21. ポリス・ストーリー3
最近の作品はほとんど観ていないけれど、ジャッキー・チェンの映画もそれなりには観ている。 個人的に一番好きな“ジャッキー映画”は、この「ポリス・ストーリー3」だ。 何よりも、ジャッキー・チェンが一番元気の良い時期の映画だし、この後のハリウッド進出作品にはない“香港臭”がたまらない。(まあ作中の舞台は中国本土や東南アジア諸国なんだが) やはりジャッキーは、香港が似合う。 香港映画界の独特のユーモアの中で繰り広げられるジャッキーアクションは、「アクション映画界のチャップリン」とも言いたくなる程、完成されていて何度観ても素晴らしい。 加えて、ジャッキーのパートナーとしてミシェル・ヨーが卓越した女流アクションを見せてくれるのも、この映画の魅力だ。 ジャッキー・チェンとミシェル・ヨーのWアクションのコンビネーションは、このシリーズ作きっての見所とも言える。 相変わらず唐突に終わる香港映画らしい「終劇」と、エンディングロールのNGシーンも、久々に堪能した。 ただ今回はBS放送の字幕で観たのだが、ジャッキー映画だけは吹き替え版の方がしっくりくるような感じがした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-07-16 23:42:03)(良:1票) |
22. 神鳥聖剣
これは物凄い映画だった。99%は面白くないと断言できる内容なのに最後まで観てしまった。そういう不思議なパワーがあった。今となってはアクション映画において多用されるようになったワイヤーアクションの原始的なものが今作では使われていて、その出来があまりにも酷いものだった。しかし、今となって思うのは、観た当時はワイヤーアクション自体の存在を知らなかったため妙な違和感がありストーリーも受け付けなかったのかもしれない。今観れば、「グリーンデスティニー」「ヒーロー」っぽい内容の映画だったのかも。 [地上波(吹替)] 0点(2009-06-27 05:10:33) |
23. レッド・ブロンクス
非常にシリアスすぎてむしろ暗い展開に違和感があった。ジャッキー・チェンらしいノリの良さが微塵もなかったのが駄作となった原因だと思う。やはり決して演技力があるわけではないのだから、変に演技をしようとすると無理があるし観客も求めていないと思う。 [地上波(吹替)] 2点(2009-06-27 04:57:06) |
24. 香港国際警察/NEW POLICE STORY
うーむ。なぜこんなに評価が高いのか…。 確かにジャッキー・チェンのアクションは歳を感じさせずキレがある。その他のシーンにおいてもアクション性の高さと質については、「流石だ」と思う。 しかし、ひとつの映画作品としては、ことごとく中途半端で稚拙な印象を拭い去れない。完成された、緻密なストーリーを用意しろというのではない。ジャッキー映画にそんなものを求めている人は、一人もいないと思う。ただ単に、作品のテンションを統一してほしい。シリアスで悲痛な描写を入れたいという思惑は重々分かるが、そういう要素がジャッキー・チェンのアクション性と合致するとは到底思えない。 結果的に、ストーリーの展開が非常にアンバランスで、キャラクターにまるで説得力がなく全体的に支離滅裂に映る。 往年の「ポリス・ストーリー」で表現されてきた絶大な“魅力”はこういうものではなかったハズだ。まだまだ“動ける”ジャッキー・チェンに安心感を覚えつつ、もう一度、彼のベースへの原点回帰を願わずにはいられない。 [DVD(字幕)] 3点(2009-06-25 16:23:52)(良:2票) |
25. ツイン・ドラゴン
ジャッキー映画はただでさえアクション映画のわりにコメディ要素が高いのに、今作はそれがさらに大きく全体的に陳腐になっている。ジャッキーのどたばたぶりには笑わせられるけど、やはり物足りなさは大きい。 [地上波(吹替)] 3点(2009-06-25 16:09:16) |
26. 傷だらけの男たち
「インファナル・アフェア」の制作スタッフ、主演は金城武&トニー・レオン、否が応にも期待は膨らむ。きっとまたスタイリッシュでハードボイルドな香港ノワールが展開されるのだろうと……。 映画の雰囲気はとても良かったと思う。洗練された硝子の上を滑るようなスタイリッシュな映像世界に彩られ、香港ならではの高級感と雑多感が入り交じる。 キュートさと男臭さを併せ持つ金城武の表現力は相変わらず高かったし、トニー・レオンは哀愁と危うさ漂う存在感を見せつけたと思う。 ただ、この作品はひとつの映画として、とてもアンバランスだった。 冒頭、謎を含めようとする試みは理解できるが、ストーリーのテンションの種類があまりにバラバラなので、焦点が定まらない。 結局そういうことが終盤までの展開や、キャラクター設定にまで及んでしまって、物語自体は理解できるのだけれど、一体どこに感情移入すべきかが固まらない。 含めた謎やストーリーの核心も、非常に強引だし、無理がある。 主人公の心情が理解できない程に揺れ動きすぎてしまって、言動の意図が不明なままに決してしまったことが、致命的だったと思う。 感情移入できない部分は、国民性や民族性の違いによるものなのかもしれないが、それ以上に映画作品としての整合性を欠いたように見えたことは否めない。 [映画館(字幕)] 4点(2009-06-25 15:58:01) |
27. 孔雀王
大昔に観たものだからもうほとんど内容は覚えていないのだけれど、子供心に無邪気に覚えた呪文だけは今もできる。面白いという印象はないけど、同世代の人たちは結構見てたりするので話の種にはなる。 [ビデオ(字幕)] 4点(2009-06-25 15:14:00) |
28. ファイナル・プロジェクト
相変わらずの盛りだくさんのアクションは見応えはあるが、全体的にまとまりが悪かった。いまいちジャッキーが乗り切れてないというか、動きにキレがなかった感じがした。いつものことだけど、ラストのあっけなさもマイナス点。 [ビデオ(字幕)] 4点(2009-06-24 15:35:56) |
29. グリーン・デスティニー
仰々しいワイヤーアクションが話題になった今作であるが、映像的にはそれよりも美しい自然の舞台に目を見張るものがあった。広大で秀麗な自然の美の中で文字通り舞い、闘う映画世界は娯楽の醍醐味満載で非常に楽しめる。物語的には若干軽薄なところはあるが、満足はできる。 [ビデオ(字幕)] 5点(2009-06-24 15:17:35) |
30. 楽園の瑕
時間軸をずらしたストーリーが破錠気味で、風貌や名前も混同するので感情移入がほとんどできなかった。しかし、ウォン・カーウァイとクリストファー・ドイルによる映像世界は圧倒的に美しく、その映像美で引き込まれた部分が大きい。スローモーションによって画像をブラしただけのアクションシーンには魅力がなかったが、その他の映像感覚はやはり秀逸だった。ストーリーがもう少しまとまっていれば、かなりの秀作に仕上がったと思う。 [ビデオ(字幕)] 5点(2009-06-23 23:33:41) |
31. プロジェクト・イーグル
命がけで体を張るわりにノリが軽いのがジャッキー映画の魅力の一つだが、今作もその要素は大いにあり楽しめる。ストーリーが冒険をしていくものなので、他作よりはジャッキー自体のアクションシーンが少ないのが物足りなくもあるけど、映画的にはバランスよく仕上がっている。 [地上波(吹替)] 5点(2009-06-23 23:22:54) |
32. 九龍の眼/クーロンズ・アイ
「ポリスストーリー」シリーズの第二作である今作は、同シリーズの特色であるジャッキー・チェンらしいアクションに溢れており楽しめる。ただ1や3に比べると若干ストーリー展開が散漫な感じがして、印象がやや薄い。 [地上波(吹替)] 5点(2009-06-23 23:17:31)(良:1票) |
33. プロジェクトA
ジャッキー・チェンのアクションのキレを楽しむのなら、絶好調であったこの時期の作品を見るのが良い。今作は、エンターテイメント性に優れ、ジャッキーファンの中では名作の部類に入るのではないか。 [地上波(吹替)] 6点(2009-06-20 17:05:28) |
34. 燃えよドラゴン
ストーリーは滅茶苦茶もいいところで、その破錠っぷりが逆に面白い。今や伝説的なアクションスターであるブルース・リーであるが、その存在感にはさすがに世界のスターになり得た魅力を感じる。 [DVD(字幕)] 6点(2009-06-20 17:03:58) |
35. HERO(2002)
何よりもその優雅で衝撃的な映像世界に圧倒される。ここ数年使い回されているワイヤーアクションであるが、その真髄と極みがこの映画にはある。時間軸を交錯させサスペンスに満ちたストーリー構成も実に完成度が高い。そこに中国・香港を代表する俳優たちが集い、極めて濃厚な史劇アクションへと昇華させている。予想を覆す感慨深いラストの顛末も見応えあり。 [映画館(字幕)] 8点(2009-06-12 23:14:19) |
36. インファナル・アフェア 終極無間
《ネタバレ》 すべての結末を得た時、もう、ひたすらに絶句させられた。 二人の男の運命を軸とした人間の“業”の螺旋を描きつけた完璧な三部作だった。 三部作の各作品が、明確なひとつのテーマ(=無間地獄)をしっかりと描きつつ、それぞれがテイストを違えた映画として存在していることがスゴイ。もちろん、映画世界の雰囲気は変えずに。 PART1は、物語の核となる素材を軸として描きつつ、二大スターの対決を全面に押し出したサスペンスアクション。 PART2は、PART1で描かれなかった過去の時間に遡りつつ、マフィア側と警察組織側両面の様々な人間の心情を描いた一種の強烈な群像劇。 そして今作PART3は、残された謎と残された人間を更に深く描いたサスペンスドラマというふうに。 これほどまでに、テーマとしての重い一貫性を保ちつつ、文字通り“多面性”を持つ、凄まじい三部作を他に知らない。 特に、ラストの主人公ラウの葛藤が物凄い。“善人”になろうともがき続け、行く先を無くし、ついに“死”を選ぶが、それでも彼は“無間地獄”を歩き続けなければならない。何という悲痛な物語だろうか。心から底から滲み出るように「堪能した」と言える映画だったと思う。 香港映画は、またひとつ、世界に対し新たな衝撃を打ちつけた。 [DVD(字幕)] 10点(2005-09-26 10:53:58) |
37. インファナル・アフェア
《ネタバレ》 「無間地獄」の講釈から始まるこの映画は、まさにその絶え間ない生き地獄を生きていかなければならないアンディ・ラウの悲痛かつ確固たる決断に満ちた表情で終劇を迎える。彼のその表情こそこの類まれなる濃厚さで二人の男の過酷な宿命を描いた今作にふさわしいラストシーンだったと思う。まさにアンディ・ラウ、さすがトニー・レオンである。名実共にアジアを代表する二人のスター俳優のセクシーさと存在感に圧倒された。史上最高額でそのリメイク権をハリウッドに買われた本作、果たしてハリウッドはこのエネルギーに溢れたアジアンエンターテイメントを前にどう出るのか。 <Ⅱを観た後、今作を観直しての追記> 人間の業の螺旋の中で生きる男たちの様を、過去に遡りさらに深く描写したPART2を観て、PART1である今作で描かれている人間たちの心情がより鋭く浮き彫りになる。かつて「子供を堕ろした」と伝えられた恋人と再会したヤンのシーンや、警視とサムの掛け合いなど、様々なシーンにおいてより深みが増して映し出される。 PART2・PART3を観る前にこのPART1を観直そうと考えているなら、PART2を観てから観ることをオススメする。 [DVD(字幕)] 9点(2005-09-24 14:35:12) |
38. インファナル・アフェア 無間序曲
PART1である「インファナル・アフェア」を観終わった後は、続編の存在に対して、大いに不安と疑惑があった。ストーリー的にも1のあのラストからどう展開さすのかが疑問であったし、2大スターは出演せず、若手2人の主演ということに気弱さを感じたからだ。 しかし、そんな不安は冒頭から消し飛んだ。もうとにかく、とても丁寧に映画が作られている。とても繊細で力強い映像美に彩られる、PART1から過去に遡り、二人の主人公を軸としたあらゆる角度からの人間描写の緻密さが見事だ。 そして、一貫して描きつけられる“人間の業の螺旋”。まさに絶え間なく繰り広げられる無間地獄の様に、衝撃と共に深い感慨が残る。 [DVD(字幕)] 9点(2005-09-24 02:33:17) |
39. 少林サッカー
映画作りにおいて大切なことは、中途半端にならないことだと思う。これはどのジャンルにおいても言えることだが、特に娯楽映画には重要な要素だと思う。ストーリーが陳腐であっても、徹底したエンターテイメント性を打ち出せばその娯楽映画はとてつもなく面白い映画になるはずだ。今作はまさにその娯楽映画における最重要点を文句なしに押さえた秀作である。 [DVD(字幕)] 8点(2005-05-29 14:40:02) |
40. LOVERS
純真に純朴に清楚にそして魅惑的に二人の男を惑わすという女を演じられる女優は、今チャン・ツィイーをおいて他に見当たらない。「HERO」に引き続いて色彩豊かな美しすぎる映像世界は見事だが、今作において「美」という言葉は、チャン・ツィイーのためにある。彼女の眼差し、佇まい、台詞回しそのすべてが美しい。そしてその希有な女優に対する二人の男優も見事だ。彼女のまっすぐな眼差しに対し、同様に凛とした視線を返す。謀を描いた映画であり、登場人物たちは各々を偽るが、その瞳に真の偽りは見当たらない。大陸の壮大で美しい景色に映える力強い俳優達の精神に圧倒される。 [映画館(字幕)] 8点(2005-05-28 21:25:31) |