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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1874
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  グレイマン 《ネタバレ》 
常に死と隣り合わせの危険な任務ばかりを請け負う、CIAの極秘部隊、通称「グレイマン(見えない男)」。その正体はいつでも使い捨てに出来る凶悪な元犯罪者ばかりで構成された部隊だった。CIA高官にスカウトされて獄中生活から抜け出して以来、30年も人知れず活躍しているエージェント、シックスもその一人。今回彼にくだされた任務は裏社会で暗躍する武器商人の暗殺。簡単に終わるミッションのはずだった。だが、標的であるはずの犯罪者は殺される直前、彼にあるものを渡し、衝撃の告白をする。「俺もお前と同じグレイマンだ。CIAは俺たちをハメようとしている。頼む、このデータを公にして組織に復讐してくれ」――。すぐさまCIAの幹部によって、最重要ターゲットにされてしまったシックス。世界中の暗殺者に命を狙われながらも、陰謀を暴くために世界を駆け巡る彼だったが……。巨大な陰謀に巻き込まれた凄腕エージェントの活躍を世界的スケールで描いたエンタメ・アクション。監督はマーブルアベンジャーズシリーズを幾つも手掛け、現代エンタメ映画界を牽引するルッソ兄弟。自分は、アンチアベンジャーズの人間なんでこの監督の名はもちろん知っていたのですが、今回初めて鑑賞してみました。いやはやこれが素晴らしいエンタメ映画に仕上がっていて、めちゃくちゃ面白いじゃないですか!!冒頭から怒涛のように続くアクションシーンが終始キレッキレでサイコーに楽しかったです。「どうやって撮ってんだ、これ」という空間を自由自在に動くカメラワーク、誰がどこで何をしているかがちゃんと分かるように計算されつくした編集、とにかくお金を掛けたであろうゴージャス&スタイリッシュなアクション。もうどれもこれも完璧でした。特にプラハでのカーチェイスは最近観たアクション映画の中では出色の名シーン。世界を救うためとは言え、さすがに破壊しすぎちゃいまっかという突っ込みはナシですね(笑)。まぁストーリーは王道中の王道で驚きなど一切ないベタなものだけど、ライアン・ゴズリングをはじめとする登場人物がみんな魅力的なので最後までワクワクしながら観れちゃいます。あのクリス・エバンス演じる冷酷非道なのに何処かお間抜けな悪役もいい味出してましたね~。ただ、上司が2人も自己犠牲で死んじゃうのはやり過ぎかな。ここは1人で良かったように思う。あと、ペンチで爪を剝がすシーンは痛いから止めて!とは言え、自分は充分大満足。アベンジャーズシリーズも一段落したようだし?ルッソ兄弟、これからはこんな面白い映画をいっぱい撮ってね!
[インターネット(字幕)] 8点(2023-01-26 07:06:30)(良:1票)
2.  グッド・ボーイズ(2019) 《ネタバレ》 
現在、思春期真っ只中の12歳の男の子、マックス。近所の仲の良い友達二人と「ビーンバッグ」というグループを組み、ひたすらカードゲームとエロ話に明け暮れる冴えない毎日。ネットでエロ画像を検索してその生々しい内容にショックを受けたり、近所の高校生カップルを覗き見してるのを見つかって追いかけまわされたり…。そんな悶々とした日々を送っていたマックスはある日、ビッグ・ニュースを耳にする。なんと前から気になっていた女の子が明日の夜、クラスメイトたちとのパーティーでキス・ゲームに参加するというのだ。「大変だ!!憧れのあの子が、誰か他のヤツとキスしてしまうかもしれない!!」――。それを聞いて頭と何処かが爆発しそうになったマックスは、とにかく彼女の唇を守るためにビーンバッグのメンバーとともにパーティーへの参加を決意するのだった。でも、キスなんてどうやってしたらいいか分からない。勉強のために、お父さんの仕事用のドローンを使い、近所のヤリ〇ンで有名な女子高生の家を観察することを思いついたマックスは、さっそくビーンバッグのメンバーを集め、作戦を実行に移すのだった。だが、呆気なく反撃に遭った彼らは逆に彼女たちに弱みを握られてしまい……。思春期を迎えたばかりの男の子が、憧れの女の子とキスするために繰り広げる大冒険を下品なギャグ満載で描いた青春コメディ。天才子役として人気を集めるジェイコブ・トレンブレイ君が、そんな悶々少年を演じているということで今回鑑賞してみました。まあ全く期待していなかったのですが、意外や意外、なかなか面白いじゃないですか、これ!!子供にこんなことさせていいのかってくらい、お下品なネタがてんこ盛り。でも、それがいちいち笑えるのがナイスですね~~。少年たちが大人のおもちゃを手にあーだこーだ言うとこなんて思わず笑っちゃいましたわ。好きな子に渡すネックレスを忘れちゃったので、代わりにアナルビーズをプレゼントするシーンなんてサイコーでした。一番笑ったのが、キス・ゲームで隣のカップルがディープキスし終わった後によだれが糸引いてるのを見て、ドン引きしている黒人の男の子!こいつ、かなりいい味出してましたわ。と、お下品100%の内容かと思ったら、最後はまさかの切ないエピソードを放り込んできていい意味で裏切られました。少年から少しずつ大人の世界へと足を踏み入れた彼らは、それぞれ自分の居場所を見つけてゆく…。永遠だと思っていた自分たちの友情が、ちょっとずつすれ違っていくというラストはなんとも切ない。キレのいいギャグで大笑いさせて、最後はほろりとさせてくれる、いわばエロ版『スタンド・バイ・ミー』とも言うべき作品。なかなか楽しませていただきました。お薦めです。
[DVD(字幕)] 8点(2021-06-07 05:07:33)(良:1票)
3.  黒い司法 0%からの奇跡
1990年代、警察の杜撰な捜査によって死刑判決を受けた黒人男性の冤罪を晴らすため、執念の活動を続けた若手弁護士を実話を基に描いた法廷劇。監督は、生き辛さを抱えた社会的マイノリティを優しい視線でもって見つめ続ける新鋭デスティン・ダニエル・クレットン。まあ観る前からおおよそ予想はついてましたが、開始10分で「あぁ、またこの感じの内容かー」とその既視感満載なお話に少々げんなり。具体的に述べさせてもらうと、①舞台はまだ黒人への偏見が色濃く残るアメリカ南部で、②警察の杜撰な捜査で冤罪判決を受けた黒人男性のために、③都会のエリート大学を卒業した理想に燃える若手弁護士が、④白人たちの執拗な嫌がらせにも屈せず、⑤無罪を勝ち取るために頑張るというお話。過去に何度も何度も制作されてきたこのパターンをどのような角度で映画化するかがその監督の腕の見せ所だろうけど、本作は真っ向勝負の直球ストレートで挑んでおります。でも、ちゃんと見事に勝利しておりました。ベタベタなお話で結末だっておおよそ予測がつくものなのに、最後まで観客をぐいぐい引き込むこの監督の演出力の高さは相当なもの。なにより特徴的なのは、物語の中盤で死刑囚の執行シーンをかなり詳細に描いているところですね。このシーンのおかげで物語がぐっと引き締まり、最後まで全く気が抜けません。偏見に満ちた白人たちの嫌らしさもしっかりと描いており、特に悪役である検事の如何にも俗物なところもなかなか巧い。唯一惜しいのは、ブリー・ラーソン演じる助手がいまいち活用できていなかったことくらい。総じてこの監督の才能は確かなものだと思います。最初にげんなりしたとか言ってごめんちゃい(笑)。ラスト、エンドロールの合間にさらりと説明されたところによると、主人公の隣にいた死刑囚もまた冤罪で後に無罪となって釈放されたとのこと。ここで話を戻すと、最初に何度も観たようなお話だと書きましたが、そのほとんどは実話を基にしたものだったということを忘れてはなりません。つまり、このような無実の罪で投獄された黒人がいかに多いかということです。アメリカの司法制度がどれだけいいかげんなものだったかが分かり、なんとも空恐ろしい気分になります。エンタメ映画として充分な面白さを有しながら、そんな社会問題についても深く考えさせられる、なかなか完成度の高い秀作でありました。8点!
[DVD(字幕)] 8点(2020-10-01 01:34:41)
4.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
妻に先立たれ、孤独を紛らわすために酒に溺れ、それが原因で家族から疎んじられると、ますます自分の殻へと引きこもり、そしてさらに酒に溺れてしまうという人生の終盤で悪循環に陥ってしまったイーストウッド演じる偏屈で頑固者の嫌な爺さん。そんな彼の自宅の隣に、アジア系の家族が引っ越してきたことから始まるヒューマンストーリー。ともすれば説教臭くなったり、建前だけの薄っぺらい映画になりがちな題材なのに、そこはさすがイーストウッド。どんなにゴミのような人間にだって、いつかは輝くような日が訪れるかもしれない。老い先短い命と引き換えに、偏屈な爺さんはささやかな決断を下し、そして最後は素晴らしいものを少年に遺すことが出来た。それがグラン・トリノだけではないことは、もちろん少年が一番よく分かっている。淡々としながら深く、静かでありながら熱い、慈愛に満ちた良作。
[DVD(字幕)] 8点(2012-07-26 16:07:16)
5.  クーリエ 最高機密の運び屋 《ネタバレ》 
彼の名は、グレヴィル・ウィン。英国の中堅企業で働くごく普通のセールスマンだ。愛する妻とまだ幼い一人息子に恵まれ、平凡ながらも幸せな日々を過ごしている。東西冷戦が激化し始めていたこの時代、それでも彼は得意の語学力を活かし、東欧諸国にもそのビジネスチャンスを拡げていた。定年後の安らかな老後だけを楽しみに、家族のため日夜仕事に精を出していたある日、彼は政府の役人と名乗る人物から会いたいと打診を受ける。商務庁の人間だと待ち合わせ場所に向かったグレヴィルは、そこで待っていた人物に衝撃を受けるのだった――。彼らはなんとMI6とCIAに所属する、いわゆるスパイだったのだ。「ソ連のある高官が西側に寝返ろうとしている。彼と接触するためにはソ連に怪しまれない人物が必要だ。平凡なビジネスマンであるあなたはまさに適役。どうだ、国に貢献してみないか」。彼らの提案に最初は難色を示すグレヴィルだったが、現実味を帯びる核戦争の危機に触発され、渋々スパイとなることを決意する。モスクワへと赴き、当局の監視の目を搔い潜って情報を持ち帰るグレヴィル。もちろんバレると命の保証はない。何度もソ連へと行き来するうちに彼の神経は徐々に擦り減ってゆき……。キューバ危機に見舞われた東西冷戦期を舞台に、核戦争を回避するためにスパイとなったある平凡なセールスマンを描いたサスペンス。実話を元にしただけあって、この全編に漲る緊張感は凄まじかった。いつどこに監視の目が光っているかも分からず、部屋に一人でいるときも盗聴器の存在を常に意識しなければいけない。それでも国のため家族のために任務を遂行する、もともと普通のセールスマン……。圧し潰されそうな重圧から次第に家族と険悪となってゆくというのは皮肉極まりない。そんな難しい役をリアルに演じたベネディクト・カンバーバッチの熱演が光る。そんな中、同じく世界の未来の為に祖国を裏切るソ連高官との次第に深まってゆく絆。当局から疑いの目を向けられるようになり任務も遂行不可能となったのに、それでも彼を亡命させるためもう一度モスクワへと渡る決心をした主人公の決断は重い。そこからはまさに息詰まるようなシーンの連続で自分も固唾を吞んで見守るしかなかった。ただ、惜しいのは拘束されてからの後半。妻がようやく彼に会いにモスクワへとやってくるところが意外とあっさりで、ここをもっと踏み込んで描いてほしかった。地獄のような収容所生活で彼が正気を失わずにいられたという重要な場面、何ならここをクライマックスにしても良かったのでは。げっそりと痩せてしまったカンバーバッチの演技が見事なだけに、惜しい。誰もが不安を抱えて生きていた当時、核戦争を回避するために自分を犠牲にしてまで動いてくれた人がいた――。その事実に改めて畏敬の念を感じざるを得ない、なかなかの秀作であった。
[DVD(字幕)] 7点(2023-03-10 09:00:30)
6.  グッド・ナース 《ネタバレ》 
彼は本当にいい看護師だった――。ニュージャージーの総合病院で働き始めたエイミーは、女手一つで幼い子供を育てるシングルマザー。自身も心臓の疾患を抱え、経済的な余裕もない彼女は無理をして勤務を続けていた。そんなある日、新たに採用された看護師チャーリーが彼女の同僚として配属される。患者のことを最優先にした勤務態度と真面目な性格、何よりきめ細やかなサポートにエイミーはすぐに彼に親近感を抱くようになるのだった。休日には自宅に招き、娘も含めた家族ぐるみでチャーリーと親しくなってゆくエイミー。自身の病気のことや彼が離婚し子供と離れ離れに暮らしていること、2人はそんなプライベートのことまで話せる間柄になってゆく。そんな折、2人が働く部署である患者が突然死する。容態が安定している中での不意の出来事。病院が調査した結果、ある不穏な事実が明らかとなるのだった。亡くなった患者には大量のインスリンが投与されていた――。いったい誰が患者を故意に死なせたのか。警察の殺人課刑事が捜査に乗り出す中、エイミーはチャーリーのある不審な行動を目にしてしまう……。病院を転々とするある看護士が、行く先々で患者に劇薬を投与し何十人も殺害していたという衝撃的な実話を元に描いたサスペンス・ドラマ。そんなにわかには信じがたい事実を元にしているだけあって、この全体に漲る緊張感はなかなかのものでした。何処かデビッド・フィンチャーを髣髴とさせるしっとりとした映像がこの陰鬱とした物語をより重厚なものへと昇華させている。生活に追われるシングルマザーを演じたジェシカ・チャスティンの抑制の効いた演技もリアリティ抜群。信じていた友人の本当の姿を知って徐々に追い詰められてゆく主人公を淡々と演じていて、観ているこちらまで息苦しくさせるほどでした。対する、殺人容疑を掛けられる同僚看護師役のエディ・レッドメイン。得体のしれない彼の存在感もなんとも不気味で、この二人の静かな腹の探り合いは最後まで気が抜けません。特に娘たちが彼に懐いてしまっているのが観ていて辛い。果たして彼はなぜにこんな冷酷無比な犯行を起こしてしまったのか――。最後まではっきりとした答えを提示しないのも人間心理の深淵を垣間見るようで、なんとも言えない後味を残してくれます。ただ、作品として全体的に冗長な面も否めません。事実を元にしている分、結論は分かっているのでさすがにこのお話で2時間超えは長い。明らかに無駄なシーンや長すぎる場面がちらほら。もう少しコンパクトに纏めてくれたらより完成度の高い作品になっていたであろうに。惜しい。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-11-24 07:02:00)(良:1票)
7.  グリーンブック 《ネタバレ》 
天才的な技術で名声を欲しいままにしながらもその偏屈な性格が災いし孤独な生活を送る黒人ピアニストドクター・シャーリー、ガサツで口の悪いチンピラとして様々な職を転々としながらも根っからの人の良さから家族や友人たちには恵まれたイタリア系用心棒トニー。そんな正反対の二人がひょんなことから相棒となり、まだ黒人への偏見が根強く残る60年代アメリカの南部を巡るコンサート・ツアーへと出ることに――。最初は反発し合っていた二人だったが、様々な経験を経るうちにいつしか強い友情が芽生え始めるのだったが……。実話を基に描かれたという本作、アカデミー作品賞の栄誉に輝いたということで今回鑑賞してみました。確かにベタではありますが、なかなか完成度の高い良品であったと思います。人種差別の問題をことさら強調するわけでもなく、あくまでこの二人の友情に焦点を当てたロードムービーとして描いているところがいい。何よりトニーの手紙だとかケンタッキーフライドチキンなどと言った一つ一つのエピソードの扱い方が抜群に巧い!物語の進行とともに彼らにどんどんと感情移入している自分が居ました。特に警察署に拘留され窮地に陥った彼らが、一本の電話によって警察と立場が逆転するところなんてなかなかのカタルシス(電話の相手はまさかのあの人!)。そして、公然と黒人客を拒否するレストランや仕立て屋、警察の不当な偏見などという人種差別問題にもさりげなく言及するその手腕の鮮やかさも見事。全編を彩るピアノの楽曲がどれも素晴らしいクオリティなのも聴いていて心地いいですね。二人の旅路が終わるころにはなんだか自分もほっこりといい気分になれました。あまりにもオーソドックス過ぎて若干物足りなく感じる部分もなきにしもあらずですが、充実した映画体験をさせていただきました。うん、7点!
[DVD(字幕)] 7点(2020-01-21 23:18:55)(良:1票)
8.  蜘蛛の巣を払う女 《ネタバレ》 
女を暴力で支配しようとする男どもへの華麗なる復讐者、“ドラゴン・タトゥーの女”リスベットが帰ってきました!とは言っても、監督はおろか、主演二人もまさかの降板……(泣)。原作は世界的ベストセラーだけあって、お話自体はしっかりしていて普通に面白かったのですが、いかんせん前作のイメージが強烈過ぎて観ている間中、コレジャナイ感が半端ないんですよね、残念ながら。新リスベットを演じたクレア・フォイさんもプレッシャーに負けず頑張っていたとは思うし、こんなこと言っても詮無いことだと分かってはいるのですが、やはりルーニー・マーラのリスベットをもう一回見たかったです。ダニエル・クレイグが演じていたミカエル記者にいたっては、誰これ?って感じでした。まあ前述したとおり、お話自体はしっかりとよく描けていたし、北欧らしい乾いた空気感もスタイリッシュで大変良かったので、公正なジャッジを期して7点!にしても、あのラバー素材布団圧縮袋?に詰め込まれるのだけは死んでもヤですねー。
[DVD(字幕)] 7点(2019-10-30 21:01:08)(良:2票)
9.  グッバイ、サマー 《ネタバレ》 
クラスのはみ出し者の二人の少年が、自家製の車を造り気の向くままに旅に出るという青春ロード・ムービー。こういう映画にありがちな泥臭さは皆無、ポップでほのぼのとしたこの空気感はなかなかのものです。ここらへん、いかにもミシェル・ゴンドリーらしい。普通じゃすぐに見つかっちゃうからと車の外装を小さな小屋型にしたり(窓にお花を飾るとこなんていかにもキュート!)、日本の娼婦が勤める散髪屋さんでサムライカットにされちゃったりと描かれるエピソードのどれもがセンス抜群!たいへん可愛らしい青春映画の佳品でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2017-09-08 23:34:10)
10.  クリムゾン・ピーク 《ネタバレ》 
いつかその時が来たら、“クリムゾン・ピーク(深紅の丘)”に気をつけなさい――。19世紀末、アメリカ。幼いころに母親を失くし、以来裕福な父親の元で大切に育てられた少女イーディス。幼いころから何不自由なく暮らしてきた彼女は、ちょっぴり世間知らずで夢見がちな女の子だ。年頃の美しき女性へと成長したある日、彼女はイギリスからやってきたトーマスという名の準男爵と出会う。どこか胡散臭い彼に父は警戒心をあらわにするが、何処か影のあるトーマスにイーディスは次第に心惹かれていくのだった。そんな折、父が浴場で謎の死を遂げる。天涯孤独となってしまったイーディスは、トーマスと結婚し彼の故郷であるイギリスへと移り住むことを決意する。子供のころから姉と二人きりで過ごしてきたという彼の館は、寂れた郊外にひっそりと佇み、年代物の家具調度品や古びた芸術品で溢れ返る大豪邸だった。だが、イーディスはまだ知らない。そこが、冬になると真っ赤な赤土が染み出し、降り積もった雪を真紅に染めてしまう禍々しい地であることを……。古びた洋館を舞台に、そんなうら若き女性が迷い込むことになる淫靡で怪しげな世界を妖艶に描いたゴシック・ホラー。僕のこよなく愛するダーク・ファンタジーの傑作『パンズ・ラビリンス』を生み出した鬼才ギレルモ・デル・トロ監督の最新作にして、『パンズ~』の系譜を色濃く受け継いだ本作をもうワクワクしながら鑑賞してみました。いやー、いいですね~、いかにも彼らしいこのおどろおどろしい世界観。蟻が蝶の死骸を食い漁る様をアップで映し出したり、廊下の暗がりから骸骨のような幽霊が迫ってきたり…。ミア・ワシコウスカが身に纏う衣装の美しさも相俟って、そんなモダンで壮麗な世界に僕はもうどっぷりと浸かりきってしまいました。圧巻はやはり、彼女が移り住むことになるシャープ家のその細部まで造り込まれた美術でしょう。何かが潜んでいそうな暗い影がいたる所に存在し、廊下には何処に連れていかれるのか分からない古びたエレベーター、天井に穿たれた大きな穴からは常に埃が雪のように舞い落ちる…。もう見事としかいいようがない。ただ、そのように世界観は確かに素晴らしかったのですが、肝心のストーリーの方がちょっと弱かったのが残念。物語の随所に繰り返される母親の警告がいまいち効果的に使われていないし、幽霊の扱い方もなんとも中途半端。うーん、惜しい!とはいえ、クライマックスでの真紅の血や土がそこかしこに迸る血みどろ展開はまさにデルトロらしい残酷な美しさに満ち満ちていて(頬にナイフとかもう痛々しいったらありゃしない!笑)、そこらへんは大変満足でございました。
[DVD(字幕)] 7点(2016-10-20 15:40:38)
11.  クラウド アトラス 《ネタバレ》 
1849年、太平洋諸島、奴隷商人の青年がひょんなことから一人の迫害された奴隷を助けようとしていた。1936年、ケンブリッジ、同性愛者の青年が高名な老作曲家の指導のもと荘厳な楽曲を書き上げようとしていた。1973年、サンフランシスコ、正義感の強い女性ジャーナリストが原発を巡る醜聞をスクープしようと奮闘していた。2012年、ロンドン、冴えない編集者が借金のせいで悪辣な老人ホームへと監禁されようとしていた。2144年、ネオ・ソウル、クローン人間の少女が自由と愛を求めて立ち上がろうとしていた。崩壊後、106度目の冬、悪魔の幻影に脅かされる男は一人の女性を女神の神殿へと案内しようとしていた。輪廻転生をテーマに、一見、全く関連性のなさそうな6つのお話が同時並行的に描かれる壮大な群像劇。ほとんど予備知識もないままに観始めたのですが、複雑怪奇なそんな世界へと圧倒的な映像美と壮麗な音楽とで観客をぐいぐい引き込む冒頭部分から、「これはもしかしたら凄い映画になるかも!」といやが応にもテンション上がっちゃいました。綿密に考え抜かれて構成されたであろう編集は本当に見事で、3時間という長い作品なのに最後まで退屈させずに一気に見せ切るこの監督たちの手腕は素直に素晴らしいと思います。トム・ハンクスを初めとする実力派の役者陣が織り成す、怪演といってもいいくらいの芸達者ぶりにも楽しませてもらいました。ただね~、ここまで大風呂敷を拡げたお話をどう纏め上げてくれるのだろうとワクワクしながら観ていたら、「え、これで終わり?」というラストを迎えてしまい、ちょっぴり肩透かし感は残念ながら否めなかったですね、これ。最後、クラウド・アトラス六重奏が荘厳に鳴り響き、6つの物語が互いに共鳴しあう、壮大なラストを期待してたんだけどなー。うーん、なんとも竜頭蛇尾。とはいえ、この唯一無二とも言えるスタイリッシュで壮大な世界観には素直に圧倒されました。よって7点!
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-28 08:37:50)
12.  クライム・シティ 《ネタバレ》 
2002年、日韓ワールドカップ開催。正義感の異常に強い警察官が世の中の犯罪者を撲滅しようと日夜、奮闘していた。2006年、ドイツワールドカップ開催。金持ちの会社社長が犯罪者たちに誘拐され、地獄のような体験を強いられていた。2010年、南アワールドカップ開催。犯罪と貧困の悪循環から這い出そうと、一人の若者がボクシングの世界へとのめり込んでいた。メキシコを舞台にそんな三つの全く関係のないようなお話が同時並行的に展開されるクライム・アクション。三つのお話といいながら、実質、これって二つしか描かれてないじゃん!と思っていたら、実は…というこの構成はなかなか見事です。何処までも荒削りで映画としての見せ方で言えばまだまだ拙さの目立つ作品ながら、それでも今まで誰も観たことのないような映画を創ろう!というスタッフたちの情熱をビシバシ感じる意欲作でした。それだけに、黒幕である〝先生〟の正体が容易に想像できるところが残念ではありましたけれど。全編を覆う乾いた空気感、生きるエネルギーに満ち溢れた登場人物たち、疾走感溢れるスピーディーな画面構成。将来性のある、新たな才能の現出を予感させるなかなかの逸品でありました。お薦めです。
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-24 23:37:36)
13.  グッドフェローズ 《ネタバレ》 
暴力と狂気が支配する裏社会を徹底的にアンモラルに生き抜く碌でもない男たちの生き様を生々しく描いたスコセッシ印のマフィア映画。この独特の狂気の世界観は円熟の域にまで達している。特に、自分の本能のままに生きるジョー・ペシが強烈!ムカついた店員を思わず殺してしまうなんて……。絶対にこんな男と飲みになんか行きたくないですね。狂気と紙一重の世界に生きる男たちの、情熱と悲哀に胸を揺さぶられます。
[DVD(字幕)] 7点(2013-04-30 15:52:15)
14.  蜘蛛巣城 《ネタバレ》 
凡百の日本の時代劇とは一線を画する哲学的なストーリーと、それを彩る陰鬱とした映像美はさすがに見事としか言いようがない。後の傑作「乱」を髣髴とさせるダークな世界観と、ラストそれを切り裂くかのように画面狭しと降り注ぐ矢の雨あられ。本当にその独特の幽玄の世界はとても良い余韻となっていまも心に残っている。
[DVD(字幕)] 7点(2012-08-16 17:19:14)
15.  グリーン・デスティニー 《ネタバレ》 
アン・リーって監督はつくづく何を撮っても上品になってしまう監督なんだなぁと改めて思った作品。ワイヤーアクションを多用したカンフー(?)アクション映画なのだけど、雰囲気はとっても女性的で繊細。それがその後の「ハルク」で見事に失敗してしまったのだけれど、この作品ではそれが大きな魅力になっている。アジアの泥臭いアクション映画とは一線を画する美しい作品だった。
[DVD(字幕)] 7点(2012-04-25 23:37:32)
16.  クライ・マッチョ 《ネタバレ》 
彼の名は、マイク・マイロ。かつて超一流のロデオ・スターとして一世を風靡したものの、落馬事故をきっかけに引退を余儀なくされた哀しい男だ。以来、酒に溺れて生活は荒廃、家族も次々と離れていき、今や一人切りの孤独な老後を過ごしている。そんな侘しい生活を送っていた彼の元にある日、かつて自分の雇い主だった牧場主が訪ねてくる。「今からメキシコに向かい、元妻のところで暮らしている俺の息子を連れ戻してくれないか?」――。藪から棒にそう告げる牧場主。詳しく話を聞いてみると、13歳の息子は実の母親から虐待を受けていて今すぐにでも連れ戻しに行きたいが、自分がメキシコへと入国すれば逮捕されるらしい。かつてどん底だった自分を救ってくれた恩もあり、マイクは仕方なく依頼を引き受けることに。使い込んだオンボロ車でメキシコ国境を越えたマイク。教えてもらった地で、彼はすぐにスラムで違法な闘鶏賭博に入れ込む息子ラフォと出会う。突然の提案に当初は反発していたラフォだったが、元カウボーイだというマイクの人柄にほだされ、新天地アメリカへと向かうことを決意するのだった。たった一人の相棒である鶏のマッチョとともに……。落ちぶれたロデオスターと孤独な少年、そして一匹の鶏との逃避行を終始淡々と見つめたロードムービー。齢90になる、もはやハリウッドの生ける伝説クリント・イーストウッドの最新作ということで今回鑑賞。これまでの長いキャリアに裏打ちされたであろう熟達の演出はもはや世界遺産クラス。無駄を削ぎ落したシンプルな脚本、ちょっとした登場人物に至るまでちゃんと個性豊かに描き分ける巧みな演出、警察やギャングに追われながら国境を目指す2人の緊迫感溢れる逃走劇。どれもこれも安定の面白さで、最後まで楽しんで観ることが出来ました。メキシコの雄大な大自然の映像も終始美しく、のどかなメキシコの田舎町という雰囲気も渋い。ただ、最大の問題はキャスティング。やはり90歳を過ぎたイーストウッドが主演というのは無理があったのでは。もう歩くのがやっと、話すだけで息が乱れているのが丸わかりで、さすがに見ていて痛々しい。彼がギャングと喧嘩しようとしたり暴れ馬に乗ろうとしたり人妻と一戦交えようとしたりと現役バリバリなことをしようとするところは、違う意味でハラハラさせられちゃいました。特に近年、高齢ドライバーの事故が社会問題となっている日本の感覚で観ると、やはり彼が一人で運転するシーンは普通に観れませんね。とは言え、映画というファンタジーとして観れば、人生の深い哀歓を感じさせる渋味に満ちた本作、長年育ててきたヌカ床で作った漬物をじっくり味わうような気持ちで鑑賞してみるのも良いだろう。
[DVD(字幕)] 6点(2022-12-05 07:46:36)
17.  クローブヒッチ・キラー 《ネタバレ》 
惨劇は10年前に終わったはずだった――。アメリカの平凡な田舎町を恐怖に陥れた連続殺人事件。犯人は何の罪もない女性宅に忍び込むと被害者を縛り上げ、激しい暴行を加えた末に首を締めて殺害する。その冷酷な手口と、事件現場に必ず特徴的な縛り方の紐を残してゆくことから、警察は「巻き結び殺人鬼(クローブヒッチ・キラー)」と呼び、懸命に行方を追っていた。だが、慎重な犯人はほとんど証拠を残さず、ただ被害者だけが増えていった。ところがある日を境にぱったりと犯行が止む。犯人は裁きを受けぬまま、それから10年もの月日が流れ、次第に人々の記憶からも薄れていった――。信心深い厳格な両親の元、妹とともに暮らすタイラーは、ボーイスカウトに所属する平凡な男の子。同じくボーイスカウトの指導員を務める堅物の父とそれなりに幸せな日々を過ごしている。そんなる日、タイラーは父親の隠していた荷物の中から、女性を縛る猟奇的なポルノを発見してしまう。そればかりか、10年前の殺人事件の被害者と思しきポラロイド写真を見つけてしまうのだった。「もしかして、父さんが連続殺人鬼なのか?」。そんな疑問を抱いたタイラーは、同じく事件を追う謎めいた少女とともに真相を探り始めるのだが……。平穏な田舎町を舞台に、10年前に住民を震撼させた猟奇殺人鬼の謎を巡り、不信感を深めてゆくある親子を描いたサスペンス・スリラー。家庭的で世間体もいい父親がもしかしたら連続殺人鬼かもしれない。そんな疑念を抱いた主人公が密かに父親の過去を探るシーンは、なかなかにサスペンスフル。家族そろってのディナーの前に必ず神への感謝を捧げる信心深いはずの父が実は病的なサディストだった…というのは、なんともいや~~~な感じですね。息子の疑念に気づいた父が権威を振りかざして説教をするシーンも何だか不気味で、この2人に漂う緊張感はただ事ではない。それまで全幅の信頼を置いていたはずの父の別の面を見てしまうという、思春期にありがちな少年の心理を巧く突いたサスペンスだったんじゃないでしょうか。ただ、残念だったのはことの真相が判明する後半の展開。余りにも捻りがなさすぎるそのまんまな真相は、ちょっと肩透かし感がありました。致命的なのは、クライマックスで何故か時間が遡り、息子の視線で物語が語りなおされるところ。映画として一番盛り上がるシーンで話の腰が折られてしまうので、何だか消化不良感が半端ない。しかもその息子のエピソードもまるっきり予想通りで何も驚きがないし、どうしてこんな演出にしちゃったのかはなはだ疑問。最後のオチも胸糞悪いだけでさして深くもない。ここはスリラーとして、もっと観客を恐怖のどん底に叩き落して欲しかった。前半の展開がすこぶる良かっただけに残念!!
[DVD(字幕)] 6点(2022-11-02 07:55:36)
18.  グリード ファストファッション帝国の真実 《ネタバレ》 
低価格を売りにアパレル業界を席巻したファストファッションブランド、モンダ。その創業者にして一代で巨額の富を築き上げたリチャード・マクリディの半生を、彼を取材するジャーナリストの目線で描いた社会派コメディ。普段私たちが安く買っているTシャツやズボンの裏側には、低賃金で長時間労働を強いられている発展途上国の貧しい人々の犠牲があるという本作の主張は確かに分かります。ますます拡がってゆく富裕層と貧困層との格差がさまざまな悲劇を生み出しているという、現代の社会問題をシニカルに見つめるその抑制の効いた効いたスタンスもいい。ただ、それが映画としての面白さに繋がっているかというと正直微妙。世の不条理に鋭く迫る社会派ドラマなのか、それとも毒気の効いたブラックコメデイなのか、そのどちらにも振り切れていないので、最後までなんとも居心地の悪い鑑賞後感でございました。実在の有名人を幾つも出して混乱と狂騒を極めてゆくパーティーとかももっとやり過ぎなくらい無茶苦茶やってくれても良かったような。最後のライオンのくだりも生々しくていまいち笑えない。ただ、「この笑えない現実はこれからも続いてゆく、私たちが安い服を買い続ける限り」という最後のオチは皮肉が効いていてなかなか良かった。胡散臭い成金経営者を飄々と演じたスティーブ・クーガンもバッチリ嵌まっていて大変グッド。普段私たちが安く買っている様々な商品の裏側を知れるという意味でも観てよかったかな。とは言え、自分は近々、ユニクロに秋服を買いに行く予定なんですけどね(笑)。すんません、安月給なもんで!!
[DVD(字幕)] 6点(2022-10-03 06:00:55)
19.  グリーンランド -地球最後の2日間- 《ネタバレ》 
地球のほぼ真横を通り過ぎる巨大彗星クラークの接近を控え、にわかに天体観測ブームで沸くアメリカ。糖尿病を患う一人息子を抱えた一級建築士のジョンもまたその一人だ。仲の良い友人や親戚たちを集め、そんな史上最大の天体ショーを自宅で楽しもうとした矢先、彼のスマホに謎のメッセージが届けられる。「これは大統領アラートだ。訓練ではない。この連絡がきたのは、地下シェルターへの避難を許された選抜者のみ。繰り返す、これは訓練ではない」――。その直後、州最大の大都市に彗星の破片と思われる巨大隕石が直撃するのだった。遠く離れた地であるジョンの自宅も爆風で激しく揺れ、何が何だか分からぬままパニックへと陥る近所の人々。すぐさまニュースで確認すると、これはアメリカだけではなく、世界各地の大都市も同じように隕石の直撃を受け壊滅してしまったらしい。すぐさま指示された空港へと向かうジョンとその家族。だが、そこでジョンは病気の息子は乗せられないと告げられてしまうのだった……。巨大彗星衝突により滅亡の危機にさらされてしまった世界を舞台に、決死の覚悟で生き延びようともがくある家族の姿を描いたパニック・アクション。主演を務めるのは、男臭い役柄がウリのジェラルド・バトラー。まぁ昔からよくある隕石衝突型のディザスター・ムービーなのですが、映像はそこそこ迫力があってけっこう楽しめました。本作のポイントは、これまで一個だった隕石が小さな破片が幾つも連なった彗星であるところ。おかげで隕石衝突の醍醐味が何度も味わえてお得感倍増。まあそれが予算の都合か、ほとんどテレビニュースの中の小さな場面でしか見られないのはご愛敬ですけどね(笑)。ただ、お話が最後までずっと一本調子だったのがちょっと物足りなかったかな。主人公家族が逃げて離れ離れになって暴徒に襲われてまた逃げて……の繰り返し。もう少し違うエピソードも見たかったような。こういうパニックものって基本群像劇になりがちなんですけど、本作もそうした方が良かったように僕は思いました。とはいえ最後の無数の隕石衝突の映像は迫力あったし、家族愛に絞った脚本もベタですけどそこそこよく出来ていたし、普通に面白かったです。少なくとも最近のローランド・エメリッヒ作品なんかよりは楽しめました。
[DVD(字幕)] 6点(2022-02-07 23:31:27)
20.  グッド・ライ いちばん優しい嘘 《ネタバレ》 
長びく内戦の影響により、難民キャンプで過酷な生活を余儀なくされていたスーダンの少年少女たち。先の見えない生活に希望を見失いかけていたある日、政府の救済処置によってアメリカへと移住することが決定する。それまでアフリカの狭いエリアしか知らなかった彼らが、いきなりボストンの大都会で暮らし始めることに――。今まで電話もスーパーマーケットもマクドナルドすら知らなかった彼らは、突然の豊かな生活に戸惑いを隠せない。それでも親切な支援者の協力により、住むところも仕事も見つけることが出来た彼らは、アメリカでの生活に少しずつ馴染んでゆく。だが、長く続いた内戦の苦しい記憶は簡単には彼らを解放してくれない。そう、彼らには自分たちの命を守るために自らを犠牲にして兵士に囚われた仲間の存在があったからだ。そんな彼らが過去を乗り越えるために吐いた〝優しい嘘〟とは?実話を基に、そんな過酷な境遇で育った少年少女たちの人生を淡々と見つめたヒューマン・ドラマ。冒頭から展開される、兵士たちによって両親や兄弟を殺された彼らの苦難に満ちた半生にはただただ圧倒されるばかり。その地で平穏に生きていただけなのに、たったそれだけで銃を向けられ愛する者を殺されてしまった子供たち。人間の愚かさに、改めて戦慄させられてしまいます。それでも前を向き、ただ「生きていたい」という切実な想いだけを頼りに希望を捨てなかった彼らの姿には心揺さぶられるものがあります。ただ、肝心のアメリカに辿り着いてからの後半部分には僕は残念ながらそこまで嵌まれませんでした。実話を基にしたから仕方ないのかも知れませんが、なんとも地味。事実を改竄しろとまでは言いませんが、それでももう少しドラマティックに脚色しても良かったのでは。それに主要登場人物たち誰もが紋切り方で魅力に乏しいのも残念。もう少しそれぞれのキャラクターに個性を与えて欲しかった。社会の片隅で声にならない悲鳴をあげている社会的弱者たちに寄り添って映画を創ろうという監督のその思いには好感が持てるだけに、なんとも惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2020-12-01 02:30:52)
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