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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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101.  スワロウテイル 《ネタバレ》 
悪くはないけど「隠れた名作」と言わせるには、今一歩、何かが足りてない。  日本語、中国語、英語を混在させて作り上げた「円都」という雑多で多国籍な街に存在感は感じるものの、物語の展開上、あまり架空の世界である必然性を感じないし、それほど個性的な世界でもない(と言うか「ブレードランナー」のような、終末観+オリエンタルテイストという世界観はありがち)。  また、一歩外へ出た都心とのギャップがあまりにも大きく、都心と円都との「中間地点」が存在しないような違和感がある。せっかくの架空の世界も、そうした作り込みの甘さが目立っているように思う。  時折見られる詩的で繊細な表現には、監督の感受性の鋭さが見て取れるが、穿った見方をすれば、その「計算されたあざとさ」が鼻につく時がある(胸元のイモ虫とか、夢の象徴として魔都に翻るアゲハ蝶とか、ゴミ捨て場を楽園のように表現するとか)。ただ「何となく象徴的でカッコ良さげなセリフや雰囲気を用意した」という感覚でしかなく、いまいち底が浅い。  また登場人物が少し多すぎるせいか、テーマにピントが合わなかったりと、展開にまとまりが無いのも難点。主役は登場人物全員であり、その生き様こそが作品の核心だと思うが、「テープを巡る経緯」と「グリコのサクセスストーリーと挫折」の二大イベントに収束し過ぎで、しかもストーリー展開上お互いがうまくリンクしていないため、全体として見るとイマイチ何が言いたいのか分からない作品になってしまっている。  ラストも中途半端で後味が悪い。結局、アゲハはグリコと娼婦としてやっていくってこと?だからどんな店をやっているか言えなかった?さらに、テープがどういうもので、またどうして他人の腹の中に入れておかなければならないのかも不明のまま(しかも「生」で入れてたらテープがおかしくなるぞw)。だいたい大事なものならそんな保存の仕方をせず、金庫にでもしまっておくはず。消化不良。ランがどういう組織の人間かも説明無し。あっても無くてもいいイベントやキャラが多すぎる。  Charaを始め、僅かしか登場しないキャラも含めて、各役者さんの魅力を最大限に引き出す監督の能力や美的センスには素晴らしいものを感じるだけに、作品として荒削りな所が惜しい。
[ビデオ(邦画)] 6点(2006-09-22 11:17:00)
102.  [Focus]/フォーカス(1996) 《ネタバレ》 
低予算の邦画サスペンスとしてはマイナーながら高レベルな作品。  その場の臨場感を出したり、どうなっていくか分からない不安感を演出するには、変に凝った事をするよりも、こうしたドキュメンタリーっぽい撮り方をするのが手っ取り早い、という好例。カメラの手ブレや不安定な主観視点が、何もしなくてもリアリティを醸し出してくれる。  些細なトラブルから、取り返しのつかない事態へ急転直下していく展開は、現実にもあり得そうなだけに、見る者にとっても感情移入しやすい。  マスコミ批判という点では、「破線のマリス」とも重なる部分があり、それ以外でテーマとしていまいち何が言いたいのか分からない欠点も似ているが、単純に不条理な運命の悪戯にただ翻弄される人間の姿を描いたサスペンスドラマとして見るなら、下手に理屈っぽくない方がいいかも知れない。  浅野忠信の演技力はなかなかのもの。「盗聴はするが、それ以外は決して常軌を逸した犯罪者ではない普通の青年」の追い詰められた演技がうまい。人を殺して狼狽たえ、恐慌を来たす様は鬼気迫るものがある。  ラストも見る者によって、色々と解釈が出来そうで、すっきりはしないものの終わり方としてはリアル。全体的にテンポも良く、時間も短めなので、いったいどうなるのかという興味が持続する。   ただストーリー自体にはミステリー的な謎解きが出てくる娯楽作品ではないので、本来は7点くらいが妥当だが、もっと評価されてもいいので8点献上。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-09-22 11:15:34)(良:1票)
103.  式日 SHIKI-JITSU 《ネタバレ》 
誰もいない工場地帯や生活感を感じないよそよそしいビル群、何処までも続く錆びた線路…。いつかどこかで見たような懐かしさがありながら、それでいてどこか非日常を内包しているような不安感を煽る風景。そんなロケーションの撮り方が抜群にうまい。  脚本は相変わらずの「庵野節」が凝縮されているような内容。個人的に嫌いではないが、今作は少しメッセージ性がストレート過ぎて、かなり青臭い印象を受ける。10代の少年少女の悩みといったレベル。受け付けない人はとことんダメなタイプの作品だろう。  しかし、この「自分の価値や存在理由」という、人間がいる限り永続的かつ普遍的に繰り返されるであろう問いかけに常に真摯に向き合っている監督の姿勢は高く評価したい。  この作品を始め、「エヴァ」や「ラブ&ポップ」といった作品に共感出来ない人は、自殺を本気で考えてしまうくらいに、自分の内面にとことんまで向き合ってみた経験が無い人なんだろう。  他人を求めながら、他人との相互依存にわずらわしさを感じたり、そんな自分を否定したり、時には自己弁護を繰り返しながら、人間関係にとことんまで悩み苦しんでみないと、こうした作品の本質を理解できないと思う。  ただ、ラスト付近の二重人格ネタとか、母親とのやり取りとか、そこら辺の人間描写や背景設定はかなり安易で薄っぺらい。全体的なテンポのダラダラ感もマイナス。  監督本人が、自身が作る映画を始め、現代社会における「物語」の虚構性の脆弱さに気付いている点はさすが。これも監督の「自己存在の否定と肯定」という両側面に対する理解が、虚構と現実という関係性の中で作られる「自己言及的な物語構築」に深みを与えている。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-09-21 20:55:22)
104.  ルパン三世 セブンデイズ・ラプソディ<TVM> 《ネタバレ》 
ファンとして新作が出てくれた事は嬉しい。  ただ、出来の方は相変わらずショボい。  前作「天使の策略」に比べれば、いくらかマシにはなったものの、はっきり言って前作は悪すぎたから論外。  盗む獲物や敵キャラの取って付けたような設定に加え、ありがちで強引なストーリー展開。そして、その強引さを中途半端なギャグとご都合主義で誤魔化すため、ラストに行くに従ってグダグダな展開に。  しかも今回はなんと五右衛門がギャグ担当。珍しい設定に期待したのに、結局、不二子に協力しているからと言うだけの理由で無理やり途中退場させられる。やはり従来のテレビ映画シリーズ同様、ファンが見たいと思うようなルパン一味の「活躍のさせ方」がまるっきり分かっていない。  よくルパンのキャラに対する批判としてやたら「旧シリーズ」と比較する人がいるけど、個人的には「カリオストロ」のように義賊としてのルパンが好きなので、こういう優しい性格に違和感は無い。今作の問題はそういう事ではなく、各キャラ独自の「個性を発揮した見せ場」が無いこと(もっともこれはシリーズ共通の問題だけどw)。「主役を光らせるには脇役の活躍が不可欠」という脚本作りにおける基本が分かってない。主役だけが目立っていれば良いという作り方は、要するに前時代的。  ルパンとツンデレな関係の次元はまだマシな扱いだが、悲しいかな敵側に魅力が無いので、相対的に次元にも勢いが無い。銭形の活躍もこれまた中途半端で、いてもいなくても話が成立する程度の扱い。敵にもルパンにもつかないという不二子の役回りもワンパターンすぎる。ヒロインのキャラ設定もありがち。おまけにラストは「カリオストロ」の劣化コピー。  監督や脚本を書いている人は業界では有名なようだけど、はっきり言って感性が古い。このままじゃルパンの名が廃れる一方だし、せっかく最近は一般にも漫画やアニメのレベルの高さが認知されてきたのに、こんな駄作を作られちゃ、元の木阿弥だよ。 
[地上波(邦画)] 3点(2006-09-19 19:39:18)
105.  ドグラ・マグラ(1988)
<原作は途中挫折>  原作の怪しげな雰囲気はよく出ているが、やはり映画も内容は意味不明(笑)。  ただ、内容の虚実を曖昧にするのはいいとしても、やっぱり最終的には何らかの決着を用意したほうが、商品としてはウケると思う。でも、それではこの作品の魅力は出ないしなあ。うーむ…。 
[ビデオ(邦画)] 5点(2006-09-19 16:47:08)
106.  ルパン三世 愛のダ・カーポ 〜FUJIKO's Unlucky Days〜<TVM> 《ネタバレ》 
確かに記憶を無くした優しい不二子ちゃんは、まさにバカボンのママ。  ただ内容的には、いつもにも増して設定の無理やりさが見える。オレゴンだかオルゴンだかの効果も意味不明だし、その増幅装置であるコロンブスの卵も、いったいどういう存在なのかまったく説明無し。  ハルク化したお父さんも、あれだけしぶといのに、ラストで不二子に蹴っ飛ばされてあっさり墜落死という、メチャクチャ端折ったテキトーな終わり方。何のためにハイパー化したのか分からない。  でも、この作品の最大の見せ場は、溺れた次元を五右衛門が人工呼吸しようとするシーンw。死ぬ気で嫌がる次元の至近距離からのマグナム連射を平然と無表情で捌く五右衛門が最高に笑える。つまり五右衛門が「その気」になれば、次元の能力では為す術も無く掘られてしまうということなのか。合掌。
[ビデオ(邦画)] 4点(2006-09-19 16:19:12)(良:1票)
107.  ALIVE アライヴ 《ネタバレ》 
<原作未読。映画のみの評価>   陳腐な設定、無意味にランプがチカチカする安っぽいセット、ダラダラとした展開、迫力不足の戦闘シーン、しょぼいCG&ヘボい特撮、俳優陣のベタな演技etc.etc、まるで褒める所が見当たらない。  今時、「未知の宇宙生物=軍事利用」、なんて発想自体も陳腐(「未知の生物に寄生される」という設定では既に「寄生獣」という傑作がある)。前半、密室における死刑囚ふたりのやり取りも中途半端で緊迫感や絶望感、閉塞感に欠ける。  そのまま後半にかけて、政府の研究組織の行う支離滅裂でアタマの悪い実験や、稚拙な演出のアクションを見せられるのにはほとほとウンザリ(何?あの「肉襦袢」は?笑うところ?)。  イメージや世界観、キャラクターが既に出来上がっている原作があるにも関わらず、こんな出来にしかならないというのが分からない。まったくのド素人でも標準的な美的センスと金さえあれば、この程度のものは作れるぞ。  とにかく監督さん、何度も言う事だけど(笑)、もう少し「演出全般」の勉強をしてくれ。
[ビデオ(邦画)] 0点(2006-09-03 23:23:07)
108.  OUT(2002) 《ネタバレ》 
<原作は未読>  のっぴきならない状況なのに、どこかのん気でユーモラス、しかもある種の爽快感すら感じる独特な内容。  変化の無い鬱屈した日常に嫌気がさしている主婦達が、死体処理という「狂気のなかで味わう非日常」に高揚感や生きがいを求めていくという部分には、自分のなかにも共感できてしまう感覚がある。  4人の女優陣も良い味を出してる。惜しいのは、寛平氏のキャラが中途半端という点。あの4人(+1)の関係を破綻させるキーパーソンとして出すなら、もう少し怜悧冷徹なキャラとして描いて欲しかった(そうすれば、いつものキャラとは違う魅力が出たはず)。 惜しい。  
[ビデオ(邦画)] 7点(2006-08-23 23:45:25)
109.  自殺サークル 《ネタバレ》 
序盤のインパクトや雰囲気は最高。病院でのエピソードまでなら傑作と言っても良い。  しかし、その後ローリーが歌を歌い始めたところから様子がおかしくなる(笑)。一瞬、「すわ、「発狂する唇」の再来か!?」と身構えた。まあ、あそこまでデタラメではなかったが、結果的に破綻する事に違いはない。  安易な自殺を通して、現代の若者の病理を描いたつもりだろうが、スタイルだけで中身がスカスカ。ミステリーっぽい伏線も、まともな説明がないまま放り出してある。ラストの子供達も露骨に「エヴァンゲリオン」のパクリ。こういう上っ面だけをパクるから、エヴァまで同列に見られてしまう。ファンとして迷惑。「破綻していそうで、破綻していない」のがエヴァ。「破綻していそうで、やっぱり破綻している」のがこの作品。似て非なるもの。  とりあえずテーマだけは深いので、もう少しまともな撮り方をすれば傑作になった可能性があるだけに惜しい。
[ビデオ(邦画)] 4点(2006-08-23 22:12:27)(良:1票)
110.  RETURNER リターナー 《ネタバレ》 
確かに邦画のSFアクション映画としてはそれなりに見られるものにはなっている。  ただ、とてつもなく薄っぺらい事は間違いない。何がって、作品としての「志」が。  古今東西、新旧の既存の作品群から設定や演出パターンを拝借する事は必ずしも悪い事ではないと思うが、そうである以上、より作品として高い所を目差すのが、足掛かりにした作品に対する最低限の礼儀だと思う。  しかし、この作品からはそんな気概はまるで感じられない。過去の様々な作品の「おいしいとこ取り」をしているだけで、一般大衆受けを狙った最大公約数的な「ツギハギ作品」にしかなっていない。パクリ:オマージュで言えば、8:2でパクリ。  そういう姿勢の作品を「エンターティメント」とは呼べないし、呼びたくない。意図的にやっているのだからなおさら。  主役ふたりの演技力の低さもひどい。金城武のセリフ棒読みに、鈴木杏の不満を表明するのに口を尖らせて喋るという記号的な演技や、自然さを出そうとして返ってオーバーアクションになる身振り、不自然な顔や声の表情など、見るに堪えない。溝口も狡猾なのか頭が悪いのか、強いのか弱いのか分からないキャラ。暴走っぷりも戦い方も中途半端で、悪役として魅力薄。  とにかく既存作品のパクリ方が露骨すぎる。こんな事を平気でやっているから、いつまでも日本人はオリジナリティが無いなんて評価されるんじゃない?
[ビデオ(邦画)] 2点(2006-08-22 23:45:18)(良:1票)
111.  雲のむこう、約束の場所 《ネタバレ》 
前作「ほしのこえ」同様、監督が今まで見てきた好きなアニメや漫画から得た影響のみで作り上げたであろうパッチワーク作品ではあるが、ここで酷評されているほどにはヒドい作品ではない。  その製作姿勢は基本的に同人誌の延長であり、監督の自己満足が先にあるものだが、取りあえず、何とか商品として金を取れるレベルに仕上げてある点は評価できる。  確かに「並行世界」という陳腐なSF設定も近未来の世界観も、あくまでイメージ優先で、小難しい単語を使いまわしているだけで中身は薄っぺらく、独自の着想も皆無。「戦争」、「幼なじみの少女」、「並行世界」、「飛行機」、などなど、すべてが「イメージ表現」のために用意されたギミックでしかないし、主人公たちのやっている事や言ってる事も青臭く、やたら感傷的で自己陶酔的だが、その「青さ」も含めて、青春恋愛アニメとしてのテーマは押さえてある。  まあこれが普通の劇場版として、どこかのスタジオが集団作業で作ったというなら間違いなく駄作ではあるが、ほとんど一人でこれだけのものを作ったというなら、それなりの評価には値する(必要な機材を与えられても自分ひとりではとても出来ないし)。  あくまでイメージ優先のジュブナイルアニメであって、それ以上でも以下でもない作品。今はまだ「技術はあるが独創性は皆無」というオタク作家の典型だが、もう少しクリエイターとしての視野を広げて、オリジナリティの高いしっかりとした脚本作りが出来るようになれば、あるいは…。  PS.この作品はともかくとしても、今やハリウッド映画やディズニーアニメのスタッフにも日本の漫画やアニメの影響を受けていない人間はほとんど皆無という時代に、未だにアニメや漫画に偏見持っている日本人がいるというのが嘆かわしい…。 
[DVD(邦画)] 5点(2006-08-21 23:27:21)(良:1票)
112.  ハサミ男 《ネタバレ》 
※※※↓完全にネタバレレビューです↓※※※  だいぶ以前に原作を読んだけど、この作品は世間の評価ほど面白いとは思わなかった。  映像化が難しい作品をあえて選択した勇気は評価したいが、誤解を恐れずに言えば、基本的に「叙述ミステリー」は、ストーリーとは無関係に「読者を混乱させる事」が目的化している部分があるので、騙され方に好き嫌いがはっきり出るタイプ。  トリックに関わる部分は、わざと大胆に扱うという事で上手く処理してあるが、ミステリーの見せ方としてはルール違反ギリギリ。また「シックスセンス」以降、同じような表現パターンは既に他の作品にも見られるありきたりなものになっていて、サプライズのためだけにある叙述トリックによるオチが、ほとんど効果を上げていないのが残念なところ。  「少女の首にハサミを突き立てるハサミ男が、自分の手口と同じ方法で殺された死体を発見してしまい、殺人鬼が殺人鬼を探すハメに」という、この序盤に提示される謎は最高に魅力的で、先の展開を期待させるが、ミステリーの醍醐味である、「フーダニット」、「ホワイダニット」という謎掛けの魅力に比して、真相がありきたりで、つまらなさが際立ってしまっているのが何とも残念。  つまり、その叙述トリックの部分が、「キャリア警視の便乗殺人だった」という、「もう一つの真相」とストーリー的にも、トリック的にもほとんどシンクロしていないという点が問題。警視にしてみれば、どの殺人事件に便乗しても良い訳で、ミステリー的な関連性という意味において、「ハサミ男が多重人格者でなければならない必然性」が無い。  それに加え「世間に公表されていない情報を知っている」という地点で、「真犯人は警察関係者なのでは?」と容易に予想もついてしまうので、中盤辺りまで来れば、多少この手の作品を見慣れている人にとっては、事件の全体像はバレバレ。そのため余計に「多重人格オチ」の弱さが際立ち、メインの謎の真相としてはインパクトに欠けたものに感じられてしまう。  ラスト辺りのダラダラ感もマイナスだし、終始鳴り続けているワンパターンなBGMも耳障り。麻生久美子の破滅的な殺人鬼の演技はなかなか魅力的だったのでおまけで5点献上。
[DVD(邦画)] 5点(2006-08-13 14:12:51)(良:1票)
113.  妖怪大戦争(2005) 《ネタバレ》 
はっきり言って「子供向け」じゃなく、「子供だまし」映画。現代の子供を嘗めてるね。  悪い意味での邦画特有の垢抜けなさ、センスの無さが目立つ。安っぽいCG、安っぽいセット、安っぽいギミック、やたらスケールだけ大仰な幼稚なストーリー、どっちつかずのギャグとシリアスのせいで、妖怪の恐怖感も、お祭りの盛り上がり感も無いショボい展開、豪華な顔ぶれなだけでヘタクソな演技の出演者etc.etc。  あと、これは監督の演技指導に問題があるが、神木くんの演技が一本調子すぎる。特に叫び声が「うわっ」「うわわわ~」「う~わ~」と記号的なテンションばかりで、それに加え、子供特有の甲高い声のせいで非常に耳障り。聞いていてイライラさせられた。   小学校低学年以下には話が分かりにくいだろうし、高学年以上にとっては話もアクションも幼稚すぎる。今どき、大人はもちろん、日本のレベルの高い漫画やアニメを見慣れている現代の子供にこんなお粗末な映画は通用しないでしょ。 漫画は進化しているのに、邦画は退化してると言うしかないね。
[地上波(邦画)] 1点(2006-08-12 23:20:35)(良:1票)
114.  ルパン三世 天使の策略 ~夢のカケラは殺しの香り~<TVM> 《ネタバレ》 
もともと低レベルな作品が多いTV映画シリーズの中でも、さらに一段落ちる。  とにかく敵のキャラ設定もストーリー展開もアクション演出も、何もかもがお粗末で薄っぺらい。  敵は何故か女だけのテロ集団。フェミニズムの狂信的伝道者かと思えば、目的は割りと普通(?)のテロリストで、「女でなければならない必然性」がまったく語られていない。敵キャラの「魅力」の背景として描くべき彼女たちの素性や行動理念が曖昧すぎる。  キャラデザやアクション演出のノリは、臆面も無く「キル・ビル」や「チャーリーズ・エンジェル」辺りのパクリ。そのプライドも創造性も無い製作姿勢には呆れ果てる。仮にも天下のルパンシリーズ最新作なんだから、もっと気合を入れて作って、「さすが日本のアニメは違う!」というところを見せて欲しかった。  ストーリー展開も後半は、「未知の金属」と言う初期設定は完全に二の次。あれでは盗むものが「核爆弾」だろうが、「宝石」だろうが、何でも一緒。  中盤、意味ありげに香水のエピソードが出る地点でボスの正体もバレバレ。おまけに正体判明後のボスのキ○ガイっぷりは、もはや意外性とか違和感を通り越して、「なんだこりゃ?」としか思えない。二重人格キャラとしてインパクトを出したつもりかも知れないが完全に失敗している。何故なら既述したようにキャラの背景描写が無いから、「二重人格でなければならないストーリー展開上の必然性」も無いからである。  まあ、各キャラにそれなりに活躍の場があった点だけは評価。と言うか、そんなもんあって当然なんだけど。  出てくるキャラが「ルパン」だからこそ辛うじて見ていられるけど、ストーリーやキャラ設定はお粗末の極み。新たにワースト3に入る駄作(・1位「生きていた魔術師」。・2位「DEAD OR ALIVE」・3位「天使の策略」)。  
[地上波(字幕)] 2点(2006-08-07 10:17:35)
115.  海猿 ウミザル
<原作未読・映画版のみの評価>  すべてが予定調和ありきの典型的ドラマ。  原作をニ時間前後に手堅くまとめた事を評価するべきかも知れないけど、あまりにもキャラ設定やストーリー展開の脚本構成が、この手のドラマのパターンにはまり過ぎている。  前半、ちょっとした友情や恋愛ドラマ、コメディ要素などを入れつつ、一通り舞台とメインキャラを描いた後は、中盤、仲間の死や恋愛、仕事の破綻と言ったお定まりの「トラブル要素」を与えて物語を引き締め、後半、その悲劇を乗り越えさせることで人間としての「成長」と「感動」を描き、ハッピーエンド、という、あまりにもドラマとして定型化された作りに苦笑してしまうほど。  そのまるでマニュアル化されたような脚本構成は、定番と言うより、もはやワンパターンと言った方が適切(だいたい「海難救助の潜水士を目指す若者たちの物語」と聞いた地点で、全体のストーリー展開や終わり方の見当がつくし、今作もまさにその通りの展開だった)。「潜水士」という単語を変えればいくらでも同じような「感動ドラマ」が作れる。  作家養成学校の教材用としては分かりやすい「教科書」ではあるかも知れないが、こんな形式化された演出パターンが見え見えのドラマで感動することは出来ない。
[地上波(字幕)] 4点(2006-08-02 16:59:27)
116.  下妻物語
CMディレクターだからと言う訳ではないが、場面ごとに独立した映像表現の仕方は映画と言うより、やはり数秒が勝負のCMの見せ方。  でも、それがこの映画にとっては良い方向に働いている。言い方は悪いが、キャラの見た目やその場の言動のインパクトで引っ張っているだけの作品ではあるが、二人のキャラクター性が完全に固定されているがゆえに、彼女たちが動くことでストーリーが着いて来るという、ある意味、理想的な展開が最初から出来上がっている。その断片的なシーンの連結がテンポの良さにも繋がっているし、独特な作品世界の味にもなっている。  深田恭子と土屋アンナの演技も意外なほどに良い。日常、あまり見かけないキャラだからという事もあるけど、あのオーバーな演技に嫌味や不自然さが無いのは、本人の才能か監督の演技指導の賜物か。  あえてテーマとか何とかは考えずに、そのノリを楽しめば良いんだけど、ラストに近づくにつれ、二人の言動や展開に意外性が無くなり、良くも悪くも分かりやすい「友情ドラマ」に落ちついてしまった終わり方には不満が残る。  もっと深く「外見と内面」とか「偏見」といったテーマを抉るか、もしくは不条理コメディとしてバカ映画に徹するか、どっちかにした方が良かったと思う。ちょっと中途半端になのが残念。  でも、この手の映像演出は、アクション漫画とかの表現にすごく向いていると思うので、今後は他の漫画原作の実写化にも期待したいところ。
[DVD(字幕)] 6点(2006-08-02 16:43:51)
117.  予言 《ネタバレ》 
基本的なアイデアはSFのタイムトラベルネタをホラーに適用したもの。「未来の運命を知っていたらどうするか」というテーマ根底に据え、そこに家族愛で脚色。  恐怖演出やストーリー展開の大枠も「リング」、「ファイナル・デスティネーション」、「ジェイコブズ・ラダー」あたりの模倣で、特に目新しさやインパクトは無い。  取りあえず最後まで飽きずに見られるものの、恐怖演出の模倣も含め、全体的にセンスを感じない部分が多く、本来、観客に気にさせてはいけない部分が目に付く。  例えば、中盤以降、もっと盛り上がって行かなくてはならない所でなかなかテンポが上がらなかったり、間延びしたりするシーンが多い(途中のベッドシーンなんかも不必要。あんなシーンを入れてる暇があったら、さっさと話を進めるべき)。  他にも、電気が止められているはずの荒廃した研究者の廃屋でビデオを見たりするのも、細かい事だけど、ディテールに対する拘りに欠けている。あそこは自宅にビデオを持ち帰らせればいいだけ。そのくせ、この研究者や入院患者のエピソードにはあまり意味が無いのだから、伏線の張り方としてもお粗末。  また、恐怖新聞が特定の人間に執着する理由や、主人公だけが時間を繰り返せる理由もはっきりしないまま。やはり「リング」のように、不可知的現象にも、ある程度の理由付けをしないと、その「対応策」が違うと分かった時の絶望感や衝撃が弱くなる。後半部分も、もっと時間を行き来したり、現実と非現実が交錯する酩酊感や不安感を強調して欲しかった。  PS.個人的にあのラストは「ファイナル・デスティネーション」と言うより、「ジョジョの奇妙な冒険」5部で、ゴールドエクスペリエンス・レクイエムに攻撃されたディアボロの最期から取ってると思うw。
[ビデオ(字幕)] 5点(2006-07-31 23:40:30)
118.  NOTHING ナッシング 《ネタバレ》 
「何も無い世界」という極端な舞台設定ってのは、まさに白紙のキャンバスと同じで、何をどう描いても構わないけど、逆にその「何も無い事」に囚われてしまいがち。  本当に何も無いままでは話が進まないし、かと言って、線を一本書き込むだけで、ある程度の方向性が定まってしまう。しかしそうなると今度は何も無い舞台の必然性が失われる。そう言う意味でも簡単そうで難しい舞台設定と言える。  今作もその自由の束縛ゆえか、家以外の物体を何も出さなかった(出せなかった?)のかも知れないが、やはり作品としての方向性が定まらず、「生きる目的」とか「現実と理想のバランス」とか「日常の意味」とか、色々と描けたはずのテーマが描かれないまま、中途半端なドタバタに終始してしまった感がある。言ってみれば、映画「ゾンビ」におけるショッピングセンターのシーンを抜き出しただけの内容。  嫌なものなら物質どころか自分の記憶さえも消してしまえる、という能力を作中でもっと上手く扱えば、より深くテーマを抉ることも出来たはずなのに残念。  あえて「逃げ出した先に理想郷は無い」という定番のオチにしなかった可能性もあるが、わざわざ逆説的にテーマを読み解けるほどの深い作品とも思えない。終わり方も蛇足。「謎解きミステリー」か「不条理コメディ」のどちらかに徹するべきだった。色々な意味で中途半端。
[DVD(字幕)] 5点(2006-07-31 10:52:33)(良:1票)
119.  メトロポリス(2001) 《ネタバレ》 
デジタル処理を活用した気合の入った映像は確かに美麗だが空虚。見た目が綺麗というだけで、演出のための必然性が感じられない上滑りな映像ばかり。  描き込まれた未来都市は、まるで書き割りのような薄っぺらさ。手間が掛かっているばかりで、まるで世界の「広がり」や「空気感」を感じない。  決してCGが悪い訳ではなく、表現における主と従の関係性を忘れてしまっている監督と製作スタッフ達にこそ問題がある。絵は単に綺麗に描けばいいってものじゃない。  また、ストーリーについても、他の方の指摘にあるように、テーマが中途半端に分散してしまっていて、肝心のメインテーマに力が無くなっている。  そのくせテーマ自体の主張性は強いため、各キャラの言動が非常に演技的に見え、その不自然さばかりが目につく。そう言う意味でも薄っぺらい。例えて言えば、豪華な食材と調理器具を揃えておきながら、料理方法を間違えている典型といったところ。   まあ、基本的に21世紀にリメイクするには、さすがにストーリーや世界観が古臭くなってしまったと言うのが最大の問題点かなと。  日本のアニメや漫画には、こうした作品の良さを受け継いだ後継者は既にたくさんあるから、デジタル処理だのと無理に現代風にアレンジしてまでリメイクする必要は無かったと思う。  
[ビデオ(邦画)] 4点(2006-07-19 19:28:19)
120.  玩具修理者
原作の雰囲気はよく出ていたように思う。ただこの作品は「ホラー+ファンタジー」みたいなノリで、原作自体それほど怖い内容ではないので、映画版も「それなりに」というレベル。もともとが短編の作品だから、一本の映画として見ると、どうしても物足りないのが残念。
[ビデオ(邦画)] 5点(2006-07-16 12:42:52)
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