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にじばぶさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3241
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 41
小津安二郎 37
石井輝男 24
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 15
今泉力哉 21
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 14
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 17
ジャン=リュック・ゴダール 36
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 15
ジャック・ベッケル 13
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 27
アルフレッド・ヒッチコック 53
ジム・ジャームッシュ 15
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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1.  今はちょっと、ついてないだけ 《ネタバレ》 
「今はちょっと、ついてないだけ」 この作品名がいいね。 登場人物たちの辛い過去が描かれる部分は、暗い内容ばかりで、あまり好きになれないなぁとか思ってた。  だけど私は単純だ。 その後、シェアハウスに集う仲間たちの楽しそうな未来が垣間見えた時、いい映画だなぁ!と思った。 主題歌がエンドロールに流れている時、なんだかジンワリきちゃったりして、単純に心温まった。  これから辛い時には、 「今はちょっと、ついてないだけ」 と考えるようにしよう! そう前向きになれる素敵な映画だった。
[インターネット(邦画)] 8点(2024-04-14 12:48:19)
2.  今、僕は
場所は下北沢のK2シモキタエキマエシネマ、竹馬靖具特集上映にて鑑賞。  10年以上前から見たかった日本映画。 今回、竹馬監督の特集上映情報を事前に入手し、なんとか念願の鑑賞にこぎつけた。  ニートでひきこもりの20歳の少年が主人公。 ちなみにこの少年は監督自身が演じている。  この少年は一人で生きていく生活能力がない。 母親の知り合いが必死に手を差し伸べようとするが、少年はそれを受け入れようとしない。 そうしてる間に、悲劇が起こり…  小林政広監督の『バッシング』に似たヒリヒリとした空気感が漂い、その映画世界に引き込まれた。 天才監督の誕生を予感させる素晴らしきデビュー作。
[映画館(邦画)] 8点(2022-11-28 18:22:46)
3.  生きていた男
「背後に海を臨むスペインの別荘地」というロケーションが抜群に良い。 そしてシーンのほとんどが暗闇で、怪しげな雰囲気が常に漂い、緊迫感が増長する。  隔離された場所、そして限られた登場人物の中で繰り広げられる物語。 そこには絶望感にも似た、孤独感が漂う。  ストーリー展開がキモなのかもしれないが、こういったロケーションと状況設定が、この作品を大きく支配し、引き込まれる要因となっている。  二転三転する展開と、序盤から張り巡らされた布石。 実にお見事!なサスペンス。 結末を知ってしまったので、次観ることはないかと思うが、隠れたサスペンス映画の傑作であることは間違いない。  結末は決してばらさずに、サスペンス好きの方にオススメしたい一本!
[DVD(字幕)] 8点(2016-01-13 23:16:42)
4.  息もできない 《ネタバレ》 
恐るべし韓国映画。 内容はバイオレンス映画。 そこに絡む、あまりに哀しい人々のドラマ。 久しぶりに興奮できたこの作品に、まず感謝したい。  やはり生い立ちというものが、その後の人生に影を落とすものなのか? 主人公は悲惨な幼少期を経て、ヤクザの世界へ足を踏み入れる。 血のかけらもない暴力を繰り返し、あてもなくその日を暮らす毎日。  だが、彼の心の奥底には、あまりに純粋であまりに脆い、人間への愛が存在していた。 高校生の少女や男の子とのふれあい。 言葉は汚いが、彼の心には確かな優しさを感じた。  ラストの壮絶死は、因果応報としてみれば当然の結末だろう。 しかし、そこに更生という救いはなかったのか? 彼は学芸会という場に参加する資格がなかったんだろうか? そもそも彼は不幸を背負い、空虚に生きてきて、ろくに愛情を受けたこともなかった。 そんな彼を学芸会の場に連れていってあげてほしかった。  壮絶死によるラストの結びは、因果応報的に当然の帰結と頭では分かってはいても、主人公の生い立ちを考え、主人公が内面の奥に持っていた優しさをも考えると、やっぱり学芸会を彼に見せてあげたかった。  それはそうと、あの海辺での膝枕シーン。 あれにはやられた。 完全にやられた。 ノックアウト。 涙腺が緩んだ。 男女の心のふれあい。 人間の温もりと癒し。 近年でも稀にみる名シーンだ。
[DVD(字幕)] 8点(2011-07-20 01:49:37)(良:1票)
5.  異常性愛記録 ハレンチ 《ネタバレ》 
いやー、楽しかった!! それがまず第一の感想。 石井輝男作品の中では『網走番外地』に次いで好きな作品となった。 館内には女性一人客やカップルなどもちらほら。 単なる成人娯楽映画でないことは客層からも伺える。 21時20分からの上映ということだったが、オールド・ファンな方もいて、改めて石井輝男の底力的人気を感じた。 主演は若杉英二。 いかにも不健康そうなオヤジさん俳優で、元プロ野球の東尾修氏に似ている感じのお人だ。 それに対するは石井輝男作品のミューズ、橘ますみ。 いつ見ても綺麗だし、可愛らしい。 この二人の組み合わせの時点で既に興奮してしまうわけだが、内容は更に凄く、橘ますみは90分間陵辱の限りを受ける、と表現しても嘘にはならない程の内容。 途中、さすがに飽きも出てきたところで、展開がうまい具合に変わる辺りはさすがの演出。 その後、一気に怒涛(?)のクライマックスへ。 見所は沢山ある。 まずは橘ますみのとっかえひっかえの衣装。 今見ると時代遅れ的なファッションセンスだが、それが期せずしていい味を出している。 そんな服が存在したんか、というような奇妙な衣装を颯爽と着こなす橘ますみ。 これは見ていて純粋に楽しめた。 また若杉英二のちょっとした動作も面白い。 部屋の埃を指先でチェックする辺りの動作とか。 特にラストシーンで雷に打たれるシーンがあるが、あそこは爆笑してしまった。(場内にも爆笑の渦が起こった) 本来なら爆笑すべきシーンでないところで、爆笑を誘う独特の面白さがあり、これは石井輝男の他の作品に通ずる魅力でもある。 また、途中で登場するオカマに目を惹かれてしまった。 青山ジミーというオカマさんらしく、当初は有名なあのカルーセル麻紀が出演するところを代打で出たらしい。 さすがに体は気色悪かったが、目もとがとてもお美しく、これまた興奮。 上映終了後だが、館内には拍手が巻き起こった。 そして周囲のお客さんはみんな笑みを浮かべている。 かくいう私も、顔には笑みが浮かんでいた。 ホール内には、「いやー、良かったー」「楽しいネー」の声。 みんな笑顔で談笑している。 みんなを幸せにする映画、『異常性愛記録 ハレンチ』。 流行の映画を観て「アー、タノシカッタァー」もいいけれド、そんな人達にこそ是非観て欲しい映画だナ。   橘ますみの「ハレンチよ!!」に万歳!
[映画館(邦画)] 8点(2007-09-19 04:20:44)(良:1票)
6.  生き残るヤツ 《ネタバレ》 
ヤク中から抜け出すことのできない男。 舞台は70年台のニューヨーク。 青みがかったザラついた映像。 一度、ドロ沼にハマると抜け出せない生き地獄。 地獄だからこそいっときの快楽を求めて麻薬を求めむさぼる。 警察も卑怯な手を使う。 ヤク中を利用して大物を逮捕しようと画策する。 友人が死ぬ時のリアルさと怖さ。 どうしようもない虚しさの漂う哀しき名画。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-04 22:40:30)
7.  生きてるだけで、愛。 《ネタバレ》 
なかなかメンタル重めの内容。 趣里はおかしな人ということで理解できるけど、そんな趣里と3年も付き合った菅田将暉を理解できない。 しかもあまり楽しそうでもないしね。  趣里の気持ちはすごい分かる。 生きてるだけで大変っていうやつ。 確かにこの世は生きてるだけで大変だ。 生きてるだけで、愛。というより生きてるだけで、大変。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-11-24 21:42:21)
8.  如何なる星の下に 《ネタバレ》 
これは間違いなく豊田四郎監督による力作でしょう。 ただ、同じ豊田四郎監督の『猫と庄造と二人のをんな』ほど名を残していないのは、全体的にキレ味がないのと、主演女優の力の差によるものか。  「なんやかんや言っても結局、好きなものは好きなんだから」  みたいなセリフが出てくるが、これは実に的を射ている。 好きな人を嫌いになろうと、しのごの言ってみたところで、結局は好きなんだ。 確かに、これには思い当たる節がある。  これ以外にも、含蓄のある男女にまつわるセリフがいくつか出てくる。 そういった点において、とても深みのある作品である。  人生の悲喜こもごも、特に男女間のどうしようもない感情、避けることのできない運命など、色んな事を感じる事ができる作品だ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-04-20 22:35:45)
9.  偽れる盛装
大好きな大映の、大好きな雰囲気の作品。 冒頭で大映のロゴが出てくるだけでワクワクします。  京都の重厚でいて封建的な街風情を、余すところなく描いている。 京マチ子が苦手なのが唯一の難点なだけで、それ以外は存分に堪能できました。 ますますこの時代の大映作品を好きになりました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-10-05 00:20:54)(良:1票)
10.  異母兄弟 《ネタバレ》 
人格破綻者の軍人鬼頭を三國連太郎が魂を込めた迫真の演技で演じている。 それに負けていないのが、女中から妻となった田中絹代で、穏やかながら鬼気迫るものを感じた。  内容としては淡々と進み、静かに終わりを告げるが、それはまるで軍人鬼頭の人生にかぶる。 鬼頭の生き様が、この映画に投影されている。  日本映画史に名を残す作品とあって、とても見応えがありました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-10-02 16:43:37)
11.  怒り
人を見下す事で自己を保っていた人間に、かわいそうだと手を差し伸べると殺意を持たれて殺されてしまう…なんという怖い話だ。  それはそれとして、よく出来たストーリーかと言えばそうでもない。最後まで飽きずに見せられたという点では良かったが。 妻夫木のパート要るかなぁ、、確かに殺人事件の間接的被害者と言えばそうだけど。  宮崎あおいのパート、これはなかなか良い! 宮崎あおいの演じる女の子のキャラが素晴らしく立っている。単にメンヘラかもしれないが、人間らしくてリアリティがあって可愛らしい。  広瀬すずの襲われるシーンは気分が悪くなるが、沖縄基地問題として考えれば仕方ない?いや、八王子の殺人事件と沖縄基地問題のどこに関連性があるんだよ!  というわけで、最後まで見る者を飽きさせない展開は見事だが、飽きさせない為に不要だったと思わせられる挿話が多く、悪い意味での騙された感が残った。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-07-04 18:37:20)(良:1票)
12.  異邦人 《ネタバレ》 
人が死に直面した時、何を思うか? それを深く追究した内容。 原作はアルベール・カミュの名作で、原作は既読だが、映画を見る際に、原作を既読か未読かなんてことはどうでもよいことだ。  誰もがいつかは死を迎える。 その際、人は何を思い、どう気持ちが弱るのか? とても考えさせられる内容だった。 どんなに気丈にふるまい、自分を鼓舞しようと、最後の最後は何かにすがるのだと、本作は言いたいらしい。  でも、おそらくそうなのかもしれない。 だけど、そんなことは死の間際に考えればいいだけだ。 それをもって、宗教に日頃から傾倒すべき理由にはならない気がする。  もう一つ、無気力、無関心というものが、いかに人間の精神を蝕むか。 そこにも焦点が当てられている。 ここは特に興味深い。 やはり、少しでも生きている幸せを実感にするには、何かに関心を持ち、感動する心を持っている必要があるのだろう。 何か面白いこと、興味をひかれること、そして感動すべき何かを模索することが、鬱々とした気分になった際の、処方箋になるのではないだろうか。
[インターネット(字幕)] 7点(2016-11-04 01:43:18)
13.  1+1=1 1(イチタスイチハイチイチ) 《ネタバレ》 
都会に生きる登場人物達の、何でもない日常が淡々と描かれる。  そこに華美な装飾はなく、本当に淡々と描かれる。 だが、「何でもない」というのは少々ウソで、結構、各登場人物達にドラマが巻き起こる。 ドラマといっても、特別な筋書みたいなものはない。  決して群像劇ではなく、都会に住む様々なタイプの生活を、のぞき見する様なスタイルだ。  そこかしこに伏線みたいなものがあったり、ちょっとした事件が起きたり、変態が登場したり、女子高生がエッチされたり、娘に自殺される父親が出てきたりと、1時間という短めの尺の中に、様々な人生劇場が表現されており、何回観ても楽しめるタイプの映画だ。
[映画館(邦画)] 7点(2012-07-13 21:09:18)
14.  いちごブロンド 《ネタバレ》 
いちごブロンド。 実際はどんな髪色なんだろう。 モノクロなので、その辺は観る者の想像にお任せというところか。  とてもリズムの良い作品で、コメディ要素もあり、すんなり楽しめる。  大金持ちで美人の妻が居ても、夫は病気がちで、その妻も恐妻に成り果てている。 それに対し、質素な暮らしでも、夫婦ともに健康で、妻も優しく、夫婦が愛し合ってさえいたら、その方が幸せだということを、本作からメッセージとして感じることができた。  隠れた、アメリカ映画黄金時代の逸品である。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-05-17 19:35:54)
15.  インスタント沼
終始テンション高めで、わざとらしいボケ発言の数々。 なんか胡散臭いし狙っている感があってどこか居心地が悪いんだけど、最後まで観てみると、意外と完成度が高いことに気付かされる。  冒頭とラストに出てくる松坂慶子と麻生久美子が住んでいる家の色使いが抜群に良い。 麻生久美子の黄緑色のワンピースも綺麗だし、室内の小物の色もそれに似たグリーン系のものが使われていたりして、映像センスの良さを感じさせる監督である。  麻生久美子は、外見的にどうもおばさん臭くていまいちだけど、声のトーンとしゃべり方が魅力的で、どうしても気になってしまう魅力をもった女優だ。  話としては、龍のCGが飛び出したりで、取るに足らない内容だが、映像のセンスがそれを補っている。 作品全体の出来としてみれば、それなりのレベルに達している。 2000年代の邦画の雰囲気をそのままに、終始テンションの高い麻生久美子に圧倒された一本。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-09-29 23:16:25)
16.  イザベラ 《ネタバレ》 
冒頭からセンスの良い映像にひきこまれた。 色使いも良いし、透明感のある映像も良い。 だが、まだ荒削りの感もある。 映像センスが優れた監督のようなので、今後何作か撮っていくうちにセンスに磨きがかかり、洗練された美しいアジア映画を創りそうな予感がする。  顔はともかく、出てくる女優がどれもこれもスタイルが抜群に良く、若くて露出度も高い。 これだけでも男性諸氏なら十分に楽しめそうなレベル。  話としては、純粋な恋愛モノではなくて、親子愛がからみ、そしてラストにはオチが待っている。 好みとしては、直球勝負のムーディな香港恋愛モノが好きなだけに、変に趣向を凝らした内容には少し不満を感じた。 これで純粋な恋愛モノだったら、更に高い点数がついたかもしれない。
[DVD(字幕)] 7点(2010-06-10 23:21:42)
17.  意志の勝利
(8bitさん、先にコメント失礼いたします) ヒトラー自らレニ監督に依頼し創らせたという、まさに歴史に残るドキュメンタリー映画。  本作の最大の見所は、やはり終幕のヒトラー演説のシーン。 いつもに増してヒトラーが計算ずくのハイテンションとジェスチャーで、民衆を扇動する。 この演説シーンは、まさに圧巻で、自分がその場所にもし居たら、間違いなく洗脳されるだろう、と思わせるだけの凄みがある。  そして、この演説は、何故か聴いていて元気が出る。 仕事の疲れが、何故か取れていく。 つまり、過去の映像であるにも関わらず、ヒトラーという類い稀な人物のエネルギーが、画面を通して自分に伝わってくるのだ。 自分は別にヒトラーが好きではないが、少なくとも、この演説シーンを観ている間は、そう感じた。 民衆を一つの方向へ向けて一致団結させ動かす、その演説のエネルギーたるは、時空を超える凄さであった。  これだけの才能とバイタリティを持つ人間は、おそらく長い歴史をみても少数であろう。 こういった人間は、常人を超えた才能を持つがゆえに、その目標も高く、限られた時間でその高い目標を達成するために過激な手段を選択してしまう。 つまり、ナチスでいう過激な手段とは、独裁であり、戦争であった。  超人的な能力を持つ人間こそが持つ危険性。 そして、その超人的な人間が扇動した時に、衆人が影響を受けてしまう危険性。 更には群集心理。  ナチス・ドイツという世紀の悪玉が生まれ膨張していったその様子を、このドキュメンタリーは鮮烈に捉えており、色々な意味で映画史に残る傑作ドキュメンタリーと言えるのではないだろうか。 
[インターネット(字幕)] 7点(2010-02-20 23:51:40)(良:1票)
18.  一瞬の夢
定職を持たずスリで生計を立て、女性に対しても奥手で、それでいて言動はツッパッている。 コンプレックスを抱え、人生の目標や明確な生き甲斐を見出せていない迷える若者像(外見は若者っぽくないが)が、本作の主人公ウーである。  器用に生きてきた人間には決して共感はできないだろう。 ウーは、長い目で人生をみることができていない。 それでいて、どこかで刺激を求めているし、カラオケバーで出会った女性には、一応恋心みたいなものを持ちはする。 しかし、そんなフラフラした男に、女性は魅力を感じるはずもなく、それは“一瞬の夢”と終り、失恋することになる。  自分の20代の頃の苦しみを思い出すようで、観ていると辛いが、その分、強烈に感情移入できた。 何かが満ち足りていないからこそ、女性にのめりこむが、満ち足りていないプラプラ人間だから、相手にされず、逃げられる。 それで余計にふさぎこむ・・・  このような負のスパイラル、苦悩の青春の日々に立たされているウーを、本作は淡々と冷淡に客観的にカメラに捉えているが、物語の最後も何も救済は行われず、突き放した形で、本作は幕を閉じる。 作品としては救いがないが、アメリカ映画のように短絡的なハッピーエンドやバッドエンドにするよりは、数段マシである。 青春の一時期を切り取ったような作品だから、そんな短時間で結論めいたものは出なくて当然で、むしろその方が自然でリアリティがある。  ところで、カラオケバーのシーンで、室内の照明の影響で画面が赤くなる。 本作の監督ジャ・ジャンクーを、“キタノブルー”の北野武が見出したわけだが、このカラオケバーのシーンは、まさに“ジャジャンクーレッド”とでも命名したい様な映像で、北野武とジャ・ジャンクーという二人の監督の接点を見た気がした。
[ビデオ(字幕)] 7点(2010-01-30 22:24:15)
19.  偽れる装い 《ネタバレ》 
ようやく観ることのできたジャック・ベッケル監督作品。 DVDを購入してまで観たが、これがやっぱりベッケルらしい作風で、満足することができた。  男女の恋の駆け引き。 時には演技をし、嘘をついたり相手を騙したりしながら、相手の気を引こうとする。 そうこうしているうちに、仲がこじれて、恋はうまくいかず・・・ 相手の気をひくために演技をしているうちに、いつの間にか本気になり、やがて狂気へと走る。 その凄みがラストでは見事に表現されていた。  ベッケル作品の初期とあって、後年の作品群に比べるとベッケルらしい卒のなさはまだ不完全だが、それでも十分にベッケル印を確認できた。  ジャック・ベッケル。 師匠のジャン・ルノワールにも劣らない凄みを感じる監督である。
[DVD(字幕)] 7点(2010-01-07 00:20:02)
20.  石中先生行状記(1950)
オムニバス作品ということで、無難に楽しめた反面、少し物足りない印象も受けた。 しかし、三船敏郎が出たパートはとても良かった。 何と言っても三船敏郎がカッコよい。 さすがアラン・ドロンに「三船敏郎さんはカッコいい」と言わしめた俳優だ。 体格もガッチリしていて、風格もあり、だけどシャイで、心も優しい。 そして時折見せるあどけない表情。 これはおそらく女心を揺さぶるに違いない。 パっと見怖いんだけど、こういう可愛らしい表情も出せる。 三船敏郎という俳優は、決して大根役者なんかではなく、演技に幅の広さと深みを持つ偉大な俳優だということが、本作を通しても理解できる。  それにしても杉葉子キュートだなぁ~。。 最近ハマりつつある今日この頃。
[映画館(邦画)] 7点(2009-07-19 23:57:17)
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