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プロフィール
コメント数 1620
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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81.  特捜部Q カルテ番号64 《ネタバレ》 
今回の事件の背景部分って、世界的に見ても結構普遍的な人権問題で、日本でも少し前には話題になったかと思います。映画に落とし込まれてるのはワリと今作が初見だったので、その意味でもまず社会派作品としても意外と価値の在る作品かも知れませんね。映画全体としても、展開運びは(これまでのシリーズ作に倣って)まずはごく手堅く、かつ部分的に意外性を孕む真相・中盤~終盤のスリラー展開・そして特捜部のメンバの人間ドラマの面なんかも含めて、4作では一番諸々と質が高かったよーに思います。甘めのこの評価で。  一点、ゆーて私にはどーしてもカール(あと何ならアサドも)が優秀な刑事にはどーにも見えない…のですケド、逆にローセってメッチャ優秀じゃねーすか?(情報収集能力・分析能力が並大抵ではない)その意味からするとオーラス、カールがアサドに言う「残ってほしい→ローセには君が必要だ」ってのが、要は(ホントに抜けたら困るのはローセなんだケド、あのおねいちゃんと二人だと正直オレ間が持つ気がしないから、とりあえずアサド宜しく!)という意味だったのではないか…と何となく邪推してしまいました(スイマセン、私性格捻じ曲がってますね…)。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-02-12 22:04:13)(良:1票)
82.  屍人荘の殺人 《ネタバレ》 
※以下、盛大にネタバレしてます  今回は映画と小説どっちからにするか少し迷ったが、小説は文句無しに高評価の嵐なので小説を先に読んだ。原作は、そこそこ本格ミステリーwithゾンビ、という(映画ファン的に)キャッチーなコンセプトにせよ、程よくコンパクトなボリュームにせよ、そして主役の探偵が美少女という設定にせよ、映画化には持って来いな内容にも思える(むしろ狙って書いたかのような)。ただ、原作をちゃんと読んで最も素晴らしいと思ったのは、ゾンビという劇薬注入をクローズドサークルの舞台設定のみならず、メイントリックにも巧みに絡めることに成功したミステリとしての出来の部分だ、とは感じていた。  その上で映画の方だが、結論から言うとかなり巧妙に映画化した成功例だと感じている。映画にするならば、最初と最後にゾンビな場面を(ある程度の尺)挿入しなければならないのは明白で、ここで尺が取られる分、舞台設定・導入部分と事件発生の部分を思い切って思いっ切り省略したのは、最善ではないにしろ限りなく正解に近いと思う。一方でその分、謎解きと種明かしには比較的時間を割いてしっかりつくっており、トリックの明快さを損なわずに原作のミステリとしての面白さはかなり再現できていると思うし、加えてゾンビパニックシーンもそこそこしっかり出来ているので、映像化した意味は十分にあると思う。  ただ、私は原作を読んでいるから良いのであって、初見の人にはかなり辛い映画だと思われるのも事実である。前述どおりの序盤の駆け足ぶりで物語に入り込めないということも多々あるだろうし、あれだけバリバリにキャラがキマッてる明智が開始40分でフェードアウトするのは、宣伝を受けて観にきた原作未読者にはハッキリ言って意味不明だと為りかねない(そもそも明智の出来が非常に良かったのでこれは単純に勿体無いし、居なくなるならあんなに熱演する意味すら感じない、というのが正直なトコロ)。あと、ゾンビを含めた事件全体の空気が相当に陰惨であるのに、全体の雰囲気がかなりコメディ寄りに仕上げられている点については、これもそもそも「笑えねーよ」となる人も多いのではないか(ただ、個人的にはこれについては、比較的単調な中盤の謎解きシーンでのテンションを維持するためにも、あと、これもガンギマリな比留子のキャラを生かし切るためにも、コメディ寄りな演出方針自体は決して悪くない工夫だ、とは感じている)。  重ねての結論、2時間という尺に嵌め込まれてしまった中での今作の全体の構成と種々の工夫は、これを鑑みるに決して悪くない仕事だとは言えるのではないか。続編があるかと思うので、更なる向上を期待したい。個人的には、ある程度は満足。
[映画館(邦画)] 7点(2019-12-28 23:22:41)(良:1票)
83.  That's Not Me 《ネタバレ》 
ムムム…「私じゃない!」というタイトルどおり、成功した妹と間違えられ続けて段々うんざりしていく双子の姉の話だが、おそらくジャンルとしてはコメディなのだろうが、全編通してかなり鬱々・ジメジメとほの暗いよーな話で正直あんまし笑えない(笑い飛ばすというにはチョイ辛すぎる)。かといってヒューマンドラマになっているかというと、特にそっち方面で盛り上がることがホントになんも無くてラストもただ焚火して終わり(何じゃそりゃ)。結論、お話としては完全にイマイチ(正直、最後まで観るのがだいぶん辛かった)。  主演女優(兼共同脚本)は監督の嫁らしいのだが(オーストラリアのローカルな人たちみたいだけど)、設定は27歳なのだがどーみてもアラフォーにしか見えんぞよ(疲れが顔とお肌に出てる、と言うか)。まあ、二役の妹の方にキラキラ感を出すために、比較対象の姉の方を残念な見栄えにした、という意図的な演出なのだろうけど(にしても、主役にこーも魅力が無いのは率直にどーかと思うケド)。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-09-06 16:46:13)(良:1票)
84.  MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 《ネタバレ》 
最初は正直、軽めのコメディかと思ったのですが、後半はかなりマジメに深く共感できるというお話でしたね。ちょっと『100万回生きたねこ』とかも思い起こされてしまいました(感動しましたです)。  前述どおり、間違い無くコメディ with タイムループというオーソドックスなヤツだとは思うのですが、同時にかなり高度で真剣なお仕事映画だとも思うのですよね。私だって確かに、ちょっと前までは月曜が来るのが死ぬホド憂鬱な時期がありましたし、或いはも~「現時点から一週間(一か月)キング・クリムゾンで吹っ飛ばないかな…(⇒その私自身の未熟さ故の結果は甘んじて享受するが、その過程には金輪際関わりたくない!)」なんてコトもよ~在ったな~とも思うのです。時間操作系のヤツって、実は仕事系のお話とは根本的に相性好いんだろ~な…なんて思ったりも。  んで、そんな今作はまず、前半はしっかりそのコメディ部分がかなり好く出来ていたと思いますし、かつ後半はお話の方がまたしっかりしてる=テーマとゆーか信念とゆーか(その「仕事」や「人生」における)価値観がハッキリと語られる、という意味で二回チャンと美味しい映画だったのが非常に好きなタイプ+意外性から生じるお得感もあってとても好かったと思いました。テーマの部分もまた、押し付けがましくないとゆーか(流行りの)ダイバーシティ的なとゆーか、ソレこそ仕事における価値観・流儀になんて絶対的・単一的な答えなんて無い!とは私もつくづく思ってるトコロではありますし(「(最後に)頼りになるのは自分だけ」も「大きな仕事こそ仲間と協力して成し遂げるモノ」もどっちも真理だと思うのですよね)。小品ですが、誰にでも臆するコトなくオススメできる良作である様に思います。短尺でサックリ観れますし、是非。
[DVD(邦画)] 8点(2023-09-23 21:24:04)(良:1票)
85.  死霊館のシスター 《ネタバレ》 
金の掛かったホラーで色々とその他のクオリティは標準以上なのだが(ロケ地の城の雰囲気はヤヴァい)、肝心のシナリオと恐怖描写の方に全くと言ってよいホドに工夫が無い(特にホラー場面はひたすら陰から驚かすだけで、しかもヴァラクは思いっ切り出て来る場面ばっかなので、造形も含めてもはやホラーではなくモンスター映画の部類だと思う)。ホラー中級者以上にしたら非常に物足りない出来かと。
[映画館(字幕)] 5点(2019-11-27 22:08:22)(良:1票)
86.  夜の大統領 《ネタバレ》 
大統領ってからナニかと思ったら、今作のロビンソンは野良ギャンブラー「ニック・ザ・バーバー」なのですね。ジェームズ・キャグニーとの共演作ですが二人ともギャングではなく(キャグニーはロビンソンの右腕的な子分)、あくまでチョイアウトローなロビンソンの成上りと失墜をテンポ好く描いてゆく、という作品です。  その意味で言うと、終盤の「失墜」の部分はちょっと展開が分かり難いと言えるかも知れません。大儲けしたニックが大規模な賭場を開帳しているのですが、警察は何故かニックが賭場の主だという証拠を掴めない…てそんなコトありますかね?で、警察が女をスパイに仕立てて送り込むのですが、彼女に何をさせたいのかもコレがよー分かりません(鍵を盗め、てどういう目的?つーか)。最終的にはガサ入れのてんやわんやの中で彼女がニックのコートに馬券を入れたコトが決定的となりあえなく御用となりますが、これもイマイチ?ピンと来ないですね。そのゴタゴタの中でキャグニーもワケの分からんうちにアホみたいな死に方をしてまいますし。  ただまあ、そこら辺の雑さはいったん置いても観るべきは、ロビンソンのキャラクターの意外な好感度の高さということになりますか。実は別に全然そこまで悪人というワケでもないですし、中盤多少調子に乗る嫌いはありますが(それこそはロビンソンの得意とするお芝居だと思いますし)、女に弱いごくごく爽やかで憎めない好漢を演じ抜き、失墜後のラストなんか特にサバサバと気持ち好く映画を締めくくってくれます。一方のキャグニーのキビキビとした様子も中々悪くはなかったかと。二人のファンなら、是非。
[DVD(字幕)] 6点(2021-07-22 18:48:23)(良:1票)
87.  マダム・ウェブ 《ネタバレ》 
ちょうど、ダコタ・ジョンソンがかなり思い切ったコトを言ってるインタビュー記事が出てきてしまったタイミングでの鑑賞になりましたが、私も正直「うーん……」とか「ムムム……」とか、結果的にはちょっと頭を抱えてしまう様な感覚の中で観終わったのは否めませんのですよね。まず、マダム・ウェブなんてキャラについては(元々)知ってるハズなぞ無いのですケド、鑑賞後に英語版Wikiを読む限りではそもそもも大体こーいう感じのキャラってコトで好いよーです。「未来予知」てのは一見は確かに、ヒーローの能力としては地味ではあるかとも思うのですが、ゆーてそれでもオーソドックスっちゃあオーソドックスって言って好いモノだとも思いますし、逆にそーでないとも思ったりもします。それは端的に、もし完全にコレがコントロール出来ちゃったら最早ちょっと「強すぎる」とゆーか、最低限確実に「飛び道具」と言うべき大いにクセの有る能力ではある、と思うのですよね(根本的に)。  こーいうキャラがサポート役に回る…つーのは今まででも幾らでも観てきたとも思うのですケド、今作では彼女=マダム・ウェブが完全に主役なのですし、他に味方に肉弾戦用のキャラも居ないという中々にストロングスタイルな状況なのです。コレはやっぱある種、何年も前から言われてきた「いつまでヒーロー映画ばっかつくってんだ!」状態の打破…とゆーか、シンプルに「一味違った」ヒーロー映画をつくろうとして⇒結果的にヒーロー映画だか何なんだか好く分からないケドも(それでも)ヒーロー映画としか言い様が無いという珍妙なモノが出来上がった…としか(また)言い様が無い様な感じなのですね。特に、マーベル初の本格ミステリー…な~んて宣伝文句は完全に嘘っぱちでしかない!としか(またまた)言い様が無い有様で、私自身も実際に鑑賞してこの支離滅裂さを思い切り体感してしまうってーと、正にダコタが言ってたのはこのコトか…としか思えないという状況ですよね(企画当初はだから、チャンともっと全然ヒーローものっぽくない映画だったんじゃねーかな…と)。  重ね重ね、支離滅裂とゆーか・完成度がどーにも低いとゆーか、特に展開運びが随所で異常に「強引」に思えるコトとか、何処にも彼処にも何とゆーか不要な=必然ではない捻れや葛藤・鬩ぎ合いが芋洗い状態だ!みたいな感覚も在ります。加えてあと、かなり個人的なコトなのですケド、私はどーにもあの手の「実は幻でした=現実じゃあありませんでした」系の描写がとにかく苦手で、それが連発される中盤のシーンはまたどーにも居心地・気持ちが悪くてそれも好みではなかったりもしましたね。ただ、そんな中で一つダケ、そーいった(若干ホラー的な)居心地の悪さも含めて、唯一今作においては「今までのヒーロー映画になかった」質感、とゆーのダケは、こーいった変化球的なヒーロー映画の数々の中でもトップクラスに高度に感じ取れた…とも思うのです。中でも特に、腕力ゼロだケド⇒予知能力と知恵を駆使してピンボールみたいな闘いを繰り広げる…なんて、それこそ「ジョジョ」だよなコレ…と思ってしまったのも事実なのでして、だからジョジョ好きな私としてはその「トリッキーな戦闘」に特化してフツーに分り易いヒーロー映画としてやってくれたら、絶対にもう少しダケはマシな出来には成ったのではねーか(+更にその部分に斬新なアイデアとかが積めていれば、良作にだって成り得たのではねーか)とちょっと思ってしまったりもするのですね。個人的には、かなり「惜しまれる」作品…と言って好い様な感覚もあります(⇒どこかで何らか再利用されれば…とは思ってしまいますかね)。
[映画館(字幕)] 5点(2024-03-07 00:42:02)(良:1票)
88.  禁じられた遊び(2023) 《ネタバレ》 
「エロイムエッサイム」って、実はナンのコトやら(ドレのヤツだか)全然分からないままで観に行ってしまったのですよ。後から調べると根本的には、私が微妙に世代じゃなかった…てコトなのでしょーかね。でもそれはつまり、本作を全部観てもこの言葉がどーいう意味のナンなのか?てのが(驚くべきコトに)作中では説明されてないってコトだとも思うのですよね。  要は、今作ってそもそも最初のトコロでまず2つあるのでして(⇒ソレ自体が実はちょっとイミフ)何かってソレは①件のこの呪文+②嫁さんの妖力の出ドコロ、なのですよ(少なくとも、私には絶対にそう見えるのですよ)。で、その2つがホントに随分と終盤までマジでナニも説明されないまま話はズンズン進んでゆくのですが、結局嫁さんの件はラス前に(ゲボ出ちゃうレベルで)超ありきたりなコトだったと判明して⇒加えてこの呪文の方は実は別に何でも好かった=言葉に意味は無かった(=唱えたヤツ自体が実はヤバかった)てコトらしいのですよね。まずは何より、個人的には「そんなんアリ?」と思ってはしまいましたケドね。  ※だってそもそも、この言葉って日本人はまだともかく、説明抜きだと例えば海外とかでは全く通用しない=ピンと来るハズの無いヤツじゃあねーのでしょーか?(グリモワールに載ってる呪文…とゆーて、でもフツーの人は多分知らんでしょ)⇒ソレが、実は意味なんて無かったんだから説明もしないで終わりますよ!って…⇒あ、そもそも今作なんぞは輸出する気自体が微塵も無い?⇒まあ、輸出したトコロで誰もナンにも幸せにはならねーだろーから別に好いか⇒納得。。。    本題に戻りますと、いちおうホラー的なコンセプトとしては我が国古来の「生霊」を主題とした作品、で監督の前作(なんちゃら森?とかゆーてたヤツ)と同様にやや若年層がメインターゲットかな?てな感じの質感を擁しておる作品ではありますね。しかし、正直そんなんはどーでも好くて、今作ってとにかく、いわゆる映画におけるプロットと言うべき種々の「因果関係」の整理が実にこの上無く好い加減な作品…というコトに見えてますね(⇒端的に「何故・何が・どーなる」というトコロの辻褄が終始ごくテキトー極まりないままで進行し続ける)。先に結論を言っちゃうと率直に、映画として評価するべきレベルに全く達してないと思いますよコレ。この中田某という方と、もう一人清水某なる御仁とゆーのは、最近は(モノの見事に)須らく全部が全部こーですね(⇒ココまで来るとやっぱシンプルに「ナメてる」&「ナメられてる」と思ってしまいますよね)。  その、終始まるで腑に落ちない状況がひたすら続くという意味ではフツーに最初から最後までごくヒドい状況だったと思いますが、ま~た案の定ラスト付近が超コッ酷い有様でしたすね(⇒正直「なんかオレ途中で無意識のうちに気絶してたのか?」とすら)。一番はやっぱ結局、あの雷ってナンだったんですかね?と。あとね~クライマックスに関してはもう一つダケ、この手のお化けのラスボスで、攻撃タイプが物理!(得物が手斧!)てのはやっぱし、一体全体ナニがどーしたらそーなっちゃうの?×1億としか思えませんよ…(だって、序盤から中盤から延々と散々に遠隔でサイキックで攻撃して来てたジャン!と…)  結論、一応、点数はこの位にしておきますが、別に0点でも何の問題もありませんです。マジで、そろそろ流石に卒業しちゃおうかな、、とも……
[映画館(邦画)] 3点(2023-09-26 17:06:37)(良:1票)
89.  シャークネード<TVM> 《ネタバレ》 
サメが空から降ってくるという映画史上最大級のトンデモアイデアに加え、実際の展開も総じてド級にトンデモだらけだが、それをチープなCGに頼りながらも、色々工夫して何とか粗さ・目立つ瑕疵を最小限に抑え、見事な娯楽映画に仕立て上げたというある種の傑作。そもそもC級映画でしか採用不可能なアイデアだと思うので、これが「出せる最大限」の質である。  俳優陣も(C級映画なのに)本気の演技で違和感が全く無い(見事なプロ根性)。思い切ってバカになって皆が「今出来ることをパーフェクトにやり切った」素晴らしい映画。必見のC級。
[インターネット(字幕)] 6点(2019-11-27 23:51:20)(良:1票)
90.  カランコエの花 《ネタバレ》 
演技の自然さ、それでいてのキレ味の高さも素晴らしいし、これも非常に自然ながら十二分なリアリティを兼ね備える展開運びもお話としての見応えまで抜群、と、短編としては最高クラスによく出来ていると思う(このクオリティのまま2時間の映画に拡張できたとしたら、製作者はその時点で超一流と言えるだろう)。  そして何と言うか、LGBTという要素の「難しさ」が凝縮されていた、という様にも感じられる。残念なことに当然、まだ世の中には無理解や悪意といった明らかに不適切な意識を持ったままの人も居る、がソコに加えて、そういった悪意ではなく善意の方をある程度十分に持ち合わせていたとしても、実際に身の回りにそういった人が現れた場合に、どういう行動を採るのが適切なのかそれが分からない・判断できない(あるいは判断を誤ってしまう)という人がまま多い、ということなのだとも思う。そしてそれは同時に、そもそも現在の社会自体が、根本的にこのトピックスについて何が正しいのかということの「答え」を出せていない側面が非常に多い、ということだとも思うのですよね。  個人的に、今の社会的な潮流というのは、このトピックスを単純化してまとめて片付けよう、という方向性を強めてゆこうとしている様にも感じることがある。私は、一番重要なのは社会的な意識・コンセンサスだと思っている。この複雑で多岐に渡る「問題」は、そーいう方法では解決しないのではないか(むしろそれは、解決への距離を遠くするのではないか)という気がしている。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-05-23 01:05:54)(良:1票)
91.  シェルブールの雨傘 《ネタバレ》 
ミシェル・ルグランの音楽があまりにも素晴らしい。であるからして「100%歌」というかなり攻めてる形式も、この作品に関しては成功だとしか言い様が無い。特に、ラストの感傷の素晴らしさたるや(個人的には映画でこんなに泣いたことは他に無いってレベルで号泣しましたですよ)。恋愛映画では圧倒的に一番好きですし、あと今作のドヌーブがワタシ的には「映画史上最高の美人」でありますね。  私はまた、純・恋愛映画とゆーのには構成要素は3つしかないと思っている。「愛し合う美女とイケメン」+「悲しい別れ」+「ムーディな名曲」ただこれだけだ、と(もちろん、ハッピーエンドな恋愛映画もあるだろ!というツッコミは百も承知ですが)。だから、特にルグランの力ゆえに、今作は恋愛映画の白眉のひとつたりえるのであろう、と。
[DVD(字幕)] 9点(2020-10-25 03:29:28)(良:1票)
92.  パワー・オブ・ザ・ドッグ 《ネタバレ》 
西部劇ってのは、やり方次第であらゆるジャンルになり得る…とは思いますが、今作は最初はどーいう話なのかな~♪と思って観てたら最終的にはかなり純然たるサスペンスだった…というコトで、最初のうちは確かに少しもったりしてるな~とも感じたのですが最後までチャンと観てみると、その寂寥たる雰囲気や重いテンポも含めてこのジャンルの作品として非常に好く纏まった良作だったな…と率直に感じました。いや~西部劇+サスペンスって、中々どーして隅に置けないですね~どーしたって閉鎖コミュニティですから、登場人物たちのサスペンスな緊迫感ある関係性もより危険度高めに感じられますし、その面では特にまずカンバーバッチ、そして終盤にかけてのコディ・スミット=マクフィーのその「危険人物」感も中々に絶妙なモノだったと思います。私は最初(=水辺の件の後)カンバーバッチの方がマクフィーを狙う動機が出来たのかな…と思って観てましたが、よく考えるとマクフィーにだって「逆に」動機がアリアリだ…と気付いて以降は、特にメチャクチャ面白く観れてましたですね。オーラスのそこはかとない不穏さもとても好みです。  各種レビューサイト(当サイト含む)ではソコまでの高評価ではなかった様に見えてましたが、アカデミー賞の結果を受けて劇場に足を運んだ甲斐がありました(実はヴェネチアでも賞を受けてるのですから、然もありなん…なコトかも知れませんケド)。オススメですね。
[映画館(字幕)] 8点(2022-03-29 19:55:05)(良:1票)
93.  さくら(2020) 《ネタバレ》 
原作は未読。しかし、思ったよりもだいぶん辛い話ですね。。大枠の筋としては、とある辛い事件を受け止め切れずに失われかかった家族の絆を、ふとした出来事が繋ぎ留めて再生に向かう、というトコロ。その「事件」の辛さの度合と、ラストの「兆し」のささやかさの具合というものは、例えるなら個人的には『マンチェスター・バイ・ザ・シー』くらいな感じかなあと思えた(あっちの方がやや勘所の分かり易さというのがあるとも思うが、とりあえず今作、重ねてまあまあ辛い系統の映画ですよ、と)。  ただ、時として耐え切れないホドに悲しくて悔しくて取り返しが付かないのが正に人生だとも思うし、その人生の残酷さに対して必ずしも常に前向きな答えを出せるとは限らないのが正に人間だ、とも思う。本作における様々な状況に対し、葛藤し、時に絶望し、そして率直に正しいとも思えない様な「答え」を出していく登場人物たちには、観ていて中々に味わい深さ・面白さというものが感じられた。特に面白かったのが、小松菜奈演じる妹。ある種の「許されざる」自分の感情を制御できず、ある部分で次第に「狂って」ゆく彼女には、それでも一種の人間らしさや純粋さ、あるいは白痴美的な美しさというものが感じられて、結構観入ってしまった(そういった複雑なものを表現する演技も素晴らしかったと思う)。  あと印象に残ったのは、永瀬正敏演じる父親。ホントに殆ど喋らないんですけど(昭和な感じの寡黙なオヤジ、というヤツですね)、何とも言えない存在感が諸々の場面でみなぎっていて、これも面白い演技の仕事だなあ、と思いました。
[映画館(邦画)] 6点(2020-11-14 00:44:08)(良:1票)
94.  ノッティングヒルの洋菓子店 《ネタバレ》 
原題は『Love Sarah』で、内容からすればこの上無くド直球と言えますね。不慮の事故で亡くなった女性、その家族(母と娘)・親友・元恋人が集まり、故人の夢を叶えるために力を合わせてゆく…その中で、人間関係の蟠りも解けて傷も癒え、皆が人生の再出発を果たしてゆく…というお話です。コンセプト自体は、こーいうの嫌いという人の方が確実に少ないよーなヤツでしょうね。  ただ、ごく緩やかな「再生」を描くお話として、展開上のアップダウンとゆーのは非常に平坦で、なのでかなりヌルっとした質感に支配された映画だとも思います(=ともすれば退屈、という作品なのも確かにそうでしょう)。また、登場人物はそこそこ多くて、なので個々人のキャラの掘り下げは最小限のレベルに留まっており、だから結局あまり誰にも感情移入も出来ないし、また誰しもそこまで魅力的なキャラにも別に見えてこないのですね。そんな中で元恋人と親友ちゃんは焼け木杭にナンとやら…なコトになってゆきますし、そこら辺は正直ちょっと軽薄な奴らやな、とも感じました(どーせ映画終わったらスグに別れとるんやろ、的な)。  好い点としては、洋菓子店(ベーカリー)が舞台で、お菓子・パン等の食品の映像が中々美味しそうでグッド、というコトですかね。その部分は実際の有名なお店がバックアップしたとのことで、ロンドンの外食事情という意味でも少し面白みがあるポイントではないかと思います。  正直、別に5点でも6点でも好いのですが、元恋人が(前述どおり)少しイケ好かなかったので、一点引いておきます。
[DVD(字幕)] 5点(2021-09-13 17:25:47)(良:1票)
95.  イン・ザ・ハイツ 《ネタバレ》 
「ハイツ」とは、ニューヨーク・マンハッタンのワシントンハイツ地区のことで、劇中でも描かれる様にドミニカ系の移民が多く住む地域だとのコト。ブロードウェイ・ミュージカルの映画化であるが、お話の内容としては彼ら移民が抱える諸問題を登場人物に仮託して、ある種群像劇的にソレを描いてゆく…という構成になっている(ワリと結構社会派作品なヤツ)。  ただ今作、ミュージカル映画としても歌唱シーンが非常にボリューム多くて、結果として2時間超の長尺ながら他方でお話の進み方の方はゆったりのんびりで、かつそれぞれが(結果的に)あんまり深く描き切られるというワケでもない様に見えたのが正直なトコロ。個人的にはやや「浅いなあ~」と思ってしまった…てな感じで、少なくともも~少し要点を絞った方が(=キャラを減らして誰かの話に集中した方が)好かったのではないかな…とは少しだけ思われたりしますですね(多分、曲がキャラに付属してるから再構成が難しかった…てコトなのでしょーね)。  ミュージカルとして、楽曲は基本的にはラテン系の極上にノリの好い曲が揃っているので、ソレ自体はかなり楽しい。でも、ラップ調の曲やもう少しオーソドックスな曲調のもあって決してバリエーションが少ないというワケでもない。また、街中で大勢で歌い踊りまくる正にミュージカル!なシーンも多くて、シンプルにミュージカル映画としてはごく上質な作品だと言えるのではないか。もう一つだけ、ニーナとベニーの「ビルの壁」のシーンは、映像的な工夫も含めて明るく・爽やかに・且つしっとりと素晴らしい雰囲気でとても好みだった。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2022-04-02 23:09:19)(良:1票)
96.  ハッピー・クリスマス 《ネタバレ》 
いちおう、監督のジョー・スワンバーグという人は、いわゆるマンブルコアの主要人物の一人で、今作に先立つそのテイストの作品『ドリンキング・バディーズ』でもアナケン嬢を主要キャストに起用し、そこそこの評判を得たのだ。その意味では、今作は監督にとってもアナ嬢にとっても、謂わば「二匹目の泥鰌」なのだろうとも思われる。  そんな本作、ここにもしテーマ的なものが在るとしたら、それは「ダメ女のダメダメ生活」を描いたコメディ、ということにしかならないだろう。とにかく今作のアナ嬢は、頭は悪いわ常識は無いわ自分勝手なことは極まりないわで、見ように依ってはかなり不愉快な人物である。こんな彼女の有様からいかに魅力、は無理としても滑稽さを汲み取り、ユルーくノンビリ半笑いで観れるか、という作品だとも思われるが、個人的にはそれでもそこそこ面白く観ることが出来た(アナ嬢は、誤解を恐れずに言えば、賢しげなキャラよりこっちの方が絶対向いてると思う)。  マンブルコアならではの自然で面白げな会話シーンとしては、数回のガールズトーク(後半は猥談気味)に関しては、その中身についてどこがどういう理屈で面白いのかは男の私には皆目分からないが、とにかくなんか楽しそうだな、というのは重々伝わってくる。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-06-14 00:40:57)(良:1票)
97.  DUNE デューン/砂の惑星 PART2 《ネタバレ》 
この2作目も、全体的なクオリティは完全に前作同等の高水準を維持していますね。どころか、映像のクオリティ(⇒特にその「スペクタクル性」)については今作後半は特に大幅に向上していったとも思いますし、ドラマとしても、そもそもが長大・深遠な物語+この映画化では1作目から作品のテンポ自体はごくゆったり進行してきたコト、も踏まえて、いよいよお待ち兼ねの今作後半でそれが佳境に入ってより断然面白くなる+そーすると尚更にこの超・豪華キャスト個々の役へのドハマり様(=その面での完成度の高さ+手抜きの無さ)も実に素晴らしく感じ取れる+何よりお話に一旦の決着が着くコトで間違い無く前作より娯楽性の面も向上している、というコトで、コレは1作目がイマイチだった人にも是非、出来るだけデッカいスクリーンで観てほしいってヤツでありますね。私は池袋のIMAXレーザーGTテクノロジーで観ましたケド、意外にも今作、1.43:1の全画面サイズになるシーンが(特に人の顔のクローズアップ場面では)結構多くって、ソコにも何だかお得感すらありましたよね。重ね重ね是非々々。  正直、今作って諸々と(個人的には)『アラビアのロレンス』みたいなモンだとも思えて居て、ほぼほぼ最高評価にするしかないレベルの歴史的な作品だとは確信しているのですケド、多少、その評価に迷うトコロが在るとしたら、そのテーマ性の部分=徹頭徹尾極めて「古風な」価値観に支配されているコト、位かとは思いますね。それ自体は当然、原作に忠実に準拠しているというポリシー故なのだとは思うのですが、それでも、他にその面に現代性を取り込んだ作品が数多く在る中で、正に今を生きる現代人が今作に共感できるのか、という観点からは、当然に個人差となってくるハズのモノだ(⇒ソコに差が在るコト自体はごく妥当だ)とも思われるのです。あくまで私個人としては、ソコは全く気にならなかった(=ある点で「史劇系映画」だと看做すならば全然フツーにそれらにも共感できた)というコトで、本来の点数と思われるこの評価としておきます。
[映画館(字幕)] 9点(2024-03-16 11:50:30)(良:1票)
98.  すばらしき世界 《ネタバレ》 
世界は決してただ美しい、素晴らしいモノではないのであって、多くの不条理・不正義・不公平と残酷な運命に満ち満ちている。それは人ひとりの力で何とか出来るものばかりでは全くないのだし、そもそも人智に依っては如何ともし難いことだって今だ数多く存在する。だから残念なことに「努力は人を裏切らない」とか「人生は何度だってやり直せる」だとかいう美辞麗句というのは、言葉の使い方の問題でもあろうが確実にそこに「嘘」を孕んでいる、とも思うのだ。人生とは、この世界とは、元々全く「ままならない」ものなのだろう、と考えている。  でももし、そこにただ純粋に素晴らしいことがひとつだけ在るとしたら、人が自分の人生を少しでも、ほんの少しずつでも「前に」進めようというささやかな意志を持ったのならば、その人生はどんな時でも、ほんの少しだけはより善い・より意義深いものにきっと変わるだろうということなのだ。例え明日死ぬとしても、その明日を今日よりも少しだけ何か意味の在るものにすることはたぶん可能なのだ。それだけが、人に許されている唯一つの絶対なのだ(人生の意味とは、ただひたすらにその積み重ねでしかないのだ)。だから、それでも世界は絶対に素晴らしいのだ、と。
[DVD(邦画)] 9点(2022-05-08 18:20:35)(良:1票)
99.  バッドボーイズ(1995) 《ネタバレ》 
マイケル・ベイは、今作が初監督なのですね。しかし、この手堅いコンセプトに手堅いキャストで、何故にこんなに面白くないのか、ということでもあるのですが…  まあ色々と、とにかく雑、ですかね。事件ものとしての展開運びなんか特に雑ですが(正直、マジメに観るに値しないレベル)、コメディにしても黒人2人にこんな感じでピーチクパーチク喋らせときゃいいんだろ、的な感じだし、アクションにしてもとりあえず爆発させときゃいいんだろ、的な感じというか。満を持したお初なハズなのに何故にこんなに気が入ってないのか(あまり伝わって来ませんが、カメラワークの方に拘りまくったが故に他が等閑になった、とかなのでしょーか)。  ただ、そうは言っても私も、アクション映画で色々と爆発し出すのを観てるとなにかホッとする、というタチなので、ラスト15分はそこそこ好きです。まあ重ねて、そこまでがつまんな過ぎるのですけれど。
[DVD(字幕)] 4点(2020-08-15 23:57:41)(良:1票)
100.  浜の朝日の嘘つきどもと 《ネタバレ》 
2020年放送のテレビドラマ(1時間番組)の前日譚、というちょっと風変わりな劇場版。実は映画版鑑賞後に即座にドラマ版も観たのだケドも(アマプラで売ってる)、作品全体について大まかに言うならば、現在の福島を舞台に、震災に続いてその他の災害・コロナ禍に見舞われた現地の現状を描くと同時に、そこに暮らす人々の状況や感情と言ったものも様々に(酸いも甘いも)描き込みつつ、基本的にはかの地が緩やかな再生の途上にあるコトをごくポジティブに感じさせてゆくよーな温かくて穏やかな(ややオフビートぎみとも言える)コメディに仕上げている、という感じかと。率直な印象として、被災地に「寄り添おう」という雰囲気・意識が大いに感じられる、とでもゆーか。その意味では、観た感じの印象自体はごく悪くないし、全く嫌いな作品でもないのは確かですね。  ただ、もう片側からの言い方をするなら、あまり普通の映画の様に劇的な展開やハイテンションな演技、或いは分かり易い感動的シーンなどで観せたったろう、という映画ではなく、だいぶノンビリとした(=幾分ノンビリ過ぎるかも知れない)作品でもある。言い方を変えれば(=誤解を恐れずに言っちゃえば)確かに「テレビドラマ的」という感じが一番しっくり来るのかも知れない。正直、映画版を先に観て若干ながら物足りない(=歯応えが不足している)感があり、なので前述どおりすぐに家でドラマ版も観てみたものの(=ドラマを観ていることが前提の映画なのかも?と思ったとゆーコトですね)、結論的にはどれをどーいう順番で観ようが(観まいが)あまりトータルの結論には影響ないかな、という不思議な個人的感覚を得たのですね。一つだけ言っておくならば、前述どおり映画版を観ずにドラマ版を観ても全く問題ない作品にも思われましたが(或いは映画版だけ観る、ドラマだけ観る、でも別に好いかと)、どーせ初見なら映画→ドラマ(の順)で観た方が好いカモ、とは思いました(お話として、表面上は思いっ切り流れが繋がってますので)。  一点、役者さん達はなんつーか「曲者」揃いでソコは率直に面白みがあったと思いますね。高畑充希はやはりこの齢にして既にかなり独特な芝居をモノにしてますし、喬太郎師匠とか大久保さんとかは本職俳優じゃないのもあって演技の質感はちょっと異質・風変わりな部分がありますし。ドラマ版だともう一人、竹原ピストルもやはり独特ですしね。ソコは「オツ」なキャスティングを十分に楽しむことが出来た、かと思いますかね。
[映画館(邦画)] 6点(2021-09-16 00:46:11)(良:1票)

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