21. ウォッチメン
《ネタバレ》 「300」でザック・スナイダーに打ちのめされた私としては、かなり期待して観たのですが、率直な感想は普通でした。コメディアンの殺害シーン、ボブ・ディランの"時代は変わる"から始まるオープニングの画面の美しさはザック・スナイダーらしくて素晴らしい。スローモーションとバイオレンスが入り混じる画面作りは相変わらず面白かったです。 しかしこの「ウォッチメン」という作品はウォッチメンに所属しているヒーローが何人もいる上に、各ヒーローがそれぞれ重大な役割を持っている為、3時間弱の上映時間の長さであってもまだヒーローの描写が不十分になっていたと思います。ザック・スナイダーは前述したとおりスローモーションを多用する監督なので、どうしても一つ一つのシーンの長さが伸びちゃってるのが問題だったのではないでしょうか。 それでも"絶対的な力を持った者を誰が見張るのか(Who watches the watchmen?)"や"平和の為なら人を殺しても問題ないのか"などのテーマに真正面から挑んでくれた勇気には拍手を送りたいです。 [映画館(字幕)] 6点(2010-03-07 10:59:58) |
22. ニュースの天才
この映画の様に、実在する人間の人生を淡々と描く事を批判するつもりは、少しもありません。しかし観客は映画の上映中はスクリーンと向かい合うので、ある程度の物語の起伏はあるべきでしょ。最初は主人公が自身の出身校で、スピーチをしている所から始まります。私はこの画面を観て、主人公は何か意図があって記事の捏造を繰り返していたと考えたのですが……。ハッキリ言って、ここまで話が全くひっくり返らない映画は観ていて詰まらない。 もっと大胆に脚色しても良かった気がします。 [地上波(吹替)] 3点(2010-01-15 19:20:57) |
23. 2012(2009)
監督本人が言っていましたが、このクオリティはエメ公のキャリアの集大成といっていいでしょう。例によって、映像で魅せてくれますが、人物描写は下手クソです。今回はその二つの要素の差が非常に大きかったかと。大都市が次々と崩壊してゆく様は圧巻の一言。現代のCGのクオリティに合ったVFXだと思います。終盤にかけてダレて来ますが、それでもここ最近のディザスター映画の中では頭一つ抜けているでしょう。対照的に人間の描き方が酷い。画面上に出てくるキャラクターの家族を全員出すので、映画の中の感動シーンが、わんこそばの様に連続します。これはハッキリ言って観ていて詰まらないし、単純にそう云うシーンに飽きてくる。ジョン・キューザックの一家と、科学者の周辺と、ネパール人の助っ人ら辺でコンパクトに纏めた方が良かったと思います。 重ねて言いますが、映像100点、ドラマ0点です。 [映画館(字幕)] 6点(2009-11-30 21:19:57)(良:1票) |
24. ラースと、その彼女
《ネタバレ》 ラースが女性への恐怖心を乗り越えて、愛するビアンカを精神的に殺すまでのシークエンスには感動しました。またラースがリアルドールであるビアンカを通じて嫉妬や喧嘩を体験するのもユーモラスで楽しかったです。ラースを演じたライアン・ゴズリングとバーマン医師を演じたパトリシア・クラークソンが出演陣では特に秀でていたと思いました。ゴズリングは町中の人間に愛されるけど内気という難しい役柄を見事に演じきっていたし、クラークソンは冷静な中にも何処か暖かみのある心理学者としての一面を上手く演じていたと思います。他にはマーゴを演じていた女優さんが個人的に好きでした。ラースにストレートにアプローチするシーンやテディ・ベアのくだりで喜ぶシーンなんかが一々可愛らしい。 見た後にほっこり出来る映画です。 [映画館(字幕)] 8点(2009-02-16 01:46:59)(良:1票) |
25. バレット モンク
只々つまらない映画でした。この脚本でよく映画会社はゴーサイン出したなあと或る意味で感心。カンフー映画観まくったら強くなったってどうなんでしょう。あと、色んなシーンが「マトリックスに憧れて作ったのかな?」と思うくらい似ていました。まあ似ていても雲泥の差ではありますが……。ワイヤーアクションしまくりなのは、まだ良いとして、殺陣はちゃんとして欲しかったですね。あれじゃあ文化祭レベル。 [ビデオ(吹替)] 3点(2008-12-14 10:49:51) |
26. X-ファイル ザ・ムービー
テレビシリーズを観てからだともう少し楽しめたのかもしれない……。 [地上波(吹替)] 4点(2008-11-13 11:21:07) |
27. ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝
《ネタバレ》 CGの質が非常にB級臭くて中々良かったです。ハムナプトラはやっぱりB級で無いとダメと勝手に思っているので。前二作同様突込み所は言い尽くせない位多く、細かく見れば全体に穴だらけですが、まあB級アクションアドベンチャーとしては及第点には至ったと思います。 個人的に嬉しかったのがオコンネル夫妻の仲の良さで、インディ・ジョーンズもナショナル・トレジャーもヒロインと主人公の仲が非常に悪かったので、年を喰っても仲睦まじいリックとレイチェルを見れたのは良かったです。 悪かった点はラスボスの余りのショボさで、五行の力を操るとか仰々しい設定にも関わらず、その力を全然使わない(まあ"木"とか"金"とかは表現し難いのでしょうが)とか、完全復活したのに直ぐにやられちゃうとか、もうこれでもかという位ショボかったです。 エジプトから中国に舞台を移したことで、気味の悪いスカラベが登場しなくなったのもちょっぴりガッカリでした。 [映画館(字幕)] 5点(2008-09-11 01:46:08) |
28. JUNO/ジュノ
《ネタバレ》 話の概要は日本で話題になった「14歳の母」と殆ど同じなのですが、話の進め方が全く違います。ジュノは妊娠した事が発覚しても兎に角、前向きに生きようとする。自分の過去の選択を後悔せずに進んでいく、それが最後の幸せにつながる。いい話でした。周りの大人たちの反応も非常にジュノを気遣った対応で、子どものことを考えない妊娠は当然許されることではないですが、こういう姿勢は大事だと思わされました。 終盤の親父がジュノに「キレイでも、醜くても自分を愛してくれる人を探しなさい」と言うくだりは単純ですが心に響きました。 [映画館(字幕)] 7点(2008-08-20 01:22:25) |
29. 300 <スリーハンドレッド>
《ネタバレ》 史実を基にしたスパルタ軍の戦記物ですが歴史背景は全く無視しても問題ありません。スパルタの「俺達は最強だ!」「他の神など恐れん!」が理解出来ればオッケーかと思われます。 それほどに全体的にアクションシーンのみに力が入っていたと感じました。何千人もの大軍勢をたった300人で迎え撃つ合戦シーンは大迫力でした。スパルタ強すぎる。 [映画館(字幕)] 7点(2008-08-16 15:40:54) |
30. バイオハザードII アポカリプス
《ネタバレ》 ジル・バレンタインが可愛かったです。他は前作とほとんど変わらないような内容でした。アリスはどんどん強さが化け物じみていきますね。アンブレラ社はまずアリスを始末した方がいいんではないでしょうか。 [映画館(字幕)] 5点(2008-08-09 11:18:35)(笑:3票) |
31. ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]
う~ん、ドクター・ドゥームの悪役としての魅力が全くありませんでした。味方は個性的な面々なのにもったいないと思ってしまいました。 [DVD(字幕)] 4点(2008-08-08 01:18:48) |
32. CUBE
《ネタバレ》 映画が始まった時に登場人物に抱く印象が、物語が進んでいく内に正反対のものとなっていくのが面白かったです。皆を引っ張っていく筈の警官は、恐怖の余り殺人鬼と変貌し、足手まといになる筈だった知的障害者がCUBEのカラクリの謎を解く。 実に皮肉が上手く利いた作品でした。 人物描写に重きを置いていますが、パズラー向きの展開もあり、両者の物語への混ぜ方が上手いと思います。 ヴィンチェンゾ・ナタリ監督はこれが長編映画デビュー作らしいですが……、天才ってやつですね。 [DVD(字幕)] 8点(2008-08-05 00:46:35) |
33. ラットレース
皆で馬鹿騒ぎして、最後は皆ハッピーっていうありきたりなコメディー映画。キャラクターの個性が出ていて飽きる事無く楽しめましたが、どこにでもあるような映画でした。 [DVD(字幕)] 6点(2008-07-31 10:02:18) |
34. ジャンパー
便利な力を持つとああなってしまうのかもしれませんが、主人公が駄目人間過ぎます。あれではパラディンに命を狙われても仕方が無いかと……。 人物描写の下手さが、ボーン・アイデンティティを撮ったダグ・リーマンとは思えなかったです。 一応次回作に期待します。 [映画館(字幕)] 4点(2008-07-30 14:37:14) |
35. ヒストリー・オブ・バイオレンス
《ネタバレ》 映画冒頭のモーテルから一気に映画に惹き込まれました。 この監督のバイオレンス描写と性描写は凄いですね。言葉に出来ないからこそ、行動で表現するといった感じで、安易にアクションやお色気シーンに頼っていない事が良く分かります。 ヴィゴ演じる、ジョーイの無敵さが少し気になりましたが、後は個人的には完璧。 最後に家族が彼を受け入れる食卓のシーンはグッときました。 [DVD(字幕)] 8点(2008-07-28 23:53:39) |
36. イースタン・プロミス
《ネタバレ》 この物語は「居場所を求める人たち」を描いた話だと思います。アンナは流産により子どもを失いロンドンに帰ってきた。キリルはファミリーのボスの一人息子として横暴に振舞うも本質は女性的な男である。ニコライはロンドンの裏社会の王の居場所を狙っているドライバー兼始末屋を装うFSBの覆面捜査官。 彼らは一人の赤ん坊を軸にして交差し、物語は静謐ながら感動的なクライマックスへと進んでいく。とにかく脚本に全く無駄が感じられない程に素晴らしく、女性的な感性を持つキリル(実際にホモセクシュアルなのでしょう)がどうしても赤ん坊を殺せず苦悩するシーンは大変素晴らしかった。非常に暴力的でありながら母性的な作品だと思います。どうしてこの様な「生と死」が見事に共生した映画が撮れるのか……、素晴らしい。 公開当時一部で話題となった残酷描写も全体的に静かに進む物語に緊張感を持たせており、とりわけサウナ浴場での凄惨な殺し合いは必見です。常に人の痛みを丹念に描くクローネンバーグだから撮れた名シーンだと思います。 [映画館(字幕)] 9点(2008-07-28 23:48:35)(良:1票) |