281. 列車に乗った男
男二人の佇まい。孤独な二人の心の通い合い。その淡々とした様は大人の味わい。円熟のジャン・ロシュフォールが絶品。放つ言葉全てに惹かれました。 [DVD(字幕)] 6点(2011-11-20 12:39:59) |
282. 007/ゴールドフィンガー
ハロルド坂田と金粉まみれの死体と主題歌が記憶に残る本作。観直してみて、つっこみどころ満載の展開ながら、後の作品でエスカレートしてゆく、白けてしまう人間離れした活躍を思うと、作品全体のまったり感もまた良しといったところです。そして、ハロルド坂田演ずるオッドジョブがシリーズ屈指の悪役である事を再認識しました。 [地上波(吹替)] 6点(2011-01-16 12:41:04) |
283. 炎のランナー
《ネタバレ》 印象深かったのがリンゼイ卿です。何かの為に誰かの為にという意志は見えないのですが、シャンパングラスを乗せたハードルを越える姿、リデルに出場を譲った姿に、単に何不自由ないボンボンではない、貴族という地位に見合う立ち居振る舞い、心根を見ました。エイブラハムはユダヤに対する偏見を見返す為に、リデルはキリスト教伝道の為に、一途な思いを貫きそれなりに好感が持てましたが五輪での直接対決がなく盛り上がりに欠けました。エイブラハムに「君のやり方は下賎だ」と言った学長が現在の五輪を見れば卒倒してしまうのでしょう。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-05 05:01:46) |
284. オリバー・ツイスト(2005)
人々が生きてゆく舞台の生々しさが伝わってくる目を見張るセットはポランスキーならではのもの。冒頭の病的な程に肥え太った大人達が、オリバーの「御代わりを・・」の申し出に激怒する姿。この如何ともし難い現実に僅か9歳のオリバーが翻弄され続けるのは当たり前で、母を思うこと、7日間歩いてロンドンに向かったこと、恩人に感謝し裏切るまいとする意志を見せる事だけで充分だと思います。小悪党フェイギンは彼なりに子供たちに愛情を注いでいましたが、ラストの命乞いする姿に子供たちの将来が重なり、やるせなさが募ります。作品のインパクト部分であろうビルの描かれ方が効果を果たしていない点が惜しまれます。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-01 16:59:26) |
285. ナイロビの蜂
《ネタバレ》 夫が真相究明に乗り出した所から一気に面白くなり、そこに至るまでの前半の退屈さに観るのを投げ出してしまいそうなのを堪えた甲斐があったというものです。金儲けの為に人の命を屁とも思わぬ企業もさることながら、正義を装いつつ私利私欲で立ち回る政治家、役人というのはまともな神経では務まらない薄汚い生き物です。夫婦はあの世で再会する結末となりました。もし共に命があったとしてこの先添い遂げる事ができるのかと考えさせられました。 [DVD(字幕)] 6点(2009-06-29 02:38:43) |
286. 007/慰めの報酬
前作の終了直後の設定と言う事なので、駆け出しのままの007です。私怨を抱くなとのMの言葉が耳に入らないのは当然なのでしょう。派手なアクションは洗練されていない粗野な感じが良く出ていましたが、大掛かりな陰謀の幾つかで意味不明な点があり、今ひとつ面白さに欠けました。風貌からポランスキー監督が思い浮かんだグリーンは、今後の作品を考え、敢えて線が細い悪党としたような気がしました。 [映画館(字幕)] 6点(2009-02-01 22:49:33) |
287. 謎の要人悠々逃亡!
《ネタバレ》 孤高の博士の、誰に対しても遠慮のカケラのない、人の気持ちを斟酌する事も全く無い、人を見下した言動は鼻持ちならないです。彼は悠々と逃亡しましたが、多くの協力者の必死のサポートがあればこそで、ドイツ軍の間抜けぶりもあり、白けた思いになりました。しかし、ラストシーンが救ってくれました。三人との再会を喜ぶ心からの笑顔に、普段は出し惜しんでいるかのような感情を持ち合わせていた事にホッとしましたし、収容所所長との再会を懐かしみふざけ合う姿に、戦争とは個人的に何の恨みも無い者同士が敵味方に分かれて角突きあわせているだけなのだという事を思い出させてくれました。愚かな事態であって、何時までも暴力の応酬を止めず、遺恨を次の世代に伝えていくのは悲惨な事ですね。味わい深いラストシーンでした。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-05-04 21:37:47) |
288. レボリューション・めぐり逢い
子供が成人するまでは親としてあらん限り力を尽くし、独立して巣立っていくときは笑顔で見送る。パチーノ親子の絆の強さは胸に響いてきました。パチーノとナスターシャ・キンスキー、パチーノとドナルド・サザーランドの絡みは物足りませんでした。アメリカとは独立戦争当時から身勝手な理屈を振りかざす国だったように感じました。 6点(2004-10-01 00:40:34) |
289. 運命の逆転
《ネタバレ》 クラウスの無表情な中に心の中の荒涼とした様子が表れていた。殺したのか否か、結局わからない。「弁護士はユダヤ人に限る」という台詞には大賛成。アイアンズはこの作品でオスカー受賞したけれど、自身「受賞はタイミングだ」と述べているように、自分としてもこの作品でオスカーというのは不思議だった。 6点(2004-01-27 01:16:33) |
290. フランス軍中尉の女
《ネタバレ》 サラに振り回されるチャールズ、アンナにふられるマイク。両者を演じるジェレミー・アイアンズの「恋は盲目」状態は彼のはまり役で良かった。マイクの家でのアンナとマイクの妻のやりとりは見応えがあった。妻の目が「芝居ではチャールズを婚約者から盗りあげたけど私からマイクを盗れるものなら盗ってごらん」と言っていた。恋愛ごっこと結婚して生活する事の違いをアンナは痛感したのでは。 6点(2003-12-31 22:28:12) |
291. カーツーム
クレジットのローレンス・オリヴィエ、ラルフ・リチャードソンに期待特大。最初、ゴードン将軍がオリヴィエかと思ってましたが、いや違う、将軍はチャールトン・ヘストン、じゃあ何処に出てる? もしかしてマフディなのか? 画面止めて眺めても別人にしか見えず。史実を元にした力作ではありますが、興味を持てない話でのメリハリ無い展開が退屈だったハズレ作品で残念。狡っ辛い人物を存在感たっぷりに演じたラルフ・リチャードソンに加点。 [DVD(字幕)] 5点(2024-02-10 02:10:54) |
292. 丘
軍事刑務所の存在を初めて知ることに。四六時中 left right left right わめき声が鬱陶しいと共に監督の英国に対する冷ややかな視線を感じます。刑務所ものとして他愛ない話で、顔面鬼瓦で熱演する(+1点)ハリー・アンドリュースに鉄槌が下るのを待っていたのですが・・・ 何じゃそりゃな結末に呆気にとられたところです。 [DVD(字幕)] 5点(2023-10-07 17:54:13) |
293. ジェントルメン(2019)
欲の皮が突っ張った男達のクライムアクション。今風というのか映像も台詞もスタイリッシュ。ヒュー・グラントがらしさを存分に発揮しての狂言回し役でのこれ以上無いゲスさが特筆もの。辛抱強く相手をしているチャーリー・ハナムの胸中「このゲスが」が透けて見える落ち着き振りが見応えあり。展開がめまぐるし過ぎて感慨湧かず。まぁ、感慨を求める作品ではないのでしょうね。 その昔アル様と共演した男前コリン・ファレルがうちの町内会で見かけるオッチャンと同じ様な姿なのが何か寂しい。ヘアメイク、スタイリストは一体何を(怒) [インターネット(字幕)] 5点(2023-06-07 15:30:31)(良:1票) |
294. 文化果つるところ
舞台は何処なのだろうか。監督の蔑視を感じる住民達に嫌悪感を感じたところ。男優三人の熱演ですが見ていて嫌気がさしました。念願叶っての鑑賞だったので残念です。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-05-31 16:53:49) |
295. メリー
殺人!のドイツ語版リメイク作だそうで。陪審員の評議模様、真犯人の最期には見るべきものがありましたが、総じて凡庸でヒッチコックらしさを感じられない作品でした。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-05-26 13:45:48) |
296. スパイ・ゲーム(2001)
《ネタバレ》 退任まで1日でどうやって救出するのか? 回想録が続くのは当然かと。ドイツとレバノンのシーンで自己愛に満ち約束を屁とも思わないCIAのセイギカンが見応えあり。サイドショー作戦をディナー作戦に書き換えメデタシメデタシに終わるまで野暮を承知でシーアイエーはこんな間抜けな組織なのか・・・馬鹿らしさで1秒も盛り上がれず。 レッドフォードの白すぎてシワシワのお顔が寂しかった。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-05-08 12:24:56) |
297. トゥモロー・ワールド
原因不明で世界で子供が生まれなくなり18年、英国以外暴動によって国が崩壊、押し寄せる難民を排除する治安部隊。 人類舐めたらアカン!設定を封印してSFモノとして観るぶんにはまずまずといったところ。 ビッグネームのマイケル・ケインとジュリアン・ムーアの雑な扱いに大いに異議あり。 ケインが語る「信念と運命」に加点。 乳児見守り一時停止からドンパチ再開シーン、全編に亘ってのゴミクズ溢れかえる街並みに、産まなければ始まりませんが、産んだ子供に教育と道徳を授ける事が重要かと思わされたところにも加点。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-04-07 14:07:06) |
298. 美女ありき
エマと提督の不倫話をヴィヴィアン・リー、ローレンス・オリヴィエが演じるとは生々しいキャスティング。 キャンキャンとした棒な台詞回しは相変わらずな彼女に引きずられ提督として男として中途半端な姿に興醒め。 二組の夫婦皆が世間体に縛られた関係で因果応報なエマの末路と併せて侘しいものでした。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-04-04 16:17:15) |
299. コンボイ
題名は昔から知っていてトラック大暴走モノだと思っていました。 オープニングタイトルロール。クリス・クリストファーソン、アリ・マッグローに萎え、バート・ヤング、アーネスト・ボーグナインに期待上昇、そして特筆ものの音楽(+3点)が実に心地よくワクワクしていたところへのサム・ペキンパーというのに「アチャー、そんな殺生な・・・」 トレードマークのスローモーションでのトラック横転をはじめ映像は迫力あるものでしたが(+2点)、ハナシがそれに見合わないケチ臭さで、積み荷は?荷主さんは?と無粋な事が思い浮かんでしまい残念です。 [DVD(字幕)] 5点(2023-03-12 23:59:16) |
300. オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体
実話だというのが信じ難い奇天烈軍事作戦に興味津々だったのですが、映画としての脚色と思われる男女三角関係に熱が醒めてしまいました。ナチス側の視点が無いのでサクサクと進む作戦に盛り上がれなかったのも痛いところ。お目当てコリン・ファースが役作りなのか知りませんが体も顔までも弛んでいてショックを受けたのも残念です。 [DVD(字幕)] 5点(2023-01-01 23:04:03) |