401. 戦場のピアニスト
「生きて歴史の証人となる」事は値打ちのある事だと感じます。ナチスの所業とドイツ国防軍の存在。ポランスキーがその時代に見聞きしたことなのでしょう。シュピルマンが万感の想いで演奏したように、ポランスキーも万感の想いで作り上げたのでしょう。忘れられない作品です。 8点(2005-01-31 18:09:16) |
402. フォロー・ミー
学生時代に一度観たきりですが、妻と探偵が街を歩く姿は、バックに流れる音楽と共に忘れる事はありません。心の触れ合いの大切さ、感じることの素晴らしさを教えてもらいました。パンフレットを眺めては、もう一度観たいと思いながら何十年も過ぎました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・この度、映画館での鑑賞が叶い感慨無量のひとときを過ごしました。 あてどなく街を歩く妻、お愛想の付き合いをそつなくこなす夫、激務で寂しさを麻痺させたと話す探偵。それぞれが孤独に耐えている。ときめきは歳月と共に色褪せてゆく。そうであるからこそ、ロンドンの街を歩く二人、ラストのチャールズのはにかんだ笑顔に胸が締め付けられるのです。 [映画館(字幕)] 9点(2005-01-23 23:08:38) |
403. ブリジット・ジョーンズの日記
《ネタバレ》 コメディとしては笑えず、ラブストーリーとしてはホロリとさせられない作品です。相対した時には自らを必要以上に大きくも小さくも見せる必要はないという部分では「ありのままに」です。しかし、月日が経っても何一つ変えようとせぬままでの「ありのままの私なの」は、ぐうたら女の居直りにしか聞えません。ダイエットひとつをとってみても、彼に美しくなった姿を見てもらいたいの一念が持続の源で恋する喜びなのです。成功しても恋が成就するとは限らない事を思うと本作の結末には馬鹿馬鹿しさに脱力感を覚えました。 [ビデオ(字幕)] 3点(2004-12-16 00:38:49) |
404. まぼろしの市街戦
《ネタバレ》 戦争の狂気がこのような形で描かれている事に驚きました。「現実の世界は苦しいことばかりよ」 確かに生きる事は苦しみもありますが、苦しみながらも現実の中で皆生きているのではないでしょうか。患者達の御伽噺の如く戯れる様子は現実逃避の卑怯者のように最初は感じました。そうではありませんでした。プランピックにラスト彼らのもとへと門を叩かせたのは、その方法でしか現実から逃れられない、そうまでしてまでも居られない戦争という現実の世界だったのですね。皆様ご指摘の通り、命令のもと個人的に何の恨みも無い者同士が破壊し合い殺し合う戦争という行為、そして、己と家族は絶対安全な場所に身を置いた上で、己の欲望を正義と言う美名で覆い、警察官気取りで戦争を起こし、苦しみ・悲しみ・痛みを何にも感じない指導者こそまともな神経を持たない狂った輩であると言えます。素晴らしい作品でした。 10点(2004-11-15 15:32:04)(良:1票) |
405. レボリューション・めぐり逢い
子供が成人するまでは親としてあらん限り力を尽くし、独立して巣立っていくときは笑顔で見送る。パチーノ親子の絆の強さは胸に響いてきました。パチーノとナスターシャ・キンスキー、パチーノとドナルド・サザーランドの絡みは物足りませんでした。アメリカとは独立戦争当時から身勝手な理屈を振りかざす国だったように感じました。 6点(2004-10-01 00:40:34) |
406. 針の眼
《ネタバレ》 任務を遂行するために邪魔者はためらい無く削除するヘンリーが、指を切り落とされながらもルーシーを傷つける事無く死んでいったのは彼女を愛していたからでしょうか。ルーシーはデイビッドに愛されなく、淋しい心を癒されたくヘンリーに惹かれていったのでしょうが、デイビッドの亡骸にすがる様子や、ヘンリーにとどめをさした姿から、愛した人はデイビッドだったのですね。荒涼とした風景が三人の心模様を浮き彫りにさせているように感じました。ドナルド・サザーランドが時折見せる笑顔が、何とも物悲しかったです。 7点(2004-09-29 23:10:08)(良:1票) |
407. ディープ・ブルー(2003)
自分はドキュメンタリー大好き、海が大好きです。「誰も見たことの無い世界を見せてあげよう」に物凄く期待しました。スクリーンに身を委ね、日常の世界を何もかも忘れ、ひと時を神秘の海中をゆらめく気分に浸りたかったので映画館へ出かけたのですが。見た事のある映像がありましたし、ビデオなら音が消せますが、やかまし過ぎる音楽には辟易しました。時間とお金をかけた甲斐がなかったのは無念でした。 3点(2004-09-19 00:23:44) |
408. 007/ユア・アイズ・オンリー
自分の中で007シリーズ最高の作品です。当時、劇場で観て、母と二人「面白かったなぁ」と言いながら帰ったのを覚えています。23年振りに観ましたが、やはり面白かったです。主題歌が最高で007と言えばこの曲が浮かびます。「そんなアホな」という、けったいな小道具が一切出て来ず、ヘリコプター・車・スキー・海上・クライミング、どれも手に汗にぎるシーンばかりで、ボンドの不死身さを見せてくれるのが好きです。スタントチームの最高の仕事に敬意を表します。キャロル・ブーケは、「この世にこんな美しい人が居てるんやなぁ」と見とれたものです。ギリシアの風景も美しいです。ラストのボンドとロシアの将軍とのやりとりは忘れていましたが、「ホンマにその通りや」良い事言っています。悪役好きの自分にとって三人とも物足りなかった事だけ残念です。 8点(2004-07-28 04:54:34)(良:1票) |
409. ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
子供の付き添いで観ました。原作も読んだ事ありません。アラン・リックマンとエマ・トンプソンとゲイリー・オールドマンが出演しているのには「何で出てんの?」と仰天でしたし、失いそうになる意識を何度も呼び覚ましてもらい、最後まで観賞できました。相変わらずイギリスの曇り空は美しいと感じました。 5点(2004-07-25 18:00:59) |
410. 日の名残り
《ネタバレ》 執事たる者、女中頭と恋に堕ちてはならない、主人に自分の主義主張を口にしてはならない。執事としての信条を貫き通したスティーブンスですが、機械の様に無感情ではなく、人として湧き上がる感情を自ら淡々と押さえ込む様子を観て、悲しくなりました。中でも、恋愛小説をケントンに無理やり取り上げられるスティーブンスの姿、あの右手は動かなかったのか動かさなかったのか、は胸が痛くなる忘れられないシーンです。ダーリントン卿の最期を、バスで去ってゆくケントンを、それぞれどのような気持ちで見送ったのでしょうか。ケントンが「愛しています」と自分から一言も口にしなかったのは、執事というものを理解し尊敬していたからなのでしょうか。二人の見事な演技を観終わった後、いろいろな事を考えさせられ、自分なりの答えがまだ見つからない作品です。 8点(2004-07-09 05:59:01)(良:2票) |
411. クライング・ゲーム
アカデミー脚本賞受賞も納得の作品。12年ぶりに観て秘密の部分は分かっていても、ファーガス、ディル、ジョディの三人には惹きこまれてしまう。愛する人のためには理屈や損得がすっ飛んでしまう人間の性を見事に言い表している蠍と蛙の話は当時から忘れられない。 7点(2004-05-16 22:27:17) |
412. モーリス
愛している事を他人に隠さなければならない苦しみは同性愛だけに限らず切ない。自分にとって何が一番大切か、モーリスとクライブはそれぞれ選んだ道を進んでいった。正しかったのはどちらかという答えはないと感じた。 7点(2004-05-09 19:46:44)(良:1票) |
413. 永遠のマリア・カラス
全盛期が偉大であればある程衰える事は辛い。昔に戻れないと分かっているであろうに夢を見てしまったカラスとラリー。夢の部分である「カルメン」。オペラの知識が無い自分には、理屈ぬきで胸に響いた。このまま突っ走るのか、どこで夢から覚めるのかと観ていたのでラストの二人は切なかった。早くに逝ってしまったカラスは、第二の人生の舞台は自身考えられなかったのかと思うと悲しい。威厳に満ちた姿、美しさ、痛々しさ。ファニー・アルダンの演技は圧巻。 7点(2004-04-26 08:20:16) |
414. 暗殺者のメロディ
アラン・ドロンのこの作品は未見で期待していたのだが、いまひとつだった。闘牛でボロボロにされて口から血を吐いて死んだ牛が引きずり出されて解体されるシーンは、三人の子供を殺され亡命して、なおかつスターリンの意志によって殺されたトロッキーの最期を象徴しているように感じた。 5点(2004-03-12 23:42:02) |
415. マイケル・コリンズ
大国のむき出しのエゴが憎悪とテロを呼び、テロが暴力と憎悪を呼ぶ連鎖はどちらかが一人残らず全滅するか、双方に共存してゆく道を目指す指導者が現われない限り終わりが来ないと思う。リーアム・ニーソンが出演していた『ミッション』に「力が正しいのなら、この世に愛は必要なくなる」という台詞があったが、絵空事の考えなのだろうか。 7点(2004-03-07 23:38:05) |
416. 恋の闇 愛の光
ロバートの成長を描いているようだけど少しも心に響いてこない作品だった。メグ・ライアンの心境もよく解らなかったし、ヒュー・グラントも気持ち悪い奴にしか見えなかった。 3点(2004-03-06 07:42:29) |
417. いつか晴れた日に
《ネタバレ》 B'zの『裸足の女神』が浮かんできた作品。情熱的に奔放に恋して手ひどく傷ついたマリアンヌ、マリアンヌに秘めたる熱い想いを抱くかつて彼女と同じように傷つき苦しんだであろうブランドン大佐、エドワードへの叶わぬ想いの辛さをグッと飲み込み周りを何時も思いやるエリノア、不器用で頼りなさそうだけど芯の強い優しさを持つエドワード。四人の晴れの日の笑顔に互いにいたわりあう事の出来るこの人たちなら何時までも幸せに暮らす事ができるだろう、本当におめでとうと言わずにいられない。息を飲むようなイギリスの美しい曇り空と、エリノアの抑えに抑えていた想いが全て溢れ出た嗚咽のシーンは忘れられない。 7点(2004-02-26 21:15:36) |
418. ノッティングヒルの恋人
スーパースターが異国の本屋さんの冴えない店員さんに一目惚れするとは、いくら映画とはいえ声を大にして叫びたいです「そんなアホなーっ!」トランティニャンがアイアンズがバーンがパチーノが自分の職場に訪れて・・・けったいな妄想が湧き上がる自分にとって罪な作品でした♪ ヒュー・グラントはピタリと役にはまっていたように感じました。彼の友達の面々がとっても好感持てました。 7点(2004-02-17 21:14:43) |
419. ジャッカルの日
原作は、海外の作家で私が最も尊敬するフレデリック・フォーサイスの最高傑作で、中学生の時に初めて出会って以来の永遠の愛読書です。映画化において、原作における心理描写の深い味わいはさすがに表現しきれていませんが、狙う側、守る側の攻防はキャスティングの絶妙さと共に忠実に再現されていて見事な仕上がりです。 2022.4.26追記 ジャッカル=エドワード・フォックス=山本圭 奇跡のキャスティング 吹き替えの最高傑作 山本圭さん、安らかにお眠り下さい。合掌 [DVD(字幕)] 8点(2004-02-14 20:00:35)(良:1票) |
420. ラブ・アクチュアリー
何処にでも誰にでもある人を愛する思いを、イギリス映画ならではのユーモアたっぷりに描いた洒落たストーリーで、観終わった後ほっこりとした気分になりました。旦那と一緒に観ましたが、大昔に、プロポーズされた時の事を唐突に思い出してしまいました。初心に帰るという事で、結婚○○年のご夫婦にお薦めできる作品に感じます。一番楽しみにしていた大ファンのローワン・アトキンソン。アラン・リックマンとの競演は期待以上で大満足でした。 8点(2004-02-09 23:25:26) |