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プロフィール
コメント数 2391
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  決戦は日曜日 《ネタバレ》 
日本じゃ選挙戦そのものをテーマにした映画はほとんど見かけないけど、たいていは挑戦する側つまり野党候補の視点のストーリーしかなかった様な気がするが、与党のそれも普通であれば当選見込みが高い世襲候補が主人公というプロットは初めてなんじゃないかな。いかにもお嬢様育ちという雰囲気の宮沢りえのわがままし放題の候補者ぶりには始めはとてもじゃないけど感情移入出来ないけど、あの「各々」を「カクカク」と読んで恥じないところには笑ってしまいました。これは漢字の読みに弱い某総理経験者のパロディでした。本職の選挙アドバイザーが製作に参加していたそうなので、選挙戦の流れなんかは素人にも判りやすくて良かったです。でもホントに凄かったのは、脱力系と言うか曲者揃いの秘書軍団と後援会幹部および地方議員たちでしょうね。小市慢太郎が演じる筆頭秘書なんかは普段は物静かな能吏という感じだけど、裏ではいろいろと地元建設業者あたりを使って私腹を肥やしているし、地方議員たちにも一歩も引かずに張り合っている。終いにはキレて宮沢りえを怒鳴りつける始末で、やっぱ国会議員秘書ってけっこう強面なんですね。窪田正孝もそうだったけど、この秘書軍団のパワーワードは「いろいろありますが、これが最善の策なんです」、これでわがままお嬢さん候補を引っ張らないといけない、こりゃ大変です。それにしても、国会議員と地方議員や業者との関係をここまで赤裸々に見せてくれる映画は初めてなのかな。 面白いのは、二年前の映画なのに本年に政界で起こった出来事を予言している様な感じがあるところです。落選活動(?)を始めた宮沢りえが対立候補の街頭演説に割り込んで妨害活動するところなんか、まさについ最近に警察沙汰にまでなったあの騒動を彷彿させてくれます。けっきょく色々と愚行を繰り返してネットでは炎上できたのに低投票率で組織票が強い与党・宮沢りえ候補が当選、まさに現代日本の選挙制度の最大の問題点をしっかり浮き彫りにしてくれました。 ヘンにおちゃらけたり過度にオフビートすぎることもなく、諧謔とシリアスな主張が高いレベルでバランスがとれた良作でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2024-05-15 23:24:06)(良:2票) 《新規》
2.  雲の上団五郎一座 《ネタバレ》 
いやはや錚々たる面子、昭和の喜劇役者が勢ぞろいしていて壮観でした。エノケンが座長のドサ回り劇団が、四国の公演に赴く船上で東京から流れてきた(一応)インテリの演出家と出会いタッグを組み、彼の吹っ飛んだ演出のおかげで大入り満員、ついには大阪の興行会社の眼に留まり大阪でも大成功をおさめるというサクセスストーリー、言ってしまえば他愛もないお話しです。菊田一夫が大ヒットさせた舞台の映画化だそうで、21世紀になってからもジャニーズ(おっと放送禁止用語でした)WESTがアレンジして上演しています。はっきり言ってストーリーなんてどうでも良しで、喜劇役者たちのパフォーマンスを愛でる映画でしょう。やっぱフランキー堺は凄くて、彼のパロディ『勧進帳』での弁慶は必見です。そして見逃してはいけないのは三木のり平の芸のキレっぷりで、八波むと志とのコンビで演じる『切られ与三』は抱腹絶倒でした。いやはや、この人はほんとに凄い役者だったんですね。あと花菱アチャコ、あの中気の芸は現代では炎上必至のヤバさがありますが、これが上手いんだよなあ。一座の団長役のエノケンの出番が少なく意外と大人しかったのはちょっと残念だったかな。このストーリーは続編も撮られたりTVドラマ化されたりしたそうで、埋もれてしまうのは惜しいエンターテインメントだと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-04-22 12:33:36)
3.  アルプススタンドのはしの方 《ネタバレ》 
甲子園出場の地方大会に義務的に動員された生徒たち、本気で熱くなっている応援席から離れたアルプス席に逃げ込んだJK二人と野球部を途中脱落した男子生徒の会話が面白い。野球のルールが全く判らない二人の会話に元野球部が突っ込みを入れるところが延々と続くが、これがグラウンドを全く見せないから試合の進行を観客に説明する仕組みにもなっている。私らの世代と違って最近の子供たちの野球離れが話題になったりしているので、野球に興味がなく基本的なことも知らないJKがいてもちっとも不思議じゃない世の中になってるんですねえ。 良くも悪くも高校演劇部には相応しいストーリーだったかなと思います。でも色んな意味でしらけた高校生活を送っていた四人が、高校野球の応援を通じていつの間にか熱くなってゆくところには、素直に共感できました。イマイチ感情移入できなかった自分ではありますが、青春映画としては良作だと思います。ただ「人生は送りバントだ」みたいな陳腐なことをドヤ顔で言うあの鬱陶しい教師の存在と、どう考えてもいらん付け足しだったと思うエピローグのせいで、マイナス一点!
[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-04-21 23:00:59)
4.  大菩薩峠 完結篇(1959) 《ネタバレ》 
カオスの権化の様な大伝奇物語もいよいよ終盤、というか原作は中里介山の死去により決着がつかないストーリーの大漂流のうちに未完、それを映画としてどのように閉めるのかに興味が湧きます。 前二作に続いて相変わらずの怒涛の様に進行するストーリー、でも今作では新規の登場キャラがあまり多くないのでまだ判りやすいかなと思いました。駒井能登守=東千代之介の暗殺を謀る大悪役の神尾主膳=山形勲に雇われ机龍之介=片岡千恵蔵、その機会を狙って待機中でも入手した名刀を試したくて辻斬りに励む、ほんとこの人ビョーキです。今回も神尾主膳の悪辣ぶりはキレまくっていて清々しいほどでしたが、駒井能登守謀殺に失敗して失脚してからは全く出番が無くなってしまいます。この三部作ではいろいろなキャラが登場するのですが、どの人物も中途半端にストーリーから消えてゆくのはどうなのかなと思います。逆にこの物語は宇津木兵馬=中村錦之助の成長物語の要素が強かったのかなと思いますし、ラストではあれほど憎んでいた龍之介を因縁から救ってやらねばという親鸞聖人みたいな心境にまで達しますが、その手段はやはり斬ることだとなるところは、さすがブレません。対する時代劇史上で最悪級の怪物キャラ机龍之介ですが、暇になれば辻斬りが趣味の様なサイコパスキャラもブレなかったですね。そんな龍之介も終盤では黄泉の国の幻影に苦しんだり捨てた我が子への思いに苦しめられたり、因果応報が襲ってくる仏教的な描写が目立ちます。この三部作では肝心の龍之介のキャラの掘り込みが浅く、観る者にはこの男を理解するのは困難なわけですが、それがかえって龍之介の怪物性が濃くなる効果が出ちゃったのかなと思いました。 未完の原作なのでラストは当然オリジナルなわけですが、もうこれしかない、という幕の閉め方でした。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-04-06 22:51:16)
5.  江分利満氏の優雅な生活 《ネタバレ》 
直木賞受賞作の山口瞳の原作は、短編小説のコンピレーションというかどちらかと言うとエッセイに分類されるような作品。それを江分利満氏=山口瞳を主人公にして彼のそれまでの人生を落とし込んで脚色した感じです。勤務先だったサントリー宣伝部をそのまま江分利氏の勤め先にして、“アンクルトリス”の産みの親であるサントリー宣伝部に在籍していた柳原良平=天本英世も登場している。この江分利氏=山口瞳は自分の亡き父親と同年産まれなので、なんか親近感がありますね。 ストーリーテリングは特に前半は軽妙洒脱、柳原良平のアニメを使ったりして、岡本喜八じゃなくて市川崑が撮ったんじゃないかと思うようなリズム感があります。実際のところ、始めは川島雄三の監督作として企画され本作とは違う視点でのオリジナル脚本が完成していたけど、川島雄三の急死で岡本が監督することになったそうです。とくに靴だけが歩き回って会話するというシュールなカットには驚きました。登場キャラでは破天荒かついい加減極まりない江分利氏の父親=東野英治郎がやっぱ光ってましたね、ほんとこの人は上手い。ストーリー自体は江分利氏が大酒を飲みながらもなんとかサラリーマン生活をこなし、ひょんなことから雑誌に連載を載せることになり直木賞を受賞するという山口瞳の半生をテンポよく描いているのですが、ラスト近くになって江分利氏が戦中派としての心情を延々と十分にわたって同僚・後輩に語るという展開は、明らかに作品のテンポを壊してしまった感があります。その語り口も軽妙さは無くてほとんど演説みたいな感じで、こりゃ聞かされる方も堪ったもんじゃありません。こういうことは他の岡本作品には見られなかったところですが、江分利氏と同世代の岡本の真情が迸ってしまったんじゃないでしょうか。この真情が後の『日本のいちばん長い日』『肉弾』『沖縄決戦』などを手掛けるエネルギーの源泉だったのかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-03-29 23:07:20)
6.  翔んだカップル オリジナル版 《ネタバレ》 
そうか、これが相米慎二の監督デビュー作なのか。一作目からして相米流映画術が完成しているというか、その後もブレずに同じように映画を撮り続けられたのいうのがある意味尊敬に値します。また薬師丸ひろ子の初主演作でもあるけど、てっきり角川映画だと今まで思っていたけど実はキティフィルムの製作だったと知って今更ながらちょっとびっくり。だから相米慎二の好き勝手に撮れたわけでしょうね。アイドル主演映画なのに、薬師丸のアップが極端に少なくて引いたカメラアングルを多用するなんて、角川春樹なら許すはずないですからね。他の鶴見辰吾・尾身としのり・石原真理子も含めて皆まだ十代、相米に四人まとめて「ゴミ、ガキ」と貶されながらの演技は、薬師丸の主演女優人生のスタートに強いインパクトを与えたことは間違いないでしょう。また肌が合わない人には耐えがたいような相米演出の独特な臭みには、賛否が分かれたことんじゃないかな。クジラの風船がフワフワと漂うシーンなんかは、特にね。でも私は石原真理子の部屋に薬師丸が訪ねてきて鶴見と大喧嘩するところ、そしてラス前のあのもぐら叩きのカットなんかは、好きですねえ。できればあのもぐら叩きのところでバサッとエンドにした方が、ずっと良かったのにと思う次第です。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2024-03-23 22:47:36)
7.  大菩薩峠 第二部 《ネタバレ》 
第二部が始まるとなぜか机竜之介は盲目になっている、これは前作のラストの爆破攻撃で傷を負った為らしい。相変わらずの超特急的なストーリーテリングだが、本作では盲人のくせに虚無僧姿で飄々と東海道を東へ向かう竜之介と追うお松・兵馬のロードムービーという展開です。この竜之介が盲人なのに随所で斬りまくるしラストでは槍技まで披露します。これはもう座頭市どころじゃない特殊能力ですが、座頭市みたいなリアル指向がないチャンバラなのでやっぱ怪物としか思えない。道中では後から後から女性がモーションかけてくるし、ここまで来ると眠狂四郎もシャッポを脱ぐでしょう(笑)。そしてさすがの竜之介も未亡人のお徳と捨ててきた我が子と同年齢の息子と接するうちにその山中の湯治所で静かに暮らそうかと達観するけど、槍を振るって血の臭いを嗅ぐと元の竜之介に戻ってしまう。竜之介はゆく先々で因果をまき散らせているようなものですけど、悪旗本=神尾主膳がなぜか竜之介の近くに引き寄せられてるような印象があります。この神尾主膳=山形勲の悪辣ぶりはなかなかのものです。 もう後から後から登場人物が増えるので筋を追うだけで必死になりますが、このカオスの様な物語、どういう結末を迎えるのでしょうか?
[CS・衛星(邦画)] 5点(2024-03-05 23:07:14)
8.  バタアシ金魚 《ネタバレ》 
ヤングマガジン連載中に愛読していましたが、あのほとんどサイコパスみたいで超自己中なカオルが主人公の漫画が、まさかこんなに瑞々しい青春映画になろうとは初見の時はびっくりした次第でした。今となっては貴重な高岡早紀のスク水姿を拝めるし、高岡早紀はもちろんのこと筒井道隆と浅野忠信のデビュー作というのも貴重なところです。生徒の服装や髪形を見るとけっこう平凡で真面目な高校の生徒たちという感じだけど、ビールを飲むし煙草はふかすわ高校生同士でラブホから出てくるわで、まさに今はやりの“不適切にもほどがある!”って感じで、現代の邦画界隈では炎上必至ですな。でも自分も通っていたのはごく普通の高校だったけど、部活の合宿なんかでよくビールなんか飲んでたよな、そんなに目くじら立てなくていいんじゃないかな。当時17歳の高岡早紀の演技はまさに美少女登場!でした、途中で激太りするところで二役(というか三役だったらしい)という演出にはやっぱびっくりしたな。そしてラストのワンカット・ワンシーンで撮られたカオルとソノコのプール内での乱闘は、何度観ても心に刺さります。 この作品は、誰もが覚えのある思春期特有の男の子・女の子のカリカリした感情の表現が今観ても新鮮で、最近の邦画の監督たちにも見習ってほしいものです。監督の松岡錠司はその後ドラマでの活躍がメインになった気がするけど、本作はやはり彼の最高傑作だろうと思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2024-03-03 11:46:28)
9.  PARTY7 《ネタバレ》 
得点分布を拝見しますと綺麗に0~10点にバラけていますねこの映画、強いて言えば5点以下が弱冠多いみたいですな。まあこういう評価になるのもムリ無いかなというのが、私の感想でございます。まるで下北沢あたりの小劇場の演劇を見せられているかの様な典型的なドタバタ劇、これは計算の上で書かれたと思いたい登場キャラたちが繰り広げるバカ丸出しの会話と掛け合い、こういうところも小劇場チックなんですよ。まあこの中でいちばんおバカなキャラかと言いますと、怪優・我修院達也と『アントム・オブ・パラダイス』のウインスローみたいな扮装の原田芳雄か、甲乙つけがたいところです。ストーリーをまともに追ってゆくと途中でほんとバカらしくなってくるので、ラストのカオスがツボかどうかに評価の分かれ目があるんじゃないかな。オープニング・アニメーションは観れば判るように『キル・ビル Vol.1』のアニメパートでそのタッチがそっくり再現されているし、石井克人を起用するぐらいだからタランティーノもこのおバカ映画を観ていたのかな、彼にはウケそうですね。まあ自分もこういうのは嫌いじゃないけど、5点以上はつけられないなあ…
[CS・衛星(邦画)] 4点(2024-02-29 21:50:27)
10.  地獄門 《ネタバレ》 
長谷川一夫が演じるのは、後に出家して僧侶文覚として平安後期および鎌倉初期に活躍した遠藤盛遠です。この盛遠がいくら田舎武士とはいえやってることがムチャクチャ、その行動は匈奴か鮮卑族かと思うぐらい、自分の思い込みで独身と誤解した同僚の妻である袈裟を無理くりに奪おうとして夫や親族までも皆殺しにしようとするヤバい奴です。これを美男スターの代表である長谷川一夫が演じるのはミスキャストのような気がしていましたが、その眼力と風格でこなしてしまったという感があります。そのストーカー侍に狙われるのが京マチ子、この人はケバい顔つきのヴァンプ的なキャラというイメージがありますが、やはり平安美人を演じさせたら右に出る者はいないと断言しちゃいます。『羅生門』を超える妖艶さ、まさに“グランプリ女優”の称号に恥じません。もちろんカラーでスクリーンに映しだされたのはこれが初、さぞや当時の観客は魅了されたことでしょう。大映としてもこれが初のカラー映画、その色彩の鮮やかさは現代の眼で観ても息を飲むほどで、「自分は産まれてからこのかた、こんな美しいものを見たことがない」とまでジャン・コクトーが激賞したというのも納得です。 この映画は同じ『門』でも『羅生門』と較べれば最近では映画ジャーナリズムでも取り上げられることが滅多にない感じですが、後にも先にもアカデミー賞で二部門受賞した日本映画は本作だけなんですよ。決して忘れられてはいけない重要作なんだと思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2024-02-26 22:49:03)
11.  大菩薩峠(1957) 《ネタバレ》 
時代劇映画できってのダーク・ヒーロー机龍之介、オープニングでいきなり通りすがりの老人を何の躊躇もなく斬捨てる、もうサイコパス人斬り魔でしかない。演じるは“山の御大”こと片岡千恵蔵、机龍之介役としてはやはりこの内田吐夢版の千恵蔵がやっぱいちばん有名でしょう。このキャラの鬼畜ぶりは眠狂四郎でさえも正義の味方に思えるぐらいで、そのニヒルぶりもかなりのもんです。千恵蔵はこの時すでに齢五十を超えている半ば御老体で龍之介を演じるにはちょっと老け過ぎの感もありますが、その貫禄と威厳はさすがとしか言いようがないです。中里介山の原作は超長編のうえに彼の死で未完という問題作、映画化されると長編の尺で三部構成というパターンが主流ですが、それでもストーリー展開は超高速でダイジェスト感があるのは否めません。やっぱ完全映像化となると、アヴェル・ガンスの『ナポレオン』ぐらいの尺が必要でしょう。 第一部しかまだ観ていませんが、とにかく一つ一つのエピソードが短く次々に繰り出されるので、参考資料を片手に観ないと着いていけなくなります。その分どうしてもキャラたちの掘り下げが甘くなりがちで、とくに龍之介が単なるぐうたらにしか見えないところが残念でした。近藤勇や土方歳三なんかとつるみ出したんでどうやら新撰組に龍之介は参加したんだなと判りますが、どうして彼がその気になったのかはまったく描かれていないので?でした。あと『用心棒』以前の古い時代劇にはいわゆる斬撃音がないので、どうも迫力が感じられないのは私だけでしょうか?
[CS・衛星(邦画)] 5点(2024-02-17 22:31:36)
12.  赤毛 《ネタバレ》 
製作当時はもう五社協定は雲散霧消しているわけですが、こうやって岩下志麻や乙羽信子が東宝映画で三船敏郎と共演しているのが観れるというのは珍しいことです。明治維新のときの赤報隊の史実をもとにしたオリジナル・ストーリーですが、穿った観方かもしれないけど70年安保闘争をカリカチュアしたような脚本であるような気がしてなりませんでした。官軍=佐藤栄作政権という図式で、宿場に突入してきた官軍が村人と対峙する絵面はまるで機動隊と衝突する学生デモ隊が彷彿されます。その村人たちも代官に反抗していたのは女郎屋の女たちと老師に扇動された若者だけで、半分以上の住民がこの騒動を眺めるだけの野次馬だったというのも意味深です。けっきょく赤報隊として官軍に利用されて果てる権三=三船敏郎なのですが、若者たちに詰め寄られて「理想と現実は違うものだ」と逃げを打つ老師=天本英世のセリフを聴くと、70年安保闘争後の無残な学生運動の成れの果てを予言していたようにすら感じます。 前半はとくに岡本喜八節が快調で、岡本映画常連の伊藤雄之助だけでなく三船敏郎までもがコミカルな演技を見せてくれます。権三が吃音気味というキャラ設定のおかげで、三船は普段は聴き取りにくいセリフ回しなんですが切れ切れに喋るおかげでいつもより耳に入りやすかったです。そして全編で効果的に使われるのが“ええじゃないか”節で、あの踊り狂う群衆の迫力は後年の珍作『ジャズ大名』の前振りみたいに感じました、もちろん今村昌平の『ええじゃないか』よりもずっと早いですね。コミカルな前半から打って変わって悲劇的な結末を迎えるわけですが、後半はちょっとテンポがもたつく感はありました。宿場に潜入していた幕府側の遊撃隊のエピソードは、ちょっと詰め込み過ぎた脚本のような感じでもたつきの原因だったと思います。とは言え個人的には珍しい三船敏郎のコメディ演技は堪能できたかなと思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2024-02-11 22:11:58)
13.  女は二度生まれる 《ネタバレ》 
小えんはドドンパしか知らない芸無しのいわゆる枕芸者、つまり客に春を売る方が得意と言うわけ。やたらと靖国神社が映るので、たぶん神楽坂あたりの置屋の芸者なんでしょう。そんな小えんが芸者を辞めてバーのホステスから一級建築士の妾となり、その建築士と死別するまでの男性遍歴がメインストーリーです。とは言っても体を許した男たちとは短いエピソードの羅列みたいな構成で、一種の群像劇みたいな感じです。まあ昭和三十年代のお話しですから、この映画に出てくる登場人物たちの行動というか言動は、現代の観点からは顰蹙を買わざるを得ないでしょう。小えん=若尾文子からしてよく言えば自由奔放、何を考えているのか理解不能な感も無きにしも非ずです。そんな彼女に建築士の山村聰だけは彼なりの愛情を注ぎ小えんもそれに応えようと努力するのですが、だいたい愛人を囲って所帯を持たせて妻や娘を蔑ろにするってのは、ちょっとどうなんでしょうかね、まあこの頃は“男の甲斐性”という感じで決して悪行とはとられていなかったんだからしょうがないかも。山村聰にしては珍しく男の欲望に正直なキャラを演じていました。唯一小えんと純愛的な関係性を持っていた藤巻潤にしても、芸者に復帰した彼女を取引先の外人顧客に接待で上納しようとして、とにかくこの映画に出てくる男どもはどいつもこいつもろくでなし揃いですな。おっと映画館で知り合った若い工員=高見國一だけは例外だったかもしれませんね。あと不協和音が強調される妙に不安を煽るような音楽が、印象的でした。 と言うわけでちょっと変わったテイストの作品ですが、妙に後味が残るところがあります。ところで小えんはこの映画のどこで“二度生まれた”んでしょうかね、やはりラストなんでしょうかね?
[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-01-31 22:01:36)
14.  セーラー服と機関銃 《ネタバレ》 
およそアイドル映画とは思えない撮り方の映画、まさに相米慎二らしいと言えるでしょう。薬師丸ひろ子の登場シーンではブリッジしているうえにセーラー服のリボンがかかって顔が見えないし、やたらに望遠レンズや魚眼レンズまで使って薬師丸の顔が小さくしか見えない、アイドル的な女優が主演していてこれほどアップが少ない映画ってのも珍しいんじゃないでしょうか。それまでの角川映画の配給先だった東宝と揉めて東映に変えたという事情もあって、角川春樹がほとんど口を出さなかったというのも大きかったのかも。ストーリー自体はかなり荒唐無稽なんだけど、思った以上にヤクザ映画的なシリアスな撮り方だったと思います。やはり当時を知るものとして思い出に残るのは、この映画が公開された時の薬師丸ひろ子フィーバーの凄さで、まさに社会現象でしたね。そして彼女が歌った主題歌の大ヒット、作者来生たかおのデモテープを聴いた角川春樹は「こんな曲はクソだ!」と言ったそうで、ほんとこの人はセンスがない(笑)。いまやアイドルソングとして80年代を代表する名曲と評価が定まっているのにねえ。有名な「カ・イ・カ・ン」のシーンも、改めて観ると官能的ですらあります。薬師丸ひろ子は御存じのように今や大女優ですが、私の中では青春真っ只中の彼女が映像に焼き付いている本作が一番です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-01-28 23:26:21)
15.  CURE キュア 《ネタバレ》 
時期的には被っていたかもしれないけど、こりゃ『セブン』に匹敵するような不快感というかおぞましさを観る者に与えてくれる映画ですな。萩原聖人のキャラの異様さは特筆ものですが、とくに劇中何度も繰り返される萩原=間宮の“質問に対して質問で返す”問答が不快感を増幅させてくれます。これは対人関係でやってはいけない相手を不愉快にさせるコミュニケーション上の悪手で、それをここまで計算づくで織り込んだ脚本は秀逸。いろいろとまぶされているメタファーも伏線でもなく、観客に色んな解釈をさせようとするストーリーテリングは、一から十まで説明する凡庸な邦画が目立つ中では光っています。ただ残念なのは間宮がだんだんと単に記憶障害を装っているだけの詐欺師的な人物に見えてくることで、せっかく確立した日本映画史に残るような不気味なキャラ像が薄れてしまった感がありました。ラストの一見何の違和感もないファミレスでの食事風景で閉めるなんかは、凡庸な映画監督にはできない勇気ある撮り方だったと思いました。今まで何本かは黒沢清の監督作を観ていますが、初めてこの人の才気を感じることができました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-12-28 12:53:38)(良:1票)
16.  地獄(1979) 《ネタバレ》 
70年代東映ラインナップの主柱だった異常性愛路線が行き詰まって、社長の岡田茂はロマンポルノの巨匠・神代辰巳を招いてエログロ路線を踏襲した新分野開拓を狙った企画。もっとも地獄を題材にする10年も前に石井輝男がメガホンを取る予定だった企画の復活だったみたいです。“地獄もの”といえば中川信夫の怪作『地獄』が有名ですが、主要登場人物が全員死亡という展開などはかなり同作を意識して書かれた脚本みたいです。肝心の神代辰巳は本来ドロドロの人間関係や情念を描くのが芸風で、ホラー要素がある登場キャラが多い大作を撮るのに適した人材ではなかったということでしょう。じっさい「最後まで脚本が良く判らなかった」と監督本人が告白する体たらく、興行も大惨敗で岡田社長は「俺の目が黒いうちは神代には絶対東映では撮らせない」と激怒したそうです。 ストーリーは近親相姦と因果応報を縦軸にしたドロドロ愛欲劇ですが、随所にムリというかおかしなところが目立つ脚本です。ほぼ現代の設定なんですが、いくら山間部の旧家が舞台だとしても江戸時代じゃあるまいし殺人やレイプがあっても隠し通して警察も動かないなんてあり得ない。捨て子の栗田ひろみと取り換えられて養護施設に送られた原田美枝子が20年たったらレーシングドライバーになっているなんて、現実味がなさすぎでしょ。しかも、レース中に追い込み過ぎて事故らせて引退に追い込んだ石橋蓮司が、旧家に帰ってみるとその家の長男で異母兄だった!もう笑うしかないです。肝心の地獄のシークエンスも、中川版をオマージュしたような見世物小屋的なチープさで観るとこもあまりないです。どうせみんな死んでしまったから岸田今日子を始め登場キャラたちが責め苦に遭うところを見せてくれたら少しはカタルシスがあったろうに、それとも何人かは極楽の方に行けたのかな(笑)。でもなんも悪事を働いてなかった栗田ひろみが地獄にいるのはなんか可哀そう。ラストで原田美枝子は先に堕ちていた母親と出会えるわけですが、その母親(原田の二役)がひょうきん族のアミダババアにしか見えないのはなんか情けない。まあこの辺りというかラストの展開は、映画としてはほとんど破綻していましたがね。 没にされた石井輝男は99年に念願の『地獄』を苦労の末に映画化しましたが、この作品は色んな意味でぶっ飛んでいてBS・CSでも放送は難しそう、でもぜひ観てみたい。若き日の原田美枝子のあまりに美しい容姿と迫力ある裸体にプラス一点を献上させていただきます。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2023-12-23 22:47:36)
17.  影なき声 《ネタバレ》 
松本清張の原作の映画化なんだけど、昭和の推理小説にありがちな妙にトリックをこねくり回して事件を複雑化させるパターンは現在の視点からはどう見ても古臭い。300人の声を聴き分けることが出来る電話交換手というプロットも、ストーリーには活かされていないとも感じます。だいたいからして、押しこみ強盗真最中に掛かってきた電話に出る強盗犯なんていますかね?まあこれは原作小説の持つ弱点なんでしょうがないかもね。 鈴木清順がまだ日活で職人監督として大人しくしていたころの作品だけど、編集やカメラカットには独特の清順節がそれでも垣間見れます。前半でフェードアウトしちゃうけど、若き日の宍戸錠の禍々しい悪役ぶりが印象的です。警察の取り調べの乱暴さもまた強烈で、これは当時の現実が反映していると思いますが、これじゃ現在まで尾を引くような冤罪事件が起こったのも無理ないかと思います。二谷英明が演じる新聞記者が警察よりも有能な名探偵というありふれたストーリーでした。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2023-12-17 21:51:24)
18.  首都消失 《ネタバレ》 
原作は未読ですが小松左京のSFはシミュレーション的な手法で書かれているのに、ほとんどお涙頂戴といった家族愛メロドラマになってしまってもう観るに堪えない。まず、首都圏が異常な雲のようなバリアに覆われて通信途絶、中に閉じ込められた2000万人余りの安否さえ全く不明なのに、大阪ではサラリーマンが昼休みにバレーボールに興じ浜名湖ではウインドサーフィンで遊んでいる、そんな緊張感がないなんてあり得る?となりますよ。雲の壁の端では宗教団体や群衆が集まって大騒ぎ、屋台まで出てまるでお祭り状態。センスのない歌謡曲みたいな曲をがなっている盲目ロックシンガーまで登場してくると、もう観るの止めようかと真剣に考えましたよ。一介の電機メーカーが造った超音波なんだか知らないがメーサー光線砲みたいな装置をふそうトラックに乗せて突っ込むクライマックス、もうこの脚本はどういうセンスなんだよ!と殺意すら覚えてしまいました。あと関西TVがスポンサーだからとうぜん忖度があったはずなのにこれでもかと見せつけてくれるTV局のマスゴミぶり、この当時のマスコミはマジでこれがカッコいいと思ってたんでしょう。 あとこれは小松左京自身の認識の問題でもあるけど、東西冷戦中の日本国の立ち位置に関しての被害妄想的な捉え方は困ったものです。雲の中に閉じ込められて国家機能がマヒしたからと言って国連常任理事会で日本の主権を停止して信託委任するなんて、いくら何でもそんなバカなと言いたい。仮に大震災が襲って東京が壊滅して政府首脳が全滅したとしても、統治機構は別の地域で臨時にしてもすぐに立ち上がることでしょう。小松左京の世代は敗戦トラウマが根っこにあるので、深層心理としては日本はアメリカの自治領に堕ちてしまったという意識があるんでしょうね。21世紀の現在となって振り返れば、日本は決して傍観者ではなく東西冷戦のプレイヤーの一員だったと解釈できるのにね。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2023-12-05 22:55:05)
19.  大殺陣 雄呂血 《ネタバレ》 
伝説の坂東妻三郎版のオリジナルは未見ですが(何でも現在視聴できるのはオリジナルの30%程度らしい)、調べるとこのリメイク版は登場人物たちの設定自体はけっこう変更されているみたいです。いわば『切腹』のような武家社会の不条理が主人公の背景に織り込まれており、一介の武士である小布施拓馬=市川雷蔵が謹厳なサムライから武家社会の掟に翻弄されて剣鬼に堕ちてゆく壮絶なストーリーです。本作の雷蔵は同時期の『眠狂四郎』シリーズと被ってしまいがちですが、狂四郎よりもはるかに深みのあるキャラだったと思います。密かに思いを寄せられていた志乃=藤村志保が自分の追手に手籠めにされそうになって自害するのを見過ごしてしまうところなんて、わが身を守るためとは言っても狂四郎なら絶対にほっとかないだろうな。もちろん激しく後悔はするけど、そうやってどんどん自暴自棄になった挙句の無残な境遇になっている波江=八千草薫との再会、そしてラスト20分の壮絶極まりない闘いになだれ込むわけです。 オリジナル版ではどれくらいの人数だったのかは不明ですが(ジョセフ・フォン・スタンバーグはオリジナル公開当時に上映館に通い詰めて何人斬られたか数えたそうです)、どう考えても本作で雷蔵が相手にした人数は邦画史上空前絶後、ギネス記録に認定してほしいぐらいです。梯子や大八車もよく捕物帳ものなんかで見かけますが、なるほどこうやって使うのか、と納得した次第です。雷蔵は本来殺陣が上手くなかったそうですが、その息を切らして必死に太刀を振りまわすところにはかえってリアルが感じられました。終いには地面に横たわって刀を振り回す、なるほど多人数に囲まれた場合はこうやって足を薙ぎ払うというのは理にかなっているかもしれません、でもこんな殺陣は今まで観たことないです。 一応は敵を全滅させて八千草薫と向き合いストップモーションで終わるというオリジナルとは異なるエンディングですが、勝ったという高揚感にはほど遠いカタルシスなき無常観に満ちた幕の閉め方でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-11-30 23:50:55)
20.  緯度0大作戦 《ネタバレ》 
東宝特撮映画には日米合作として製作されたものがあるが、本作はその最後の作品。合作と言っても独立系プロダクションが相手の場合が多くていろいろと難儀させられることもあり、本作なんて製作中に相手方が倒産して撮影中断、その為に複雑な権利関係になってしまい長い間ソフト化されませんでした。またこの映画が円谷英二と本多猪四郎の最後のコンビでもあります。 ストーリーは言ってみれば『海底二万哩』と『ドクターモローの島』を足して二で割ったような感じ。日米合作東宝特撮では欠かせないハリウッド俳優の出演も、ニック・アダムス、ラス・タンブリンに続いてリーチャド・ジェッケル、シーザー・ロメロ、そしてついに名優ジョセフ・コットンの出演と相成りました。ロメロの愛人役のパトリシア・メディナに至ってはコットンの当時の妻ですからね。アメリカ側プロの倒産で東宝が出演料を肩代わりさせられ、製作費のかなりの部分がこれらのハリウッド俳優のギャラに消えてしまい東宝はもう踏んだり蹴ったり、そりゃ合作を今後やらないとなるのも当然かも。特撮は円谷英二の最晩年ですからレベルとしてはほぼ頂点、冒頭の海底火山の噴火なんてこれがCGじゃないなんて信じられないぐらいです。緯度0という秘密世界の設定も荒唐無稽さが東宝特撮の中でもほとんど頂点、19世紀初頭の人間が200歳近くになっても普通に生きているというところなんかも謎めいていてグッド。当初の脚本では「緯度0の1日は地上の50年に相当する」という説明があったそうですが、それじゃいくら何でも計算が合わない、1年だと地上の18,250年になっちゃいますからね(笑)。でも登場する改造動物の造形はちょっとセンスが悪すぎ、まああんまり意味がないキャラ達だったとしか言いようがない。 やはり物議をかもしそうなのがあのラスト、リチャード・ジェッケルのラリッたあげくの妄想もしくは夢オチかなとも解釈できるような不思議な幕の閉め方です。でも私はこういう遊び心に満ちたような脚本は好きです、これぞ関沢新一の脚本らしさが出ていたと思います。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2023-11-27 23:24:05)
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