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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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61.  プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵 《ネタバレ》 
1970年代、アパルトヘイトの嵐が吹き荒れていた時代の南アフリカ。政府のそんな理不尽な人種隔離政策に反発し、非合法な活動を続けていたある二人の白人青年が逮捕される。彼らの名は、ティム・ジェンキンとスティーブン・リー。裁判の結果は、それぞれ懲役12年と8年の実刑だった。判決は瞬く間に確定し、彼らは速やかに当時地獄と恐れられていた白人専用のプレトリア刑務所へと収監されるのだった――。だが、彼らはまだ諦めたわけではなかった。愛する者のためになんとしても脱獄しようと目論むティムが考えた驚きの方法。それは、刑務官が常に腰にぶら下げている鍵の形を暗記し、それを木で彫って複製しようというものだった。少しでも力を加えればすぐ折れるうえに、刑務所のドアを開けるためには外から差し込まなければならない。しかもそんな鍵が外に出るまでに10もあるのだった。無謀とも言える彼らの計画だったが、それでもティムとスティーブンは持ち前の執念と正義への情熱でもって少しずつ鍵を彫り続けてゆくのだが……。実話を基に、難攻不落とも言われた刑務所から決死の脱獄を図った二人の青年を描いたプリズン・サスペンス。主演を務めるのは、髭もじゃ顔がすっかりトレードマークとなったダニエル・ラドクリフ君。まぁいわゆる古典的な脱獄ものなのですが、本作の特徴はその脱獄の方法が木材で鍵のコピーを作ろうとするところ。しかも目で見ただけでその鍵の形を覚えようと言うのですからまさに無謀。そんな馬鹿な…と思わなくもないですが、この時代のしかも南アフリカですからこれくらいセキュリティが甘々だったのでしょうかね。これが実話じゃなかったら、「脚本家、テキトーに書きすぎ!」と途中で冷めていたところでしょう。とはいえ、脱獄のドラマだけに特化した本作は、その手のツボは押さえられていたのでけっこう楽しんで見れました。冷酷非道な刑務官にいつ見つかるか、彼らの計画がいつか露見するんじゃないのかと最後までハラハラドキドキの連続で目が離せなかったです。ただ、全体的な感想としては正直薄味。もう少し政治的な背景も描かれていればより深みが増しただろうけど、そこは敢えてバッサリ切っちゃったのは良かったのか悪かったのか。シンプルな脱獄ものとしては普通に面白かったんですけどね。
[DVD(字幕)] 7点(2021-12-28 03:30:23)
62.  レディ・マクベス 《ネタバレ》 
19世紀、イギリス。海沿いのとある地方都市に住む大富豪マクベス家へと嫁いできた、まだうら若き17歳の少女キャサリン。それまでの貧しい生活から一転、彼女は何人もの使用人を抱えた何不自由ない生活を手に入れたのだった。だが、当主である年の離れた夫は横柄な性格で、妻であるキャサリンをまるで使用人の一人としか見てくれない。しかも潔癖症なのか特殊な性癖の持ち主なのか、キャサリンに指一本触れてこないばかりか、夜な夜な彼女を裸にしてそれを眺めながら自分で処理するという毎日。次第に欲求を抑えられなくなったキャサリンは、ある日、野性味あふれる馬の世話係の男と一線を越えてしまうのだった。夫は数日前から所有する炭鉱のトラブル処理のために旅立ったきり、帰ってくるめども立っていない。若い欲望を持て余したキャサリンは、どんどんとその男と愛欲の海へと溺れてゆくのだった。当然、閉塞的な田舎町で彼女の不倫は瞬く間に人々の噂の的となり、それは遠く離れた地に居る夫の耳にも届いてしまう……。イギリスの寂れた田舎町を舞台に、若くして地主の妻となったそんな〝マクベス夫人〟の禁断の愛を濃厚に描いた愛憎劇。『ミッドサマー』で強烈なインパクトを残してくれた若手女優フローレンス・ピューの長編デビュー作となった本作を今回鑑賞してみました。全編まったくBGMもなく、ただひたすら淡々と起こった出来事を綴ってゆくという本作のスタイルに最初こそ眠気を誘われたものの、この主人公が人目も厭わずに若い男と情欲の海に溺れ始める辺りから次第に惹き込まれて観ている自分がいました。とにかく画が非常に美しいんです。シンメトリーを意識したであろうカットはどこを切り取っても、まるで中世の絵画のような気品ある美しさに満ちています。特に真っ青なドレスを身に纏った主人公が大きなソファに座ってこちらを見つめるシーンは、そのまま切り取って部屋に飾っておきたくなるほど。そんな美しい〝画〟の力が、正直このありきたりな不倫話を濃厚な愛憎劇へと昇華させることに成功しています。そして何より、大胆なラブシーンにも挑戦したフローレンス・ピューの存在感よ!勝ち気でツンとすました彼女のその凛とした表情には、何か吸い込まれそうな魅力がありますね。稀代の悪女誕生という最後のオチも説得力抜群で、素晴らしいとしか言いようがない。いやー、やはり成功する人ってデビュー作から放っているオーラ違うんですね。なかなか見応えのある愛憎劇の秀作でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2021-05-12 03:01:11)
63.  ディストピア パンドラの少女 《ネタバレ》 
そこでは最後に残された唯一の希望さえ、今にも消え去ろうとしていた――。謎の伝染病が蔓延し人類の大半が狂暴な化け物〝ハングリーズ〟と化した近未来。人々は強固なフェンスを張り巡らせその中で何とか身の安全を確保していた。軍部が管理する完全に外部と隔離されたその施設内で暮らす11歳の少女メラニーもまた、深い絶望の中に生きていた。彼女をはじめとする十数人の子供たちは常に独房に監禁され、外へと出る際は完全拘束された状態でしか許されなかった。何故なら彼女たちもまた謎の病原菌に汚染されているから。そう、彼女たちは〝ハングリーズ〟でありながらも思考能力を残している新種なのだ。彼らこそワクチン開発の決め手となるかも知れない唯一の希望だった。だが、優秀な科学者のもともう少しで人類の未来を取り戻せそうになっていた矢先、とうとうハングリーズたちによってフェンスが破られてしまう……。滅亡の危機に瀕したそんな未来社会で、明日の光を求めて彷徨う人々を描いたサバイバル・スリラー。といういかにもベタな設定の典型的なB級ゾンビものだと思って観始めたら、意外や意外、なかなかしっかりとした内容でけっこう面白かったです。特にこの人々がゾンビ化する謎のウィルスの発生源がある種のキノコというのは良いアイデアですね~。最後、このゾンビたちを栄養源としていた菌が発芽し、巨大なキノコとなって今にも胞子を撒き散らそうとしているというシーンは絶望感マックスで大変グッド。それに、大量のゾンビたちが徘徊する世界でのアクションもちゃんとツボを押さえていてなかなか楽しい。主人公であるメラニーも保菌者なので、いつゾンビ化してもおかしくないというのも緊迫感があって良かったです。ただ惜しいのは、ここまで徹底的に考えられた設定で始まったお話なのに、後半から徐々にその設定に綻びが出ちゃうところ。まず、日中立ったまま寝ている彼らの近くで間違って音を出しちゃったのに、それに気づくゾンビと気づかないゾンビがいるというのはおかしい。後半、普通に思考能力が残った子供ゾンビが急に出てくるのですが、彼らの存在に一切説明がなかったのも残念。ここら辺の脚本上の詰めの甘さをもう少し何とかしてほしかったかな。とは言え、最後のパンドラの箱の暗喩もばっちり決まってたし、絶望的な世界観もしっかり作り込まれていたし、主人公もけっこう魅力的だったしで、まずまず満足の内容でありました。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-11-19 23:37:41)
64.  プライベート・ウォー 《ネタバレ》 
2012年、内戦が激化していた当時のシリアに潜入し、戦場のリアルな実態を報道し続けた記者メリー・コルヴィンが亡くなった。近くで爆発した砲弾に巻き込まれ、彼女はその決して長くはない人生を終えることになった。若き日に報道記者となり、スリランカの内戦取材中には銃撃を受け片目を失うという悲劇に見舞われながらも何故、彼女は戦場に行くことを止めなかったのか――。本作は、そんな彼女の波乱に満ちた生涯を冷徹に見つめた伝記映画だ。戦場の生々しい実態に心を蝕まれ、後にアルコール依存症とまでなった彼女を演じるのは、『ゴーン・ガール』での悪女役が記憶に新しいロザムンド・パイク。このメリー・コルヴィンという人をほとんど知らないまま今回鑑賞してみたのだが、これがなかなか丁寧な演出の力が光る秀作に仕上がっていた。世界の紛争地へと突撃取材を続ける彼女とその合間に都会へと帰ってきて束の間の休息をとる彼女の姿を交互に描くという本作の構成、これが巧く効いている。戦場で明日の命もままならないような生活を余儀なくされている子供たちと向き合っていた自分が、自宅へ帰ってくると裕福な友達に囲まれ何不自由ないセレブ生活を送る。いったいこの不条理の原因とは何なのか。そして自分はそんな子供たちを金儲けの道具にしているだけなのではないのか。そんな残酷な問いを突き付けられた彼女が、徐々にアルコールへと溺れてゆくのも当然だろう。彼女の人生を迫真の演技で再現したロザムンド・パイクもいい仕事をしている。この人、こういった何処か偏屈な人間を演じるのが相当巧い。最後、彼女は自らの身を顧みずに戦場へと残り、そしてその短い生涯を閉じる。何故なら、この現実から決して目を背けてはならないという確固とした信念があったから。観終わって、僕は同じくシリアで命を落とした日本人ジャーナリスト、山本美香さんのドキュメンタリーを見て非常に感銘を受けたことを思い出してしまった。時に批判されることもあるだろうが、それでも彼女たちのような職業も社会にとって絶対に必要なのだ。何故ならその地に行かなければ決して分からない真実がそこにあるのだから。メリー・コルヴィンという人の生涯を再現することに注力するあまり、若干テーマに対する踏み込みが甘くなったような気もするが、それでも充分見応えのある伝記ドラマの秀作であった。
[DVD(字幕)] 7点(2020-10-09 05:39:42)
65.  荒野にて 《ネタバレ》 
女癖の悪い父親とともに暮らす15歳の少年、チャーリー。何かとトラブルの絶えない父に愛想を尽かせた母親は、彼が赤ん坊の時に家を出たまま消息不明だった。学校にも通えないほど貧しい生活だったが、それでもチャーリーはそんな父との生活に満足していた。そんなある日、彼は地方競馬の競走馬を専門にする調教師デルと出会う。少しでも生活の足しにしようと、彼の元で働き始めたチャーリーは、デルの今の稼ぎ頭である若い馬ピートの世話を担当することに。そんな折、チャーリーの父親の浮気がばれ、激高した愛人の夫になんと父親が殺されてしまうのだった。天涯孤独となってしまったチャーリーは、馬のピートに深い愛情を注ぐようになる。だが、ピートは長いスランプから次第にレースで思うような結果を残せなくなってしまう。するとデルは、ピートをメキシコへと売り飛ばすと言い出すのだった。「ピートは僕の友達だ、それだけは絶対ダメだ!」――。そんな彼の意見などデルは到底聞こうとしない。どうしようもなくなったチャーリーは、ピートを連れ密かに荒野へと旅立つのだった……。家族をなくし孤独の中に生きていた少年とピークを過ぎた一頭の馬との逃避行を雄大な荒野の景色の中に描き出すロード・ムービー。何の予備知識もなく今回鑑賞してみたのですが、これが丁寧な演出の力が光る佳品に仕上がっておりました。少年と馬との友情物語という、これをディズニー辺りが撮れば心温まる安定のファミリー・ドラマになりそうなものだけど、本作は全く違います。ここで描かれるのは、圧倒的な貧困の現実。主人公がどれだけ不幸な境遇にいようが、誰も助けてくれたりなんかしません。せいぜい働き口を紹介する程度で、時には主人公のなけなしの金を毟り取る輩さえ出てくる始末。それは馬も同じで、「競争馬はペットじゃない。勝てなくなった馬は処分する」という厳しさが徹底しているのです。だから、主人公は行く先々で窃盗や無銭飲食を繰り返すしかありません。それでも希望を捨てず、一人と一頭とで荒野をゆく彼らの姿がとても切ない。風呂にも入れずどんどんと汚れてゆく主人公と対照的に雄大な大自然の映像はますます美しさを増してゆく。この監督の無常観に満ちた、その詩的センスの良さには唸らされます。ただ、惜しいのはピートが途中で呆気なく物語から退場してしまうこと。たとえどんな最期を迎えるにしても、ピートにはこの少年の旅路を終わりまで見届けて欲しかった。とはいえ、この少年がどん底に堕ちるぎりぎりのところでほんの少しの希望へと辿り着くラストには思わず涙してしまいました。いつまでも余韻に浸っていたいと思わせる青春ドラマの良品と言っていいでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2020-09-19 00:11:41)
66.  イエスタデイ(2019) 《ネタバレ》 
謎の現象により、地球上のすべての人がビートルズの存在もその名曲の数々も忘れてしまった世界。ただ一人、彼らの曲を覚えていたのは売れないミュージシャン志望の若者ジャックだった。できうる限りの記憶力を頼りに、ビートルズの名曲の数々を完コピした彼は、それらの楽曲をなんと自分の作品として世に発表する。「ヘイ!ジュード」「レット・イット・ビー」「バック・イン・ザ・USSR」、そして「イエスタディ」――。当然のごとく、発表するすべての曲がヒットチャートのトップへと駆け上り、ジャックは瞬く間に大スターの仲間入りを果たすのだった。でも、さすがに良心の呵責に悩まされるジャック。売れない時代からずっと彼のことを支えてくれていた幼馴染のマネージャーとも次第に心がすれ違っていって……。ダニー・ボイル監督がおくる、そんな大人のためのファンタジー・コメディ。ワンアイデアながら、もはやハリウッドの大物となったこの監督らしい、キレのいい演出とポップで軽快なストーリー、センス溢れる音楽の使い方などで最後まで小気味よく観ることが出来ました。ビートルズの曲を丸パクリし、恥ずかしげもなくトップスターへと駆け上ってゆく彼には思わず苦笑い。でも、この主人公の人の良いキャラクター造形が絶妙で不思議と嫌いになれないんですよね。ここらへんは脚本の力なのかも知れません。特にこの主人公が、家族の前で初めて「レット・イット・ビー」を演奏しようというのに誰も真面目に聴かずひたすら邪魔してくるとこは思わず笑っちゃいましたわ~。ただ、ラストで息切れしたのか、だいぶ放り投げっぱなしで終わってしまったのは大いにマイナス・ポイント。それに終始軽いノリで最後まで押し通したのも賛否が分かれるところ。個人的には、ビートルズが居なかったせいでベトナム戦争が終わらなかったみたいな一捻りがあっても良かったような気がしなくもない。でもまあ、ビートルズの名曲の数々が(ほとんどカバーとはいえ)これだけ聴けただけでも耳福でした。うん、7点!
[DVD(字幕)] 7点(2020-08-26 17:41:03)
67.  アウトロー・キング スコットランドの英雄 《ネタバレ》 
舞台は、血で血を洗う争いが続く中世イギリス。イングランドの支配下にあったスコットランドの民は、長い苦難の日々を強いられていた。そんな中、王位継承を主張する若き王ロバートは、独立を求めて立ち上がる。圧倒的に不利な状況の中、手段を選ばぬ手法で徐々に勝利を収めていった彼は、次第に民衆の支持を得てゆくのだが…。史実を基に、圧政に苦しむ若き王が反旗を翻し自由を取り戻すために戦う姿を描いた歴史スペクタクル。そんな勝利のためなら手段を選ばぬ無法者の王を演じるのは、人気若手俳優クリス・パイン。監督は彼と前作でもタッグを組んだデヴィッド・マッケンジー。犯罪サスペンスの秀作『最後の追跡』コンビの新作ということで今回鑑賞してみたのですが、これが期待に違わぬ良質の作品に仕上がっておりました。とにかく脚本がよく出来ておりますわ。史実を基にしていながら、この分かりやすいストーリー展開はナイス。領地と名誉を奪われた王が苦難の旅の末、再びのし上がってゆくっていうのはベタながらやはりテンション上がりますね~。クリス・パインも意外にそんなシリアスな役に嵌まっておりました。それにしてもこの時代のイギリスってホント血腥い……。こんな時代に生まれてなくて良かったと平和ボケ日本のありがたみを再確認いたしました。まあジャンル的にそこまで好みではなかったですが、迫力満点の戦場シーンや役者陣の熱演等々、満足度は充分高い。うん、面白かった!7点!
[インターネット(字幕)] 7点(2020-08-13 15:15:15)
68.  2人のローマ教皇 《ネタバレ》 
2012年、全世界に10億人以上の信徒を有するカトリック教会は揺れていた。資金洗浄や聖職者による信者への性的虐待などスキャンダルが相次いで発覚したのだ。教会の頂点に位置するローマ教皇ベネディクト16世は、事態を打開するため異例ともいえる決断をする。それは、生前退位――。数百年に及ぶカトリックの歴史の中でも前代未聞の異例の事態だった。密かに呼び寄せられたアルゼンチンのベルゴリオ枢機卿は、ローマ教皇のその決断に断固として反対の立場を表明する。誰も居ないバチカンの密室で今後のことについて話し合う二人。すると、いつしかベルゴリオ枢機卿の心に過去の思い出が交錯しはじめる。神父になると決意した若かりし日々、当時付き合っていた恋人との哀しい別れ、常に神の存在を身近に感じていた聖職者としての人生、そして軍事独裁政権下の過去に犯した自らの過ち……。お互いの思いを述べあううちに、枢機卿はローマ教皇の本当の真意を知ることに。実話を基に、生前退位と言う前代未聞の決断を下したベネディクト16世と彼の跡を引き継ぐことになる後のフランシスコ教皇を描いた対話劇。監督は『シティ・オブ・ゴッド』や『ナイロビの蜂』などで貧困に喘ぐ第三世界の真実を見つめ続けるフェルナンド・メイレレス。実在した二人のローマ教皇を貫禄たっぷりに演じるのは名優、アンソニー・ホプキンスとジョナサン・プライス。正直、この二人の爺さんの宗教的な話し合いが延々と続くという、おおよそ面白くならなさそうな題材なのに、最後までちゃんと興味深く観られたのは、この二人の演技力による部分が大きい。健康に気を遣って万歩計を手放せなかったり、過去の確執から最初は一緒に食事をしなかったり、お互いの趣味を薦め合ったり、最後はピザ片手に一緒にサッカーを観て盛り上がる…。おおよそ宗教家らしくないそんな二人の人間的な部分に思わずほっこりしちゃいました。いくらローマ教皇でも、プライベートはそこらの定年退職した親父と大して変わらないんですね(笑)。二人揃ってアカデミー賞ノミネートも納得です。また、二人の対話劇の背景となる、バチカンの壮大な建物や美麗な装飾品の数々も歴史と伝統を感じさせて見ていて飽きさせません。そして後半、この枢機卿が過去に犯した過ち――軍部に目をつけられた信徒を救えなかったという事実に目を向ける視点はいかにもメイレレス監督らしい。歴史の巨大なうねりの陰には、常に名もなき人々の犠牲がある――。そんな普遍的な事実を改めて考えさせられる、ヒューマン・ドラマの秀作でありました。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-04-27 18:36:37)
69.  魂のゆくえ 《ネタバレ》 
この狂った世界に、子供を生まれさせるのは間違っている――。ニューヨーク郊外に佇む、今年で創建250年を迎えた歴史ある教会「第一改革派教会」。責任者であるトラー牧師は、かつて一人息子をイラク戦争で失くし、以来神の教えに目覚めた敬虔な信者だ。孤独を愛し、ただ神の教えだけを心の糧に生きる彼は、ある日、妊娠中の女性メアリーからとある相談を受ける。環境保護活動に熱心な夫が、自分の子供を堕ろすことを強要してくるというのだ。世界はいま急速に破滅へと向かっている、この世界に子供を送り出すのは悲劇しか生まない、と。実際にトラー牧師が会ってみると、夫はただひたすら利益優先の大企業がいかに地球環境を破壊し続けているかを語り始めるのだった。また会うことを約束しその場は別れたものの、のちにトラー牧師はメアリーから更なる相談を受ける。なんと彼はガレージに自爆ベストを隠し持っているらしい。最悪の事態を想定し、ベストを持ち帰ったトラー牧師。だが、彼自身もまた、この世界に絶望を感じている自分を否定出来ないのだった……。神を信じつつもこの世界に希望を見失いはじめた、ある孤独な牧師の魂の遍歴を淡々と描いた哲学的なヒューマン・ドラマ。そんな信念の危機を迎え孤立を深めていく男を演じるのは人気俳優、イーサン・ホーク。監督は、70年代を代表する問題作『タクシー・ドライバー』の脚本を書いた、ポール・シュレイダー。ドラマティックなストーリー展開とは終始無縁、音楽もほぼ流れず、最後までただ淡々と続く暗い作品ながら、最後まで緊張感を途切れさせずに見せた監督の手腕は大したものだと思います。俳優たちの静かな熱演も素晴らしく、特に愛する者を失いながらそれでも懸命に生きようとする妻を演じたアマンダ・セイフライトは特筆に値します。この狂った世界に生きる価値などないのか――。病的な思考へと傾倒し、やがて過激な行動へと駆り立てられるこの主人公は現代の『タクシー・ドライバー』そのもの。それは間違っていると思いながらも、自爆ベルトへと袖を通す主人公にいつしか共感している自分が居ました。神なき時代を生きる現代人の苦悩に鋭く迫った、社会派の問題作と言っていいでしょう。ただ、残念だったのは後半の展開が幾分か腰砕けになってしまったところ。ここまで主人公の魂の苦悩を深く描いてきたのに、この結論はちょっと物足りない。なんなら絶望のどん底へと観客を徹底的に叩き堕とすくらいの覚悟が欲しかった。この現代に、安易な希望などいらない。
[DVD(字幕)] 7点(2020-03-02 00:12:14)
70.  ハンターキラー 潜航せよ 《ネタバレ》 
ロシア国内で突如としてクーデターが勃発!異変を察知したアメリカ政府は第三次世界大戦の危機を阻止するため、陸軍特殊部隊及び偶然近くに停泊していた原子力潜水艦アーカンソーに秘密指令を下す。それは、反乱軍によって監禁されたロシア大統領を生きたまま救出することだった――。おおよそ不可能とも思われるそんな困難な任務に赴くことになった攻撃型原潜、その名もハンターキラー。彼らのロシア近海への決死の侵入をスリル満点の展開で魅せるポリティカル・アクション。前評判通り、なかなか面白いじゃないですか、これ。まあ、ベタっちゃあベタですけど緻密に考えられたであろう脚本はけっこうな完成度。ロシア近海に潜む原子力潜水艦と、かの国の基地に潜り込んだ特殊部隊員、そしてアメリカ本国で指揮を執る制服組との息詰まるようなやり取りはリアリティがあって見応え充分でした。潜水艦でのお約束の展開もちゃんとツボを押さえられていて(あの音を出せない状況で危うくスパナを落としそうになるとこなんて心臓に悪すぎ!!)、終始ハラハラドキドキ。ジェラルド・バトラー演じるアメリカ人艦長と、本来は敵同士であるはずのロシア人艦長とのただお互い船乗りとしてのプライドから結ばれる友情なんて熱い熱い。陸上で孤立無援の戦いを強いられる特殊部隊たちのドラマもそれに負けず劣らずよく出来ており、ともすれば一本調子になりそうなストーリーにいい緩急を与えています。クライマックス、ロシアの猛攻撃を受けながら決死の脱出を図るハンターキラー内での緊迫感に満ちた攻防もかなりの迫力。損傷した艦内にどんどんと海水が入り込んでくるシーンは、こういう映画で何度も見ているとはいえやはり息が詰まりそうになりますね。いやー、何度生まれ変わっても潜水艦乗りにだけは絶対なりたくない(笑)。最後の展開が若干ご都合主義に流れすぎな感もありますが、エンタメ映画として僕は充分楽しませていただきました。うん、7点!
[DVD(字幕)] 7点(2019-11-14 23:08:04)
71.  蜘蛛の巣を払う女 《ネタバレ》 
女を暴力で支配しようとする男どもへの華麗なる復讐者、“ドラゴン・タトゥーの女”リスベットが帰ってきました!とは言っても、監督はおろか、主演二人もまさかの降板……(泣)。原作は世界的ベストセラーだけあって、お話自体はしっかりしていて普通に面白かったのですが、いかんせん前作のイメージが強烈過ぎて観ている間中、コレジャナイ感が半端ないんですよね、残念ながら。新リスベットを演じたクレア・フォイさんもプレッシャーに負けず頑張っていたとは思うし、こんなこと言っても詮無いことだと分かってはいるのですが、やはりルーニー・マーラのリスベットをもう一回見たかったです。ダニエル・クレイグが演じていたミカエル記者にいたっては、誰これ?って感じでした。まあ前述したとおり、お話自体はしっかりとよく描けていたし、北欧らしい乾いた空気感もスタイリッシュで大変良かったので、公正なジャッジを期して7点!にしても、あのラバー素材布団圧縮袋?に詰め込まれるのだけは死んでもヤですねー。
[DVD(字幕)] 7点(2019-10-30 21:01:08)(良:2票)
72.  トライアングル(2009) 《ネタバレ》 
障害のある一人息子を抱え、困窮した生活を送るシングルマザー、ジェイ。追い詰められた彼女は少しでも気分転換を図るため、息子を特別支援学校へと預けると、約束していた友人たちとともにヨットセーリングへと旅立つことに。「トライアングル号」という名の立派なヨットに乗り込み、美しい大海原へと繰り出したジェイは、日頃のストレスを忘れしばしのバカンスを楽しむのだった。だが、そんな彼女たちを悲劇が襲う。急な大嵐に遭遇し、ヨットは呆気なく転覆してしまったのだ。横転したヨットで途方に暮れていたジェイたち。すると神の恵みか、大きな豪華客船が彼らの前を通りかかる。急いで乗り込んだものの、何故かどこをどう探しても船客はおろか乗組員すら誰一人として見出すことが出来なかった。戸惑う彼女たちに突然、今度は銃を持ったマスク姿の人物が襲い掛かってくる。「いったいどうなってるの?」――。パニックへと陥ったジェイに、理屈では到底説明できないような更なる不条理が訪れる…。いったいここは何処なのか?何故、ジェイは初めて訪れるはずのこの豪華客船に見覚えがあるのか?そして、マスク姿の襲撃犯の驚きの正体とは?低予算で撮られたワンシュチュエーションのスリラーでありながら、練られた脚本の力とエッジの効いた映像センスで魅せるなかなかの佳品でしたね、これ。猛烈にネタバレしてしまうと、前半まではよくあるソリッド・シュチュエーション・スリラーのように思わせながら、途中でもう一人のジェイが登場し、ここからまさかのループ物へ!いやー、見事に気持ちよく騙されましたわ~。自分たちが全員死ぬとまた次の自分たちがやって来る――。この悪夢の無限ループから抜け出すために孤軍奮闘する主人公の姿が小気味よく(タンクトップ&ホットパンツ最高!笑)、ときおりハッとするような映像が差し挟まれるのも大変グッド。特に、山と積まれた何十人もの自分の死体へと新たに横たわる主人公の仲間の女性。いやー、シュールで絶望的でグロテスクで大変良い画ですね~。最後のオチも力技ながらうまく纏めていて満足度は高い。なるほど、シーシュポスの神話ってそういう意味だったのか。そんな絶望的なお話を良い感じで緩和する大海原の映像も涼しげで、真夏の熱帯夜にビールでも飲みながら楽しむのにうってつけの映画でありました。うん、7点!
[DVD(字幕)] 7点(2019-08-12 22:33:02)
73.  女王陛下のお気に入り 《ネタバレ》 
18世紀、フランスとの泥沼の戦争を続けていたイングランド。当時この国を治めていたのは、横柄で気まぐれな人格的にかなり問題を抱えていたアン王女だった。そんな彼女に長年側近として仕え、宮廷内で絶大な権力を誇っていたレディ・サラの元に、従妹にあたる没落貴族の娘アビゲイルがやって来るところから物語は始まる。その時その時の感情の赴くままに行動し、国民を翻弄するアン王女。彼女を陰で支配し、自らの思い通りの宮廷を築き上げてきた冷酷無比なサラ。人生このままでは終われないと、なんとかしてのし上がろうともがくアビゲイル。女王陛下の“お気に入り”となって何もかもを手に入れようとする女たちの醜い戦いが、いま幕を上げる――。絢爛豪華な女王陛下の宮殿内で繰り広げられる、そんな魑魅魍魎の女たちの駆け引きを濃密に描いた醜悪な宮廷絵巻。監督は、独自の作風で世界から今最も注目を浴びるギリシャの鬼才、ヨルゴス・ランティモス。彼のこれまでの気持ち悪い変態路線が今回はハリウッド資本の影響か良い感じで薄まって、なかなかバランスのいい作品に仕上がってましたね、これ。オリヴィア・コールマン、レイチェル・ワイズ、エマ・ストーンという三世代の実力派女優が繰り広げる情念の応酬とも言うべき演技合戦はなかなかの迫力。もう女の嫌らしい醜い戦いが終始どろどろに繰り広げられ、見応えばっちりでした。何食わぬ顔で可愛いウサギを踏みつぶそうとするエマ・ストーンの性格の悪さったらないし、プライドだけは膨大に膨らんだレイチェル・ワイズの自業自得の凋落ぶりもなかなか良かった。でもやっぱり一番素晴らしかったのは、もはや性欲だけが心の慰めの醜いオバはんをいやらしーく演じたオリヴィア・コールマンの鬼気迫る表情!いやー、こんな世界には一生関わりたくないですね(笑)。それに周りを固める男たちもみな自分のことしか考えていないバカばっかりで、こんな貴族のために戦場で命を懸けて戦っている兵士たちのことを思うと不憫としか言いようがありませんわ。うん、なかなか面白かったです。まぁ女性に多大な幻想を抱いているであろう童貞男子諸君は観ない方が賢明だろうけど(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2019-08-06 23:52:41)
74.  アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル 《ネタバレ》 
90年代初頭に起きた、アイススケート現役オリンピック選手によるライバル・スケーター襲撃事件。いわゆる「ナンシー・ケリガン襲撃事件」。本作はその首謀者とされ、後にアイススケート界を永久追放されることになったトーニャ・ハーディングやその関連人物たちへのインタビューを基に構成された彼女の半自伝映画だ。まあ冒頭に示される「大いに異論はあると思うが…」という言葉通り、彼女の言い分に全面的に寄り添った内容となっているのですが、本作のテーマはそこじゃないんですよね。真相はどうあれ、彼女を含め本作に登場する実在の人物たちがどいつもこいつも大バカ者でどうしようもないクズばっかりなんですよ。もう見ていて清々しいくらいのクズのオンパレード(笑)。トーニャの母親もこれがまあ強烈な自己中おばさんで娘を虐待しながら周りに悪態ばかりつくクズ。彼女の夫も酒に酔っては暴力を繰り返す典型的なDV男。誇大妄想の末、自分の器の小ささを押し隠すために出鱈目な計画を思いつく彼女の元ボディガードもどうしようもない大バカ者。そして彼女自身もまた、後先考えず感情の赴くままに行動し様々な問題を引き起こす典型的なトラブル・メーカー。まぁ貧困の問題はあっても、誰も彼も自業自得としか言いようがありません。でも、なんか嫌いになれないんですよね~、この人たち。みんな生きることに真剣で、ただひたすらエネルギッシュに自らの幸せを追い求めてる。ちょっと人生の計画性というものが、どいつもこいつも複雑骨折しているだけで(笑)。このクズっぷりは最後まで徹底されていて、事件後にトーニャが母親と和解しようと抱き着くところでもすぐに盗聴器を持ってることが判明し、またしても罵り合いの大喧嘩が始まるとこなんてもう笑っちゃいましたわ。そして、スケート界を永久追放された後もボクサーに転身ししたたかに生きていった彼女の貪欲さには、もはや呆れを通り越して逆に拍手を贈りたくなっちゃいました。生きることになんとなく疲れた時なんかにこの映画を観たら、また明日から前向きに生きられそうですね。素行不良のはねっかえり娘を演じたマーゴット・ロビーも嵌まり役でした。うん、なかなか面白かったです。7点!!
[DVD(字幕)] 7点(2019-06-24 23:25:30)(良:2票)
75.  ブレードランナー 2049 《ネタバレ》 
SF映画のカルト的名作の続編。監督は現在ハリウッドでノリにのっているドニ・ヴェルヌーヴ監督。いやー、なかなか重厚な世界観はこの監督ならでは。少々冗長な面もなきにしもあらずだけど、美麗な映像や哲学的なストーリーは存分に楽しめました。レプリカントたちの心の拠り所となっている記憶を作っているのが、実は…というオチにはしてやられましたわ。
[DVD(字幕)] 7点(2018-12-27 23:46:59)
76.  スリー・ビルボード 《ネタバレ》 
舞台はアメリカのとある田舎町。娘をレイプされ焼き殺された母親が町外れに立てた、三枚の看板。そこには一向に事件を解決できない警察署長への怒りのメッセージが書き込まれていた。当然、その影響は小さな町に瞬く間に広まってゆく。人種差別主義者の警察官、末期癌を患い余命幾ばくもない警察署長、看板を立てた広告代理店の営業マン、被害者となった女の子の弟、DVの末に離婚したその父親…。彼らの怒りが更なる怒りを呼ぶ憎しみの負の連鎖を軽快に描いたクライム・ドラマ。じっくりと考え抜かれたであろう脚本の力が際立つ、なかなかの佳品であったと思います。そんなよく出来た脚本だけではなく、適材適所に振り分けられた俳優陣の演技もすごく嵌まっていました。特に、主人公の娘を殺された母親を演じたフランシス・マクドーマンドの狂気すれすれなのに何故か嫌いになれない人物造形はなかなかのもの。ちょっと僕の好みとは微妙に外れますが、なかなか見応えのある人間ドラマでありました。
[DVD(字幕)] 7点(2018-11-08 19:49:20)
77.  ゲティ家の身代金 《ネタバレ》 
ある日、石油王にして世界一の大富豪の孫が誘拐される。身代金を求める電話がかかってくるものの、金にとんでもない執着を見せるその大富豪はなんと支払いを拒否。命に代えてでも息子を取り戻したい孫の母親で富豪の義理の娘は様々な方策を巡らせるのだが、解決の糸口すら見いだせないままどんどんと追い詰められていく……というお話。御大リドリー・スコットが実話を基にして描いた、なかなか濃厚な人間ドラマでした。いやー、世の中金が全て、お金のない人間は何をやってもうまくいかないという内容でしたね、これ。巨匠の映像美と重厚なストーリーテリングはもはや匠の技。最後まで見応え充分でした。特に、恐ろしいくらい金に執着する守銭奴大富豪を演じたクリストファー・プラマーの憎たらしさは素晴らしかったです。いくら世界一のお金持ちでもこんな人の身内には死んでもなりたくない(笑)。若干ストーリー展開に「?」な部分があるものの、なかなか面白かった。7点!
[DVD(字幕)] 7点(2018-10-21 23:31:27)
78.  ノー・マンズ・ランド(2001) 《ネタバレ》 
さまざまな民族の対立により泥沼の内戦状態へと陥ったボスニア・ヘルツェゴヴィナ。危険な戦場に緩衝地帯として設けられた無人の塹壕に、ふとした手違いから対立する二人の兵士が取り残されてしまう。少しでも身を乗り出せば敵対する陣営から攻撃を受けてしまうという絶体絶命の状況の中、さらなる危機的状況が明らかとなる。セルビア人が仕掛けた地雷の上に置かれた、ボスニア側の兵士の死体が実はまだ生きていたことが判明するのだ。少しでも身体を動かせば三人とも即死。行くことも引くこともままならぬ状況の中、三人のストレスはどんどんと膨れ上がり一色触発の危険な状態へと向かい始める。事態を把握した国連軍も更なる紛争拡大を恐れるあまり事なかれ主義に徹し、正義を振りかざしながらも本音では刺激的な映像を求めるマスコミは事態を更なる混乱へと陥れてしまうだけだった。果たして彼らは無事にその緩衝地帯から生還することが出来るのか?シニカルな笑いとともに綴られる、そんな極限状況に追い込まれた三人の兵士たちの騒動を描いた戦争ヒューマン・ドラマ。低予算ながら、優れた脚本の力で最後まで緊迫感とブラックな笑いが途切れないなかなかの秀作でありました。三人の名もなき兵士たちの諍いをメインのドラマとしていながら、これってボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の縮図として読み取れるようになっているのですね。銃を手に取った側が銃口で相手を脅しながら代わる代わる自らの主張を宣言する微妙なパワーバランス、騒動を止めようとしながらも積極的に関与しない国連、平和の使者のように振舞いながら結局は他人事でしかないマスコミ、そして最後地雷の上に寝かされた当事者は動くことも出来ずその場に取り残されてしまう…。まさにこの紛争の本質を突いた、シニカルで深いラストでした。冷戦終結後、各地で勃発した民族紛争を考える上で真に観るべき価値のある作品と言っていいでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2018-10-06 23:39:45)
79.  キングスマン: ゴールデン・サークル 《ネタバレ》 
世界を密かに?救ってきた謎の英国紳士たちのぶっ飛び大活躍を、お下品&エログロアウトぎりぎりのセンス溢れる映像で描いたスパイ・アクション第2弾。いやー、相変わらず面白かったです!ほんとにこのおバカな世界観をひたすら真面目に追及するマシュー・ボーンのキレッキレの演出力は今回も冴え渡ってましたね~。ただ、さすがに前作のインパクトが強烈だっただけに、今回はそこまでの衝撃はなかったですかね。悪役のジュリアン・ムーアがいまいち弾けきれてないないような?まあ普通に面白かったですけど、前作ほどではなかったってことで7点!
[DVD(字幕)] 7点(2018-09-03 23:40:24)
80.  ベイビー・ドライバー 《ネタバレ》 
逃がし屋ベイビーの爽快なカーチェイスをひたすら楽しむ作品。ストーリーなんてあってなきが如しですけど、このキレッキレの編集とノリのいい音楽との見事なまでの融合は一見の価値あり。何も考えずに二時間弱、爽快に楽しめました。てかベイビー、もうちょっと変装しようぜ(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2018-06-01 10:21:07)
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