101. トリコロール/赤の愛
《ネタバレ》 ジャン=ルイ・トランティニャン目当てでレンタルしようとしたら3部作との事で青白赤の順での鑑賞でした。イレーヌ・ジャコブが特筆ものの美しさで赤に映える姿に目を奪われました。見た目のみならずしっかりした言動にとても大学生には見えません。トランティニャンへの「息をするのを止めたら」がアッパレ。そんな彼女に永久凍土が溶け始めたのか?と思わせるトランティニャンの佇まいは流石の名優ぶり。全員集合シーンは息をし続けられる事に感謝しましょう!と感じたところです。 [DVD(字幕)] 7点(2023-08-06 17:14:30) |
102. トリコロール/白の愛
カロルの胸中「何で俺だけ泣かなアカンねん、お前も嫌って言う程泣け」に対してドミニクのは分かり辛い。金に魅力を見いだしたのだろうか。what is love ? やるせない結末ながらその奇抜な復讐單に目が離せなかった作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2023-08-06 16:50:19) |
103. ハーフ・ア・チャンス
《ネタバレ》 微かに流れるボルサリーノのテーマをバックに「まだやれるかな」「当然だ」もう、鳥肌。 ストーリーは二の次三の次。悪役が言う「あの歳でよくやるよ」に激しく同意。65歳と63歳、衰えぬオーラに感動。 アラン・ドロン映画引退作に相応しい作品です。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-05-21 23:01:11) |
104. コーダ あいのうた
《ネタバレ》 オスカー作品賞以外の知識無く。傍から見て大変な暮らしでありながら、大変ヅラせず瑞々しくキラキラしているルビーを演ずるエミリア・ジョーンズが素晴らしい。ルビーを気遣う両親と兄もさることながら、V先生がMIP。音楽への熱い思いを持っての筋の通った物言いに教師かくあるべしであり、わざと間違えるところに胸熱にさせられました。 ルイーズ・フレッチャーがオスカー受賞の際、手話で両親に「夢を持つことの大切さをあなた方から教えて貰いました。あなた方は夢を叶えた私を見ています」涙ながらに語りかけるシーンを思い出しました。 劇場鑑賞を諦めたのを後悔する良作です。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-04-09 23:13:01) |
105. 崖
《ネタバレ》 フェリーニ作品に腰が引けるのですがリチャード・ベースハート出演に釣られて恐る恐る鑑賞。 心配は杞憂に終わった良作でした。詐欺師3人一体となっての騙しの手口で貧しい人々のなけなしの金を巻き上げるのに血圧計が振り切れる。外道生活から抜け出すべく後戻り出来た妻子持ちで若いリチャード・ベースハートと出来なかったブロデリック・クロフォード。48歳が強調されておりましたが、一回り上の私はどないなるんや! しょんぼりします。 救いの無い結末ですが因果応報、止む無しなのでしょう。 私的には「道」>「崖」≧「カビリアの夜」であります。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-03-26 16:12:24)(良:1票) |
106. ダントン
ラストシーンの切なさが堪らない。力「だけ」が正しいと考える二人を演じるジェラール・ドパルデュー&ヴォイチェク・プショニャックの動と静の気迫溢れる台詞回しに惹き込まれた力作を堪能しました。 [DVD(字幕)] 7点(2023-03-17 15:59:47) |
107. ガンパウダー・ミルクシェイク
《ネタバレ》 書籍の中の武器に高原由紀を思い出したのは私だけでしょうか。 監督はひょっとしてコミックを読んだのでは・・・ 他愛ないお話でしたが切れ目無いアクションを楽しめました。男性陣がスタンフィールドっぽい奴以外軒並み雑魚キャラなのが残念ですが、ミシェル・ヨー&アンジェラ・バセットの活躍がオバチャンの目には輝いて見えました。 三味線屋勇次のような荒技はリプレイタイムでありました。 [DVD(字幕)] 7点(2023-03-03 16:46:51) |
108. サン・スーシの女
オープニング音楽の哀切感溢れる調べに聴き入っているとジョルジュ・ドルリューのクレジット。何処にでも出てくるのにびっくり。おまけにエンドクレジットでは曲に歌詞がついていてやるせない余韻が残ります。ロミー・シュナイダーが公開翌月に亡くなった事を思うとラストショットのとびきりの笑顔が何とも切ないものがあります。 難癖をつけるとすれば納得し難い判決ですね。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-01-27 04:20:15) |
109. 危険な関係(1959)
《ネタバレ》 子宮でモノを考えるジャンヌ・モローのゲスい事この上なく。類は友を呼ぶジェラール・フィリップ。 外ヅラのみ上品な極悪ゲス夫婦に罰が下るのを待った甲斐があった結末。 ジャン・ルイ・トランティニャン、ジェラール・フィリップが同じフレームに収まっているお宝映像に加点。 本作がジェラール・フィリップ遺作というのに、当時のファンの無念さが想像出来ます。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-12-09 13:31:38) |
110. パルムの僧院
《ネタバレ》 長尺でしたが長さを感じる事無く完走。色男ファブリスのヘタレ身勝手ぶりもジェラール・フィリップが演ずると「仕方ないか・・」と思うのが自分でも不思議。そんな彼を一途に愛した二人の女性に惹き込まれ、とりわけ、公爵夫人を演じたマリア・カザレスの芯の通った存在感が素晴らしい。ヘタレを助ける為にゲスに身を捧げるシーンが圧巻。添え物にしか見えなかった民衆の反乱は無くても良かった一大恋愛絵巻を堪能しました。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-12-05 03:28:56) |
111. パリ警視J
齢50歳ジャン・ポール・ベルモント「歳なんだからこんなに走らすなよ」の台詞とは裏腹なご意見無用アクションシーンの数々。無理筋ストーリーを考えるなベルモントを感じろな作品であってそこらへんの俳優とは違う大スターのオーラにウットリ。行きつけのお店は閉まっていたのでおうちで一盃、余韻に浸りました。あぁ、嬉し。 [映画館(字幕)] 7点(2022-09-19 11:07:02) |
112. 華麗なる大泥棒
《ネタバレ》 オープニング、あぁこの音楽は、思った通りのモリコーネ。早くも期待が高まります。 当時としてはハイテクだったのか、微妙な道具を使っての金庫破りが何だか微笑ましい。 エメラルドを巡る悪徳警官との対決はオマー・シャリフのねちっこい好演もあってなかなかの見応え。 ベルモンドのアクションは通常運転ですが、ダンプから多数のブロック片(?)と共に斜面を転がり落ちる姿は、バスター・キートンを思わせる不死身の男ぶりでした。 不必要に長いシーンが何カ所かあって、全然華麗ではなかったものの、ルパン三世の元ネタと言われているのも納得な良作です。 [映画館(字幕)] 7点(2022-09-11 01:35:28) |
113. 殺人鬼に罠をかけろ
《ネタバレ》 違法にも程がある捜査方法を駆使するメグレ警視と犯人の頭脳戦に高まった期待は空振り。犯人、妻、犯人の母、ウジウジと捻れた愛憎模様は三人の熱演もあってなかなかの見応え。「服は青、白い縞の」痺れる名シーンでありました。若きアニー・ジラルドの存在感も特筆もの。ラストはジャン・ギャバンが締めてくれます。千両役者の佇まい、カッコつけ過ぎ・・・もとい、カッコいい! [DVD(字幕)] 7点(2022-09-05 15:58:43)(良:1票) |
114. 火の接吻
ベニスを舞台に、「ロミオとジュリエット」撮影での主役代役の若き二人の恋物語。片やガラス職人、片や没落貴族一家の娘。 貴族一家を揶揄しているのか、大仰で暑苦しい台詞回しにウンザリするところを爽やかにさせてくれるのが当時17歳のアヌーク・エーメ。美しい上にあどけなさも見える、正に絶品。映画同様に辿り着く二人のラストショットが何とももの悲しい。 超一流スタッフ、豪華キャストが魅せる秀作です。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-07-25 12:34:13) |
115. 曳き船
《ネタバレ》 遭難船救出専門の曳き船サイクロン号の船長アンドレは救出した貨物船ミルバ号の船長夫人カトリーヌと出会う。自分にしがみつくような言動の妻イヴォンヌに嫌気がさしたのかアンドレがカトリーヌによろめいてしまう。 ジャック・プレヴェール脚本のせいかカトリーヌ初めとした皆の台詞が哲学的で、ザ・フランス映画と言える雰囲気に引いてしまうところがありました。 硬軟両方で魅せるジャン・ギャバン。船に戻ってゆくも待ってくれる者はもう誰もいない自業自得感を噛みしめるラストショットは流石の名優ぶり。戦時中での中断を経て完成させてくれた事に感謝する良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2022-06-30 16:11:35) |
116. オフィサー・アンド・スパイ
《ネタバレ》 敬愛するポランスキー監督作と言うことで駆けつけました。 ドレフュス事件は「ゾラの生涯」で知っていましたが、その作品では描かれていなかったピカール中佐が本作の主人公。 ドレフュスの濡れ衣を晴らそうと奔走するのですが、ユダヤ人への蔑視を持ち友愛も無く実務者として間違った事は認められない、長いものに巻かれないドライな姿でやるせないラストに薄ら寒さが。一方で、裁判での「ブラボー!」小躍りする場面を初めとした権力者の横暴さとユダヤ人への憎悪を剥き出しにする市民の洗脳煽動される姿は力をこめて描かれており、監督は何を表そうとしたのか。 もう一つのお目当てマチュー・アマルリックは出番少なく肩透かし。 中佐の不倫相手を演ずる監督夫人エマニュエル・セニエも何だかなぁといったところ。 ポランスキー印の重厚な映像に加えて、劇場鑑賞だったせいもあるのか、音、に迫力があって、ドアが閉まるという何気ない音にも惹かれるものがありました。御大の次回作も観たいですね。 [映画館(字幕)] 7点(2022-06-29 01:27:56) |
117. あの愛をふたたび
《ネタバレ》 ロケ地アメリカの撮影現場で知り合った女優と作曲家のダブル不倫劇。意気投合しながらもそれぞれがパートナーに電話連絡を入れている割り切った間柄、だったのが、女優のほうが徐々に本気になってゆくものの最後に梯子をはずされる。 男女逆の立場であってもそうですが、その気にさせたほうが悪いのか、その気にさせられたほうが悪いのか。 アニー・ジラルド、ジャン=ポール・ベルモンドなので、カラリと明るい作りになっています。なので、ラストシーンでのアニー・ジラルドの自嘲と諦めと寂しさが入り混じった無言劇(リプレイタイム)がフランシス・レイの名曲も相まって深い余韻を残します。 [DVD(字幕)] 7点(2022-06-24 01:28:54) |
118. ANNA/アナ(2019)
ヘレン・ミレン目当ての鑑賞。綿入れはんてん着て火鉢にあたっているのが似合いそうなヘアメイクに苦笑ですが、有り余る貫禄で美味しいところを全部持っていったのは流石! キリアン・マーフィ、ルーク・エヴァンス共にいい面の皮だったのを初めとして筋立てが既視感満載だったなぁと思っていたら、エンドロールでの監督名に「やっぱりねぇ、さもありなん」 ご親切な作りで話が分かりやすく、「あれだけ人殺しといて自由に暮らしたいって、ド厚かましいクソ女」を封印して観るぶんには楽しめた作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2022-06-05 00:04:43)(良:1票) |
119. 美しき小さな浜辺
《ネタバレ》 冒頭に戦災孤児について記されており、監督が彼等への激励を籠めた作品にも思えます。ジェラール・フィリップが何者かが早くに分かり彼を追ってきた男がどう絡むのか興味を惹かれました。全編で降り続く雨の中傘もささずに歩くジェラール・フィリップのやるせなさは、ジーン・ケリー「雨に唄えば」の濡れて行こうや! とは対極な姿でフランス映画界の至宝が魅せてくれます。訪れた時点で覚悟を決めていたかのような結末が堪りません。湿度100%ながら見応えある良作。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-05-30 14:11:37) |
120. 夜ごとの美女
無気力なヘタレ男が夜な夜な夢の中でドラマチックな世界に浸る、アホみたいな話であってもジェラール・フィリップと美人女優さんの絡みは絵になりアホさ加減が薄まるのが不思議。彼を取り巻く友人達が味わい深く、けたたましい音に市井の人々の生きる力を感じました。遊び心溢れるしなやかさと芯の強さを見た良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2022-04-29 21:12:21) |