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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2398
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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401.  恐竜・怪鳥の伝説 《ネタバレ》 
いやもう何と言いますか、スッゲーものを観てしまったとしか感想はございません。「突っ込んだるぞー!」と気合い入れて観始めましたが、まさかこれほど愉しませていただけるとは感激です(笑)。でもこれだけは皆さんにぜひ広めたいポイントを挙げておきます。①プレシオサウルスや翼竜よりはるかにカネと手間をかけている人体破壊シーン、東映はほんとに子供向けを狙っていたのか?併映が『ドカベン』と『世界のスーパーカー』ですからねえ…②TVニュースで大々的に報道している割には恐竜対策にあたるのが自衛隊はおろか警察ですらなく、なんと村の消防団!なぜか爆雷なんて物騒なものを持っている不思議な村です。山と積んだ爆雷に慌てた警官が拳銃弾を撃ち込み大爆発で消防団は全滅、思わず「ウソだろ!」と画面に突っ込んでしまいました。③西湖の湖底がなぜか樹海につながっていて渡瀬恒彦たちはラストはウエットスーツを着て森の中を彷徨うという不思議な光景を見せられます。そして富士山が大噴火、二人は地面が割れて火が噴き出す中を逃げまどいます。でもどう見ても渡瀬恒彦の方が常に恋人より先を進んでいて、彼女を捨てて逃げてる風にしか見えません。そして恋人は割れて火を噴く地面に落ちそうになりますが、それを救い上げようとするシーンがもう引っ張ること引っ張ること、でもあれじゃあ溶岩に飲み込まれて二人とも死んだとしか解釈のしようがないラストです。どっと疲れました。④そして絶望するほどチープかつダサい音楽、だいたい諸口あきらって、誰よ? でもこの映画ってけっこう各国に売れて、海外でもカルト映画になっているそうです。ちょっと恥ずかしい気分です。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2017-01-30 23:51:06)(良:1票)
402.  日本のいちばん長い日(2015) 《ネタバレ》 
映画監督としての原田眞人という人を全く評価していない自分としては、この歴史的傑作のリメイクに彼だけは起用して欲しくなかったんですけど、製作委員会という腐った制度が罷り通る日本映画界ではこうなるのは必然だったんでしょうね。■これで役所は三船敏郎に次いで山本五十六と阿南惟幾の両方を演じた二人目の俳優という栄誉を得ました。でもねえ、三船敏郎とは貫禄が大違いで一緒に並べたらそれこそ三船に失礼というものです。役所は阿南よりも山本五十六の方が雰囲気としてはマッチしていた様な感じで、そこは三船とは逆ですね。その役所に合わせたのか、妙に気さくで軽い阿南像という新解釈(?)を見せられることになります。終戦クーデター未遂における阿南善玉説には昔から個人的には疑問に思ってましたが(クーデターが陸軍省の佐官級が主謀で、梅津美治郎が統率する参謀本部には全く動きが無かった)、岡本喜八版から五十年経ってもその流れは変わっていないみたいです。これは原作自体が竹下や井田といった阿南周辺の生き残りたちの証言を採用しているので止むを得ないんですけど、この謎はこれからも解き明かされることはないでしょう。■対する鈴木貫太郎は、忠義一筋の朴訥ではなくいろいろ寝技も使う策士として描かれているのは目新しいかなと思います。これは演じる山崎勉の演技パターンにもマッチしていて、これは良かったかと思います。本木雅弘の昭和天皇は確かに雰囲気は出てましたけど、喋りが全然君主らしくなくてダメですね。これは脚本書いた監督の責任ではありますが、おそらく彼には昭和天皇がどういう話し方をしていたのかということを思案する想像力が欠如してるんでしょうね。でもいちばん驚愕したのは「…と陛下は申された」という阿南陸相のセリフがあったことで、あまりの日本語に対する無知には呆れるばかりです。いくら監督がバカでも、セリフを言う役所や周りのスタッフが誰か気がつかなかったんですかね?■“群像劇なのか阿南惟幾に焦点を当てた物語なのか判りにくい”という批評も有りますが、私は監督はこの映画をオーソドックスに群像劇として撮りたかったけど失敗したんだと解釈してます。群像劇を撮るには高度な力量が必要で、この監督にはそれはムリだったということです。そこは岡本版と較べてみればよく判ります。そして歴史的に重要な人物も多々登場するので、せめて人名テロップぐらいは付けて欲しかったですね。横浜警備隊の佐々木の首相官邸襲撃なんて、ほとんどの人がこれはどういう人物で何でこうなるのかということが理解不能ですよ。■岡本喜八版は市井の人々の視線を交えながらも大日本帝国のいわば葬式をきっちり見せてくれましたが、このリメイクでは歴史のゴタゴタを背景にして阿南惟幾の葬式を描きたかったのかと思わざるを得ません。岡本版にあった終戦前夜の特攻出撃のような心を揺さぶられる様なシークエンスが、この映画には皆無です。その代わりに阿南の娘の結婚やらホームドラマ的な要素が盛り込まれています。阿南の息子がどういう状況で戦死したかなんて妻に語らせてエンドですけど、ほんとそんなことはどうでも宜しい。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2016-07-06 21:25:08)(良:3票)
403.  戦後猟奇犯罪史 《ネタバレ》 
かつて『テレビ三面記事ウィークエンダー』というその俗悪さで歴史に残っているバラエティ番組がありましたが、本作はまさに『ウィークエンダーThe Movie』と呼べる代物です。『ウィークエンダー』という番組は、簡単に言うと直近におこった事件を再現フィルムを交えてリポーターたちが面白可笑しく解説するという構成で、『新聞によりますと…』という冒頭の小早川正昭のナレーションが印象的でした。まだ『容疑者』とか『被告』なんて肩書がなく逮捕されればその瞬間からNHKニュースですら呼び捨てになる時代ですから、その事件レポートの俗悪さは今の若い人が観たら腰を抜かすほど強烈です。その俗悪リポーター(中には今では大臣経験のある現職女性議員にまで成り上がった人もいます)の中でも群を抜いて下品だったのが泉ピン子でした。 本作はこの『ウィークエンダー』の爆発的な人気に目をつけた東映・岡田社長の「これを映画にしろ!」のツルの一声で撮られることになったそうです。東映一の残酷職人である牧口雄二ですけど、泉ピン子を引っ張ってきてTV同様にリポーターをやらせろという社長命令には、さすがに最後まで抵抗したそうです。とりあげられている事件は①西口彰事件(『復讐するは我にあり』のモデルになった事件)②克美しげる事件③大久保清連続殺人事件、の三つです。再現ドラマと言っても犯行に至るまでの愛欲シーンの方に力が入っていて、ほとんどソフトポルノです。実はここにも監督に対する無茶ぶりの跡があり、②はなんと撮影2日前に発覚した事件が無理矢理おしこまれ徹夜で脚本が書かれたそうです。この事情は、劇中でも泉ピン子に突然電話がかかって来て「また大事件発生だ!」という小芝居をやってから②のレポートが始まるというセルフ・パロディ(観てる方には何のことやら判りませんけど)になっていて、笑わせてくれます。①や③は映画やTVドラマ化されていますけど、②の事件の映像化はいまだに本作だけという貴重(?)な価値があります。それにしてもまだ裁判も始まってないうちにこんな映画にしちゃうなんて、いくら人を殺めたとはいえ克美しげるも可哀想です。なぜか三つの事件のうち③だけで尺の三分の二を占めているのですが、川谷拓三の大久保清の怪演が強烈なのでいいんじゃないでしょうか。でもいくら死刑が執行された後とは言っても、大久保清が連続殺人を犯すまでの過程をコメディ仕立てで見せるとは、ちょっと酷過ぎです。 しかしこれが東大出の社長が慶應卒の監督に撮らせた映画だと思うと、なんか情けなくなります…
[CS・衛星(邦画)] 3点(2016-06-13 20:44:20)(良:1票)
404.  スペーストラベラーズ 《ネタバレ》 
まあ監督が監督だけに期待する方がムリというわけだったんですね。いかにもTV屋が撮った映画という感じでした。それにしてもジャケットやポスターではあんなに大きく映ってるのに浜ちゃんがあんな端役だったとは、もうほとんど詐欺です。そして中国語映画では目立たないんですが、金城武のド下手な演技はもう目を覆いたくなるぐらいです。ギャグネタにしても『ダイハード』やら過去のハリウッド映画のパロディみたいなものがこれでもかと続くので、もう辟易です。でも渡辺謙が人質にまぎれて脱出するところは『インサイド・マン』より6年も早いアイデアで、ここだけはちょっと感心しました。でもなんで謙さんが逃げちゃうのかはさっぱり理解不能で、どう観たってそんなキャラじゃないと思うんですけど。 観る人によって評価が分かれているラストに向けての展開ですが、二人が飛び出してゆくストップモーションなんかはまるっきり『明日に向かって撃て』のパクリですし、この監督の感性にはオリジナリティというものがあるのかと首を捻ってしまいました。スローモーションやストップモーションはヘタな監督が使うと観られないと良く言われていますが、この映画は良い(悪い?)見本です。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2016-02-11 23:05:14)
405.  ピラニア リターンズ 《ネタバレ》 
“バカがおバカ映画を撮ると悲惨なことになる”という定説を見事に実証してくれました。前作の監督アレクサンドル・アジャのおバカ・センスには足元にも及びません、彼が巨匠に思えたぐらいです。前作に比べるとグロなパワーはダウンしてしまったので、エロのネタで挽回しようとしたみたいですが単なる下品な下ネタだけと言う感じです。アソコからピラニアが飛び出してくるというのは、どう考えてもその理屈が判りません。デヴィッド・ハッセルホフのネタになると、自分はこの俳優の出ていたTVシリーズのことなんか知識皆無なので全然面白くもない。前作から登場のクリストファー・ロイドとヴィング・レイムスだけは少しクスッとさせられました。でも理解不能なのがラストの生意気小僧を襲う惨劇で、さすがにこれは監督の趣味を疑いたくなりました。そしてやっぱり出てきました駄作の証明・エンド・タイトルに流れるNG集、これがまた長いんだ10分以上あります。正味の上映時間が70分少々ですからねえ、こんなに長いNG集は珍しいんじゃないですか。
[DVD(字幕)] 3点(2015-07-17 23:31:13)
406.  でんきくらげ  可愛い悪魔 《ネタバレ》 
渥美マリの軟体動物シリーズくらげ編の第二弾です。前作『でんきくらげ』とはなんの関連もなく、これはシリーズ六本通しての特長ですが渥美マリの演じるキャラは全部別人と言うわけです。それにしても、渥美マリはこの年(70年)に軟体シリーズだけでも五本も撮っているんですよ、あだ花的ではありましたが彼女こそは大映最後のスター女優だったということでしょう。 内容はと言えばこれがかなりの珍品で、薄っぺらい風俗描写に乗って渥美マリが目まぐるしく色んな経験を積むというお話しです。増村保造の名作の脚本を数多く手掛けた白坂依志夫が書いた脚本とはとうてい思えないストーリーなんです。大雑把に言うと『いそぎんちゃく』シリーズの渥美マリは男は好きだがそれ以上にカネに執着して貯金が大好きというキャラでしたが、本作ではとにかくカネを使って遊ぶのが大好きな女なんです。それが大した苦労もせずにヌードモデル、マッサージ嬢、CMモデルと次々に仕事が舞い込みカネには不自由しないんです。そういやいつもとパターンが違い水商売だけはやりませんでしたね。活発で良く喋るというキャラですが、その分渥美マリに芝居をさせるのでその大根ぶりがまた際立っちゃってます。お色気と言っても日活がロマンポルノ路線を始めようかという時期ですから、これじゃあ大映がつぶれたのも当然の帰結だったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2015-01-31 22:58:36)
407.  怪獣王ゴジラ 《ネタバレ》 
実はゴジラ出現と東京の惨状を傍観(?)して死にかけたアメリカ人記者がいたんです、という風にレイモンド・バーを無理矢理ねじ込んだ全米公開版ゴジラです。いきなり瓦礫に埋もれて血を流すレイモンド・バーが映されるところから始まり、山根恵美子がボランティアをしている病院に彼は搬送されます。この後バーは記者会見場や国会の委員会場などに背後霊の様に出現してゆくのですが、思ったより違和感がない繋ぎ方かと思いました。このアメリカ人、恵美子や山根博士と芹沢博士とは旧知の間柄という設定なのがかなり強引で、彼らと会話するシーンではミエミエの代役を肩越しに撮って、そこまでして頑張る必要があったのかはあえて考えないようにしましょう(苦笑)。でもこの三人には英語の吹き替えまでしているのに、可哀そうなのは宝田明でこのアメリカ公開版では無視同然の扱いをされちゃってるんです(笑)。彼の出演シーンが一番多くカットされてるし、まるで端役扱いでした。 とにかく一番笑わしてくれるのが大戸島のシーンで、バーの横に立つ島民(というか怪しげなアジア人)の着てる半被らしきものに何やらカタカナが書いてあるんです。良く見るとそれは「ルシイル」という文字でした(爆笑)。バーたちが大戸島に一泊するのがテントというのも脱力ものシーンですが、実際の『ゴジラ』の準備稿にも山根博士たちがテントで一夜を過ごすというシーンがあったそうで、笑っちゃったら失礼に当たるかも。でもレイモンド・バーがバーチャルな存在のくせに「エミコ、エミコ」となれなれしく呼ぶのだけは許せないなあ(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2014-07-25 22:38:13)
408.  男が血を見た時(1960) 《ネタバレ》 
CSで放送されたものを鑑賞したのですが、いくら新東宝のレアものとはいえあまりの画像の劣悪さには往生しました。気になるのはフィルムの痛みもさることながら、ブチブチとカットが飛んでいるところです。たぶん全篇で5分は切れているんじゃないかと思いますが、70分少々の上映時間ですからこれは影響は大ですよ。内容はまあ新東宝お得意の電気紙芝居みたいなものですが、どうせ新東宝の珍品を流すなら『九十九本目の生娘』や『地平線がぎらぎらっ』あたりにしてほしいなあ。 主演は松原録郎で、たぶんこの人は新東宝二枚目男優の中でもっとも影が薄かった存在だと思います。彼の代表作と言うと、やはり伝説のカルトTVドラマ『恐怖のミイラ』ということになりますかな。このドラマは新東宝の倒産直後ということもあり、三条魔子とか若杉嘉津子そして三原葉子といった旧新東宝のメンバーが大挙ご出演されているそうです。この映画ではオートバイのカミナリ族に入ってくるブルジョワのボンボン息子で、カミナリ族とは今で言う暴走族の元祖みたいなもんです。自分はバイクには詳しくないのですが、登場するバイクはどうもモトグッチあたりの外国製が多かったみたいです。カネがない新東宝のことですからバイクの走りなどスクリーン・プロセスも使わずただ映すだけですが、カメラが並走して撮っているのでかえって迫力がある画になっているのは怪我の功名ですかね。 ラストは新東宝お得意の女を賭けての対決、もちろんバイクのスピード競争です。明らかに『理由なき反抗』あたりを意識してはいますが、中身も取り柄もない映画でした。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2014-07-18 23:27:47)
409.  汚れた肉体聖女 《ネタバレ》 
「この映画に描かれたストーリーは特定の宗教とはなんの関係もありません」というテロップが冒頭でますが、どう見たってキリスト教の修道院だろ!って突っ込みは一応入れておきます。数ある新東宝エロ風味映画の中で、たぶん唯一のレズもので貴重ではあります。 どうも新東宝というか社長大蔵貢の頭の中には「九州島原=邪教(キリスト教)のはびこる秘境の地」という図式があるみたいですね、怪作『女吸血鬼』というのもありましたし。この修道院なのか学校なのか良く判らん舞台設定が、チープながらドロドロした感じでいかにもです。名前が「紅百合(べにゆり)学院」なんですからね。シスター姿の生徒たちがフォークダンスを踊るシーンは、滑稽を通り過ぎて不気味の域に達していてトラウマになりそうでした。高倉みゆきと大空真弓の絡みもちゃんとありまして、不思議なエロっぽさがありました。 修道院なのになぜかプールがあったり敷地内に底なし沼まであるというヘンテコぶりは毎度のことで、中盤以降の電気紙芝居としか言いようがないストーリーの暴走ぶりをお楽しみください。主演の高倉みゆきは“新東宝の皇后女優”と呼ばれたそうですが、明治天皇もの以外の主演作ではいつも犯されたり堕胎したりと新東宝女優の中でも指折りのミゼラブルなキャラばかり演っている様な気がします。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2014-03-12 23:17:41)
410.  波止場の王者 《ネタバレ》 
新東宝が大蔵貢体制になる直前に撮られた一本です。なのでまだエログロ路線じゃないのですが、本来から新東宝という映画会社が持っていた弱点が良く見えるのです。新東宝は設立当初は文芸映画などに秀作が多いのですが、とにかくアクション映画が苦手だったみたいでろくなものがない。アクション映画にはヒーローが欠かせませんが、このヒーロー役者に魅力的なスターがいなかったこともアクション路線の出来の悪さに拍車をかけてしまったみたいです。 本作でも、宇津井健と中山昭二という新東宝が誇る二大へなちょこアクション・スターが共演です。中小企業の造船会社が密輸組織の妨害を受けながらも新型ジェット・エンジン船の開発に奮闘するという『プロジェクトX』チックなお話しです。石川島みたいな総合企業じゃないのに、一介のボロ企業がなんでジェット・エンジンの開発なんか出来るのかという突っ込みはまあ良しとしましょう。縮尺模型に花火みたいなエンジンを付けて実験、それが上手くいったからと言って「ジェット・エンジン船の開発に成功した!」と言い張るのも、まあ低予算なんだからしょうがないでしょう。 でも私が許せないのは、宇津井健が密輸組織のボス(中国人)と対決するクライマックスで、「そのへっぴり腰のアクションは映画を舐めとらんか!」と正座させて半日は説教してやりたいぐらいです。敵役のボスも変なカンフー技を使うし、ぴょーんと岩にジャンプするのには呆気にとられてしまいました(フィルムの逆回し撮りでした)。 そういや丹波哲朗も出てましたね、まあそれはどうでも良いとして、前田通子を使いながらなんでもっと露出シーンを撮らないんじゃ!これは致命的でした。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2013-11-23 22:49:49)
411.  電送人間 《ネタバレ》 
東宝特撮映画の中では、監督・福田純、脚本・関沢新一のコンビの作品はろくでもないという良い見本です。この電送人間というやつもなかなか難儀な存在です。なんせ、テレポーテイションするためには目的地に必ずバカでかい機械がないといけないんですから、トラックやら貨物列車で装置を先送りしとく必要がある。電送人間自体は普通の体質で殺人を犯した後は警官やら新聞記者から走って逃げ回らないといけない、彼も内心では「こりゃ、透明人間の方が良かったな」と後悔してたんじゃないでしょうか(笑)。 そしてこの映画を語るときに避けて通れないのが、あの伝説のキャバレー“大本営”です。悪役たちが本業の密輸をカモフラージュするために経営してるみたいですが、派手なネオン出してるうえけっこう繁盛してるから税務署あたりに眼をつけられたりして逆効果になりゃしませんかね。ボーイやホステス(このセーラー服姿はちょっとイケてました)の格好もすごいけど、なんと金粉ダンサーまで登場します(ダンス自体は致命的にダサいけど)。「ゴールド・フィンガーを臆面なくパクリやがって」苦い目で観てしまいましたが、よく考えたらこっちの方が4年も前の映画なんですよね、恐るべし東宝特撮映画! ラストは突然の浅間山の大噴火で閉めるという東宝特撮映画ではときどき観られる投げやりさですが、その噴火特撮までもが『日本誕生』の使い回しとくれば、もう監督の志しの低さを嘆くばかりです。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2013-11-02 20:15:03)
412.  メンフィス・ベル(1990) 《ネタバレ》 
ぶっちゃけたところ、「第二次世界大戦でアメリカは精密な照準でドイツの軍事目標だけを爆撃した」というお話は、西部開拓神話と同様の神聖なメルヘンに過ぎないのです。たしかに当時としてはハイテクなノルデン爆撃照準器は一定の効果があったが、爆撃目標が砂漠の真ん中にあるわけではないので、周囲の市街にも爆弾は落ちて民間人も多数が犠牲になっています。爆撃機の搭乗員に責任が問われることはありませんでしたが、たぶん当時の搭乗員たちは地上で何が起こっているかは考えないようにしてたでしょう。 だからM・モディーンの機長が「目標の周囲には学校や病院がある」と言って爆撃進入をやり直させる偽善的なシーンが私は反吐が出るほど嫌いです。こんなことは実際には起こり得なかっただろうと確信しますし、かような幼稚な描写など使わなくてももっと違う観点で爆撃作戦の苛酷さをいくらでも表現出来たでしょうに。 この映画は製作時期からして、湾岸戦争の戦意高揚プロパガンダ映画だったと思います。M・C=ジョーンズ監督の作品にはスプラッターじみた描写が多いのが特徴ですが、機首がちぎれて乗員がこぼれ落ちたり空中衝突して真っ二つになったり、本作では人ではなくてB17爆撃機自体をその残酷趣味の対象にしているみたいです。実話をモチーフにし当時の若手俳優を集めて青春映画っぽくしたかったみたいですが、あまりに幼稚な脚本には呆れるばかりでした。 クレジットを良く見ると、なんとフジサンケイ・グループがこの映画に出資していたことに気がつきます。これもあの当時叫ばれていた“対外貢献”のひとつだったんですかね。
[映画館(字幕)] 3点(2013-07-28 22:12:06)
413.  0線の女狼群 《ネタバレ》 
もうタイトルからして意味不明。“0線”と言っても“零式艦上戦闘機”のことではなくって新東宝の完全な造語。要するに、ヤクザ組織が運営する売春ブラック企業のことですが、きっと“青線”“赤線”の延長線上から考えついたネーミングなんでしょうね。 家出して上野に出てきた小畑絹子がヤクザに騙されて体を売る稼業に引きずり込まれます。この小畑絹子、シーンが替わるともういっぱしのズべ公になっているのには笑わされます。ふつうの映画なら、堕ちてゆく苦悩や葛藤を表現するシーンがあるものですが、そんなこと気にしていたら新東宝のプログラム・ピクチャーは創れないというわけです。このヤクザの親玉が丹波哲朗で、地のままで演っている様な省力演技です。プロットは同じ新東宝の『少女妻 恐るべき16歳』と似通ったところがありますが、丹波も子分も女たちを中国マフィア顔負けの強圧的な管理で虐待するところが『少女妻』との大きな違いです。 小畑を助け出そうとする大学生も登場してこいつがヒーローなのかと思いきや、口は達者で言うことは立派だが恐ろしく弱い男で、必要性が全然ない登場人物でした。 ラストは女たちが立ち上がりヤクザどもを倒すのですが、その描写がまるで労働争議みたいでちょっと変な感じです。ここら辺はちょうど安保闘争の頃の映画だから、左翼的な世相が脚本に反映されているのかもしれませんね。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2013-03-04 21:16:32)
414.  女王蜂の逆襲
4本撮られた、新東宝の女任侠ものシリーズの最終作。製作された1961年には新東宝という会社自体が倒産してしまったので、最末期のプログラム・ピクチャーと言えます。製作が大蔵貢ではなく、三原葉子が出演しているのに全然露出シーンがないのはそのせいでしょう。このシリーズは前期2本が久保菜穂子、後期は三原葉子が女親分を演じているのですが、本作は任侠ものというより日活風無国籍アクションのパクリと言った方が適切な感じです。 鬼怒川温泉が舞台で、元湯の権利を横取りしようとする暴力団を東京から来た女親分が成敗するというローカルなお話しです。脇に配したキャラが新東宝らしくてけっこう面白く、謎の男である天地茂が何というか軽妙な味が出ていて意外と良かったです。池内淳子の芸者も演技はひどいけど可愛らしかったし、三原葉子の子分である星輝美と鳴門洋二のゴールデンコンビを再び観られて星輝美のファンとしては満足です。もっともストーリー自体は他愛もなさ過ぎて語るべきことはないですけどね。ヤクザのくせして子供の喧嘩みたいにやたらと殴り合いするけど、そのアクション演出が学芸会なみではねえ…
[CS・衛星(邦画)] 3点(2013-02-26 23:18:24)
415.  女吸血鬼 《ネタバレ》 
吸血鬼+狼男+天草四郎伝説のごった煮を作ったらこんなのが出来ちゃいました!ってな感じでしょうか。ちなみに本作は、『女(の血しか吸わない)吸血鬼』が正しい題名でした。話の掴みはけっこうホラーらしい雰囲気なんです。失踪した妻が20年ぶりに帰ってきたら、タイムスリップしてきたみたいにそのまんまの容姿だったなんて話だけ聞けば面白そうでしょ。でもほとんどギャグとしか見えない娘たちの反応で、後はもう訳が判らない新東宝ワールドの御開帳というわけです。 天地茂の吸血鬼もちょっとイイ感じだなと思っていたら、突然狼男みたいに月の光を浴びて変身(顔だけ)しちゃうのでただ唖然でした。最後に監督が中川信夫だと知ってまたびっくり、彼もよっぽど体調悪かったのでしょうね(単にやる気がなかっただけかも)。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2013-01-19 22:51:14)(良:1票)
416.  爆弾を抱く女怪盗 《ネタバレ》 
数ある新東宝プログラム・ピクチャーには「ヒーローが菅原文太の映画は地雷である」というある確固たる法則があります。というわけで、またまた地雷を踏んで爆死してしまいました(笑)。 伯爵令嬢の高倉みゆきが何故か怪しい集団のボスになって、戦中に父を殺して財産を横領した沼田曜一に復讐すると言うお話しです。高倉みゆきは新東宝女優の中では珍しく東宝や松竹でも通用する様な気品を持っています(演技力は別の話ですが)。他にも三原葉子や三条魔子も出ていますが、ファンの意表を突くようにお色気シーンはほとんどありません。それどころか、三原葉子は沼田曜一の愛人としていつものファム・ファタールぶりを見せていたのに、なぜか中盤から姿を見せずに映画からフェード・アウトしてしまいました。別に本作に限ったことではないのですが、新東宝は素人が脚本を書いたとしか思えない様な映画が多いのには呆れます(まあそこが楽しみとも言えますけど)。 『爆弾を抱いた女怪盗』という題名の意味はラストまで観てようやく判りましたが、正しくは『爆弾に括りつけられた女怪盗』なんです。でも普通この映画にこんな題名つけるでしょうか、これも新東宝テイストなんです。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-12-17 23:11:32)
417.  女死刑囚の脱獄 《ネタバレ》 
新東宝随一の名匠である中川信夫も量産されたプログラム・ピクチャーを数多く撮っています。中川信夫と言えば怪談・ホラー・時代劇の監督というイメージが強くて、こういう現代を舞台にした犯罪アクションものは果たして彼の撮りたかった題材とは言い難いところです。 父親殺しの尊属殺人罪(むかしはこういう罪がありました)で死刑が確定してしまったお嬢様が、婚約者の力を借りて脱獄して冤罪を晴らすというのがストーリーです。このお嬢様役が、新東宝社長の大蔵貢に「妾を女優にしてやった」という歴史に残る大妄言を浴びせられて映画界から消えていった、いまや伝説の女優である高倉みゆきなのです。『天皇・皇后と日清戦争』で昭憲皇后を演じたこともあり“皇后女優”とも呼ばれた彼女、品がある顔つきであまり露骨な役はフィルモグラフィには無い新東宝女優としては珍しい存在です。それだけ大蔵貢には大事にされていたみたいです。ちなみに大蔵が彼女に言い寄ったのは事実ですが、“妾発言”はまったく相手にされなかった腹いせだったと言うのが真相だそうです。 この映画でも、レズの女囚に迫られるぐらいで高倉みゆきのお色気シーンはいっさいなし。死刑確定しているのに独房でなく雑居房に入っているなどかなりいい加減な脚本ですし、殺人事件の真相もかなりのハチャメチャぶりで、これではさすがの中川信夫も腕の振るいようがなかったでしょうね。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-12-03 19:58:55)
418.  人魚伝説 《ネタバレ》 
かつて邦画界のあだ花だった海女映画が、20年の月日を経て究極の進化形となって甦ったと言う感じです。原作は劇画なんだそうですが、本家新東宝の海女映画も青ざめるようなお話の壊れっぷりは、もう暴走機関車みたいです。『八墓村』状態のラスト45分は、白戸真理のぶっ飛んだ暴れっぷりがあまりにバカバカしくもう笑うしかありません。銛が一本であんなに人を殺せるわけないだろ、ふつう猟銃か日本刀を使わせるんじゃないかよ、などと文句を垂れるのは所詮虚しいこと。激しい運動のためほとんど過呼吸になりかかっている白戸真理の姿は、もう演技ではなく素のままを撮ったとしか思えませんでした。 そしてある意味とても貴重なのは、白戸真理が“洋上の飛田新地”として有名な渡鹿野島へ逃げるところでしょう。あの伝説的な島は実在するのです。むかし独身寮の旅行で渡鹿野島へ行く計画を立てたら、会社にバレて総務部長から大目玉を喰らった苦い思い出があります(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-11-22 18:56:04)
419.  人喰海女 《ネタバレ》 
邦画にはかつて“海女映画”というジャンルがありました。といっても、このジャンルの作品を製作したのは新東宝という映画会社だけで、その生みの親こそ社長で“和製ロジャー・コーマン”“エクスプロイテーション映画の天皇”として歴史に名を残す大蔵貢です。もっとも、キャリアから言うとコーマンを“ハリウッドの大蔵貢”と呼んだ方が正しいのかも。ピンク映画すら存在しなかった時代に、いかに女体を売り物にするかと彼が知恵を絞って生まれたジャンルなのです(S・ローレンの『島の女』をパクっただけなのかもしれませんが)。 というわけで本作のご紹介となるわけですが、はっきり言って他愛のないストーリーなぞどうでも良い。三原葉子の演じるファム・ファタールが宇津井健を翻弄し、丹波哲郎には弱みを握られて操られるも、最後には良心に目覚めて死んでゆく。宇津井健は大半の登場シーンが海パン姿というのが良く考えると笑えてくるし、海女たちがみんなグラマラスな若い娘ばかりというのもあまりにも強引です。ちゃんと海中撮影をしているのですが、泳ぐ海女を捉えるショットがあまりに露骨なアングルなので爆笑でした。狂言まわし的な役柄ながら、殿山泰司がコロンボみたいな刑事でちょっと光っていました。あと監督の実弟である平田昭彦がほんの1シーンですが友情(?)出演しています。そして特筆すべきは三ツ矢歌子で、わたしらの世代にはホームドラマのお母ちゃんというイメージが強いけど、若いころは露出演技に体を張ってたんですね(まあ新東宝所属じゃしょうがなかったかも)。 それにしても『人喰海女』とはあまりに題名が大げさ、こういうところがいかにも大蔵貢らしいエクスプロイテーションです。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-09-19 20:15:33)
420.  デスカッパ 《ネタバレ》 
なんで不況に苦しむ世の中なのにこんな映画が撮れるんだ、と首をかしげてしまいましたが、『片腕マシンガール』の“TOKYO SHOCK”シリーズだと知って納得です。「どうせアメリカ人のおカネだからやりたい放題しちゃえ」というわけなんですね。というわけで、日本の資本ではとうていOKされないようなデタラメなストーリーを見せられる観客はたまったもんじゃありません。スタッフが拘っているのは昭和特撮映画をオマージュしたミニチュア・ワークやプロップで私の様なマニアはニヤリとさせられますが、とても一般受けするわけもない。とは言えこういうのが好きな自分としては他のレビュアーさんたちに逆らって最高点をつけてあげようと思いましたけど、やっぱ三点が限度ですね(笑) それにしても、なべやかん、いったいお前ひとりで何役やっているんだよ!
[CS・衛星(邦画)] 3点(2012-07-31 19:53:25)
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