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放浪紳士チャーリーさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1446
性別 男性
自己紹介 初めてこちらのサイトに投稿させていただいたのが2004年の1月。間もなく15年目の節目を迎える事に。
何かきっかけだったのかなあ・・・と思い返してみると、モンゴメリー・クリフト&エリザベス・テイラー主演「愛情の花咲く樹」(1957)が、なんで作品登録されてないんだ!って義憤(?)に駆られ投稿を始めたことを思い出しました。
レビュー数、今日現在1337本。自分が投稿した作品のレビュー読み返してみると結構気恥ずかしいことをつらつらと、とりとめもなく書いてるなあと反省しきり。
でも「冷たい熱帯魚」(2点)と「パッセンジャーズ」(6点)「3時10分、決断の時」(8点)なんか我ながら良くこんな文章書けたなと感心。
これからも宜しゅうお願いいたします。

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201.  ギターを持った渡り鳥
はっきり言ってバカバカしいにも程がある。けど理屈抜きで楽しい!この手の映画、敬遠しないでどんどん観ましょう!(追記)「銀座旋風児」を5点、「東京の暴れん坊」を6点にした以上、必然的に一番好きなシリーズ第一作なので評価が上がった次第です。♪赤い~夕陽よ~♪滝さん=小林旭と♪俺がいたんじゃお嫁に行けぬ~♪寅さんは永遠の自分の憧れです。 
[DVD(字幕)] 7点(2005-10-10 14:52:12)(良:1票)
202.  バス停留所 《ネタバレ》 
名だたる役者を輩出したアクターズスタジオで演技を修業し直した、マリリンの復帰第一作との事。アクターズスタジオ「以前」と「以降」とでは、マリリンは全く別の女優になってしまったと思います。自分が好きなのはもちろん「以前」の時代。「紳士は金髪がお好き」とか「百万長者と結婚する方法」あたりのライン。演技なんかわざわざ習得しなくたって、カメラの前に立つだけでオーラが輝く「稀代の天然コメディエンヌ」、それこそがマリリンのマリリンたる存在意義だったのに。僕はこの映画の彼女にはなぜか殆ど魅力を感じない。終わり近くレストランのカウンターに凭れて「ボオオオオォォ・・・・・(←主役の単細胞ジコチュー男の名前)」と、甘い囁き声で発するシーンは良かったけど・・・。現在公開中の「マリリン7日間の恋」はこの作品の次作「王子と踊子」での、撮影中にこんな事があったかもしれない的な裏話。マリリンに興味がある方なら観ても損はないと思います。
[地上波(字幕)] 5点(2012-04-02 22:51:13)(良:1票)
203.  ブラックサイト 《ネタバレ》 
観終わって全身汗びっしょりっす!!ハラハラドキドキするのは保証しますが、神経的心理的にヤな方向性でのハラハラドキドキなんですよね、これが。似た傾向の作品として引き合いに出されている「羊たちの沈黙」は、自分はブラウン管での鑑賞だったんでそれほどとも思わなかったけど、これはかなりのグロさ。猟奇的殺人サスペンス+非常に今日的なインターネット犯罪ジャンルとしてはなかなかの出来。つい最近も某香港スターのエロ画像ネット流出事件も発生して話題になったし。ダイアン・レイン演じる、FBI捜査官、一児の母両方の責務を背負う責任感がやたら強い女性の、常に疲労感が全身に漂っている感じも良いです。それにしても相棒の男性刑事の方は役立たずな事この上ないなあ・・・。もう男の助けなんか必要ないみたいですね、この手の強靭な女性には。人間の好奇心に蓋をする事はそうたやすい事ではないと思う。登山家が「そこに山があるから登る」のと同じ事で、「そこにあるからつい見たくなってしまう」人間の脆弱な欲望を鋭く衝いた、単なる猟奇サスペンスには終わらせない問題提起作。6点か7点か迷ったけど色々考えさせられたんで7点。
[試写会(字幕)] 7点(2008-03-29 10:57:45)(良:1票)
204.  ●REC/レック(2007) 《ネタバレ》 
引き合いに出されてる「ブレアなんとかプロジェクト」「なんとか・オブ・デッド」とかいう類の作品群一切未見です。何の予備知識もなく鑑賞。虚弱体質の僕にはこれ以上の点数はちょっと無理ですね。75分の作品にも関わらず、おしまいまで観るのがかなりしんどかった。(鑑賞中)うわっ、これ安っぽい映像やなあ・・・何だ、このリスみたいな顔の女性レポーターは・・・え、彼女がヒロインなん?(本編20分あたりから)あ~、もうこれヤな映画だな~(ドキドキ)ヤな映画だな~(バクバク)ヤな映画だな~(これが延々一時間続く)うわああああああああああああ~~~~~~~~~!・・・やっぱ、ヤな映画だったなあ・・・(おしまい)心臓がお強い方には楽しめるかと思います。自分は虚弱体質なので・・・ごめんなさい!
[DVD(字幕)] 3点(2009-09-07 11:07:19)(笑:1票)
205.  once ダブリンの街角で 《ネタバレ》 
一時間半にも満たない小品、私が大の苦手とするストリートミュージシャンが主人公の映画では有りますが、これはなかなか面白かったです。アイルランドの首都ダブリンというあまり馴染みがない都市の風景、ヒロインがチェコからの移民という設定が巧く生かされています。特に好きなシーン二つ、徹夜明けのレコーディングの後で、躁状態のまんま皆で海岸に繰り出すシーン、あとヒロインが電池を買って夜道を帰って来るシーン。バスに乗っているお婆ちゃんとか、楽器屋の店員さんなんかのごく市井の人々の何気ない表情が巧く捉えられてましたね。ヒロインの家にいきなりズカズカと若い男達が上がりこんでくる場面はちょっと面食らいましたが(笑)流れる楽曲も自分好みの佳曲がズラリ。この監督の演出を半ば放棄してるのかと思わせつつ、観客をダレさせないタッチは結構好きかも。ラストのクレジットが流れて、初めて彼ら二人が『名無し』だった事に気付きました。人間は他人とのちょっとした出会いで生活を変えられる、この映画ってボーイ・ミーツ・ガールのごく普遍的なオハナシだったんだなあ・・・。
[DVD(字幕)] 7点(2008-08-29 11:20:43)(良:1票)
206.  男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け
ヒロインに辛い現実を背負わせ、しかもその女性を陽性の太地喜和子に演じさせた事が最大の勝因ですね。寅さんシリーズの中でも屈指の出来だと思います。いいお話。
8点(2005-02-09 13:27:55)(良:1票)
207.  二十四の瞳(1987)
「リメイクすべきではなかった映画」個人的ベストワン。壺井栄の原作を読んでも、このストーリーは小豆島の風景描写ともはや一体化した上で成り立つ展開になるのは明白だったはず。同じ木下脚本を再利用したからといって、オリジナルの1954年当時は確かに存在したはずの描写が再現出来るはずもなく、土台企画の段階から誰かが製作をストップさせるべき映画だったと思う。 
[映画館(字幕)] 2点(2005-11-06 15:21:32)(良:1票)
208.  牛泥棒 《ネタバレ》 
後にヘンリー・フォンダ自らが製作にあたった、「十二人の怒れる男」の前哨戦みたいな社会派西部劇。タイトル「牛泥棒~七人の黙れる男」。アカデミー作品賞候補になるほどの秀作という世評にもかかわらず、何故か未公開だったいう事で食指をそそられた作品。調べてみたらこの年の作品賞受賞作はあの「カサブランカ」。作品の内容そのものよりも、終戦後これが輸入されなかった裏事情の方に自分は興味を惹かれますね。ろくでもない愚作や珍作は幾らでも公開されていたのに。あくまで推理の範囲内ですが、アメリカ人が誇りとしている多数決優先議会制民主主義にも誤りもあるんだって事を、占領下当時の日本人には伏せておきかたかったんじゃないでしょうかねえ・・・?最後まで観た限りではそんな気がしてなりません。ドンバチ勇壮なウエスタンを期待する人には肩透かし。ラスト、首吊り処刑されたダナ・アンドリュースの手紙を読み上げるフォンダの目を帽子のツバで見えなくしてるのは、彼の滲んだ涙を隠す為のウェルマン監督の粋な演出とお見受けしましたが。
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-25 13:57:45)(良:1票)
209.  らせん階段(1945)
サスペンスとしての構成は至ってシンプル。おそらくどんでん返しに次ぐどんでん返しサスペンスに慣れた方にはこれでは物足りないとは思います。でもこれはストーリーより、当時のモノクロ映画技術の粋を集めた、光と影とが織り成すスリルを味わう映画。これカラーだったらさほど面白くはないはず。モノクロ映画である事の長所が遺憾なく発揮されてますね。「ガス燈」や「レベッカ」あたりの、雰囲気醸成に秀でたスリラー映画に高い評価を与えている方に特にお勧め。「疑惑の影」のテレサ・ライトしかり、この種のサスペンス映画には護ってあげたくなるような可憐なヒロイン(この映画ではドロシー・マクガイア)の存在が必須という事を改めて痛感させてくれます。クライマックスの「らせん階段」を中心としたシーンの構成には唸りました。しっかし・・・こんなにも登場人物が少ないのにもかかわらず、ラスト10分前まで真犯人を当てられなかった俺って一体・・・(泣)
[DVD(字幕)] 8点(2008-06-13 10:48:50)(良:1票)
210.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
クレしん映画初鑑賞。スピード感とお約束のギャグを挟みつつ展開されるストーリー、作者が狙っているテーマ性の深さ、完成度の高さに予想以上に驚き。ここでの評価の高さも納得。導入部とか特に巧いですね、子供にとって親が何か別の人格になってしまうって事は一番の恐怖ですから。ただ、オトナの子供回帰と子供を見捨てるという行為、昭和ノスタルジーとの相関関係がイマイチ疑問符??でしたけど。以下、ピクサーアニメ「Mrインクレディブル」と同じ感想になります。この作品もまっとうな人生を歩まれている方ほどより感動出来るんじゃないかって気がします。多分、自分はひがみっぽいヒネこびた人間なんでしょう・・・。家族一致団結!!悪を倒せ!家族の絆万歳!のクライマックスに、また一人疎外感を味わってしまう自分がいました。素直に感動出来ずつい斜に構えて観てしまう思考回路が哀しい。「みんシネ」を見てるよい子のみんな、間違ってもチャーリーおじさんみたいな、ヒネたオトナにだけは将来ならないようにしようね!じゃあまた来週!
[DVD(邦画)] 6点(2007-08-27 14:21:41)(良:1票)
211.  犬神家の一族(2006) 《ネタバレ》 
評価、非常に難しいです・・・、オリジナル(10点)を繰り返し何度も見返してきた世代の人間にとっては特に。ガス=ヴァン・サイト監督「サイコ」を観た時と同じ感想しか出てきません。配役だけ一新しただけで、台詞もシーンも殆ど同じですからねえ・・・。製作した側も、そういう批判を受ける事を予め予知した上でこれを作った事は、興行上の問題やその他「大人の事情」として理解します。でも市川監督、僕にはラスト石坂=金田一の会釈がまるで観客に向かっての、監督のこれが最後の作品なんだよ、いままでありがとうという挨拶にも見えました。でもそれでいいんですか?同世代の新藤兼人監督や、先日亡くなられた故黒木和雄監督は、最後まで生涯フィルモグラフィーで描いてきたテーマを、近作の中でも貫かれた(ている)じゃないですか。僕には市川監督がこの安全パイ的セルフリメイクでご満足されてるとは思えないんですが・・・。もう一度新作を拝見してみたいです、無理かなあ・・・。キャストについては細かくは触れませんが、オリジナルと唯一拮抗した存在感を放ってたのは富司純子のみ。より原作に近い形で高峰三枝子とは別の犬神松子像を見事に創造してました。素晴らしかったです。他の方は・・・、旧作を「なぞっている」という印象がどうしても拭えず。中には下手ななぞり方をしている方も。オープニングで久々に耳にした大野雄二氏のテーマ曲が流れてきた時には、懐かしくて思わず涙がこぼれそうになった事を告白しておきます。爆笑シーン、奥菜恵のでんぐり返し。尾上菊之助さんは「獄門島」ピーターの隠し子という設定でしょうか?えっ!違う?・・・失礼しました。
[映画館(邦画)] 6点(2006-12-01 10:55:20)(良:1票)
212.  彼岸花
どうしても達者な関西弁を自由自在に操る浪花千栄子や、大輪の花の如き美貌の山本富士子に視線が行きがちになってしまうが、ここでは敢えて田中絹代の控えめながらも力強い演技を僕は声を大にして褒め称えたい。佐分利信と芦ノ湖のベンチに座り、戦争中防空壕の中で家族が一緒だった事を回想するシーン、ゴタゴタが一件落着して電話口で「良かった、ほんとに良かった」と娘の幸せを心から祝福するシーン等はその中でも特に絶品といえる。長年役者を続けてきた人だけが出せる、たおやかな気品とでもいったらいいか。最近こういう女優さんいないよなあ・・・。
[映画館(字幕)] 10点(2004-09-26 15:19:24)(良:1票)
213.  寒い国から帰ったスパイ 《ネタバレ》 
リチャード・バートンって役者として過少評価され過ぎですよね・・・。例の『クレオパトラ』前後、エリザベス・テイラーとのすったもんだスキャンダルがおそらく影響しているせいだと思うけど。この映画や『イグアナの夜』なんかを観ると、ただ黙っているだけでも女性が放っておかないような男の色気に溢れてますもん。彼の好演ももちろんだけれど、ここでは名前からしていけすかない、敵役のドイツ司令官「ムント氏」が憎々しげにポートレートされていて、観客の焦燥感をこれでもかというくらい煽り立ててくれます。生真面目な作風のM・リット監督らしく、折り目正しい端正なスパイ映画に仕上がっていました。原作通りだとしても、このラストの描写は・・・ツラいなあ、哀しいなあ・・・。きっと彼は最期だけはスパイとしてではなく、感情に流される「人間」として人生に終止符を打ちたかったんでしょう。うん、これも男の素晴らしい生き様だと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2022-07-19 21:28:26)(良:1票)
214.  彼が二度愛したS 《ネタバレ》 
特別秀でたサスペンスというわけではないけど、私のように単調な日常生活にうんざりしていて、常に何かハプニング(←エロ含む)が起こるのを心のどこかで期待しているような方にお勧めの映画。NYの美しい夜景や有名どころの高級ホテルがふんだんに登場してくるので、そういう観光的要素を求めている人も楽しめるはず。後半罠に嵌められたユアンが偽装パスポートを手間暇かけ、いつ発行出来る時間があったのか?そこが唯一腑に落ちなかった点。ヒュー・ジャックマンの、イケメンセレブビジネスマンと見せかけて実は・・・っていうのが最近の彼の定番の役どころだけど、この映画では初めて画面に登場するシーンからいかにも怪しいオーラ全開。お前、絶対何かたくらんでるだろっ!!と問い正したくなる(笑)ユアンもミシェル・ウィリアムズも好演。これは秋の夜長に相応しい大人向けの作品だと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2008-11-09 10:01:23)(良:1票)
215.  炎のランナー
うわっ、皆さん(特に最近の)評価手厳しい・・・。ヴァンゲリスのあのテーマ曲、その後あまりにいろんな場所で使われ過ぎちゃったのが、今となってはこの映画自体の価値を貶めているんじゃないかって、少々残念な気がします。怠け者で自堕落な自分には到底真似出来ない彼らの信念の強さに思わず背筋を伸ばし、襟を正したくなるような端正な映画です。毎月購読してた「ロードショー」の読者評がオール100点だったの思い出すなあ・・・。(追記)たまたま昨日BSにて放映してたんで、久しぶりに鑑賞。実は、ここ最近何を観ても「感動する」機会がめっきり減ってしまい、このままだとそろそろこのレビューも引退せにゃあかんのかなあ・・・って思ってたんです。でも公開時や、ひたすら学校のグラウンドで走り続けていた大学時代に再見した時と同じ感動を時の流れにも全く色褪せず、この映画は呼び覚まさせてくれました。まだまだこれからも映画とは長く付き合っていきたいですね。格上げして10点にします。
[映画館(字幕)] 10点(2005-01-02 23:54:18)(良:1票)
216.  古都(1963)
最初に市川=山口百恵リメイク版を観てしまっていた分、どうしても比較論になってしまいます。原作の雰囲気、古都京都の情緒、画面の厚み、どれを取ってもこの中村登=岩下志麻版の方が勝っていると思います。京都フェチ人間にはこれはホントにたまらない映画。時折NHK教育みたいなナレーションが入ってくるのだけは不粋だが、これは外国人向けに解り易い解説を施すためか?でも自分は沈んだ画調の山口百恵リメイク版も好きなんですよね・・・。別に百恵のファンって訳でもなかったけれど、この芯の強いヒロインには合ってました。リメイクのダメなトコは、三浦友和の出番を増やしたいがためにいらん人物を創作してしまった事。オリジナルの長門裕之の役をちょっとふくらませれば良かっただけなのに・・・。採点が同点なのは「鬼畜」レビューでも書いたけど、私は昔から志麻が怖いから。もう一番最初に観た時から怖い役だったので、これはもうどうしようもないトラウマ。今さらこの清純可憐なヒロインを見せられても、志麻が演じるからには何か絶対裏があるんじゃないか?双生児を入れ替えて(←「悪霊島」かいっ!)ドロドロのお家乗っ取りを企んで、志麻が暴れ回る展開になるんじゃないか?とつい変な邪推をしながら観てしまったせい。
[DVD(邦画)] 7点(2008-04-04 11:17:19)(笑:1票)
217.  わが町(1956)
これまで大阪人を描いた作品では、同じく織田作氏原作『夫婦善哉』が最高作かと思ってましたが、これも浪花下町を舞台に笑いとペーソスが散りばめられた秀作に仕上がってます。川島監督独特の特異な感覚はここではやや陰を潜め、ロケーションを最大限に生かし、今のニッポンにおいてはもはや絶滅種と思われる、豪快に生きたある一人の浪花日本男児の一代記が綴られていきます。最初あまりにディープな大阪弁を聞き取るのが難しかったほど。この男の生き様をただただ肯定的に描くのではなく、後半孫娘(南田洋子←美しい!)に批判させる事で、人物像に奥行きが出て一本筋が通った作品になったのではないでしょうか。それより何よりも当時の大阪下町の町並み、風物、風景こそがこの映画の最大の魅力でしょう。主役のタアやん=辰巳柳太郎はじめ、隣のおっちゃんおばちゃんを演じる殿山泰司、北林谷栄等脇役もすこぶる充実。一般受けする大スターは出てないけど、巧いバイブレイヤーを使う事によって、温かな雰囲気が滲み出せたのは川島監督の手腕によるものかと思います。好きなシーン、町の写真屋の前で子供たちとマラソン大会の写真をみつめるシーン、あとは・・・、やっぱりラストのプラネタリウムの南十字星かなあ・・・。う~ん、また大阪行きたくなってきた・・・。
[映画館(邦画)] 8点(2007-07-14 13:02:43)(良:1票)
218.  宗方姉妹
これは小津としてはストーリーを語る事にもう精一杯状態の失敗作だと思う。なにより高峰秀子という女優が小津映画向きでない事が一番のマイナスポイント。実際木下、成瀬映画での彼女の自然体名演技を観慣れた方なら、いかにこの映画の窮屈な画面の中、無理矢理な「小手先芝居」をさせられているかわかるはず。映画のメインテーマとなっている「何が古いもので何が新しいものか」という議論云々より、言わなければいけない事を腹の中にためているだけの姉と、思った事をズバズバすぐ口に出して周囲を困惑させる妹、それぞれの性格設定自体にそもそも問題あり。笠智衆の父親が不治の病という設定もなんだが意味ないような感じ。えへらえへらと薄ら笑いを浮かべているだけのモテモテ上原謙より、無職のプータローだがどっしり構えている山村聡のほうがよっぽど魅力的。しかし格調高い小津映画で必殺七連発平手乱れ打ちを観られるとは思ってもみなかったよなあ。
[映画館(字幕)] 7点(2005-01-15 14:22:23)(良:1票)
219.  嵐ケ丘(1939)
『嵐が丘』は小学校の頃「ガラスの仮面」(舞台あらしの章)で何となくストーリーの輪郭みたいなものを知り、次に原作を読み、最後にこの映画を鑑賞という順序です。何回か映画化されているようですが、このウィリアム・ワイラー監督版はとにかく「立派」っていう印象が強いですね。ヒースクリフ=オリヴィエの容貌、演技、立ち振る舞い全てがご立派、全編画面に荒野に風が吹きすさんでいるワイラーの演出もガッチリしていて流石!・・・っと誉めまくりたいのはヤマヤマなんだけど、映画的エモーシャルな興奮度という点では後年の「偽りの花園」「ローマの休日」「大いなる西部」のほうが、より勝っているような気がします。感心はしても感動までは出来ない、みたいな気分。それが文芸有名作品映画化の限界というべきか。
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-07-21 12:48:45)(良:1票)
220.  トリスタンとイゾルデ 《ネタバレ》 
皮肉にもリドリー・スコット本人が監督した「キングダム・オブ・ヘブン」より、製作に回ったこの映画の方が数等面白い。イギリス中世史にまるで疎い自分にも、この当時のアイルランドとイングランド両国の力関係、紛争の経過について非常に理解しやすく描かれているし、主役二人が抱える苦悩が現代人にも共感しやすい内容なのが歴史劇にもかかわらずとっつきやすかったです。アイルランドの荒涼とした海岸ロケーション風景も魅力的。でもこの映画の中で要になるのは主役の二人ではなく、孤高のマーク王ですね。マーク王を演じた役者さんは「ロック・ユー!」での悪役も板についてたし、この人間味ある王様役も実に良い。中世史劇向きの風貌なんでしょうか?はなっからトリスタンが自分たちの抜きさしならぬ関係を王に打ち明けてたら、あの男気あふれる性格なら納得してくれたと思うんだけどなあ・・・。どうだろ。トリスタンの王に対する忠誠心が深いゆえ、段々と「この女さえいなければっ!」ってソフィア・マイルズの存在自体がうっとしくなってくるW
[映画館(字幕)] 6点(2006-11-10 14:57:01)(良:1票)

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