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プロフィール
コメント数 1000
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 レビュー数が1000に達したということで、活動を停止します。(今のところ)仕事がひじょうに忙しいので、映画を楽しむゆとりがありません。落ち着いたら再開するかもしれませんが、とりあえず未定です。

皆さま、ありがとうございました。縁があったらまたお会いしましょう。

※変更要望は出すかもしれません。

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61.  アンドロメダ・・・ 《ネタバレ》 
『日曜洋画劇場』で見たのが最初でした。とにかく面白かった。数日後、偶然書店で原作を見つけ、さっそく購入。かなり忠実に映画化されていることを知って、驚くと共にこの原作に感心しました。 本作の成功は、まずリアルな設定に徹したこと。物語自体が、実際に起こった事件の報告書という体裁をとっています。演出も、一部映画的な手法をとっていますが、おおむね地に足がついたリアルなタッチで貫かれています。「本物らしさ」の持つ迫真さを感じます。最下層に行くまでの長々しい描写も、本物らしく見せるためには必要不可欠なのです。 それと、物語の基本を「謎解き」に置いたこと。最初は何が起こったのか? という謎で引っ張り、次になぜこんな死に方をしたのか? に移り、最終的には「なぜあの二人だけが生き残ったのか?」という点にたどり着く。最後にはその謎を解いてみせる。形式こそSFですが、実はミステリーの要素が重要な位置を占めています。そのことが、推理小説が好きな私の心をつかんだようです。 あと、未知の存在を科学的に解析・研究する過程・手法。新しい事実を次々と発見していく面白さ、未知のものを解き明かす知的興奮を味わうことができます。これもやはり一種の「謎解き」と言えるでしょう。専門用語も頻出しますが、実はあまり詳しくなくても理解できるように作られています。中学卒業程度の理科の知識があれば大丈夫でしょう。pH すら知らないというのなら、話は別ですが……。ということで、SFということで敬遠しそうな人にこそお薦めしたい名作です。 今回はNHKの放送を見たのですが、字幕にあまり適切でないところがあったのは残念でした。ロボットじゃあるまいし、“燃料”を飲んでいる人っていないでしょう。何の誤訳なんだか。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2011-02-14 20:18:43)(良:1票)
62.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 
MX4Dで鑑賞。以前にも書いたように、私は別にテーマパークのアトラクションを体験したいわけではないので、通常版で十分なのですが、時間が合わないのでしかたなくこれにしました。とりあえず、水がかかってくるのに閉口。  前半はなかなか面白く期待を持たせたのですが、中盤以降政治の話が頻出して失速。ずいぶんつまらないものとなりました。臨時閣僚がどーだとかこーだとか、どうでもいいんですけど。政治関係の話を話をカットしたら、かなりよくなったと思います。あとこの映画のダメなところは、登場人物の大半が政治関係者で、いわゆる「庶民の目線」がないということ。巨災対のメンバーは基本的に政治と関係ないですが、それでも庶民的とはいえないですなぁ。純粋に「被害を受ける側」が描かれていないということで。前半面白味を感じたのは、人間目線から破壊される街並みを描いたことが大きく、ゴジラが二足歩行になってからは当然空から捉えた画が多くなって、「庶民の目線」などまったく期待できなくなってしまいました。  さらにダメなのは、伊福部昭の音楽を使っていること。これまでのように「昔の続き」などではなく、1から話を作ったのだから、わざわざ昔の音楽を使うことなどないでしょうに。しかしこれは、ゴジラのキャラクターと関係しているように思います。本作に登場する「巨大不明生物」は、見た目と名前こそゴジラですが、中身は似て非なるもの。そもそも地球の生物だったのかすら怪しい。隕石に乗ってやってきたとか、次元の裂け目から現れたと言っても違和感がない、むしろその方が納得できるような存在です。そうしたものを「ゴジラ」たらしめるには、あの音楽が必要だったのでしょう。つまり、今やゴジラのアイデンティティというものは、あの音楽にしかないのではと思われるのです。それに、(無人とはいえ)バンザイ特攻みたいな場面で『怪獣大戦争』の音楽を使われるのは不快でした。それ以外にも冒頭の東宝マークとか、オールドファンを意識したようなところがあり、リスペクトといえば聞こえはいいのですが、そういう過去のことは気にせず作った方がいいのにと思います。本当の意味での新作を作るのであれば。最後も「またこのパターンかよ」って、失笑するしかないし。そのあたりが『シン』と名乗っておきながらも「新」になりきれていない憾みがありました。  あと本作の巨大不明生物は災害のメタファーにもなっているようですが、正直それは「怪獣映画」としてどうなんだ、と思ってしまうわけです。1984年版の轍を踏んでいるとしか思えない。もし本作の続編を作るとしたら、平成シリーズみたいな展開になるかもしれませんね……。改めて振り返ってみると、ギャレス・エドワーズ監督作品はちゃんと「怪獣映画」になっていたと思います。別に怪獣同士が戦うからというわけではなく。今の日本人が怪獣の登場する映画を作ったらこうなっちゃうんでしょうが、やはり「怪獣映画」としてはギャレス・エドワーズ版が一枚上手、という気がします。
[映画館(邦画)] 7点(2016-12-07 09:49:18)(良:1票)
63.  オズの魔法使 《ネタバレ》 
「大切なものは身近にある」というテーマがよいです。それを生かすための、オズの世界とそこでの三人組の使い方が秀逸。かかしもブリキ男もライオンも、自分が欲しいと思っていたものを実は持っていたのですね。求めるものは他人に与えられるのではなく、自分の中にあるということ。結局自らの手で探し出すしかないという現実は、現代人にとっても重要ではないかと感じました。 映像としては、やはりオズの世界が圧巻! オール・セットで作り物感がよく出ていましたし(カンザスの牧場もセットですが)、出てくるキャラクターもユニーク。特に西の魔女の配下である翼の生えた猿は、インパクト十分でした。色彩も70年以上前のものとは思えないほどあざやかです(リマスターされているのでしょうが)。ユーモアたっぷり、見どころ満載の傑作でした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-09-16 16:43:35)(良:1票)
64.  舟を編む 《ネタバレ》 
一冊の辞書ができるまでのお話。それ以上でもそれ以下でもありません。あえて言うなら「ちょっと変人でも大丈夫だよ」ということもあるのでしょうが、どうも最後にとってつけたような感じになってしまいました。中盤での香具矢さんの「なにが普通かわかんないけど」というセリフは重要だと思いますが。それ以外、夫婦の話も松本先生との話も、最終的には「辞書を作る」という大枠内にとどまっていて、はみ出すところがない。それが本作の長所であり短所でもあると思います。お話としてはまるでプロジェクト某の映画版のよう。実際、実はそうだった(実話が元になっている)と言ったら、信じる人が多そうです。後半での掲載漏れをめぐる一連のエピソードも、あざといほどセオリー通り。そういった点ではよくできていると思いますが、面白味には欠けます。製作にテレビ局や新聞社がずいぶんとかんでいるようですが、この安全運転ぶりはそこから来るのでしょうか。もうちょっと「変人映画」でもよかったかもしれません。 ところで、異動前に馬締くんは熱心に何を読んでいたのでしょう。それが一番気になったりして。
[映画館(邦画)] 7点(2013-05-03 10:49:04)(良:1票)
65.  戦争のはらわた
鉄十字勲章がどれほどありがたいのか、プロイセンのお貴族さまがどれほど偉いのかよくわからないためか、この人たちが何をやりたいのかよくわかりません。ドイツ軍同士で対立するという不毛さ。そのせいかどうか、大半が退屈で眠くなる。一部「おっ!」と思うところもありますが、かなり例外的。全体としてはどうでもいいようなことを延々続けているという感じ。  アクションはスローモーションを多用していますが、以前どこかで書いたように、こういうものはポイントで使うから効果的なのであって、そればかりだとワンパターンで飽きてきます。それ以外は悪くはないですが。  ということで、ほめるところを探すのに苦労する……おっと、ほめられるところもありました。出演者はいいですね。しかしそれ以外は、どうもいけません。おそらく公開当時の配給会社の人も頭を抱えて、それでこんな邦題になったんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-10-19 20:08:16)(良:1票)
66.  グラン・プリ(1966)
カーレースが延々続くと飽きてきそうですが、カメラワークの工夫もあってそうは感じませんでした。大画面で見たら、かなりの迫力でしょうね。レーサー視線の映像は酔いそうですが……。画面分割は、成功したかどうか疑問。「喜」と「悲」を切り替えるシーンがいくつかありましたが、これは効果的でした。 物語としては、レーサーというのはレース以外に女のことしか考えていないのかと思いそうです(笑)。死と隣り合わせのレースに賭ける生き様を描いていてそれなりに見られました。おかげで長時間も気になりませんでした。女優さんではエヴァ・マリー・セイントよりもジェシカ・ウォルターの美しさが印象的。三船敏郎の口元を見る限り、ちゃんと英語をしゃべっていたようですが、英語の声は明らかに本人とは違っていましたね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-04 11:13:57)(良:1票)
67.  ペーパー・ムーン
ハートウォーミングな話なんですけど、ベタベタ・メソメソしたところがないのがいいです。2人の距離がだんだんと縮まっていったあげく、最後はああいう風になるのもいい。それもこれも、頭の回転が速くてこましゃくれたアディを演じきった、テイタム・オニールがいればこそ。彼女にとっても一期一会の作品であり、ベストの芝居になったようですね。それがよかったのか悪かったのか。なんにせよ、笑えてホロリとさせられ、最後にはニヤリとさせられる、おしゃれでステキな映画です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-04-07 19:21:34)(良:1票)
68.  ガメラ対大魔獣ジャイガー 《ネタバレ》 
前2作のドタバタ劇から一転して、怪獣映画らしい展開になりました。そのためか安心して見ていられます。ジャイガーは前作のギロンとは正反対で、見た目は地味ですが攻撃方法が多彩なので、怪獣として魅力があります。あいかわらず子供が活躍しますが、今回は大人が一緒にいることが多く、うっとうしいと感じることもありませんでした。特に、常識派のお姉さんを配したのが成功しています。ガメラとジャイガーが3度戦うなど、シリーズでは『ギャオス』に迫るできだと思います。 ちなみに、はじめて劇場まで見に行ったガメラ映画がこれでした。たしかその時フィルムが切れてしまったのです。いきなりスクリーンが真っ白になって、びっくりしました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-09-20 17:44:41)(良:1票)
69.  冬のライオン
歴史ドラマかと思ったらそれは設定だけで、中身は『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』や『欲望という名の電車』のような、男女がいがみ合うお話でした。こういうのはどこがいいのかさっぱりわからないんですよ。お互いだまし合いをしているようですが、どういう意義があるのかまったくもって不明です。本作の場合、王位継承問題がからんで、さらにややこしくなっています。こうなるともうお手上げ。舞台劇の映画化ということで、セリフの応酬だけは堪能できました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-07-10 19:46:57)(良:1票)
70.  小さき勇者たち ガメラ 《ネタバレ》 
まず特撮。敵怪獣のジーダスに魅力が感じられません。単にトカゲを大きくしただけでは……。まあ作劇上、ガメラの敵怪獣は何でもいいとはいえ(なんならまたギャオスでも可)、見た目が地味だし、攻撃方法も芸がない。それ以外は、昨今の特撮ものならこんなものでしょう。回転ジェットの描き方はよかったと思う。 ドラマの方ですが、前半はなかなかいい。ただ、クライマックスの赤い石をリレーする場面、あれは唐突すぎます。なんらかの伏線(ガメラがあの石を通じて子供と通じ合えるとか-)があればともかく、いきなりあんなことをやってもついていけません。制作側の「ここで感動させてやれ~」というのがミエミエで、かえって白けてしまいます。赤い石でパワーアップ → 回転ジェットという流れはよかったのですが。ここは「トトが宙に浮かぶ」という描写が生きていました。 もう少しうまくやれば、素直に感動できる映画になったかと思うのですが、残念ながら手を抜いたという印象がぬぐえません。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-10-02 19:27:21)(良:1票)
71.  大魔神 《ネタバレ》 
ガメラに比べて大魔神はあまり見ておらず、これも以前いつ見たか思い出せないくらい。しかしドラマ部分はしっかりしていて、見ごたえがありました。ただ、小源太と忠文があっさり捕まりすぎて間抜けに思えてしまいます。まあ捕まらないと話にならないので、仕方がないわけなのですが。安田監督の演出は、信夫が斬られるところでスローモーションを使うところが印象的。また、竹坊が隠れ家にやってきたときにすうっと現れる小笹が幻想的で、おおっと思わされます。特撮部分は、やはりていねいに作ったミニチュアが見ものでしょう。小さな家屋を本当に建てたそうで、倒れるときの現実感などさすがと思わせます。  今回気になったのは、作中では魔神に対する信仰がほとんど唯一のように描かれていたこと。もちろん神道の神とも違うし、仏教的なものをうかがわせるところもありません(そこまで描写する必要もないわけですが)。元ネタがゴーレムということもあってか、現実の日本の戦国時代とは少し異なる、独特の世界観であるように思われます。十字架にはりつけにするというのもキリスト教を連想させますし、そのあたりにヨーロッパ作品からの影響もうかがえます。そうしたことが、リアルな時代劇の描写と思いのほか溶け合っていて、不思議な雰囲気をかもし出していました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-08-16 16:08:58)(良:1票)
72.  男はつらいよ 柴又慕情 《ネタバレ》 
マドンナは吉永小百合。さすがに10代の頃のようなおきゃんさは影をひそめ、結婚に悩む女性を演じているのですが、その悩みが見ているこちらには今ひとつ伝わらない。基本的にコメディだということもあるのでしょうが、そこがかんじんな点なので、かなり残念でした。寅さんに決意を語る場面での「無邪気な残酷さ」は、この人が若い頃演じていた役のアンチ・テーゼのような感じがあり、興味深かったです。この場面は星空が美しくセリフもよくて印象深いですね。また、寅さんに会いに行くのも悩みを紛らわせるための気晴らしにすぎないわけで、こういう寅さんとの接し方というのは、なかなか考えられていると思います。また、彼女の悩みを解決するのがさくら夫妻だというのも暗示的。浮世離れした寅さんには、こういう現実の問題は扱えないわけで、よけいに寅さんとの距離感を感じさせます。  マドンナ以外では、なかなかハイレベル。序盤の下宿騒動からかなり笑わせてくれますし、タコ社長のタイミングの悪さとか、パターンなのですがわかっていてもかなりおかしい。出演者間の呼吸や演出がうまく回っているのだと思います。コメディとして笑いどころが多いから、振られる寅さんの心情も際立つし、全体としてはよい出来だったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-08-29 19:38:59)(良:1票)
73.  タバコ・ロード 《ネタバレ》 
冒頭から吉本新喜劇かと思うようなギャグのつるべ打ちでびっくり。アメリカにもこんな映画があったのですね。とはいえ、話の方は悲惨。何とか土地にとどまろうとする親父の涙ぐましい奮戦を描いています。人をだまくらかしたりしてほとんど犯罪者ですが、必死さはわかります。最後はご都合主義にも思えますが、「神は自ら助くる者を助く」ということなんでしょう。あぶく銭で買った車があっさりポンコツになったのも、そのためでしょう。悪あがきもしてみるものです。農民のバイタリティは十分感じられました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-26 22:00:58)(良:1票)
74.  大魔神怒る 《ネタバレ》 
前作との差別化を図るためか、今回は他国からの侵略、しかも同盟している2つの国を手に入れるというすごさ。おまけに武神像をこわしてしまうのですから、御子柴はやりたい放題。今回は十郎と早百合姫が別々に逃げ回っているのですが、それにしては話がややこしくならず、うまくさばかれていたと思います。捕まるのもけっこう後の方ですし、わりと段取りを踏んでいるので前作のような不満も起こりませんでした。  大魔神の暴れ方がおとなしいのですが、ひょっとして千草か名越の領内(どっちだったのかあまりよくわからない)だったから、あまり暴れなかったとか? 今回は、自分から積極的に建物を破壊しようという動きが見られず、大魔神を止めようとして周囲の建物が崩壊する、というパターンだったように見えます。他にも超常的な現象を起こしたりと、前作とはやや異なった性格のように思われますが、場所が違うのですから同じ魔神である必要はなく、それほど気になりませんでした。  さて、本作では「神も仏もないのか」という台詞が出てきたり、鐘が重要なアイテムとなっていたりして、少々仏教的な部分もあるのかと思われますが、基本的にはやはり「ちょっと洋風な戦国時代」という、不思議な世界となっているようです。女性をはりつけで火あぶりにするというのはジャンヌ・ダルクを連想させますし、湖の底で鐘が鳴り響くというのは、どちらかというとヨーロッパのイメージでしょう。このように、時代劇に洋風の要素をうまく加えたところにも、面白味があると思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-08-17 20:34:09)(良:1票)
75.  ダウト ~あるカトリック学校で~ 《ネタバレ》 
最後まで、どこをポイントにして見ればよいのかわかりませんでした。結局旧い人と新しい人の対立、となるのでしょうか。しかし対立を描くにしては、校長が悪役すぎる。二人を対等の立場として扱わなければ、対立そのものを味わえません。あの校長は、信仰や学校を愛していていても、生徒を愛していない様子ですからねぇ。どうしても、生徒を(広い意味で)愛している神父の方に肩入れしてしまいます。旧弊なもの=悪、進歩的なもの=善というのが露骨すぎるのです。終わり方は非常によかっただけに、残念でした。  それにしても、生徒から取り上げたラジオに嬉々として聞き入る校長が自分に厳しい? ご冗談を!
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-01-11 21:40:30)(良:1票)
76.  ガメラ 大怪獣空中決戦 《ネタバレ》 
なかなか面白かった。特に序盤はテンポもよく、米森と長峰の間をうまく切り返して、こちらを引き込む展開になっていました。思わせぶりな短いカットが効果を上げています。そこから福岡ドームへの持って行き方も秀逸。ただし、主要キャストの台詞回しのまずさはかなりいただけません。藤谷文子(あとこの人は、どう見ても小野寺昭の娘に見えない)はともかく、中山忍ってこんなに下手だったかなぁと、驚きました。 本作ではガメラとギャオスを「超古代文明が作った生物兵器」という設定にしたのが技ありで、「恐竜の末裔」などというありきたりな設定よりも、かえって現実感を生む要因となっています。また、そのことによって、2怪獣の性質なり性格なりを簡潔に説明できています。実際この映画の大半は「ガメラとギャオスは何者なのか?」というポイントで観客を引っ張っておいて、それがわかってきたところで両怪獣の最終決戦になるという、シンプルな構造になっています。テンポのよさもおそらくはこのシンプルさから来ているのでしょう。ただ、ギャオスが復活した理由で環境問題を出しているのは、正直「またか」という感じ。まあ、今後怪獣が出現する理由は、主に環境の悪化のせいにされるんでしょうね。「核実験」みたいな大義名分はもう使えませんから。ここでは、環境問題がテーマというわけではなく、単に理由として必要だったから名前を出しただけのようで、簡単に扱っているのは助かりました。 あとこの映画に関しては、ナントカのひとつ覚えのように「リアル、リアリティ」と言われているようです。個人的には、リアルか否かより面白いかどうかが重要なわけで。リアルでなくても、面白ければそれでよし。「リアルでないから面白い」ことだってあるわけですから。本作はリアリティがあるというよりは、「怪獣が出てくる普通の映画(あるいはパニック映画?)」って感じなんですよね。いわゆる“怪獣映画”ではなくて。しかしもちろん、だからいいだとか悪いだとか、つまらないことは言いません。面白いんだからいいでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-12-26 20:05:52)(良:1票)
77.  モスラ対ゴジラ 《ネタバレ》 
基本的には娯楽映画ですが、そこに拝金主義や観光開発といった風刺、さらには人間不信の問題を投げかけるという味付けをしています。本作が製作された1964年は、東京オリンピックが開催され、東海道新幹線が開通した年。今から考えれば、「オリンピックによる国際化」の名の下に、古きよき東京(江戸)の風景が消滅していった時機でもあり、そうしたことが背景にあるのかもしれません。また、オリンピックを控えて「人間不信」を取り上げるというのは、まだまだ冷戦時代だったことも考えると、なかなか興味深いです。いずれにせよ、こうした風刺やテーマが娯楽性を邪魔することなくうまく機能しているあたりは、うまいと思います。 特撮面では、合成の使い方がうまいです。特にゴジラが名古屋城を襲う場面、ぎりぎりまで実景との合成を見せておいてミニチュアワークに移行することで、リアル感が増しています。港でゴジラが山の上から顔を出す場面も、非常に印象的でした。また、こうした映画では遠景に怪獣・手前に人間という構図が常套手段として使われますが、本作でもかなり効果的に使われていました。ただ残念なのは、画面全体が白っぽくなってしまったシーンがあったことです。怪獣同士の戦いでは、最初の成虫モスラ戦が、ぬいぐるみだけでなくギニョールを使ったり、コマ落としでスピード感を出したりして、見ごたえがありました。 個人的には(作品の出来は別にして)、おそらくゴジラ映画でこれがいちばん好きな作でしょう。怪獣映画を単なる娯楽ではなく、「人間不信」というテーマを取り入れたあたりが気に入っております。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-09-01 21:58:32)(良:1票)
78.  七人の侍
某テレビ局が黒澤明作品を大量に買い付けた時があって、それまでテレビではほとんど放映されなかった作品が次々と登場しました。私は主要な黒澤作品をこれで見た口で、評判だけは聞いていたものを、この目で確かめることができました。中でやはり傑作だったのはこの『七人の侍』で、なんとも面白い映画を作ったもんだなぁというのが、当時の感想でした。  その後数回見ましたが、今回改めてリマスター版を劇場で鑑賞し、面白いことは面白いのですが、はやり初見時の感銘には及ばないかと感じます。こちらが見慣れてきたということもあるのでしょうが、もしかしたらデジタル化したことと関係があるでは、とも思えます。映画の中に没入せず、やや距離を置いてクールに眺めてしまうところがあるのです。これはやはりそういう類の映画ではないだろうと思うので、こうして客観視してしまうのは、この映画を見る態度としては問題があろうかと思われるのですが、そこに少なからずデジタル化の影響があるように思えてなりません。たとえ傷があったり音がこもったりしていても、フィルムで見た方がより夢中になれるのではと勝手に思ってしまう次第ですが、まあそれは単なるノスタルジーによる思い過ごしかもしれません。「凄くて面白い」映画であることには、間違いないのですから。  内容的にはあれこれ考察することは可能ですが、そういうことをしてもつまらないのでやめておきます。「凄くて面白い」娯楽映画の傑作、これだけで十分でしょう。〔レビュー900本目〕
[映画館(邦画)] 9点(2016-12-30 22:13:16)(良:1票)
79.  天使にラブ・ソングを・・・
エンタテインメントとして楽しい映画でした。よかったのは、修道女の皆さまの平均年齢が高そうなこと。仮に日本で同じような映画を作るとしたら、もっと若い子を増やすと思うのですが、本当におばさんやおばあさんばっかり。それがかえってリアルだし、そういう方たちがノリノリで聖歌を歌うというのは意外性もあって楽しめました。人物の描き方はやや薄味なのですが、歌が入って時間が短めになることを考えると、しかたがないでしょうか。もうちょっと修道女たちのドラマも見てみたい気がします。ビンスとその手下はちょっと抜けていて、いい助演ぶりでした。犯罪がらみですが、老若男女に勧められる作でしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-06-18 21:56:55)(良:1票)
80.  幸福な食卓 《ネタバレ》 
平凡じゃない一家の、平凡な日常をスケッチしたような映画でした。中原家の人たちはバラバラなようでいて、肝心なところでは強い絆で結ばれている。ただ、お互いをあまり束縛しないだけ。 だから、大事な末娘が大きな心の傷を負ったら、娘のためにみんなでふたたび集まるのです。そのきっかけが「人の死」というのは、わかりやすいけど裏を返せば安易。この辺をひとひねりしてほしかった。 あと、最後に歌が流れる場面は、モロに宣伝のようで好ましくないです。あれでいくばくかのお金が入るのかもしれませんが、映画の流れとしては唐突だし、曲も内容に合っているとは思えません。 とはいえ、淡々としていながらも引き込まれる魅力を持った映画。きっと、主役二人の貢献が大きいと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-10-13 19:31:11)(良:1票)

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