消えゆく両親が息子にかける言葉にも泣かされるが、両親が消えてしまった後の「ちっとも食べなかったじゃないか」という息子の呟きがなんとも切ない。両親役の秋吉久美子と片岡鶴太郎の演技が素晴らしく、本作はまさにこの二人あっての映画だろう。平行して描かれる原田と桂(名取裕子)のエピソード。とくにクライマックスの桂が正体を現すシーンはさっきまでの雰囲気とガラリと変わってしまうこともあり、初めて見た時は違和感が激しかったのだが、今見るとそうでもなく、桂は両親とは対照的に呪縛霊のような描かれ方をしているが、頻繁に両親に会いに行く原田を見守るような存在として描かれていたのではと考えると、このクライマックスの桂の見せ方のハデさもあまり気にならなくなり、(やり過ぎ感はやっぱり感じてしまうけど。)意図としては見せ方の違いはあれど両親と同じような感じを狙っているのではと感じるようになった。そう考えると賛否両論ありそうなこのクライマックスも悪くなかったかもしれない。ちなみに原田と桂が話しながらテレビで見ている映画は木下恵介監督の「カルメン故郷に帰る」。本作の脚色は市川森一だが、原作は木下組出身の山田太一なので、(未読なので原作に「カルメン故郷に帰る」が出てくるかは分からないのだが。)思わずオマージュだと感じてしまった。(2022年7月18日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-03-16 22:41:40)
317.  たそがれ清兵衛 《ネタバレ》 
山田洋次監督の「運が良けりゃ」以来の時代劇で、この後の「隠し剣 鬼の爪」、「武士の一分」に続く藤沢周平原作三部作の一作目となる。以前にも何度か見ているが、久しぶりに改めて再見。冒頭からリアリズムを感じさせる映像で引き込まれるし、前半で描かれる主人公一家の慎ましい暮らしぶりも実際こうだったのではと感じさせるものがあり、ほぼ初めて手掛けた本格的な時代劇としては完成度も高く良く出来た映画だと思うし、清兵衛(真田広之)が朋江(宮沢りえ)に抱く秘めた想いや葛藤といったものもよく描かれているところは山田監督らしさも感じられるが、山田監督が慣れないジャンルに緊張したのか、余裕がない感じもして、純粋に山田監督の映画として見てしまうと違和感というか、異色作に感じてしまうのも事実。(初めて見た当時はテレビで連続放送していた「男はつらいよ」シリーズをずっと見ていた頃で、何か分からない違和感を感じていたが、それが何なのか今回ようやく分かったような気がする。)また、主演の真田広之と宮沢りえは好演していて素晴らしいと思うものの、山田監督の映画の主演が真田広之というのに何か違和感を感じてしまう。(この点は初めて見たときにそのひとつ前に見た山田作品が「男はつらいよ 幸福の青い鳥」で、マドンナ役だった志穂美悦子に少し似合わなさを感じていたので、山田監督の映画にJAC出身俳優は似合わないと自分が感じてるだけかもしれないが。ちなみに宮沢りえに関してはそういう違和感は全く感じなかった。)これが俳優デビューという田中泯の存在感は初めて見た時も印象に残ったが、今見ても少ない出番ながらやはりクライマックスの清兵衛との対峙シーンの異様な存在感が印象に残る。ただ、やはり、ラストの清兵衛が帰ってきてからあとのくだりは次女のナレーションに無理やりまとめた感があり、居心地の悪さを感じてしまった。(善右衛門を打ち取りに行く直前の清兵衛と朋江の会話の中で出てきた朋江が新しい縁談を受けたという話は何だったんだろう?)とくに年老いた次女(岸恵子)が姿を見せるエピローグ部分は語り過ぎで完全に不要だった気がする。エンドロールのバックに流れる主題歌が井上陽水というのも時代劇には不釣り合い。(曲自体は良いんだけど。)さっきも書いたが、このあたりにも山田監督の緊張と余裕の無さのようなものが感じられる。(このあたりは後の2本では改善されている。)さて、評価であるが、山田監督の映画としてはさっきも書いたように異色作に感じるものの、時代劇映画としては完成度が高く、ドラマとしても見ごたえのあるものになっているので悩ましい。でも、嫌いな映画というわけでもないので後者をとって8点。名作と言われている映画だが、ひょっとしたら山田監督の映画を見慣れていない人のほうが純粋に楽しめる映画かもしれない。(2021年8月14日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-03-14 23:23:06)
318.  兵隊やくざ 《ネタバレ》 
シリーズ第1作。大映の勝新のシリーズものは「座頭市」はほとんど見てるけど、ほかの二つはあまり見てないなあと思い、以前にも一度見たことのある本作を久しぶりに見たのだが、やはり面白かった。インテリの有田上等兵(田村高廣)のいる部隊に勝新演じるヤクザ上がりの大宮が配属されるところから始まっているが、この正反対な二人のバランスのとれたコンビぶりが見ていて楽しいし、また軍隊という地獄のようなところにいながら、決して自分という人間性を失わないこの二人がすごく魅力的に描かれていてカッコよくもある。冒頭の有田上等兵のナレーションなどを聞いていると、軍隊批判というメッセージも少しあるように思うのだが、それよりも娯楽戦争映画としての面白さや痛快さを存分に感じることができる作風になっていて、やはりこの時代の日本映画の力というものを感じずにはいられないし、戦後20年という時代だからこそできた映画とも言える。以前見たときは同じく日本の娯楽戦争映画ということで、「独立愚連隊」を思い出しながら見たおぼえがあるのだが、今になって見直すと冒頭のナレーションにもあるように軍隊を刑務所に見立ていて、見ていて思わず同じくこの年に始まった「網走番外地」の一作目を思い出した。いちばん印象に残ったのはやはり風呂場での喧嘩シーン。ひたすら裸の男たちが殴り合う光景はいかにも熱気ムンムンでものすごく熱いし、殴り合う痛みも画面から伝わってくるような気迫もすごい。大宮が有田に助けられた恩返しにと南方行きの軍用列車から二人で脱出するラストまで痛快なのだが、そこに南方で残された部隊は全員戦死したという有田のナレーションは少し重みを出すために入れられたのかもしれないが、不要だった気がしないでもない。とは言え、以前見たときは続編までは見なかったのだが、今度は続編もちゃんと見てみよう。(2021年5月16日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-03-09 22:47:26)
319.  男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 《ネタバレ》 
諏訪三兄弟が揉めていて、それが終わった瞬間にかかってくる坊さんに成りすました寅さんからの電話のシーンが最高に笑える。さすがに自分の地元が舞台だけあって劇中使われる方言に多少違和感を感じたものの、作品そのものは80年代の寅さんのなかではバランスもよく、また最初に書いたように非常に笑える作品でもあり、シリーズ後期作の中でも傑作といえる一本だと思う。マドンナ役の竹下景子もこのあと2回違うマドンナ役で出演しているが、やはりこの回がマドンナ役としていちばん良かったなぁ。
[地上波(邦画)] 8点(2005-03-08 02:09:54)
320.  十三人の刺客(1963) 《ネタバレ》 
以前見た時は後半は面白かったものの、前半がかなり退屈に感じたことを覚えているが、今回久しぶりに見ると前半も面白く、全く退屈することなく楽しめた。ストーリーは忠臣蔵に「七人の侍」の要素を加えたようなものであるが、残念ながら13人分の個性というのは描き切れておらず、最後に仲間になる山城新伍なぞは居てもいなくてもいい感じさえする。しかし「七人の侍」では描かれなかった敵側の人物のキャラクターが立っていて、とくに内田良平演じる鬼頭半兵衛の存在感。千恵蔵とのかけひきは緊迫感があっていいし、ラストの二人の一騎打ちの対決も見ごたえがあるものになっている。この間、外では大乱闘が行われており、それとは対照的に描かれているので、この対決はけっこう印象に残るものとなっている。将軍の弟である殿様を演じる菅貫太郎の暴君ぶりもやはりハマリ役で、こういう悪役がいるからこそ、娯楽映画としての魅力も増すのではないか。それだけにやはりさきほども書いたように13人の個性をきちっと描けていれば、もっといい映画になったのではと悔やまれる。が、一人一人をきちっと描くには7人くらいが限界という気もする。クライマックス30分におよぶ乱闘シーンがやはりすごい迫力で、白黒映画だが、このシーンではそれも効果をあげている。ただ、以前見た時もそうなのだが、「七人の侍」の久蔵を思わせる剣豪役を演じている西村晃のあっけない無様な死にぶりはどんな強い剣豪でも刀がなければただの人というような意図があるのだろうけど、やはり少し戸惑った。まあこのシーンはリアルといえばリアルなんだけど。三池崇史監督によるリメイク版は未見なのだが、この部分をどうしているのかすごく気になる。芥川隆行の力の入ったナレーションが印象的。(2012年12月25日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-03-05 23:09:12)
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