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プロフィール
コメント数 225
性別 男性
自己紹介 当方のレビューは全て独断と偏向に満ちております。
「公平・公正なレビュー」などというつもりは金輪際毛頭まったくありませんので、どうぞご安心ください 。

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21.  大魔神
タメが効いた作品の最高峰!なかなかその姿を現さない大魔神。無力な人間どもの神をも恐れぬ所業でひっぱれるだけひっぱって、観客の魔神登場に対する期待感が頂点に達したところで《《《!!どっかーん!!》》》と出てきて爆発的威力を見せつけ、観客がびっくりして思考停止している間にさっといなくなちゃう。これぞ怪獣映画のお手本!否、怪獣映画というワクを越えてもこれほどのカタルシスを味わえる作品にはなかなかお目にかかれない。いざ暴れ始めると善悪という価値観も関係ない存在という点も神話的で案外深いものがあるような。大人になって見返す怪獣映画は、かつてこんなものに夢中になった自分が単なる低能なガキだったことを思い知らされるものがほとんどだが、この作品だけは今でも充分楽しめる。さすが幾多の名監督を擁する大映京都。撮影環境とスタッフの底力が同時期ガメラシリーズを作っていた大映東京とは全然違う。
[映画館(字幕)] 9点(2004-04-16 04:21:14)(良:2票)
22.  大魔神怒る 《ネタバレ》 
1作目と似たようなプロット。そこに水だの発破だのなんとか絵的な変化をつけようという努力がみえるのはいい。藤村志保の熱演も光る。しかし見終わって得られるカタルシスは1作目に比べ大幅に減少している。追いかけっこの繰り返しという平板なドラマパートも痛いが、最大の問題は最も気分が高揚するはずの水面割のシーンに、劇中の目撃者がいないこと。あそこは劇中の人物と観客が驚きを共有することによって初めて真の興奮が得られるのではないか。欲を言えば、悪役どもが恐れおののきつつ圧倒的な水量の水に呑まれる〜それを驚愕の眼差しで見届ける主人公ご一行、といった演出があったら、とてつもない名シーンになったのではないか。そこらへんのツメの甘さがなんとも残念でならない。さらに魔神が一仕事終えて勝手にアクションを停止してしまうのもいただけない。1作目の最大の美点は魔神が荒ぶる神であり、善悪という人間の都合を超えた存在だったところだ。悪を倒すという目的を持って行動してしまうアラカツマは正義の味方、良い奴であって到底“魔”神とはいえない。そのせいで乙女の涙の価値、ならびに物語の深みが半減してしまっている。 本当に惜しい。
[映画館(邦画)] 4点(2013-03-06 19:05:46)(良:2票)
23.  大巨獣ガッパ
僭越とは存じますが下のsayzinさんの疑問に答えさせてください・・・●タコがでかすぎ:過去、スダール(ウルトラQ)やコング、対バラゴンフランケン(但し海外版)と戦った巨大ダコの例から類推すると日本怪獣界では無理のないサイズかと思われます。●誰が茹でたか:これはガッパです。ガッパが水中で火炎を吐くことによって茹でたとしか考えられません。●なぜ茹でダコを咥えて上陸したか:母ガッパが子ガッパに与えようとして咥えてきたのです。これは大伴先生監修の怪獣図鑑にそのような記述がありましたので定説と思われます。茹でてあるのは消化をよくするためでしょう。・・・というようにあのタコは、母ガッパの子供を想う気持ちを表した重要アイテムなので、間違ってもばかにしたり笑ったりしてはいけません。むしろ泣くべきなのではないかと考える次第です。
[映画館(邦画)] 3点(2004-03-11 15:00:36)(笑:1票) (良:1票)
24.  ミクロの決死圏
初見は小学校の映画上映会。前半余計な音楽を一切排除して(含タイトルバック)胎内に到達したとたんに無調系のサウンドイフェクトを加えるというシャープな判断にまず打ちのめされた。ドラマ的には目新しいものはないが、テーマが体内観光だから視覚的に満足できればそれでいいんだ。そして結果は大満足!潜航艇のデザインはあのノーチラス号のデザインにもかかわったスタッフだそうでフライシャーとのタッグは最強ですね。エレベータで地下に降りる車と潜行艇縮小のプロセスが特撮的に一緒だったり、作戦室にアリが入り込んでいたり(そんなところで手術されるのは嫌だなあ)と、突っ込みたくなるところも多々ありますが、全体としていちいちじつにもっともらしく見えるのはやりたいことに迷いがないからだろう。ところで美術としてスタッフに名を連ねているダリがどういう働きをしたのか見当がつかないのはどういうわけだ。むしろウルトラセブンでこの映画をパクったエピソードに多大な影響をあたえているような(怪獣の名前がダリー)。いったい何やってんだか。
[映画館(字幕)] 9点(2004-09-17 19:30:17)(良:2票)
25.  007/スカイフォール 《ネタバレ》 
安心して観られる完成されたフォーマット、確かな美的感覚、良く練られた脚本とまったく楽しめないというわけでもない。しかしここは残念だった点を書かせてもらう。 ●主要アクションはボンドが“追う”ことばかり。何度も繰り返されて飽きる ●敵もボンドも身体を張るタイプで両者のコントラストがない。ダニエル・クレイグと正反対のタイプの敵との対決が見たい ●アクションシーンはキレが悪い。「女王陛下」を筆頭とするピーター・ハント&ジョン・グレンの神編集を少しは見習って欲しい(アクションを論理的に見せるとはどういうことかよくわかる) ●敵の目的のスケールが小さく理に落ちすぎてつまらない。誇大妄想的な夢、意外性といったものがない ●敵の目的がしょぼいせいもあってかミステリー要素がほとんどない ●全体のトーンは非情風なのに大事故を起こす地下鉄の車輌は客が乗っていない回送車だったりして日和る所はしっかり日和っている ●冗長。議事堂での銃撃戦でさらっと終わればよかったのでは ●スコアは特に耳に残る旋律もなく、主張の感じられない今風のもので、創造性、ケレン味共にジョン・バリーの足元にも及ばない ●結局最後までアバンタイトルのバイクシーン以上には盛り上がらない。長い尺のわりに何か消化不良のまま終わってしまう……  等々。つまるところありていなマッチョ同士のノンストップアクションといった趣の作品に堕しており、007シリーズならではの高揚感は得られなかった。特に最近の傾向ともいえるやたら暗い画面はもうほんとに勘弁して欲しい。ライムスター宇多丸氏がTBSラジオの番組内コーナー“シネマハスラー”でこの作品を年間ベストと言っていた。氏の評論は好きだが今回の評価に対しては「宇多丸それでいいのか?」と思わざるを得ない
[映画館(字幕)] 6点(2012-12-17 11:44:02)(良:2票)
26.  アイズ ワイド シャット 《ネタバレ》 
シニカルというかひねくれ者というかまったくキューブリックというのはつくづく厄介な御仁だ。乱交パーティに紛れ込んだ男の“大人のアリス譚”とでも言うべき内容なのに、ぜんぜんエロくない映画なんてどうして作りたいと思うのだろう。欲求不満の女房の話も主人公の妄想も周辺をぐるぐる廻るだけで、まったく核心に向かって行こうとしない。うだうだ1時間以上引っ張って大変な苦労の末乱交パーティ会場までたどり着いたのに、そこから先のドラマは主催者に「み~た~な~」と脅されるというスケベとは何の関係もない話。だいたいこの作品の秘密クラブの雰囲気は愉しい乱交場というより宗教団体のそれに近いような重苦しさ。無論キューブリックらしく舞台は壮麗で超ゴージャス。しかし衆人環視の前でチ●ポ立つ立たないの瀬戸際に置かれた男というとてつもなくドラマチックなお膳立てを入念に仕立てておいて、あっさり敵前逃亡ときた。おいおいそれはないんでないのか?2001年で執拗に描かれる食事シーンの食い物がまったく旨そうに見えないように、この作品での裸もキッドマンのそれをはじめ無味無臭でパサパサの味気ないものばかり。きれいっちゃきれいなのかもしれないけれどエロ成分ゼロなので、見る者の我慢汁を絞るという意図もなさそうだ。ある意味究極のはずし技ということで画期的という気もするし美意識もわかるが、お願いだからエロネタでそれをやらないでほしい。性的な行動は脅迫されたりエイズが心配だったり、ことごとくネガティブな結果を招いてまったく救いがない。性交はしていてもエクスタシーを思わせる描写も一切無い。観てるとインポになりそうで、セックスはややこしい理屈なんかいらないハッピーな行為と考える私には、まさにアンビリーバブルな境地でありました。
[CS・衛星(字幕)] 0点(2010-04-09 15:33:31)(笑:2票)
27.  大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス
お子さまが主役級という実はガキも喰わない基本設定の旧ガメラシリーズ。しかし本作はその見所てんこ盛りの内容がうれしく、公開当時かつてない充実感を味わいました。超音波メス、人食い、どくどく流れる血液、ガメラマーチもぎりぎり許せるお年頃でした。楽しかったなぁ~そして何より学んだのは“道路予定地にあって立ち退きを拒否する農民の存在”です。その動機が“ゴネればゴネるほど土地が高く売れる”という点にあることです。それに対し“道路公団職員は正義の味方”であることなどです。その後この作品で学習した価値観をもって成田闘争や学生運動のニュースに接することになりました…公共の福祉をなそうとするお上に敵対する欲まみれの農民………って、ふざけんな!!まるっきり逆じゃないかよ!!現実は役人とその手先こそ権力まみれ欲得まみれの代表選手じゃないか。自分の生まれ育った土地を破壊されたくない、命令されて引っ越すのは嫌、ってのは当たり前の人情じゃないか。労使紛争が激しかった大映の経営側に迎合してこのような政治姿勢の作品が作られた、という噂を聞いたことがあるが本当なのだろうか。大映東京は大映京都に比べて経営陣の方針に対し弱腰だったと言われているし。人の心を踏みつけにする者の視点に立った本作の恥知らずさを考えるとホントにそんな政治的力学が影を落としているのかもしれない。
[映画館(邦画)] 0点(2006-02-14 20:06:15)(笑:1票) (良:1票)
28.  トロン:レガシー
設定、配役、由緒正しいことこのうえなしの続編。で、あるにもかかわらず、肝心の「トロン感」とでもいうべきものが、この作品からはあまり感じられない。私感だがこの「トロン感」は主に三つの成分、直角移動アクションと電子音楽、もうひとつはポップな色彩から成り立っている。このうち音楽だけは新作もレトロモダンな響きと無調的な旋律でトロンっぽさをよく表現している。しかし新作はあとの二つの要素が決定的に欠落している。バイクはゲーム面でも曲線を描いて曲がり、普通のバイクアクションと変わらない。色彩は黒っぽく印象が暗くて縁起が悪い。ついでに語り口もいやに深刻な雰囲気で重々しい。旧作はキッチュでポップな駄菓子屋的感覚に貫かれていて、明るく脳天気な作品だった。 ついでに言えば、新作ではトロンの世界に気象現象があるが、それは進化と言えるのだろうか?CG技術的にはともかく、イメージは退化してないか?アクセスが格段に早くなったのは笑えるが、PC内に入るプロセスが無くなったのもエンターテインメントとしてどうなんだろう。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2012-05-24 20:17:14)(良:2票)
29.  ペネロピ 《ネタバレ》 
可愛いブタ鼻の娘を醜い怪物として見立てなければいけない点に呆然とした。ペネロピは鼻が上向いているだけで、髪はツヤツヤお肌はすべすべだし、性格もセンスも良い大金持ちのお嬢様ではないですか。豊満というリッチ嬢最強の美点が失われてしまったのは残念至極ではありますが、それでも彼女ならウンコだって良い匂いがしそうだよ!はたして彼女を見た男どもが驚いて逃げまどうなんていう極端な演出が、外見葛藤テーマを描くのに必要ですかね。あんな鼻(耳もらしいがいいかげんに扱われていてよくわからん)、現実にはちょっと歯並びが悪いくらいのもの。彼女のささやかなマイナスの属性は圧倒的なプラスの属性に初めから完全に埋没していて説得力ゼロですよ。なんだかな~と思いつつ最後まで観て感じたのだが製作者の仕掛けたギミックが別にあるようだ。というのは…小人役者が狂言廻し的な役に就いているのだが、小人であるという彼の属性は劇中特に意味を持っていない。ペネロピを追うカメラマンというのが役所で、一瞬「なんで小人なの」と思わせるが、演技の上手さもあって違和感はすぐに消える。「偏見を持たれがちなものもすぐに見慣れてしまうでしょう?」という作品のテーマをこっちでさりげなく具現しているわけだ。それもサブリミナル的に。これは禅の方法論に通じるなかなか高度な戦略であって、言葉で説教されるより深く心に届く効果がある。ラストにペネロピが素の鼻に戻るくだりにたいしたカタルシスがないのも、素顔のリッチ嬢がちっとも魅力的に見えないように撮っているのも確信犯のように見える。以上の点を踏まえると高評価を付けたくなるのだが、本筋の部分のあまりの粗雑さが気になってそれを許さない。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2010-05-18 11:36:53)(良:2票)
30.  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 《ネタバレ》 
ゲイルはなぜ彼女に調査を依頼したのか?結局事は彼のシナリオ通りに運んだのか?どうも根本的なところで腑に落ちない印象が残る。死刑を免れたいのなら早く証拠のビデオを提出すればいいし、免れたくないのならジャーナリストと危ういゲームをすべきじゃない。作劇上の都合が先に立って、論理的整合性がないがしろにされているのではないか。そもそも冤罪の可能性を訴えたいのなら、全力で無罪を主張しなくては効果が無い。あの作戦では死刑になっても自業自得と言われるのがオチだろう。ビデオ内で活動家の女性が自殺するシーンは、それに先だってジャーナリストが内容を予測して述べてしまっているので、得られるべきカタルシスがない。監督は観客の感情を操るのも不得手なタイプとみた。
[DVD(字幕)] 3点(2013-07-30 13:03:33)(良:2票)
31.  白いカラス
ありがた〜いキッドマンの裸体は逆光シルエットでお芸術風に、大部屋女優のハダカは明るい部屋でビーチク◎もインモー▼もばっちりまる出しって・・・・・制作者は差別問題を語るなら足元の業界内階級差別をまずなんとかしろ!と言いたい。出演者全員なにもかも丸出しにしろ!と言いたい。それができないのなら出すのか出さないのかどっちかにしとけ!と言いたい。
[DVD(字幕)] 1点(2005-09-18 14:00:59)(良:1票)
32.  エンジェル ウォーズ
アニメ「少女革命ウテナ」からの影響が感じられる。ウテナでの学園を精神病院に置き換えると主要登場人物の配置に多くの共通点が見いだされる。また「世界を変えるのは自分を変えるために戦うこと」というテーマから、スタティックなドラマ部分に幾度かの決闘が挟み込まれる構成からラストのオチに至るまでウテナにそっくりだ。これはインスパイアド・バイ〜くらいのクレオジットは入れて欲しいレベルではないか。但しウテナが日本アニメ界の隠れた金字塔として世界に誇るべき深みと文学性を持っているのに対して、本作にはそれらの重みがほとんどない。折角いただいた深いテーマもとってつけたようで、残るのは殺戮シーンの殺伐とした印象ばかりだ。この 深さ1:脳天気さ9 といった不自然な割合は、本作の制作者がオリジナルを生み出す苦労をしていない安易な模倣者であることの証左だ。しかも引用元を想起しないくらい劣化させている。ただあばれるだけでバリエーションに乏しい戦闘シーンはひとつにして、脚本をブラッシュアップすることにもっと力を注いで欲しかった。たとえ借り物とはいえ普遍的で重要なテーマを扱っているのは間違いないのだから
[DVD(字幕)] 2点(2016-07-13 11:02:55)(良:1票)
33.  マッドマックス 怒りのデス・ロード
珍奇でいかれてておもしれー。なにあの太鼓とギタリスト積んだ音楽隊みたいなクルマ!ばっかみたいでいかすー。しかし女性がみんなスレンダーなモデル体型なのはなんで?(毎度こればっか)。「女は子供を産む為の道具」なんて言うのなら乳と尻は巨大でなくては納得できないよ。一瞬出てくる子育て女はみんなフェリーニ好きのするような超グラマーなので当然その視点はあったはず。ああそれなのに、結局監督はクルマにしか興味がないのね。いい女といえば「モーターショーのコンパニオンみたいな娘」ということしか思いつかないのね(反吐)。リビドーは全てクルマ関係に投入ってか。ヒロインも特に女である必然性を感じ無いキャラだし、到底本気とは思えないフェミ視点と、あまりに有り体でダサい女の趣味が「ぶっ飛んだ世界を見物」という全体の価値を著しく削っているのが残念至極!
[映画館(字幕)] 6点(2015-11-05 12:35:41)(良:1票)
34.  マザー!(2017) 《ネタバレ》 
不条理でいかにも意味ありげな、しかしその実体はただのバカ映画という体の作品。たとえそれがいかに不快なシチュエーションではあっても作り手にここまで迷いが無いといっそ爽快だ。ハネケのファニーゲームにも似た理不尽で嫌〜な暴力を見せつけられることの連続なのだが、アクションはキレのある編集でたいへん気持ちがいい。ここはひとつ相互理解だのキリスト教云々だの小難しいことはすっぱり忘れて、ただ可憐な乙女が目茶苦茶な目に遭うスラップスティック感覚を素直に楽しめばいいのではないだろうか。
[インターネット(字幕)] 9点(2019-06-01 16:43:37)(良:1票)
35.  千と千尋の神隠し
今時少女売春を賞賛した驚くべき作品。子供の売春どこが悪い!という危ない主張の込められた映画を日本中のよい子たちに見せたのだから宮崎監督は本当に逝っちゃっている。誤解しないでほしいが、けなしているのではない。古き良き、おおらかな日本の性風俗に対しての深い共感が胸を打つ。私には幼女趣味はないが、多くの人が “当たり前” と疑わない現在の性道徳に対し、くさびを打ち込もうとする宮崎氏のその勇気ある姿勢には尊敬の念を禁じ得ない。 但し普通の映画作品として特に面白いわけではない
[DVD(邦画)] 10点(2013-04-10 13:17:36)(笑:1票)
36.  ロボコン 《ネタバレ》 
もともとマサチューセッツ工科大学の文化祭イベントのサルマネから始まったロボコン。オリジナルは限られた材料とシンプルな課題で創造力を最大限発揮できるように考えられた素晴らしいイベントだった。それが管理社会日本を体現するかのようにナンセンスなテーマと複雑すぎるルールでがんじがらめにされ、自由な発想はスポイルされまくりなのが高専ロボコンの現実だ。意表を突いたブロック行為さえルールに取り込もうとするNHKの官僚主義体質の事なかれ主義と傲慢さ加減には毎年怒りを新たにするがそれでも見所は残っている。想定される敵の様々なロボットに対し臨機応変に対応できるかどうか。押しつけられたルールはいかにくだらなくてもとりあえず工夫と工夫のぶつかりあいではある。根性ではなく知能の戦い。そこがロボコンというゲームの肝であるはずだ。ところがこの映画はそのわずかに残されたロボコンのアイデンティティをも完全に黙殺している。「敵がそうならこっちはこう」といった設計面での争いは全くといっていいほど描かれないのだ。設計者は観客はおろかチームメイトにさえメカの解説をしない。これでは題材にロボコンを持ってくる意味などないではないか!ロボコンの本質を描けていない制作者のうしろめたさと比例するかのように必要以上に画面に踊るロボコンの文字。“のぼりにロボコンと書きましたから、いっぱいのぼりを立てましたから”ってか?みっともない。問題はそれだけではない。●都合3回仲間割れがあるのだが同じ調子のどつきあいに終始し、すべて大人が仲裁にはいることによって終了という安易さ。●地区予選から全国大会にステップアップした時のカタルシスがまったく無い一本調子の演出。会場の司会者のノリひとつ変わらない●バトル場面でのやる気の感じられないカメラワーク。なにより不愉快なのは●本大会に至って唐突に自機が故障し、それさえ解決すればすべてうまくいくという安易なながれ(それも続けて2度!)。主人公のチームの他のマシンに対しての優位性を説明しないまま突然のりこえるべきハードルが下げられたわけだ。あまりの出来の非道さにエンドロールをチェックしていて合点がいった。最後に現れる文化庁のロゴマーク。これはお上からの助成金をあてにしたむりやりな企画だったのではないか?監督を初めスタッフの誰一人としてロボコンに思い入れなどないのではないか?
[映画館(字幕)] 1点(2004-07-21 23:56:31)(良:1票)
37.  クロニクル 《ネタバレ》 
ストーリーは「AKIRA」や「キャリー」など、既に手垢のつきまくった有り体なものだ。しかし画期的なのはその表現方法。POVでありながら不自由なカメラワークのくびきから開放されるそのアイデアには「その手があったか!」と思わせる。実際開始30分は「これはすごいことになるぞ」と、期待させるものがあった。ところが残念ながらそのアイデアを活かしているとは言いがたい展開が続く。とにかく画面に美学がないのだ。[ならでは]の絵がないのだ。クライマックスのシアトルタワーでの攻防戦で、この作品を象徴する素晴らしい絵作りをするシチェーションがあったのになんでもない画面でスルーしてしまった。折角あれだけのカメラに囲まれたのだから速射砲的に視点を変えるとかできたと思うのだが。その後誰視点か判らない画角の場面まで登場するに至って当方の残念感もピークに。オチも何の捻りもないもので、せめて「さとるのばけもの」くらいの意外性を持たせろよ!と言いたくなってしまった。まぁ不用意に期待をふくらませたのが敗因のような気もするが、潜在的な可能性をつぶしてしまった作品を観るのはなかなか辛いものがある。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2014-01-04 16:57:29)(良:1票)
38.  マグノリア 《ネタバレ》 
冒頭を見て、おっ、あほらしいことを大まじめにやってくれそうなヨカーン。てんでつきあってみたら‘大人の都合で動かされるのはイヤ’だの‘学歴詐称してました’だの‘パートナーをうらぎり続けたことを悔いてる’だのと、たいして面白くもない通俗的な話をだ~らだらだ~らだら聞かされて参った。オレは世間様につきあうことに疑問を持たないで生きてきた奴らの、そこらへんにごろごろ転がってるような悩みなんか、金払って聞きたくなーい!‘自分を犯した父が許せない’だ?あ~つまらん。『心理探偵フィッツ』第9回“私を愛して”でも見て出直してこい!と、もういいかげんあきあきしていると突然そいつが大量のゲロを吐いた。[人生は予測不可能]なんて当たり前じゃないの。それとも異化効果ってやつですか?どっちにしろハズしてるよ。
1点(2004-11-12 17:02:45)(良:1票)
39.  顔のないヒトラーたち
極めて丁寧に紡がれた重厚な歴史劇。戦後20年経ち、逃げおおせようとしているナチの残党を告発する若い堅物検事の葛藤に焦点が絞られていて高い文学性を感じる。内容の重さに反するように、まめにアングルを変えた細かいカットをテンポ良く繋いでいく編集。その軽快なリズム感が心地良く退屈させない。扱うテーマから予想される下世話な残虐シーンもなく安心して観ていられる。ファッション・インテリア・クルマなど装置のセンスが良く、登場人物各々の造形は堅牢で、その感情の動きの表現も画面全体の雰囲気にしっかりマッチしている。以上の点に見られるように格調高さと分かり易さが高次元で両立した演出は「アマデウス」のミロス・フォアマンを彷彿とさせる良質なものだ。同時代が舞台の同趣向の作品群の中でも出色の出来。観て良かった。
[DVD(字幕)] 8点(2018-01-31 08:20:39)(良:1票)
40.  愛しのローズマリー
“えーと、この鶏ガラみたいな女をまず綺麗と思わなくちゃいけないんだな”映画を観て意味的な翻訳をここまで強烈に強いられたのは初めてだ。あんな痩せた女が好みなのは主人公の勝手だが、受け手みんながそれを許容すると思っているところが救いがたい。バカか。このどっちらけ感はオレが筋金入りの豊満好きというせいだけではないだろう。美醜という本来個人の感覚に依拠すべき問題を、最大公約数におもねった製作者に語られてもちっとも心に響かない。人の外観について既存の価値観に本気で揺さぶりをかけたいのなら切実さに溢れたジョン・ウオーターズの初期作品を観ることを勧める方がよほど有効だ。がまんして最後まで観たが説教くさいのにも参った。痩せている=美しいという世間の俗情を当然のこととして受け入れなければ話が成立しない点、ヒロインが社長の娘であることで無理矢理ハッピーエンド風に仕立ててある点、等むしろ差別意識を助長するのではないか。文句なしの0点だ!
[DVD(字幕)] 0点(2007-01-18 19:21:38)(良:1票)

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