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プロフィール
コメント数 487
性別 男性
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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101.  レディ・イン・ザ・ウォーター 《ネタバレ》 
普通に評価したらまったくもってつまらない、そりゃラズベリーW受賞もするよって出来なんだけど、なぜか憎めない。シャマランはほんとうに変な人だ。  冒頭の虫(ネズミ?)と戦う図や、ボールペンをばらして空気を吸うためのストローにする流れ、コーンフレークのパッケージからメッセージを読み取る少年など、話の大枠ががたがたなのに、しょうもないディティールが絶妙な楽しさ。良くも悪くも、どこを切り取っても個性が感じられる。ジアマッティの拙い祈りの言葉や、鷲が舞い降りる瞬間を水面に映す演出なんかはとてもよかった。  妖精の名前が〝ストーリー〟とは……。メタファーと表現するのもためらわれるほど大胆不敵なネーミングだ。〝器〟の役割として監督自身が出演するのも明らかに含意がある。本を出してもなかなか認められず、最終的にはそのために死ぬはめになるが、一人の少年に影響を与え、やがては世界を変えることになる――シャマラン監督は大真面目にそんな気構えで映画を作っているんだろうか……そうなんだろーなー。  きっと彼は物語は「作る」というより「授かる」もので、自分が得たインスピレーションを観客に届けることを使命のように捉えているんじゃないだろうか。一笑に付しても許されるところだろうけれども、やっぱり嫌いにはなれない。  もっと設定を練って、冷静な目で脚本を組み直すことさえできれば、結構普通に良い作品になっていたかもしれない。
[DVD(字幕)] 6点(2009-05-03 13:29:22)(良:1票)
102.  素晴らしき哉、人生!(1946)
あらすじを読んだ時点で「なんだこの『クリスマス・キャロル』じみた教訓くさい話は」と甘ったるさを鼻で笑い、「はっ、どんな都合のいい展開が待っているんだか」とかなり斜に構えて鑑賞。……それなのに、ラストでは自然と目頭が熱くなってティッシュを手に取っていた。自分のようなひねくれ者は、きれいごとを軽々しく語る連中をすぐ疑わしげな目で見てしまう。でもそれはきれいなものが嫌いだからじゃなくて、本当に、真にきれいなものを心の底では求めているからなのだと思う。この映画がまさにそれだ。人間の善意に対する無条件の信頼、人生の絶対的な肯定。こんなに上手く行くものかと思いつつも、泣いてしまう。希望を信じたくなる。あまりにも真っ直ぐなメッセージは、ひねくれ者の心にもずしんと響いた。
[DVD(字幕)] 7点(2005-11-21 01:17:52)(良:1票)
103.  街の灯(1931)
チャップリンほど可愛らしいおっさんもいませんね。階段を一段ずつ上り下りするのには笑ってしまいました。いい歳したおっさんなのに子供みたい(以上に?)に純真なキャラクターに思えるから不思議です。 【ひろみつ】さんと同じく、宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」を思い出しました。手術代を出してくれた人物の正体がチャップリンだと知った女性が失望を隠せずにいるのに、チャップリンはただ嬉しそうに笑っている。彼女には浮浪者のチャップリンを見下す気持ちがあるのにも関わらず、チャップリンには気にしている様子がなく、彼女の幸福を喜んでいるだけ。こういう人になれたらいいのに、と思って涙が出ました。自分の心の狭さや嫌らしさのことを省みずにはいられません。
8点(2005-03-21 06:32:07)(良:1票)
104.  天国と地獄 《ネタバレ》 
リアルな捜査の過程は、高村薫の『マークスの山』を思わせた。警察という組織が犯罪に対しどう動き、追い詰めていくのかが丹念に描写され、重厚な味わいがある。  とくに、権藤と面会したときの犯人の独白がよかった。犯人は財産を失った権藤をみてあざ笑いたかったのだろうが、権藤は冷静に将来への前向きな展望を語り、犯人を憎むどころか憐れんでいる。犯人はいわば自身の過酷な境遇への憎しみを、たまたま目に付いた人物へと転化していたに過ぎなかった。堂々とした目の前の男に、自分の不幸ばかり嘆いていた己の過ちに気づく。狡猾な犯人の完全な敗北。虚勢が一気に崩れ、叫びだす様子は真に迫り、すさまじい迫力があった。  ただ、私の集中力に問題があるのか、見終えて少し疲れてしまった。こんなに長くしなくても、情報量を減らさずにもっと短くまとめることができたのでは? 丁寧に描いている意味がよくわからない場面がいくつかあった。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-14 01:45:13)(良:1票)
105.  肉片の恋
笑った。肉片でも恋の空しさを知っているらしい。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-11 15:16:15)(良:1票)
106.  BULLY ブリー
唖然。こいつら、アホ過ぎる。"十代の無軌道な…"という形容詞はよく聞くけど、ここまで無鉄砲な連中は想像できなかった。あってないような計画性を元に、ノリで行われる殺人。「あいつ殺すから手伝ってよ」「別にいーよ」って、どんだけ軽いノリだよ?! 見事に神経を逆撫でする登場人物ばかりで、一切の感情移入を許さない。互いに責任を擦り付け合い、どんな刑罰が待っているかも全然わかっていない。犯人の一人は犯行後「たぶん法律か何かで裁かれる」と発言。「法律か何か」ってお前…   主人公以外に美形の俳優はゼロ、ドラマチックな展開はなく、とことんリアルに徹した作りになっている。やりすぎで多少ぐだぐだな感は否めないが、残酷さが際立つ殺人の場面は素晴らしかった。スズメバチのように素早く飛びついては刺すマイケル・ピットが恐ろしい。   それにしても、被害者に同情的に描かれているが、こいつはどう考えてもクソ野郎である。優しい一面や悲惨な家庭環境を描くことで人間的に見せかけているものの、彼は暴行とレイプの常習犯。あきらかに危険な人間であり、正直なところ殺されてもあまり可哀そうだと思えない人物である。   逆に彼がマーティに対して行なった虐待の直接的な描写は少なく、まるで大した理由もなく殺されたかのような錯覚を覚えそうになるが、被害者の悪党ぶりはおざなりな描写でも伝わってくる。どうも加害者から同情の余地を奪い、現実以上の凶悪犯に見せたがっているように感じる。物語が成立する上で最も重要であるはずのボビーとマーティの関係すらきちんと説明されていない。監督は彼らに対する憎悪と侮蔑が先立ち、冷静に事件を理解しようとする姿勢に欠けているように思う。【クロエ】さんが言及なさっている原作の内容が気になる。   ラストで少年らに課された刑の重さには呆れた。年齢や事情を考えれば更生できる可能性は少なくないにもかかわらず、日本では考えられない厳罰処分が下る。社会平和のためでない復讐のための法律である。しかもこの映画ではそれを「ざまあみろ」と言わんばかりに映す。   監督は堕落したティーンエイジャーを憎悪しているんだろうな。かといって彼らのことを深く理解できているわけでもなさそうだ。映画自体は面白かったけど、その点は気になった。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-08 02:20:38)(良:1票)
107.  マッハ!!!!!!!!
K-1でも禁止される肘や膝の技を平然と使う。「今の、死んでないか?」と思ったシーンが何度も。スピードではカンフーほどじゃない気がしたけど、破壊力では圧倒的に勝っているような気がした。かなりの迫力で大満足。あと、この手の映画では細かいあら探しとかは放棄して観るんだけど、決め技直前に瞳の中に炎が燃えあがるシーンはさすがにどうかと思った。クライマックスなのに失笑。しかも敵、また起き上がってくるのかよ! そこはやられとけよ!
6点(2004-12-18 07:26:16)(笑:1票)
108.  ヘルボーイ
つまらーん! ヘルボーイのお茶目ぶりと、クロエネンのかっこよさだけ評価したい。前半でそこそこ引き込まれただけに、最後まで観終えてしまったときの脱力感たらなかった。詐欺だ。キャラ造型とか美術とか、力を入れるところを間違えてる。話がつまんないのにどうでもいい小ネタにひねりが効いていたりする。肉付けに気を使うのは骨組みをしっかり作ってからにしてください。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2006-01-30 03:37:30)(良:1票)
109.  クライモリ(2003)
この映画がすごいのはストーリーの主軸に全然新味がないのに、観せ方で斬新な作品になっているということ。 カップルが殺されるだけの冒頭シーンはロッククライミングを絡めただけで見ごたえのあるものになっていたし、同じく高所で行われる樹上の攻防シーンもスリルがある。走って逃げるだけの普通のホラー映画と違って、アクションシーンが立体的。休憩してしんみりする場所が滝の内側というのも、よく考えてあるなぁという感じ。森という舞台を、最大限に生かした脚本だ。 殺人鬼が三人いて、それぞれに個性があるというのも面白かった。外見が地味で(ロード・オブ・ザ・リングにいっぱい出てなかった?)怖くないのが玉に瑕ですが。 昔からあるストーリーの骨格を新しい材料で肉付けしただけで、こんなに面白い! 大傑作とは言いがたいけど、充分に水準を満たしていると思います。
[DVD(字幕)] 7点(2005-06-08 00:56:51)(良:1票)
110.  動くな、死ね、甦れ!
スターリン政権時代の一人の少年の青春が描かれているのだが、あまりにも救いがない。『大人は判ってくれない』にも似ているけれど、さらに重く、ハードな物語。画面から受ける印象は常に暗く、厚い雲が張った空の下の凍えるような寒さが伝わってくる。少年は一人を除いて誰からも受け入れてもらえず、自分の居場所を見つけることができない。胸を打つのは、それでも彼が健気に現実と戦い、生きていこうとするところだ。神経質な母親は彼を泥棒扱いして殴ったのに、「あんたのママはあんたを愛してるわ」と友達に言われ、「わかってるよ」と答える。スケート靴を盗まれても、取り返してはしゃぎ、笑い転げる。強盗殺人の片棒を担いで顔に返り血を浴びた横顔を見せたときは、さすがにもうだめかと思った。それでも、絶対にへこたれない。その点『大人は…』の主人公よりもずっと強く、頼もしい少年に見えた。ところが、そう思えたのも束の間、唯一の理解者であった少女が殺される。少年はいちおう生きていることが示唆されるが、もう画面に映されることもない。辛い出来事にも負けずに明るく生きようとしていた人間から、最後の希望まで奪いとる現実。たぶん彼は肉体的には生きていても、もうそれまでの彼ではいられないだろう。彼が子供でいられた時代は、銃声で終わった。一人の少年の心が殺されるまでを描いた、悲痛な作品。 また、主人公が強制収容所送りから逃がれようとする女を助けようともせずに見つめている場面も印象的だった。人が人として生きていけなかった時代の、暗鬱な空気。重く哀しく、恐ろしい映画だった。
8点(2005-02-06 02:37:05)(良:1票)
111.  ロスト・チルドレン 《ネタバレ》 
すごい。大勢のサンタクロースが現れる悪夢のプロローグから一気に惹き込まれた。ちょっとやそっとの秀逸な発想がある作品は珍しくないが、本作は最初から最後まで、散りばめられた小さなアイディアのひとつひとつが光っている。  おそらく作り手は、長い年月をかけてコレクションしてきた心のなかのおもちゃ箱をひっくり返して、「ほらほら面白いでしょ」と自慢してみせたかったんじゃないだろうか。それは独りよがりなマニアの自慢に近いものだが、そのコレクションがほんとうにユニークで素晴らしいものだったなら、自慢された側としても文句のつけようがない。  最大のピンチを幸運で乗り切るくだりには笑わされた。普通の作品なら怒るところだけど、ここまで確信犯だともはや突っ込みようがない。イメージを優先して内容を充実させることははなから放棄した、おとぎ話のようなでたらめさ。こんな片寄った方法論で充分以上に楽しませてくれるのだから、逆にすごい。これほど個性的な才能は稀有だろう(なので、趣味が会わない人はとことん合わないはず)。それでいてストーリーはテンポがよく、アート志向が強すぎて退屈ということもない。役者は最大限に個性を発揮しているし、ラストシーンは洒落が効いていて鮮やかだ。  とりわけ個人的に感銘を受けたのは、ミエットが夢の世界で敵の親玉と対決し、急速に老いていく容赦の無い映像。ミエットをあれだけ魅力的に描写しておいてのあれだ。居心地がいいだけのファンタジーに終わらず、美しさと隣り合わせの残酷さ、絶望を垣間見せる。けっして後味の悪い話ではないが、物語の舞台となる世界には犯罪が横行し、映像は常に暗みを帯びている。ディズニーのような真っ当な明るさとはまた違う、陰鬱な美しさのある作品といえるだろう。
[DVD(字幕)] 9点(2009-08-08 16:59:56)(良:1票)
112.  プラネット・テラー in グラインドハウス 《ネタバレ》 
いやー、最高。グロ耐性のある自分としては文句なしに楽しかった。「あいつは法王の××××並みに役立たずだった」は死ぬまでに一度は使ってみたい名言中の名言。  残酷シーンは盛りだくさんだったけれど、それを別にすればけっこうきれいな映像が多かったのは好印象。意図的に傷んだフィルムのように見せかけた効果は大成功じゃないだろうか。悪ふざけといえば悪ふざけだが、ほんとうに冴えた悪ふざけだと思う。ベッドシーンの途中で「フィルムが焼失しました」のテロップが流れたのには大笑い(…しつつ、本気でがっかりした)。  義足マシンガンで戦うシーンはやっぱり最高だった。あのブリッジ! 別にブリッジで避ける必要なかったけどあのブリッジ! ブルース・ウィリスがビン・ラディンを殺したと告白するところとか、タイトル『プラネット・テラー』とかいって別に宇宙関係ないところとか、いちいち小ネタが面白い。ロドリゲス監督のコメンテーターも笑えてよかった(息子に対する仕打ちがひどすぎwww)。  スプラッターのノリが限度を超えているせいで人に奨められないのが残念だけど、個人的にはめちゃくちゃ楽しかった。くだらなさをとことん突き詰めた、B級映画の結晶とでもいうべき代物です。
[DVD(字幕)] 9点(2008-04-14 14:34:15)(良:1票)
113.  リンダ リンダ リンダ
山下監督の作品は他にも観たけど、なぜか今回に限って間の長さが気になってしまった。期待していた山下節とちょっと違ってたからかなあ? 個人的に共感できる要素が薄かったせいかもしれない。リアルといえばリアルなのかもしれないけど、もう少し浮き沈みがあってもいいんじゃないかと思う。なにが嫌って、ライブシーンを別にすればあんまり楽しそうに見えないんだよね、この子たち。下手すると、現実よりもつまらなそう。現実の女子高生ってもっとエネルギーいっぱいで、ときどきうるさいくらいにテンションが高い。なのに、この映画ではずーっとローテンション。これではわざとらしさを排し過ぎたことで却って不自然になってしまったような印象を受ける。   小ネタが効いている点は好き。とくに地味に頑張っている放送部の男子生徒のエピソードがさりげなく盛り込まれているのがよかった。目立たないけど、彼にも彼なりの物語があるんでしょうね。
[DVD(字幕)] 6点(2006-04-14 16:13:44)(良:1票)
114.  うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
ある小説の一説にこんなのがあります。登場人物の子供の台詞で、「僕が神様ならもっと素敵な世界を作る。この世界と同じように僕とパパとママがいて、でも誰も年をとらなくて、永遠に幸せでいられる世界にするよ」なんてちょっと切ないことを言うんです。就職活動を間近に控えた大学生の僕自身も、いつまでも楽しい時間が続けばいいと願う気持ちはわかります。でも楽しいだけの理想郷は空虚で、たとえ辛いことがあるとしても現実の世界の方がいい。虚ろな理想世界と過酷な現実世界のどちらを選ぶか、というテーマは「エヴァ」や村上春樹の『海辺のカフカ』を先取りしています。この映画が公開された年は自分が生まれた次の年。そんな時代にこれだけ先鋭的な作品があったと知って驚きました。
8点(2004-12-26 06:42:31)(良:1票)
115.  M:i:III 《ネタバレ》 
スパイものというよりは『ルパン三世』の実写版を観ているかのよう(途中カリオストロまで混ざってたような?)。橋での攻防戦までは、けっこう面白かったのに。ホフマンは爬虫類じみた不気味なオーラを放っていてさすがだが、脚本は彼の個性を充分に生かし切れていない。ヒーローが最強過ぎると安心して観ていられるのが難点だ。まさか脳に爆弾を埋め込まれて根性で立ち上がるとは……。  もっとも、「ポップコーンムービー」としては水準に達していると思う。マギーQのドレスがめくれた瞬間、多少の欠点には目をつぶろうと思った。
[DVD(字幕)] 6点(2009-08-27 22:44:15)(笑:1票)
116.  シンデレラマン 《ネタバレ》 
それこそおとぎ話のように真っ当で感動的なお話で、素直に感動した。涙目で物乞いをしていた男が、自分の力で人生を変えられることを証明する。どんな人生にもそれなりの闘いはあると思うが、ボクシングの場合はその闘いがそのままリングの上に具現化する。殴られても殴られても立ち上がらなければならない――人生ってそういうものだ。たとえ元はたいした格闘技ファンじゃなかったとしても、ジムの姿に自らを重ね、勇気をもらった人々の気持ちがわかる気がする。  ボクシングものでは主人公が追い詰められるほど逆転勝利が確定するわけだが(『はじめの一歩』然り)、結末がわかっていてもはらはらしてしまった。試合場面にリアリティがないとおっしゃっている方が多いけど、ボクシング素人の自分には充分スリリングで迫力があった。  しかし特典映像で実際の試合映像(対ベアー戦)を観たら、当たり前だけど映画より地味ですね。ブラドックがきちんとした戦略を立てて試合に臨んだことがわかって、これはこれで面白かった。ちょっと感動したのは現実のベアーが試合終了直後、敗北を認めてブラドックの顔に祝福のキスをしたこと。劇中では悪役だった彼も、ブラドックの勇姿には敬服せずにはいられなかったのでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2006-02-02 03:55:21)(良:1票)
117.  ガタカ 《ネタバレ》 
ユージーンが自殺してしまうのが納得いかなかった。夢をもらったんじゃなかったのかよ?炎に照らされたメダルが金色に見えたのがどうにも哀しかった。
8点(2004-02-25 03:21:25)(良:1票)
118.  その土曜日、7時58分 《ネタバレ》 
凝った構成で、最後まで画面に釘付けにされたが、終わってみると大まかな展開としてはよくある破滅型ノワールなのだった。展開に意外性を持たせようというのでなく、薄皮を一枚ずつ剥ぐように犯人達の動機、背景にある捩じれた家族の関係を顕わにしていくための構成だと思われる。犯罪ものの三大興味は「犯人」・「方法」・「動機」であるとされるが、他の二つがどうあれ「動機」に焦点を絞ったのは手法としてはありだろう。このジャンルに家族関係を絡めてきたのはとても新鮮だったし、ただのサスペンスには終わらない厚みのあるドラマとなっている。  原題はおそらく最後に父親が息子を殺害するときの心情を指しているのだろうと考えると、ひどく痛ましい気持ちになる。光の中に消える父親の姿は、彼自身もまた自殺するか、あるいは半ば廃人のような余生しか送れないことを暗示しているのだろう。兄に銃口を向けられてもそれを受容してしまう弟の表情もまた切ない。家族間の葛藤というのはこういうものだ。憎んでも憎み切れず、かといって許したくとも完全に許すこともできない。  ホフマンが父親に「見た目が可愛かったから」弟を贔屓したんだろうと詰め寄る下りは、妙にリアルだ(まったく平和な家庭に育った人であればそんなバカなと思えるかもしれないが、実のところ児童虐待と子どもの容姿とは関連がないとはいえない)。殺人の描写もそうだが、この映画の中の暴力はシュールといっていいほどあっけなく、それだけに残酷さが際立っている。父親が車をパトカーにぶつける場面で思ったが、ルメット監督はもしかすると北野武の影響を受けたのかもしれない。アメリカの作品にしては驚くほどストイックな表現だ。  キャスティングが功を奏していて、名のある俳優陣でありながら皆いい意味でオーラを抑えていた。生活に行き詰った平凡な人間としての生々しい存在感を放っている。とくにフィリップ・シーモア・ホフマンは巧みで、そんなわけはないのによく似た無名の素人を引っ張ってきたんじゃないかと思えるくらい自然だった。唯一、マリサ・トメイが浮いていたかもしれない。美人過ぎるよ、この人(44歳?!)。   それにしても、必ずしもここまで入り組んだ構成にする必要はなかったのではないか、という疑いは拭い切れない。伏線が噛み合う下りも、つじつま合わせ以上の意味が読み取れない場合が多かった。パズルのピースが嵌るような感動がなく、単に混乱を避けるために描写をくどくしたという感じなのだ。サスペンスとして優れているのは事実なので小手先だけの工夫ではないと思うのだが、必然かといえば微妙なところだ。とはいえこれだけのものを観せてもらえたのだから、減点は控えておく。
[DVD(字幕)] 8点(2009-08-27 21:48:23)(良:1票)
119.  ネバーランド 《ネタバレ》 
好きなシーンは長男が家庭の問題についてバリに相談するところ。思慮に満ちたことを言う長男に対して、バリが「素晴らしい。たったいま君は30秒で大人になった」と褒める。バリはただただ少年の心を忘れるなというだけじゃなくて、ちゃんと現実に向き合えることの素晴らしさがわかっている。「下らないお芝居じゃないか」とピーターは言った。でも本当に価値のある劇とは観る者に現実逃避させるのではなく、現実と闘うエネルギーを与えてくれるものだ(もちろん、映画も)。『ピーター・パン』がピーターにそれを教えたのだろう。ネバーランドを求めるということは、夢に逃げ込むことではなく、常に光を追いかけることなのだと思う。  ただし、全体としてよかったかというと正直微妙。ジェイムズについていけなかったので。ラストの「お母さんが死んでも心の中でいつでも会えるよ」的な理屈には完全に冷めた。ああいう言葉ってよく映画にもドラマにもあるけど、実際どれだけ助けになるんだろうか?
[DVD(字幕)] 6点(2005-09-18 22:50:19)(良:1票)
120.  Ray/レイ
レイが愛人に平然と子供の中絶を要求した時点ですでに薄ら寒い思いがしていたのだが、直後に怒り出した愛人に刺激を受けて新曲を発想、「その怒りを忘れないで」とそのまま歌わせたのには心底ぞっとした。観客を怖がらせようとする演出ではなかったが、あきらかにまともな人間の発想ではない。胎児の命には何の執着もなく、傷ついて怒りを露にする愛人の気持ちを察するよりもまず、音楽をとる。あの修羅場で平気で鍵盤を叩き出す神経には空恐ろしいものを感じた。奥さんがレイを説得する場面は感動すべきところなのだろうが、このときも何気なく「家族よりも音楽を愛している」という真実が語られている。どの分野でも天才と呼ばれる人々は、才能と引き換えに大きな犠牲を払っている。普通の人にはないものを持ち、普通の人にはあるものが欠けている。空高く飛べる分、地上を歩くのは下手糞だ。トラウマを絡めてヒューマンドラマに仕立てようとしたのは却って蛇足だったかもしれない(回復の場面は陳腐だ)。"音楽の神様"が"神様"たるためにいかに"人間"を犠牲にしていたのかということを知った。
[DVD(字幕)] 7点(2005-12-21 17:30:44)(良:1票)

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