21. 傷だらけの挽歌
因業婆さんと頭のネジが外れているマザコン息子のキャラは立っているものの、誰一人として感情移入出来ない面々がドンパチやってるだけのつまらない展開に嫌気がさす。アルドリッチらしからぬカタルシスの無い凡作。 [DVD(字幕)] 4点(2022-11-03 02:01:00) |
22. 禁じられた抱擁
カトリーヌ・スパーク嬢のファンの方には楽しめるのかも。 1円も稼がないボンクラ同士の恋愛ゴッコを見せられてもやっぱり「アホか!」としか言いようなく。 ビックリした濃いお顔のベティ・デイヴィスのキャラが薄かったのが更に残念。 [DVD(字幕)] 2点(2022-10-18 16:49:56) |
23. ギルバート・グレイプ
義務感、責任感にがんじがらめになっているギルバート。炎を見て彼は何を思ったのだろうか。私はこの先も拗ねる事無くぐれる事無く精一杯生きて欲しいと祈りました。ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオの鮮烈な瑞々しさが記憶に残るであろう良作。 [DVD(字幕)] 7点(2022-09-18 09:56:20) |
24. キネマの神様
沢田研二出演以外の知識無く。小中学生時分大ファンで「勝手にしやがれ」でレコード大賞受賞した時は、舌打ちする両親を尻目に感激に浸ったものです。「時の過ぎゆくままに」と共にカラオケレパートリーに入っております。何十年かぶりに接した姿に絶句。若き日の妖艶さが失せて妖怪(ごめんなさい)のようなお顔と体型。嗚呼・・・・お芝居は見れない事は無いといった感じ。 志村けんさんの代役だったのだそうで。ドリフの少年少女合唱隊早口言葉での二人を思い出しました。 松竹100周年記念に相応しい山田洋次監督の手堅く尚且つ万感の想いが籠もっているかのような良作にしみじみさせられました。 [DVD(邦画)] 7点(2022-08-15 19:44:19) |
25. キラー・エリート(1975)
2022.7.6に旅立たれたジェームズ・カーン目当ての鑑賞。 オープニングクレジットでのいぶし銀の面々に「お~」脚本スターリング・シリファントに「お~~~~」監督サム・ペキンパーに「え~、アチャー」期待と不安の入り混じり。 開始15分までがピークで以降は垂直落下の愚作ぶり。キャストもこれでは浮かばれない(怒) 自身の彼女出演を条件に手直ししたというシリファントに、名脚本家とは到底思えない駄脚本の理由が分かりゲンナリ。 色気漂う若きジェームズ・カーンは素敵だったのが救い。 [DVD(字幕)] 4点(2022-07-29 13:08:35) |
26. 脅迫者(1951)
掴みはOK。結構ワクワクしたのですが。回想部分がモタつき気味で醒めてきたところでのブルーアイズに覚醒。ハンフリー・ボガートは可もなく不可も無しでしたが、最後に決めてくれたので良しとします。まずまず楽しめたノワール作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2022-05-11 16:32:28) |
27. キッド(1921)
外出予定のある時に観て大丈夫だろうかは杞憂に終わりました。ホロリとさせられる部分と笑える部分、共に今一つインパクトにかけるものでした。「もう、終わり?!」物足りない中にもラストショットでの母親に「お金があるだけでは幸せになれない」を実感させられる見事なエンディングでした。 [DVD(字幕)] 7点(2022-04-08 13:51:33) |
28. 狂恋(1935)
《ネタバレ》 医学を征服した天才外科医の私なのだから、舞台女優のイヴォンヌも征服出来る!狂信に満ちたゴーゴル博士。ハリウッドデビューのピーター・ローレの血の通わない語り口にゾッとさせられ通しの怪演ぶり。列車事故で両手が潰れたピアニストである恋敵なフィアンセを陥れようとナイフ投げ名人にして殺人罪でギロチンにかけられた男の手に付け替える。落語「犬の目」のような話で何となく展開も分かるのですが、当然ながら笑い話ではなく哀れな結末に行き着きます。博士の終盤の暴走ぶりがいまひとつだったものの、短い尺に詰め込まれた見事な脚本でのキレのよい展開に緊張が途切れる事の無かった秀作です。 [DVD(字幕)] 8点(2022-03-27 12:52:11) |
29. キャッシュトラック
ジェイソン・ステイサム初体験。振りまかれる辛気臭さにゲンナリでしたが、何者か分かって以降はまぁそれなりにと言うことで完走出来ました。章区切りでの「ご」丁寧な作りと音楽がクドい。数あるツッコミどころで一つ言いたいのは、肉も貫禄もついたチョイ役出演アンディ・ガルシアのFBI親玉で、組織として何の存在価値もないのはアカンでしょう。意気込みは感じましたが興に乗れない作品でした。 [インターネット(字幕)] 4点(2022-02-11 15:48:19) |
30. 霧の夜の戦慄(1947)
製作も兼ねたジェームズ・メイソンが一人二役にて実生活の妻であるパメラ相手に犯罪者の心理に迫る作品。意欲作なのでしょうが、屈折・妖気を感じられなく、突き抜けたシーンもなく、何故そうなるのかな結末と併せて盛り上がりに欠けるものでした。 しか~しながら、 手フェチ且つ声フェチな私。38歳若きメイソンの velvet voice をた~っぷり聴かせてもらえて耳福であります。 こいつぁ春から縁起がいいわい [DVD(字幕)] 7点(2022-01-01 20:49:26)(良:1票) |
31. 汽車を見送る男
本日クロード・レインズ誕生日と言うことで鑑賞。 スカーレット・ストリート(1945)を彷彿させる内容。 哀れでやりきれなくさせられたエドワード・G・ロビンソンに対して、坂道をブレーキ壊れた10トントラックが爆走するかの如く暴走するクロード・レインズに別の意味で哀れでやりきれなくさせられました。 生真面目な顔、猜疑心溢れる顔、美女を前に締まりのない緩みきった顔、鬼の形相、狂ってしまった顔。 名優の名演を堪能させてもらえました。 ザ・性悪女と呼ぶべきミシェル演じるマルタ・トーレンの美貌と迫力が特筆もの(31歳早逝が何とも惜しい) マリウス・ゴーリング、ハーバート・ロム、アヌーク・エーメ(やっぱりお美しい)が脇を固め、短い尺ながら濃密な物語で、全編で流れる汽車疾走音・汽笛が耳に残ります。 輸入盤DVDで英語字幕しかなく、大体筋立ては分かるとは言え、何故警部が捜査しているのか分からないところを始めとしてやはりもどかしいものがありました。 [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2021-11-10 16:32:49) |
32. THE GUILTY ギルティ(2018)
《ネタバレ》 イーベンとアスガーのやりとりを聞くうちに「この女はもしかして」と感じた通りの展開に、ワンシチュエーション室内劇の良さを見ました。製作費と時間をかけなくてもアイデア一つで良作になるところに+1点。内容は協調性ゼロの仕事運びに白けまくりでした。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-11 16:30:40) |
33. 恐怖ノ黒電波
エルドアン体制への批判のような、「1984」ディストピアの世界観が感じられはするのですが。よさそうな題材を演出が台無しにしています。黒電波の怖さは皆無で全編に亘る黒液体のヒタヒタ感も怖さは最初だけ。単調さもさることながら個々のシーンのトロ臭さが堪らない。長過ぎた115分間ハズレ感をイやと言うほど味わった愚作です。 [DVD(字幕)] 2点(2021-08-15 21:15:01) |
34. 危険を買う男
《ネタバレ》 今作ベルモンドはお上に雇われた高額の報酬で危険な任務を請け負う仕事人であり邦題は「恐怖の報酬」がしっくりくる。凶悪強盗犯「タカ」を追うストーリー。「タカ」役が「恐怖の報酬」(フリードキン版)のブルーノ・クレメルで、ソフトな物腰と反比例する残虐さに盛り上がったのですが。途中消えてしまって???でその理由に「その設定はおかしいよ!」異議あり。お目当てベルモンドのアクションシーンは少ないながら、キレ味は流石。そしてラスト対決で見せる男気は毎度の事ながら「惚れてまうわ~」状態であります。 [DVD(字幕)] 7点(2021-08-05 22:28:14) |
35. キング・コング(1933)
《ネタバレ》 退屈さにリタイア寸前のところで登場したコング。その顔とカクカクした動きに失笑「何じゃこりゃ、ハズレだこりゃ」 しかしながら、 そこからエンディングまでのコングの一挙手一投足に釘付けに。破壊と殺戮の限りを尽くすケダモノが見せるアンへの一途な思いを表現する映像技術に拍手喝采、凄いとしか言いようがない。 アンの悲鳴に飛んで行き繰り広げる恐竜達との肉弾戦の超ド迫力。「ボクの彼女に指一本触れさせんぞ」「く、苦しい、負けてたまるか」「・・・死んだか・・・死んだな、よし」「どんなもんじゃい」「怪我は無いかい、やっつけたからね、もう大丈夫だよ」 気絶しているアンの匂いを嗅いで「ハァ~ン、可愛いね、好きだよ」 エンパイアステートビル頂上での最期「ボクがそんなに怖いかい、嫌いなのかい、さようなら」 唯々切なく胸が痛い、そういう作品じゃない筈なのに。 アンを始めとした人間たちが深みが無いのが歯痒い(-1点)ものの、怪獣映画の金字塔たる傑作。 [インターネット(字幕)] 9点(2021-07-30 02:06:05) |
36. 恐怖のまわり道
短い尺で少なそうな制作費($30,000だそうで 驚)でありながら、1992年にアメリカ国立フィルム登録簿にB級作として最初に登録されたというのも納得の秀作ノワール超掘出物であります。冒頭から結末まで目が離せずMIPアン・サヴェージ登場からはハラハラし通し。初めてお目にかかる女優さんですが、スーザン・ヘイワードを思わせる顔立ちでベティ・デイヴィスを凌ぐ悪女っぷりが素晴らしい。とってつけたようなラストショット(-1点)はヘイズコードによるものなのか、無粋なことです。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-07-25 09:56:27) |
37. 霧の中の風景
テオ・アンゲロプロス初体験。各方面絶賛の映像は個性は感じますが美はラストショット以外では感じられず。詩的なエピソードを交えつつ幼い姉弟の目を通して生きる厳しさを表したかったかのようなストーリーがダメでした。二人が一度も発する事がなかった「ありがとう」の一言。二人に感情移入できなかったところです。名匠が示した世界は「ツライ、つらい、辛いと喚いているばかりじゃ心にシワが増えるだけ♪」が浮かぶ辛気臭さで疲れました。唯一揺さぶられた、青年の「こんな別れ方をしたくなかった」に点数の全てを。この世は出会いと別れの繰り返し。どんな別れ方をするのかが肝心なのです。 [DVD(字幕)] 4点(2021-07-05 12:06:18) |
38. キリマンジャロの雪(1952)
「ダーウィンが来た」「野生の王国」に恋愛模様をくっつけたような作品。豪華俳優でありながらご都合主義な展開にピクリとも感情高ぶらず。あぁ残念。 [インターネット(字幕)] 3点(2021-07-04 23:22:49) |
39. キング・ラット
《ネタバレ》 1945年、シンガポール 日本軍チャンギ捕虜収容所。悪魔島のような脱走不可能な場所で日本軍の監視は緩く捕虜達の毎日も緩いのですが、食料薬品は不足していて皆痩せこけた姿。要領良くしたたかに立ち回り健康体の米軍伍長と彼の不正を暴こうとする英軍中尉の確執が描かれています。飢えには勝てないのか少佐・大佐も伍長に取り込まれているのが何ともはや。興味深かった結末は思いもよらぬもので、「そんなものなのかなぁ」納得出来ないところです。捕虜収容所ものとしてはかなり異色作でした。 [DVD(字幕)] 6点(2021-06-26 03:11:20) |
40. 気まぐれ天使
デヴィット・ニーヴンこそ天使役に相応しいと思うのですが、司教役もそつなくこなしているのは流石。2級天使演ずるのがケイリー・グラントというのに冷めた思いがしていましたが、本作では嫌みも暑苦しさも無い控え目な言動が生来のルックスの良さも手伝い好感が持てた嬉しい誤算。ロレッタ・ヤングはジュリアのような地味目なキャラでこそ映えるのを実感。ジェームズ・グリーソン、エルザ・ランチェスター、グラディス・クーパーといったいぶし銀の脇役陣も併せて、低温の原泉に浸かっているような心地よさを味わった良作です。善行に見返りを求めないどころか感謝の気持ちも求めない天使の姿に、邦題の不適切さを感じるところです。 [DVD(字幕)] 7点(2021-06-04 02:02:40) |