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プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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181.  アンスピーカブル 《ネタバレ》 
また自分で登録しておいて言うのも何ですが、色々な意味で微妙な作品。  犯罪者のデータを収集しようとする女性犯罪研究家と連続殺人鬼の心の交流を描く、ほのぼのサスペンスドラマ(笑)。  「ブレインスキャン」という、人間の脳内の記憶を映像化するというSF並のハイテク装置が出てきますが、これがまったくストーリーとの繋がりに欠ける設定。またサスペンスとしては、「連続殺人鬼の動機」という点が見所のひとつでしょうが、結局、宗教色の強い抽象的な動機へとスライドしていってしまいます。  全体的に作品としての方向性が定まっていないというか、オカルト要素と科学捜査による論理性との整合性が取れていない内容。   PS.ちなみに私が間違えてこの作品をレンタル屋で2回借りてしまったことはアンスピーカブルです。
4点(2004-10-08 02:28:01)(笑:1票)
182.  ソフィーの世界 《ネタバレ》 
<原作未読。映画版のみの評価> この映画版が原作の深さや良さを伝え切れていないとしても、想像以上の薄っぺらい内容には閉口した。とにかく売りであるはずの「哲学的考察」とやらがあまりにも表層的で浅過ぎる。と言うか、それ以前に「考察」なんて所まで行ってない。「人は何のために生きているのか?」とか、「宇宙の始まりや終わりは?」とか、「存在とは何か?」とか、小学生でも一度は疑問に思ったことのある「当たり前」の、しかし「答えの出ない疑問」をさらっと流すことは「哲学的考察」とは言うまい。歴史上の人物との出会いも、ただ会って少し言葉を交わした程度。ただのタイムトラベル観光旅行みたいで、冒険映画として見てもまとまりが無く、ダラダラとしていて退屈。作品内世界や登場人物が虚構であるということをバラす、自己言及的な多層構造もありがち。こんなものを見ているヒマがあるなら、宇宙論や生物進化論、量子力学、相対性理論などの本を読んだほうが、よほど神に迫ることが出来る。 PS.今や「ビッグバン理論」では説明できない観測事実が多くなったため、ビックバン論者は事実を理論に無理矢理押し付けるような本末転倒なマネに終始しているらしい。
2点(2004-04-13 14:12:54)(良:1票)
183.  未知との遭遇
いまいち何が言いたいのか分からん作品。文字通り「未知なるもの」を映像化するスピルバーグのセンスは確かに素晴らしいが、相変わらず、この頃から見られる、「万人受けを狙った無難なヒューマニズム」でまとめようとする感覚はどうしても受け付けない。  音楽や手話であっさり宇宙人とコミュニケーションが取れたり、素直に誘拐した人間を帰したり、研究のための人間にやたら協力的だったりと、まるで「愛さえあれば世界はハッピー、ラブ&ピース」と言わんばかりの能天気な内容。  まあ宇宙人に限らず、人間でも見知らぬ者同士の意思疎通では、相手を敵と見なして警戒するも信用するも、色々な偏見を含めた第一印象の良し悪しに左右される点では同じだけど、そんなことは分かりきってるワケで、やはり基本的に作品としての問題提起が弱いと言わざるを得ない。  そうかと言って、エンターティメント性が高い訳でもなく、全体的にダラダラしている割に、登場人物にこれといった活躍も無いし、ラストの終わり方もえらく唐突であっけない。途中に出てきた牛や羊の死体がキャトってあったら笑えたんだけど。どうもこの作品も自分の感覚からすると、少し神格化され過ぎているように思えてなりません。  PS.関係ありませんが、個人的には「宇宙人はいても宇宙船を建造して地球にまでやって来ることはないだろう」派です。
4点(2004-06-28 11:31:44)(良:1票)
184.  リベリオン
第三次世界大戦後の近未来とか、国家による民衆弾圧とか、それに対抗するレジスタンスとか、自由が大事とか、ありがちで陳腐な設定が目白押し。その分、アクションに見応えがあるかと思えば、うわさの「ガン=カタ」も、「ちょっとハデな銃撃戦」という程度で、そこまで大絶賛されるようなものとは思えませんでした。てっきり、「カタ」が「刀」で、「銃と刀が合体した武器」の事かと思い、「遠距離が銃、近距離で刀」とアクションを使い分けるのかと思い込んでいたので、単なる「銃を使った戦闘術」の事と知って拍子抜け(すみません、個人的にどうしても分からないのは、この程度のアクションなんて、今や大抵のアクション映画には付きものなのに、どうして「アクションが斬新!」みたいな評価が多いのかという事です。「ブレイド」や「マトリックス」にしても、日本のアニメ作品にしても、この程度のアクションシーンは、いくらでも出てきますし、大事なのは演出センスであって、カッコつけて銃を撃ったり、カンフーやってればいいってものでもないと思うんですが…)。そのくせ、アクションシーン自体が少なく、また主人公以外、目立つ活躍をする登場人物もいないため盛り上がりや場面変化に乏しく、内容の大半が感情を取り戻す主人公の葛藤ばかりを追っていて退屈です。せっかく変化を出せるはずのレジスタンスとの兼ね合いもほとんど無し。また、他の方も仰っていますが、いくらなんでも警備兵達が弱すぎでしょう。未来の話なのに、何で防弾チョッキくらい着てないの?現代でさえ、暴動鎮圧のための効果的な武器や防具がいくつも開発されているのに、みんな揃って同じ銃しか持っていない上に、一発二発の弾であっさりと撃ち殺されていく。最近の防弾チョッキでも、44口径のマグナム弾や9ミリ口径のフルメタルジャケット弾を止める事が出来る程なのに、要所を守るべき警備兵が防弾チョッキも着ていないなんて、娯楽作品とは言え、あまりにもリアリティに欠けるのではないでしょうか?ラストのファーザーの正体もありがちだし、そのボスを守る部下が何で銃じゃなく刀?また刀も構えず、不意討ちもせず、ノコノコ主人公の目の前に出て行ってやられるなんて、あまりにもアホでしょう。ボスとのラストバトルも盛り上がらず、あっさり終了。あと、どうせアクションメインの娯楽映画なんだから、犬だけでなく、相方の恋人も助けてあげようよ!
4点(2004-01-26 12:16:04)(良:1票)
185.  ザ・ロック
う~ん、そこまで傑作かなあ(すみません)。全体的に緩急の効いたエンターティメント性の高い作り方は良いんですが、テーマの重さに比してノリが軽いと言うか、旧来型の「お約束」と「ご都合主義」のオンパレードと言うか…。途中であまり本編とは関係ないのにカーチェイスシーンが入ったり、これまたお約束のように主役のふたりには「絶対」弾丸が当たらなかったり、ラストのプラズマ爆弾がギリギリで建物を逸れたりと、「アクション重視でリアリティ無視」のご都合主義的展開の連続にはさすがに食傷気味。「インディジョーンズ・テロ対策編」といった内容。
5点(2004-02-22 17:29:01)(笑:1票)
186.  ホーム・アローン
この作品に対する否定意見として、「ケビンが生意気」とか「泥棒がマヌケ」というものが多いですが、個人的には、ケビンの両親の非常識な態度にこそ最も腹が立ちました。監督が「現代のバカ親の無責任さに対する警鐘」を込めて作ったのならともかく、そういう意識が無いとしたら、単に「子供のためなら、他人に迷惑をかけてもいい」という、バカ親の無責任で身勝手な行動を正当化しているだけの映画としか見えません。  また普通にコメディ映画として見ても、売りである泥棒との対決が終盤近くまで無く、予想以上のテンポの悪さに、ほとんど早送りして見ていました。肝心の対決シーンも、特にこれと言って驚かされるようなアイデアも無く、「お約束」の上にしか成立しない古臭いコントを見せられているようでした。いかにもチャップリン以来の欧米型の「古き良き笑い」ではあるものの、国民性なのか、そのあまりの発展性の無さには少々呆れます。  結局は、序盤の家族の冷たい態度も、ラストの家族愛を強調するための、まさに「設定のための設定」であり、その出来レースのような感動前提の脚本構成にはシラけるばかりでした。
2点(2004-08-29 12:34:24)(良:1票)
187.  ヘンリー/ある連続殺人鬼の記録 《ネタバレ》 
ヘンリーというアメリカの実在の殺人鬼を元に、彼の日常を淡々と描写した「擬似ドキュメンタリー」。まるでちょっと食事にでも出かけるような気軽さで人を殺していくヘンリー。そこには道徳や倫理、相手に対する同情や後悔など微塵も存在しない。その感覚はもはや「異常」とか「正常」と言う常識的な二元論では語れない境地ですらある。  過激な殺害シーンや、ミステリー的な謎解きが出て来る作品ではない。しかし、見るものにこれだけのインパクトを与える作品はめったにないだろう。マイナー作品ながら、「連続殺人鬼もの」としては、色々な意味で群を抜いていて、下手なホラーやサスペンスなど、まるで太刀打ちできない衝撃に満ちている。あまりにヘンリーのキャラクターが強烈過ぎて、私の中ではマイケル・ルーカーと言えば、この作品を思い出すほど。  ベッキーという彼に好意を寄せる女性が現れ、心の渇望を癒すような展開に持って行きつつ、そんな「一般人の希望的観測」や「常識」を突き飛ばす衝撃のラスト。何者の理解をも拒み、そんな期待すらも持っていないであろうヘンリーの心の闇の深さに、ただ慄然とするしかない。  
9点(2004-10-11 01:05:48)(良:1票)
188.  オリバー・ツイスト(2005) 《ネタバレ》 
孤児を通して現実の厳しさや人と人との繋がりを描きたかったのかも知れないが、子供を出して苦労させれば感動が生まれると勘違いしているのか、感動させようという気ばかりが先走っていて、肝心の人間が描けていないという本末転倒な作品。  登場人物の心理描写は大雑把で魅力が無く、ストーリー展開は不自然で必然性に欠け、ご都合主義以前。  特にオリバーはいくら子供とは言え、物語の最初から最後まで状況に流されているだけで、自分で何かしようという意思が感じられない。そのあまりの主体性の無さゆえに主人公でありながらストーリー展開にほとんど関与していないという有様(何のためのタイトルなのか?)。そのくせ序盤では親切にしてくれたお婆さんの家を出てまでロンドンに行こうとしたり、どういう性格で、どう演技させたいのか分からないキャラ。  また、昨日今日会ったばかりのオリバーに対して、何の根拠も無く「善意の光が宿っている」などと言う金持ちのジジイ、盗品売買をやっている割には覚悟の無いフェイギン、ひたすら暴力的でトラブルメーカーでしかないビル、なぜ仲間を裏切ってまでオリバーを助けたい心境になったのか分からないナンシーなど、とにかく人物の心理が描けていない。そのため物語展開に説得力が無く、感情移入もしにくい。  終盤の展開など、ほとんどオリバーは無関係。屋根の上でも逃げようと思えば逃げられそうなのに、これまた主体性無くダラダラと着いて行くオリバーにウンザリし、おまけにビルは足を滑らせて首を吊って死ぬという、アホな決着。  結局、自主的には何もやっていないオリバーだけが幸せになってハッピーエンドで、関係者はほとんど不幸になり、他の少年たちがどうなったかも語られずじまい。人生の皮肉を描いたのならある意味で秀逸とも言えるが、もちろん監督本人は大真面目に感動ドラマをやっているらしい。  二時間以上もかけてやるには無駄なシーンも多いし、あまりにも人間が描けていない。  PS.ナンシーがビルに毒(?)を飲ませるシーンは何だったんだ?ただの薬ならやけに思わせぶりだし意味不明。 
[DVD(吹替)] 3点(2006-11-24 22:17:27)(良:1票)
189.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
宇宙の真空状態や無重力の演出は本当にスゴい。見ていて自分も何も無い世界に翻弄される恐怖感や息苦しさを感じるほど。視界に入る地球の美しさがより孤独感を引き立てる。  ただ肝心のシナリオ展開は陳腐。起こり得るトラブルもだいたい予想通りのものばかりだし、良くも悪くも映画的なご都合主義によってどうにかなるシーンが多い。登場人物ふたりの背景描写がほとんど無いので感情移入もいまいち。  ラストも地球に帰ってこれたのは良いけど、蛙や昆虫、鳥といった「進化」のプロセスを象徴する生物を見せた後、二本足で立ち上がり、地球の重力を感じるというシーンは、いかにも「深いテーマ性を盛り込みました」と言わんばかりの演出でちょっと鼻に付いた。ああいう演出は語り過ぎない方が素直に感動できる。
[インターネット(字幕)] 5点(2017-12-30 01:32:13)(良:1票)
190.  ジャケット 《ネタバレ》 
これはサスペンスではなく恋愛ドラマ(全部が彼の脳内妄想という可能性もあるけど、さすがにそれではあんまりなので却下)。  とは言え、最初「妄想系サスペンス」として撮っていたものを、途中から「やっぱ恋愛タイムトラベルにしよっか」と急遽変更したような違和感は感じる(笑)。  緻密な論理やサスペンスよりも、ラブストーリーによる感動を優先したのだろうけど、ふたりがあれだけ惹かれあうのに説得力を持たせるためのドラマが無かったり、中盤までの展開や設定に無駄が多かったりと、イマイチ脚本が洗練されていない。  自分の死の真相や殺人事件の謎を探っていくのかと思いきや、2007年にタイムスリップする中盤以降は、車の故障で知り合った少女や周囲の人間を救うというボランティアに奔走。それはそれで感動もするけど、やはりこの展開には少し強引さを感じる。無粋を承知で突っ込みを入れれば、そもそもなんで2007年にだけタイムスリップするか理由が分からないし、あの彼女にピンポイントで出会うというのもご都合主義的。  それに彼にとって院長のやった治療法は非人間的ではあったものの、結果として何人もの人間を救うきっかけを彼に与えたわけで、ならばラストで「お前に永遠にまとわりついてやる~」みたいな恨み言を言うんじゃなくて、「あんたの治療もまんざら悪くないかもな」と言って死んだほうがカッコ良かったんじゃない(それだと違法な治療を正当化するみたいになるから駄目かな)?。  その他、タイトルにまでしているけど、なんでタイムスリップするのに拘束衣(ジャケット)を着なきゃならないのかとか、ラストで彼が頭を打った時に、医師たちが治療もせずに、そのまま引き出しに入れたのも意味不明。いくら彼が頼んだとしても、普通は治療するか救急車を呼ぶでしょ。  また、湾岸戦争の後遺症で記憶障害になったとか、警官殺しの容疑者にされたといった設定が無意味。それらのイベントが単に彼を精神病院に入れるための口実以外に、どれだけ必要だったのか分からない。  基本的には悪くないけど、ちょっと脚本構成が雑で、無意味な複線も多く、作品としての一貫性に欠けているのが惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2007-01-30 08:42:30)(良:1票)
191.  キル・ビル Vol.1(日本版)
アクションも世界観もストーリーも「バカの徹し方」も、何もかもが中途半端で薄っぺらい。荒唐無稽さには目を瞑るとしても、生々しい復讐劇の妙な「シリアスさ」と内容の「バカさ」のバランスが取れていないのが問題。そのため真面目に見ても、バカ映画として見ても、どっちつかずで中途半端な作品になってしまっている。  「似非日本」の描写も、「演歌」や「スシ」といった、よくある「外人のイメージする日本」という程度の感覚で、どこが日本通なんだと言いたい。日本刀のふざけた使い方や女子高生の殺し屋、アホなヤクザ、途中のアニメシーン等、何のオマージュにもなっていない、ただのふざけ半分のようなパクリ演出のオンパレードを見れば、とても日本文化に対する理解や敬意があるとは思えない(女子高生の殺し屋も「BLOOD THE LAST VAMPIRE」のパクリだし、ラストの「頭部切断」も監督が好きだと言う漫画「殺し屋1」のパクリ)。完全な監督のオナニー映画。  血をドバドバ出したり、意味無くアニメを挿入するという、少し「過剰な演出」と、「タランティーノ監督」という名前で過大評価され過ぎという気がする。  これで凄いんなら、オレが監督なら「刀で相手の全身を五センチ角の肉片にみじん切りにするシーン」とか、「盲目の居合の達人女子高生、座頭(ざがしら)市子」とか、「全身に武器を埋め込んでいる暗殺者」とか、「身の丈5メートルの巨大忍者が、全長2メートルの巨大手裏剣を投げてきて、それを刀で受け止める」とかやるけどなあ。どう?  しかしこういう映画を見るとやはり「北斗の拳」や「魁!男塾」はスゴいと思う(笑)。
[映画館(字幕)] 1点(2004-05-30 21:52:07)(良:1票)
192.  スリーピー・ホロウ
【I wish】さんに同意ですね。ミステリー寄りのホラーかと思い期待して見始めたが、ホンモノの首なし騎士が出てきたのには唖然呆然。せっかくの主人公の「科学捜査官」という設定が完全に無意味になっている。序盤の雰囲気はいいのに残念。とにかく、ホラーとしてもミステリーとしてもサスペンスとしてもアクションとしても、何もかもが中途半端!なんでこういう中途半端な方向に持っていくの?おバカファンタジーサスペンスホラーとでも呼んで欲しいの?恐くもないし、ストーリーも印象に残らないし、感動もないし、謎解きのカタルシスもない。何がやりたいのか分からない。何でこんなに評価が高いのか不明。
1点(2003-09-18 01:41:07)(良:1票)
193.  ビッグ・リボウスキ
これまた実にコーエン兄弟らしい作品。  出てくる登場人物のすべてがズレている。いい加減な行動が齎すトラブルの数々は繋がりがありそうで繋がっていないし、その解決も努力や反省に基づくものではなく、単なる偶然や事勿れ主義による、なあなあな結果論。トラブルの元凶はそのままに、関係の無い人間が心臓麻痺で死んでしまい、おまけにその散骨された灰までもが、まるで死者の最後の突っ込みのように自分たちの方に戻ってくる始末。  しかし、そのちょっとした日常や常識のズレが醸し出す滑稽な人間模様の中に人生の本質が見え隠れする…ような気がしないでもないw。  コメディでもサスペンスでもない、「コーエンドラマ」とでも言うべき作品ではあるが、その「微妙」なところに作品としてハジけ切れないもどかしさや中途半端さを感じてしまうのも事実。  笑いの部分もかなり斜めに見ないと理解できないものだし、個人的にはもっと破綻した展開を期待していただけに、あの尻つぼみ気味な終わり方にもガッカリ。  決して一般向けの作品ではないので、やはり高得点を付けるのは躊躇われるので、この点で。 
[ビデオ(字幕)] 5点(2005-07-24 23:01:54)(良:1票)
194.  ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 《ネタバレ》 
前作同様、金も手間も掛かっているだけに、CG映像や撮影技術は素晴らしい。しかし「内容の無さ」は、前作以上かも。格調高い映像の雰囲気に誤魔化されているが、肝心のストーリー性やキャラ造形はお粗末な限り。  とにかく全体的に大雑把な内容で、展開もご都合主義のオンパレード。ガンダルフを始め、仲間たちの存在価値や参戦理由がイマイチ分からないのも前作同様。各エピソードも唐突&ぶつ切りで、繋がりや必然性に欠けている。そのくせ説明不足な部分も多く、「何でこいつらは、ここにいて、こういう状況になっているのか?」というような、よく分からないシーンも多かった。  壮大な戦闘シーンも、単にお互い力押しで戦っているようにしか見えず、リアリティが無い上に、やたらダラダラとしていて緊迫感に欠ける。あれだけ不利な状況での戦いにも関わらず、味方(メインキャラ)の被害はほとんど無し。んなアホな。  数で圧倒的に勝る敵のオーク軍に対して、もっと知略に富んだ戦法で戦うとか、攻撃魔法や補助魔法を使って援護するとかで、「なぜこんな不利な戦いに勝てるのか」という部分に説得力を持たせるべき。たとえファンタジーであっても、描くべきシーンってものがあると思うんだけど。原作が古典という事を考慮しても、このご都合主義的な戦闘シーンには問題がある。  原作の持つ、「ファンタジーの原点的価値」は認めるけど、はっきり言って肝心のストーリー性やキャラ造形、アクションシーンの演出等は、どれを取っても薄っぺらく、見た後に何も残らない。
[ビデオ(字幕)] 4点(2003-11-21 15:31:29)(良:1票)
195.  テキサス・チェーンソー ビギニング 《ネタバレ》 
ホラーとして丁寧(?)な作りではあるけど、他の方の指摘にもあるように、ビギニングと言うには、ほとんどあの家族の成り立ちに踏み込んでいないのが難点。  あんな家庭環境だからレザーフェイスという怪物が作られたのは分かるとしても、そもそも6代も続いたという農家の一家が、何故あそこまで狂っているのかとか、何故わざわざレザーフェイスを育てようと思ったのか、という基本的な点に関しては語られず仕舞い。本来は語る必要など無い部分だが、過去話の作品として作る以上、狂気の原点を語る必要性はあるはず。彼を産んだ母親と父親の素性もまったく分からないまま。  その辺の過去の謎や人間描写を期待したんだけど、結局、内容的には殺人鬼ホラーとしてよくある、「いつものパターン」に終始していただけ。相変わらず「倒せるチャンスがあるのに、それを活用しないでまた逆転される」という、ホラー映画のお約束の連続にイライラさせられっ放し(笑)。おまけに「ビギニング」だから、この一家がやられたり、捕まったりしないというのも最初から確定している事で、結果が分かりきっている展開を見るのは退屈だった。  終わり方にも狂気の美学が見られないし、結局、前作のリメイク版がそこそこ売れたから、ついでに過去編も作っとけと言う程度の発想の作品。ホラーとして血飛沫が飛び散ってるだけの上っ面な狂気ではなく、あんな怪物たちを生み出した、本当の意味での「人間の狂気」をこそ描いて欲しかった。  
[DVD(字幕)] 4点(2007-07-03 14:16:30)(良:1票)
196.  ゴスフォード・パーク
この監督さんは群像劇として有名らしいが、何十人も登場人物を出演させて、どうでもいいダラダラとした会話を聞かせるのが群像劇というものなの?「どんなジャンルでも、映画は観客ありきのエンターティメント性を備えているべき」と思っている自分にとっては、こういう高尚な主張を押し付けられるような「文学的作品」は全く合わない。  金持ちのパーティという舞台設定はいいとしても、とにかく登場人物が多すぎてワケ分からん。感情移入どころか、人物整理もままならず、観客をほったらかしのまま話が進む。まさに「見知らぬパーティ」に紛れ込んでしまったような疎外感が非常に不愉快。  自分にとって「感情移入出来ない」という事は、「物語にも没入出来ない」という事。そのくせ序盤から語られる事の多くは、「誰々が婿養子になった」だの、「誰々はゴマすりだ」といったような、こちらにすればど~でもいい、メイドや執事のグチや、金持ち連中の噂話や仕事話ばかりで、もう聞いていてウンザリ。「ディテールの積み重ね」と言うが、こんな下らない話はいくら積み重ねても、それは「どうでもいいものの積み重ね」にしかならないと思う。  ストーリーは1時間近く経っても特に何の事件も起こらないまま、つまらない会話がダラダラと続くだけ。基本的に外部との接触が出来るため、閉鎖空間特有の緊迫感も無い。  仮にミステリーとして見ても、登場人物が多すぎるため、「いつ」「どこで」「誰が」「何をしていた」という正確な情報が把握出来ない(もっともそんな情報から論理的に結論を導けるような脚本構成にはなってないが)。  かと言ってドラマとして見ても、「群像」形式であるため、必然的にひとりひとりの人間描写が薄っぺらくなり、「誰が」「どういう動機で」殺人を犯そうが、見ているこっちにしてみたら、「あっそ」という程度の感覚しか持てない。実際、真犯人も別に意外性がある訳でもなく、動機もありがちだし、おまけに暗い。  上流階級と下層階級による社会構成の危うさとか、それにより齎される悲劇とか、そんな問題提起は自分にとってはどうでもいい事。 大昔の文学じゃあるまいし、自己満足的な社会批判をする前に、もう少し観客を意識した映画作りをしてくれ。
[映画館(字幕)] 0点(2004-07-24 08:04:42)(良:1票)
197.  クロスファイア(2000) 《ネタバレ》 
<原作は未読。映画のみの評価>。  通常人とは違う人間の苦悩、現行の少年法の甘さ、官僚体質の批判など、色々とテーマは盛り込んであるが、その見せ方が散漫で、何が一番伝えたいのか焦点が合ってない。  また中途半端にCGを使ったアクション映画のような超能力の演出のせいで、全体的に安っぽい仕上がりになっている。  悪役のいかにも「憎ませるためだけの悪人」というような、安直なキャラ造形も気になるところ。桃井かおりの刑事を始め、もう一人の能力者の少女など、最後までどういう役割で行くのか、方向性がはっきりしないままの登場人物が多いのも難点。
[ビデオ(字幕)] 4点(2003-10-05 20:24:48)(良:1票)
198.  マインドハンター 《ネタバレ》 
惜しい。  閉ざされた孤島でFBI心理分析官の演習中に本当の殺人事件が起こるという設定は魅力的。ミステリーで言うところのクローズドサークルの典型だけど、やっぱり「誰が犯人なのか?」という疑心暗鬼と緊張感はこういう舞台設定でないと出ない。  ただ問題は最初の液体窒素(?)の段階で、明らかに「これは演習ではなく本当の殺人」という事が、実習生だけでなく、観客である我々にもはっきりしてしまうという点(あれではさすがに、お約束の「死んだフリ」の可能性も完全に否定されてしまう)。「犯人は誰か?」と言う謎以外にも、「どこまでが実習なのか?」という部分での謎も途中までは残しておいて欲しかった。  他にも心理分析官になろうって連中が揃いも揃って無能すぎるところもマイナス。ちょっと怪しいだけですぐ「お前が犯人に決まっている!」と感情的に騒ぎ立てるばかりでイライラさせられた。サラを疑う時もあんな状況では爪の血痕が犯人の証拠にはなり得ない事ぐらい素人でも分かるじゃん!ラストの時計の指紋以外、論理的に謎や手掛かりを突き詰めていく過程が少ないのが残念。もっと心理分析官と殺人鬼の知的な駆け引きが見たかった(ジャンルは違うが、こういうのを見てしまうと、漫画「デスノート」の犯人と探偵の駆け引きのレベルの高さがよく分かる)。  島に着いてからすべての罠を設置したというのもかなり無理があるし、その真犯人もイマイチ意外性や魅力に欠ける。もう一回くらいドンデン返しが欲しかった。  全体的にテンポも良いし、現実的ではないけどインパクトのある殺し方など、恐怖演出に関してもなかなかセンスがあるだけに、シナリオ面での作り込みが甘いところが悔やまれる。
[DVD(吹替)] 7点(2006-12-24 02:42:41)(良:1票)
199.  雲のむこう、約束の場所 《ネタバレ》 
前作「ほしのこえ」同様、監督が今まで見てきた好きなアニメや漫画から得た影響のみで作り上げたであろうパッチワーク作品ではあるが、ここで酷評されているほどにはヒドい作品ではない。  その製作姿勢は基本的に同人誌の延長であり、監督の自己満足が先にあるものだが、取りあえず、何とか商品として金を取れるレベルに仕上げてある点は評価できる。  確かに「並行世界」という陳腐なSF設定も近未来の世界観も、あくまでイメージ優先で、小難しい単語を使いまわしているだけで中身は薄っぺらく、独自の着想も皆無。「戦争」、「幼なじみの少女」、「並行世界」、「飛行機」、などなど、すべてが「イメージ表現」のために用意されたギミックでしかないし、主人公たちのやっている事や言ってる事も青臭く、やたら感傷的で自己陶酔的だが、その「青さ」も含めて、青春恋愛アニメとしてのテーマは押さえてある。  まあこれが普通の劇場版として、どこかのスタジオが集団作業で作ったというなら間違いなく駄作ではあるが、ほとんど一人でこれだけのものを作ったというなら、それなりの評価には値する(必要な機材を与えられても自分ひとりではとても出来ないし)。  あくまでイメージ優先のジュブナイルアニメであって、それ以上でも以下でもない作品。今はまだ「技術はあるが独創性は皆無」というオタク作家の典型だが、もう少しクリエイターとしての視野を広げて、オリジナリティの高いしっかりとした脚本作りが出来るようになれば、あるいは…。  PS.この作品はともかくとしても、今やハリウッド映画やディズニーアニメのスタッフにも日本の漫画やアニメの影響を受けていない人間はほとんど皆無という時代に、未だにアニメや漫画に偏見持っている日本人がいるというのが嘆かわしい…。 
[DVD(邦画)] 5点(2006-08-05 15:57:47)(良:1票)
200.  Avalon アヴァロン
良くも悪くも押井監督の世界。  結局、「自分って何?」とか「現実とは?」的な問い掛けは、答えが出ないに決まっている訳で、追求しても堂堂巡りをするだけの哲学問答はそろそろ卒業して欲しい。考えないよりはマシだけど、一周しても同じ場所に戻るしかない問いだからねえ…。  ただ、追求するならするで、それなりの「解釈」と「結論」を見せて欲しい。今作は監督の「作りたい物を作った」という満足感は見えるが、その辺のアプローチはかなりおざなりで、娯楽性にも乏しい。  「うる星やつら・ビューティフルドリーマー」が傑作なのは、もともとの「うる星」の非日常性の高い世界観やキャラの魅力が作品のテーマ性と融合し、相乗効果を上げていた事に加え、ちゃんと娯楽性をも保っていたからだろう。最近の押井氏の作品は自己満足が先にあり、商品性や客観性を欠いている。  押井氏にとっての描かざるを得ない永遠のテーマに対する衝動は、「攻殻機動隊」の方で吐き出してもらうとして、客としては、もう少し違うものを食べさせてもらいたい。
[ビデオ(字幕)] 5点(2004-11-30 22:53:58)(良:1票)

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