21. グレムリン
スピルバーグ風のSFファンタジーのおもしろさとギズモのかわいさで好印象を受ける。しかし後で考えてみると結構ブラックな映画だったとも思う。いたずらをおもしろがってばかりいたのではグレムリン(小悪魔)になってしまうということか。 [DVD(字幕)] 5点(2013-10-19 23:07:31) |
22. 空中庭園
ヒューマンドラマに見えて、実はサスペンスフルなミステリー。どこが本当でどこが嘘か、思い出も都合良く作り替えられているようでよくわからない。だけど狂いっぷりだけでなくすごく強烈。まちがいなく好みと評価が人によって分かれる映画。 [DVD(邦画)] 7点(2013-09-27 11:47:24) |
23. 黒部の太陽
若い頃見たときは、ダム建設だとばかり思っていたところがトンネル工事の映画だったので大変驚いた。この大変な難事業は映画の中でもわかりすぎるくらいわかるのだが、ただどうしてこうまでして掘るのかがピンときていなかった。その全貌がわかったのはプロジェクトXなどのテレビドラマのおかげだったし、DVD化によってようやく見直すことができたからだ。ただ辰巳柳太郎の職人気質は十分発揮されていたが、石原裕次郎の役は不自然(畑違いに進んだ者がなぜ現場の責任者になるのかなど)で好きでなかった。ところで声優麦人さんが寺田誠として演じている源三の長男(石原裕次郎の死んだ兄役)だが、ウィキペディアやallcinemaなどすべて与一郎となっているのだが、DVDで確かめてみると源三は「与一」と言っている。 [映画館(邦画)] 6点(2013-05-11 14:45:18) |
24. クライマーズ・ハイ (2005)<TVM>
《ネタバレ》 映画版では、日航機事故に伴う地元新聞の奮闘記ということはよくわかるのだが、なぜ登山なのかがよくわからず、むしろ余計なもののような気がしてならない。ところがこのNHKドラマ版は原作にほぼ忠実で登山のシーンが重要な意味を持つことがわかるのだ。そして最大の「クライマーズ・ハイ」の「ハイ」の意味、最初は単に高い山に登るからハイなのだろうなんて軽く思っていたのだが、「ハイテンション」のハイ、ヤクの常用者などが「ハイ」という高揚した気分になるあの「ハイ」であることに気づく。映画との比較は一長一短があるのかもしれないが、私はタイトルの意味を持つこのドラマ版の方が好きだ。 [地上波(邦画)] 8点(2013-04-21 08:40:17) |
25. クリスマス・ツリー(1969)
《ネタバレ》 何の予備知識もなく、ファミリーものとして見たけれど最悪だった。初っぱなの原爆に始まり、白血病、トラクター、狼とおかしなものばかり。原爆が落ちても動物園から狼が盗まれても問題にならないのは、映画だからと言ってしまえばそれまでだが、それにしても常識を疑われる。当時は米ソの核実験に加えフランスもまた核実験を行っていたし、原水爆の規模は広島長崎の数十倍の規模を持つものもあった。 そしてまた息子が不治の病だからといって、好きにさせ何でもほしいものを与えようとする心、これで感動できるわけがない。息子のために盗みを働くというのは言語道断だ。 [映画館(字幕)] 2点(2013-03-13 08:16:18) |
26. クライマーズ・ハイ(2008)
ベストセラー小説の映画化だけあっておもしろく手に汗握るような展開だが、原作やTVドラマ版と比べてどうだろうか。原作未読の私にとっては、先に見たTV版はまるで原作を読んでいるかように手に取るようにわかったし、リアリズムがあり感情面も十分に表現していた。ところがこの映画版は、どうしてなぜという部分がいくつもあり、ストーリーとしてよくつながってこない。第一にタイトルの「クライマーズ・ハイ」の意味すら不明だ。そして最大の問題点は20年後の登山シーンと飛行機事故にまつわる新聞の格闘劇を平行的に進めたこと、これがどう意味するかなどだろう。このような疑問を持たれた方にはTV版DVDを是非ともお勧めする。しかし、登山シーンと雄大な眺めはすばらしく、地元新聞の意気込みも強く感じられので、これはこれで良い映画だと思う。ついでながら、大久保・連赤ということばが出てくるが、大久保とは連続殺人犯大久保清の事件、連赤はいうまでもなく連合赤軍リンチ事件いずれも群馬県で起きた。 [DVD(邦画)] 7点(2013-02-24 10:03:28) |
27. グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
ちらほらと良さそうな雰囲気は伝わってくるが、私には馴染める映画ではない。そもそもろくに教育を受けていない者が、フィールズ賞受賞の学者よりも頭の良い天才という設定がいくら何でも無理な設定だと思うが・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2013-01-19 21:55:22) |
28. 紅の豚
他のジブリ映画と趣が異なっていることと主人公がきざな豚ということで、結構見らず嫌いになっていたが、大人の男のロマンが感じられ結構好感が持てる。それに空想の物語でなく、第1次世界大戦後、世界恐慌、ファシズムの台頭の時代とイタリアを舞台にしたのも他と違っていて興味を覚える。空中戦シーンは好きではないが、中盤の飛行機を改造するあたりはとっても好きで宮崎映画らしい雰囲気を感じる。 [DVD(邦画)] 7点(2012-12-22 22:12:07) |
29. 群衆(1941)
多少お説教くさい気はしないでもないが悪くない。ジョン・ドーに込められたキャプラの思いが伝わってくる。隣人愛と言葉にしてしまえばきれいごとになってしまうが実践はとても意義あるものだと思う。彼を純粋に支援する人たちの心に感動を覚えるし、何と言ってもラストが感動的だった。それにしてもエドワード・アーノルドの悪役ぶりには恐れ入る。キャプラの映画には欠かせない人だ。 [DVD(字幕)] 8点(2012-12-03 22:52:32) |
30. グランド・ホテル
中心になるのは男3人と女2人、女優の二人は当時の大スターグレタ・ガルボとジョーン・クロフォード。クロフォードの方は3人の男性と関わってくるが、ガルボの方は男爵以外の関わりはほとんどない。そして女性二人はとなるとスクリーンに同時に登場することはまったくない。これは原作ヴィッキイ・バウムの小説がそうなのか、ガルボの存在がまったくの別格であったのかは知るよしもない。男性陣の中ではクリンゲンライン役のライオネル・バリモアに好感を覚える。他の出演作素晴らしき哉、人生!や我が家の楽園の印象が強いからかもしれないが・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2012-10-20 06:56:11) |
31. クイズ・ショウ
最初のうちは単にテレビのやらせと高をくくっていたのだが、どうしてどうして最後はずいぶん考えさせられた。この映画の時代背景は1950年代、白黒テレビ発展途上の時代で、テレビがマスコミを支配し世論を動かす方向へと進みつつあった時代だ。そして現実に起こった問題を元にしているだけあって、実にリアルで緊迫感にあふれる。インチキ番組を正そうとするジャーナリストの気迫もすばらしいが、一躍スターとなった大学教授の苦悩も真に迫る。そして最後は出演者だけがとがめられ、番組製作側が痛手を負わないという不合理さ。米国を初めとする資本主義社会の醜ささえ感じる。物知りという知識ではなく、真実を見極め、テレビに踊らせられない判断力がほしいものだ。 [DVD(字幕)] 9点(2012-10-17 23:46:25) |
32. グッドナイト&グッドラック
《ネタバレ》 内容が内容だけに十分理解できたとは思えないが、それでもマローとその仲間たちのマッカーシズムと正面から堂々と戦う姿勢が十分に伝わってくる。これぞまさしくジャーナリズム精神だ。映画のモノクロトーンは単に雰囲気作りではない。この映画にはマッカーシー本人を初め50年代の記録映像がふんだんに使われているが、それは50年後のクルーニーらの現在の映像と見事に重なり合い、マローとマッカーシーが本当に対決しているかのように描いている。またジャズシンガーのダイアン・リーヴスも音楽だけでなく本人自身が歌っているというのも雰囲気作りに貢献している。正統派の真面目一本で作られている映画の中に一瞬笑える箇所がある。そうあのシー・イット・ナウの本番中に電話回線を切ったシーン、放送終了と同時にたくさんの電話が殺到すると思いきや何も起こらない。そして背後から「電話をつないでも?」 [DVD(字幕)] 8点(2012-09-11 20:59:22) |
33. 暗くなるまでこの恋を
映画の中でも語られるが、男は馬鹿で女は悪女という言葉がぴったりの映画だ。ヒッチコック風な描写にフランスの恋愛感を加え見事なまでに描き出す。決して好きにはなれない二人だが、それをジャン=ポール・ベルモンドとカトリーヌ・ドヌーヴが演じると妙に引っかかるものがあり、今まで持っていたイメージががらりと変わってしまった。 働かないで金を得ようとするあさましさや犯罪の醜さは普通ではすぐ気づくところなのだが、それが見えなくなるところが盲目の愛か。 [映画館(字幕)] 7点(2012-08-10 02:10:51) |
34. 黒い雨
広島長崎の原爆投下から67年が経過しようとしているが、いまだに原爆の傷跡は癒されてはいない。私の子どもの頃(昭和30年代)も原爆症で苦しみ多くの方が亡くなっていった。いつ発病するともわからないまま不安な日々を過ごす人たち、ピカにあって思うように働けない人たち、結婚差別を受ける人たち・・・。映画そうした苦しみの中で生きる人たちの物語で、北村和夫、市原悦子、田中好子らが見事なまでに演じている。特にスーちゃんこと田中好子は近年癌で亡くなったことともダブり非常に痛々しい。 [DVD(邦画)] 9点(2012-08-07 17:10:44)(良:1票) |
35. グリース
年食った高校生の馬鹿騒ぎには多少ついて行けないところもあるが、ミュージカルシーンはすばらしい。歌と踊り、スポーツにカーチェイスとこれが青春で、はじけまくっている。オリヴィア・ニュートン=ジョンの歌はさすが、文句なし。ところであのカーチェイスはベンハーの戦車競走のまねか。 [映画館(字幕)] 6点(2012-08-07 08:11:51) |
36. グリム・ブラザーズ/スノーホワイト(1997)
グリム兄弟の原作に近ければ近いほど、グロテスクで決してハッピーエンドにならないと覚悟して見たが想像通りだった。白雪姫(ここではリリー)の継母が最初から悪女だったというよりも、娘が父親と継母の間をやっかみ次第に親子関係が崩れていくといった方が超リアルだとも思う。それにしてもシガニー・ウィーバーの継母は見事で見応え十分。しかしながら、やっぱりこういう映画は好きではない。 [DVD(字幕)] 5点(2012-07-26 02:15:22) |
37. グリーンマイル
《ネタバレ》 年老いた看守が過去を振り返る長い物語だったけど、それがあっという間に終わるほど感動した映画だった。そしてタイトル「グリーンマイル」の意味を調べてわかったとき、さらに感動は大きくなった。13階段が死刑場への階段ならば、グリーンマイルは死刑場へ歩むカーペットの道らしい。 2mを超す巨体の持ち主ジョン・コーフィ、病や災いを吸い取ってしまう奇跡はまさにキリストのそれのようにも思える。善悪が入り交じる現実社会において、死こそがすべて与えられた平等であるかのように。 [DVD(字幕)] 8点(2012-06-10 09:51:10) |
38. 鞍馬天狗 角兵衛獅子(1951)
子どもの頃アラカンの鞍馬天狗は見たはずなのだが、この角兵衛獅子だったかどうかは定かではない。 時代劇はたいがい無敵のスーパースターみたいな主人公が登場し、格好良いところを見せるのだが、この映画の鞍馬天狗はそうとも言えない。杉作に助けられたりもする。 BSを録画したのを改めて見てみたが、映像が古く見苦しい。音声もひばりの声はしっかり聞き取れるのに、他の役者の声が聞き取れなかったり。その上ストーリーもよくわからない所があったり・・・。鞍馬天狗はどうやって水牢から逃れたのか、近藤勇との勝負はどうなったのかなど。 [地上波(邦画)] 4点(2012-04-14 10:40:19) |
39. クジラの島の少女
伝統を必死になって守ろうとする祖父と、運命に立ち向かう少女の強い思いが感動を与えてくれる良い映画だった。 [DVD(字幕)] 7点(2012-04-06 06:39:11) |
40. クリスマスに雪が降れば
「冬のソナタ」の大ヒットの後、主演した男優・女優らの映画を探したが、チェ・ジウの映画はすぐ見つかったものの、男性陣の映画はなかなか見つけられず、ようやく見つけたのが、パク・ヨンハが出ているこの映画だった。 音楽好きの私には、ストラリヴァリウスというヴァイオリンの銘器を出てくるし、星座にも興味のある私には、ポルックス・カストルというギリシャ神話にまつわる双子座の星の逸話も出てくる。まさに私向けの映画だった。 映画もファンタジックな雰囲気も備えたラブストーリーだったので、まったく願ったりかなったりの映画だった。そしてまた、ヒロインのキム・ヒョンジュにうっとり、この後彼女の主演のドラマを探したのももちろんのことだった。 ただ映画の出来としては詰めの甘い部分も見られ、いまいちという感もするが、幼稚園の最初のシーンが伏線となってラストを閉めるのが何といっても良い。 [DVD(字幕)] 7点(2012-03-03 11:26:35) |