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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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21.  他人の外套 《ネタバレ》 
「逢引きの場所(他人の外套)」。  今回は最初から結婚しているチャップリン、一方で手紙を握り浮気をしようとしている場面。  ヒゲをタオルのように使うその発想はどっから出てくるのか。  マックス・ウェインのあのふざけた前髪もどうなっているのか。  バーでのド突き合いやパイ投げ。  上着に入っていた手紙を勝手に読んで大激怒(読んだ方が)。  浮気がバレて物を投げまくる。  それがドタバタやって元の鞘に戻るという話です。やれやれ。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-26 18:15:04)
22.  ターミネーター 《ネタバレ》 
キャメロンのB級魂が炸裂した“魂”の結晶。 「2」も最高だが、初代もやっぱ素晴らしい。 フィルム・ノワール、B級映画、アクション、SF、それにタイムトラベルの要素・・・突然現れる謎の殺し屋、それを阻む謎の男。 ヒロインのサラは「未来」を賭けた戦いに巻き込まれてしまう。それはけして逃れられない運命を変えるために。 女は未来のため、カイルと名乗る男は「過去」を守るため命を賭して。 カイルの説明を受けても、サラはいきなりそんな事を言われてすんなり納得できるワケがない。それに、カイルの説明を受け入れる余裕も無く「ターミネーター」という恐怖は絶えずやって来る。  かつてスティーヴン・スピルバーグが描いた「激突!」や「ジョーズ」に通じる恐怖との戦いがこの作品にはある。  もうね、アレですよ。 殺し屋が標的に引き金を引こうとする瞬間、謎の男がいきなりジャケットからショットガンを抜き放ちブッ放す! 右腕の風穴から聞こえる何かが軋む音・・・それだけで超ワクワクするじゃないか?  CG未発達の時代に「え?コレ本物?造り物に見えねえ」と今でも凄いと真っ先に思う男がキャメロンだ。 子供の頃はひたすら怖かった殺戮兵器、今見るとキャメロンの血と汗の結晶。  そもそも「追い詰められた人類」って設定がキャメロン自身の境遇だぜ。  懇親の作品「殺人魚フライングキラー」の興行が振るわず絶体絶命(俺は色んな意味でキャメロンの最高傑作だと信じて疑わないが)、そんな中で製作が始まる「ターミネーター」。  「金も無い、時間も無い、どうしようどうすんだよ」ってキャメロンの追い詰められた鬼気迫る感情、 「もう後に引けねえ、どうせダメでもやるだけやってやらあ」というキャメロンの職人魂を激しく感じた。 サラとカイルの絡みは「タイタニック」何かよりもずっとずっと胸に迫る。 「絶対命を繋がなきゃならない、 死んでも私が(俺が)守ってみせる」・・・・そんな魂にガンガン響くものがあるんだよなあ、この映画には。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-20 21:53:41)
23.  TAXi 《ネタバレ》 
DICK DALE & his DEL TONESの「MISIRLOU」は最高の波乗りBGM。  それを冒頭、フランスの市街をバイクで駆け抜けるシーンに使った! タランティーノはコレをオープニングで使っておきながら、またかったるい会話を始めやがってテンションを下げるという“無駄遣い”をやらかしてくれた。 別にタランティーノが嫌いとかそういうものではない。 ただ単にこの映画みたいに初っ端からブチかまして欲しかっただけなんです。 そんなワケで、この冒頭部分だけはジェラール・ピレスとリュック・ベッソンを支持したい。   本作は中身投げ捨て、ひたすら車で走りまくるカーアクションムービー。 CGエフェクトがかかっているだなんて信じられない中々の迫力。  純然たるフランス映画よ。 シャレオツ(死後)な若者、性欲に走る上品なエロ、それをアメリカナイズなアクションでブッ壊すベッソン。 でもいきなりキスして胸を揉むのはNGな。  気軽に楽しめる快作。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-19 19:49:45)
24.  第十七捕虜収容所 《ネタバレ》 
後年の「大脱走」「勝利への脱出」と共に収容所を描いた戦争映画の傑作。 コメディタッチの軽快なやりとり、謎が謎を呼ぶサスペンス感覚の戦慄。この緊張の糸がビリー・ワイルダーの醍醐味。 オープニングのナレーションが「捕虜収容所を描いた戦争映画が無いから作りました」と来たもんだ。メタすぎる。 いきなり脱走から始まるファーストシーン、だが既に「密告者」が暗躍していた。 一体「密告者」は誰なのか。 一番怪しい男、まったく怪しくない男、様々な疑念が広がる・・・それをワイルダーのコメディ演出が忘れさせてしまう。 アニマルの暴れ振りが可愛くてしょうがない。 と思ったら「密告者」の暗号でドキリとさせられる。油断できないぜ。 収容所内の楽しいやり取り、その隣の鉄条網から先の世界は死が待っている・・・「殺される戦場」よりも「何もしなければ殺されない収容所」の方が気楽かも知れない。 死にたくなったらいつでも鉄条網を潜ればいい。サーチライトが道標だ。  ウィリアム・ホールデンの孤独な戦い振りがカッコイイ。 “商売人”は嫌われて上等。殴られて上等、だが「嘘」だけは付かない・・・てめえ(密告者)の尻尾を掴むまで徹底的に嫌われてやらあ・・・! 「尻尾を掴んだ」後も報復はせずに「気にするな」の一言。こういう男になりたいぜ。 オマケに最後の最後まで“商売人”だったね。 「人の助けになる物」は売っても「魂」は売らない。 せしめた煙草も一口の卵のために変える男だ。 任務でも仕事でもない、仲間のために命を張るのが奴の商売(ビジネス)・・・!
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-15 23:00:23)
25.  ターミナル・ベロシティ 《ネタバレ》 
子供の頃は、敵に捕まったナターシャ・キンスキーが嫌々口付け(死の接吻)され、空の上から落とされる寸前というシーンに超ドキドキした覚えがある。 エッチな事をされたというドキドキ&彼女が落されそうなピンチ。二重の興奮を味わっていたのだろう。  とにかくナターシャの魅力に尽きる1本。ヴィム・ヴェンダースの傑作群とはまた違った魅力。 敵に捕まる瞬間も乳首が(ry  一時期シュワちゃん主演の「レッド・ブル」のラストと混同していたのは良い思い出。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-15 21:24:41)
26.  ダイ・ハード 《ネタバレ》 
「真昼の決闘」×「リオ・ブラボー」×「要塞警察」の超絶進化版と言うべきか。  たった一人でテロリスト集団相手に孤軍奮闘で戦い抜くこれぞアクション映画。ビルという閉鎖空間の息苦しさ、緊迫感、一瞬で決まるアクションの緊張感! ヤン・デ・ポンのキャメラもフルスロットルだぜ。  ロイ・ロジャースいいよね。 ランドルフ・スコットでもジョエル・マクリーでもないってところが面白い。  テロリストの敗因?ゲイリー・クーパーファンを怒らせてしまった事だろう。 「今度のジョン・ウェインはグレース・ケリーをかかえて帰れないぞ!」 ショットガン持って暴れまくるウェインを想像してしまったのは俺だけでいい。ちなみにウェインがお姫様抱っこをやるのは「捜索者」です。  そしてよりによってロイ・ロジャースファンをだ。  テロリストは皆殺しにされてしまう。 ジョン・ウェインは「死ぬのは俺たちだけで沢山だ!」とダイナマイトで投降者は殺さず、ゲイリー・クーパーは住民が助けてくれなかった奴辺当たりも含めてに敵を全滅させる。  ブルース・ウィリスは知り合いを殺しやがった&クリスマスを邪魔したので皆殺し&もて遊び確定。殺ろうと思えばいつでも殺れたんだぜ?野郎何て奴だ・・・楽しんでやがる(褒めてる)。  クリスマスプレゼントはテロリストの遺体かプラスチック爆弾で。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-14 21:25:38)
27.  第七の封印 《ネタバレ》 
ヨハネの黙示録の一節「七つ目の封印」に題材を得たとされる本作。 十字軍の遠征から命からがら故郷に戻ったつもりのアントニウスたちだが、あの死神は既にアントニウスたちがペストに侵されている事を暗示していたのでは無かろうか。 命を賭して戦った遠征で何も得られず、戻った故郷にも疫病が蔓延る。 最早アントニウスは死の運命から逃れられない。 死神と己の運命を賭けたチェス。 勝てば生き永らえ、負ければ死。 この映画は光と影の対比に事欠かない。 白き光の「生」と黒き闇の「死」。 死神が欲しいのは、死を受け入れた魂。 アントニウスが欲しいのは、「この世に神はいるのか」という答え。 神を信じて人を殺めてきたアントニウスは、己が正しかったのか、間違っていたのか、それを神の存在を通して答えを探し続ける・・・。 この映画の淡々とした流れも、死神がゆっくり近づく足音を表しているのでは無かろうか。 アントニスと出会う人々も、常に死と隣り合わせの者がひしめく。 「魔女」として処刑台に運ばれる女性は、まるでジャンヌ=ダルクをイメージさせる。 神を一身に信じた者が人の手によって殺されていく。 この映画に神はいないが、死神は常に問いかけてくる。 死を擬人化した死神。 黒いローブを被ったてるてる坊主のような風貌のこの死神は、死を晴らすのではなく、死を呼び込む雲の闇を呼び込むのだ。 その存在が眼に見える者は、その者の死期が迫る事を意味するのか。 死神に奪われていく命は、ペストが感染したか、自ら死を選んだか、そのいずれかであろう。 この映画の死神は鎌を振るうでも、直接手を下す事もしない(ノコギリはいそいそ使うが)。 静かに死を受け入れた者を、あの世へといざなうのみだ。 死神が運ぶ「七つの命」。 アントニウスは結局答えを得られなかったが、最後の最後で「生の光」の中を歩く3人の命を救うことが出来た。 母親と父親、そして赤子。 まるで全てを無に還す「黙示録」の後に残される第2の「アダム」と「イブ」のように、生き残った3人は再び生のあくなき道を歩み始めるのだ。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-13 19:00:13)
28.  大脱出(2013) 《ネタバレ》 
頭脳派筋肉「ランボー」なスタローン、 プレデターやエイリアン(火星人)とも渡り合った筋肉州知事シュワちゃんのコンビを見に行かないわけにはいかない。  文字通りどんな複雑な困難も筋肉で突破してしまう二人の痛快アクション! シュワちゃんが胡散臭いヒゲを付けているだけでも色々怪しい。  このコンビを拝めるだけでも見て損なし。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-11 04:26:09)
29.  ダンス・ウィズ・ウルブズ 《ネタバレ》 
「ワルド・レンジ」は延々とグダグダやってラストの銃撃戦だけ凄い(それも長々ダラダラ)だったが、この映画はフツーに良い作品だったでは無いか。 今まで「真昼の決闘」だの「シェーン」だの「大いなる西部」といった西部劇で期待を裏切られてきたが、この作品は上映時間が長い代わりにそれらの映画よりも遥かに素晴らしいものを味わえた。 かつてジョン・フォードがインディアンに原語で喋らせようとした夢を叶えた演出。 ラオール・ウォルシュの「ビッグ・トレイル」や「遠い太鼓」「遠い喇叭」、シドニー・ポラックの「インディアン狩り」以上に深く切り込んだインディアンと白人の関係の描写。 とにかく澄み切った美しい映像…ケビン・コスナーを誤解していた。 西部劇としても、ラブストーリーとしても、戦争の虚しさを描いた作品としても見れる。 白人とインディアンのバッファローの狩り方の違いが印象深い。 異文化だからといって争い合う必要なんて無い。 自分には無い物からこそ人は学ばなければならない。ちょっと説教臭い話もあったけど、こういう事がいかに大切かを思い出させてくれる。 主人公はアメリカ社会に染まりきれず、インディアンとの共存も中途半端に終わってしまった一匹狼。 だが現実の狼は一匹では生きられない。 狼も群れなければ厳しき自然を生き残れないのである。 主人公は狼と共に生きて来た。 彼の共存本能は狼と共に始まっていたのだ。 しかし結局主人公はどちらにも染まりきれず、愛する人と雪山の中へと消えていく。彼らはどうなったのだろうか。 「西部開拓史」のように山間のインディアンと交流を結んだのか、それとも・・・彼らの行方は誰も知らない。 これ本当にコスナーの作品? コスナー“さん”と呼んでもいいですか?この作品だけ? そしてこの後のコスナーさんはどうしてコスナー(失望)になってしまったのか。 とにかくコスナー敬遠している奴は絶対見とけ!
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-07 16:37:09)
30.  第三の男 《ネタバレ》 
キャロル・リードは「二つの世界の男」と「フォロー・ミー」は文句なしの傑作だと思うが、この「第三の男」はやや完璧すぎるし、影の演出のあざとさも気になる。 淡々と謎を解き明かしていく流れ、オーソン・ウェルズの登場シーンや地下水道での追走劇も計算され尽くしている。 加えて、プロデューサーのデヴィッド・O・セルズニックの演出。 この男はどんな作品でも必ずと言っていいほど三角関係をねじ込んでくる。 「キングコング」で怪獣、男、女の三角関係を描いた男だ。当然「第三の男」も小説家、女、闇の住人の三角関係に発展していく。  第二次大戦後の暗い影が付きまとうこの映画。 戦後の新しい時代の白い「光」、社会の黒い「闇」の世界。 日夜問わずにこの白と黒がせめぎ合うサスペンス。 そこにシンプルな音楽の調べが何とも言えない雰囲気を作り出す。  友人の不可解な「謎」を追ってウィーン市内を渡り歩く主人公。 事件の真相を追うのは友情か、それとも作家としての好奇心か。 途中で出会った謎の女性。 友人について知っているらしいが、彼女にも暗い影が見え隠れしている。  様々な国が入り乱れて統治するウィーンの街は、戦後の混沌を表す良い見本だ。  そして主人公の前に現れる「第三の男」。 音楽のリズムが一気に変化し、暗闇から姿を表す。 こんなにドキドキする登場シーンはそうそうないぜ。  主人公と「第三の男」との駆け引きは徐々に激しさを増し、下水道を縦横無尽に駆け巡るラストまでの流れは惚れ惚れする。  光の中に生きる者と、闇にしか生きられなくなった者、それぞれの顛末。  それはコインの裏表のように、常にひっくり返される存在なのだ。  ラストの舗道のシーンは良いね。何度見ても。
[DVD(字幕)] 8点(2014-10-27 20:12:06)
31.  タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 
冒頭から素晴らしく不安になる強烈なBGMが流れ、暗くジメジメとした街中を一台のタクシーが駆け抜ける。 主人公にも暗い影が差し込んでいる。 元陸軍出身だというトラヴィス。 この映画はヴェトナム戦争の直後だが、彼もヴェトナムから帰還した兵士の一人なのかも知れない。 戦争の時は散々祭り上げておいて、いざ帰ってくるなり辛い仕打ち。 何のために戦ったんだと打ちのめされる日々。 トラヴィスのように若く多感な人間ほど、そんな社会に心を蝕まれる。 オマケにタクシーに乗ってくる人間は平気でゲロを吐く、暴力を振るう酔いつぶればかり。 運び屋を掃き溜めにしているわけだ。 受け止める側に溜まった鬱憤は、やがて犯罪という“はけ口”にブチまけられる。 ナンパした彼女をいきなりポルノ映画館に連れ込もうとするトラヴィス。 価値観の違い以前にもう馬鹿だろコイツ・・・。 そんなんで軽蔑しない女の方が不思議である。 戦場で生きてきた男は、常に平和な時代には無力なもんだし、不器用にしか生きられない。 戦場の常識がここでは非常識へと変わる。(だけどトラヴィスは単にポルノ脳のアホ) デ・ニーロは“カッコイイ”、トラヴィスは“イカれポンチのクソ野郎”だ。 そんな社会の“歪み”が再びトラヴィスに銃を握らせる。 「世の中間違ってる、俺が正しい!」と強く思い込み狂気の世界へと走り続ける主人公。 「俺に言ってんのか?」 イメージトレーニングという名の“見えない誰かと”戦い続ける。 銃社会のアメリカじゃあ、一度銃を持てば子供だって大人を殺せてしまう。 トラヴィスの正義は危ない正義。 「勝った者が正義なんだろ?」と言いたげだ。 そんな危い正義感がいきつく果て・・・つうか何であれだけ撃たれて生きてんのコイツ? モヒカンヘアーにすると戦闘力が上がんのか? 「マッドマックス2」とか「北斗の拳」とかもあの髪型だからタフなんだろうか? 理由わからん。 個人的にはトラヴィスもくたばった方がスッキリしたんだが・・・「時計じかけのオレンジ」以来のモヤモヤが残る映画だった。 モヤモヤは残ったが、再見して前とは違う印象を持った。 出兵してた戦争でも死に損ね、殴り込んだ先でも死に損ね。でも他の奴はみーんな死んじまう。トラヴィスが彼女の乗車を拒んだのも、そんな“生き地獄”に彼女を巻き込んでしまうのではと不安に思っての事かも知れない。
[DVD(字幕)] 9点(2014-08-01 21:35:53)
32.  奪命金
ジョニー・トーによる傑作。 3つの物語が一つに繋がっていく展開が面白い。銀行員もヤクザも刑事もみんな金が絡んだ問題を抱える。 人間の存在そのものを頼りなく描く視点が良い。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-18 20:24:53)
33.  瀧の白糸(1933) 《ネタバレ》 
「狂恋の女師匠」「日本橋」「唐人お吉」のフィルムが見つかるまでは、当分この作品が溝口のサイレント期の最高傑作の一つとして語られる事だろう。 誰かが見つけてくれるのが楽しみだ・・・。  この映画が面白くなかったという人は、恐らく状態の悪い物を見てしまったのだろう。 もったいない。  俺の見た奴も画質こそフィルムの状態が悪く荒れてはいたが、弁士の神調子、神BGM。  そして何といっても始めから終わりまで目まぐるしく展開されるストーリー。 飯を喰らい、心と心の交流、そして別れ。  溝口映画でも指折りのファースト・シーンは凄い。  初期の溝口はこんなにも動き、スピード、テンポに溢れ、女の描き方も素晴らしい。 カメラワークが凄いのよ。 馬車の中からのカメラ! “手ブレ”のリズムはこの頃からあったのか! 馬丁とヒロインの粋なやりとりも相まって最高の出だしだったよ。 後半もテンションをほとんど落とさず、ラストの悲しくも凛々しい最後に繋がった。 水面、海、船、溝口映画の漆の藍色。 初期の溝口はクローズアップが多いので、その美しさをじっくり堪能できる。 そこからあの溝口映画独特のロングショットが挿入される時の威力ときたら・・・。  入江たか子のエネルギーに満ちた美しさもそうだが、この頃の溝口は脂の乗り切ったパワーがあった。 岡田時彦の演技も光る。 馬鹿正直な男が一人の立派な人間に成長した様子。 サイレントとはいえここまで違いを見せつけてくれた。 この後も数本の作品に出演するが、残念な事にそのほとんどのフィルムが未だ行方不明であり、すぐに亡くなってしまった彼の実質最後の出演作だ。 他のフィルムが発見される事を切に願う。  サイレントは絵で見せることが勝負。 小説の世界を絵で魅せる事に魂を燃やした描写、そして溝口映画の十八番とも言えるたたみかけるようなセリフ・・・もうね、密度が半端じゃないね。  何より男の心理にも迫った描写も良い。 泉鏡花の素晴らしい原作を、映像でも遺憾無く見せる。  オマケにこの上を行くほど面白かったという「狂恋の女師匠」「日本橋」「唐人お吉」の存在。 もっと凄いのか・・・見たいなあー・・・。
[試写会(邦画)] 9点(2014-06-16 00:44:38)
34.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 
007最高傑作。 今回の「カジノ・ロワイヤル」は原作小説第1作目! 本作こそ紛れもない「最初の007」であり、娯楽スパイアクションになる前のハード・ボイルドタッチの渇いた作風が特徴だ。 本当に「ゴールデンアイ」の監督か?本作は完全にそれを超えた。 オープニングは歌詞の入ったカッコつけで嫌いなのだが、それ以外は完璧と言っていい。 何より動きだけで状況を読み取らせる戦闘が堪らない。 暗殺から始まるファーストシーン、たった一人の爆弾魔を全力で殺りに行く壮絶な追走劇、大使館なんざクソ喰らえ!爆破だ!! セバスチャン・フォーカンとダニエル・クレイグの「障害物競走」が凄すぎる。パルクール習いてえー。 負けず嫌いで張り合うクレイグの顔。 いい加減スパイしろよ(褒めてる) 多分シリーズで一番スパイしないスパイなんじゃねえかコイツ? 女性関係はあくまで情報のためと割り切る姿勢、常に生傷が絶えない荒々しさが気に入った。 スパイしないスパイは戦ってなんぼ。 特に「お約束」を最後まで廃した展開が良かった! 今までの007は「どうせ死なねんだろ(舌打ち)」を楽しむのが恒例だったけど、今回のボンドはマジで死ぬんじゃないかとヒヤヒヤしまくった。 毒盛られた時の焦りまくるボンド。 「過去に大使館を吹っ飛ばしたスパイは亡命でもしたわよ」 堂々とボスの家で帰りを待つボンド。  捕まってもぶん取った“軍資金”のために殺されない。 どんな拷問を受けても屈しないボンドの頼もしさ。 奴の股間はチタンか?  二重、三重の駆け引きが明かされていく終盤も中々だが、やはりあの結末は悲しすぎる。 これほど言葉を介さずにメッセージが響いてくるボンドは久しぶりだ。 本作はあくまで「ボンドの過去」だが、ボンドが変わる度に全く別の映画として楽しんでいる俺にとっては「現在進行形」の後味なのだ。  最初と最後の出来事で見せるボンドの表情がより虚しさを漂わせる・・・この表情の変化。 本当今作のボンドは女運が無い・・・恐ろしく人間臭い。そこが良い。  ラストで「標的」を地に這いつくばらせて真の“007”となった姿が印象深い。  後味は悪いけど、完成度は文句なしの傑作。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-15 22:16:33)(良:4票)
35.  たそがれの女心 《ネタバレ》 
原題は「某夫人(特に名を秘す)」。マックス・オフュルスによる傑作。 二つの大戦によって滅び去った社交界の様相を蘇らせてしまうオフュルス。オフュルスの執念、それに応える女優陣の力強さ。 ダニエル・ダリューとシャルル・ポワイエの絡みも印象的だ。  社交界に渦巻く不倫から女たちの情念を描いていく傑作。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-18 17:49:12)
36.  大砂塵
ジェームズ・ディーンの「理由なき反抗」やフィルム・ノワールの大傑作「夜の人々」で知られるレイの異色作。 レオーネが「ウエスタン」を作る際に参考にした傑作の一つ・・・らしい。  本作は歌の西部劇。 とにかく五月蠅い。 ギターと酒場が大惨事。 主題歌の「ジャニー・ギター」の戦慄は美しい。  ラストの意外な決闘にはビックリしたよ。  それにしてもこれほどヒロインがうっとおしいと思った映画は無いわ(泣)  「ミルドレット・ピアース」や「ユーモレスク」「雨(ルイス・マイルストン)」で美しかったジョーン・クロフォードも、本作はカラーの色合いもあってか年増でケバい。 「オール・ザ・キングス・メン」や「去年の夏突然に」で印象的だったマーセデス・マッケンブリッジも今作は顔が怖い。 鑑賞の際は是非ともクライテリオン版のDVDで。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-12 20:10:31)
37.  太陽(2005)
これは、まず日本じゃ撮れない。日本は主観で天皇像をやたら特別視しすぎるきらいがある。天皇もせっかく「私も人間だ」といったのだから、日本人はもっと砕いて描いても良い筈だ。 その点、ソクーロフは客観的で、あくまで一人の人間として天皇を描いた。 口ももごもごし、まるで子供のように植物の研究に明け暮れ、「人間て良いな~」と謳歌していそうな、何処にでもいそうな感じに。これほどユーモアと気品を両方感じさせる天皇、中々いない。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-30 19:12:36)
38.  第9地区 《ネタバレ》 
“恐怖”という意味では、作り物とハッキリ解ってしまうCGよりも生々しいアニマトロニクスの方が何百倍も怖い「エイリアン」の方が上だが、技術を抜きにしたドラマ面ではこの「第9地区」に軍配を挙げたい(そんな好きじゃないけど)。 何よりリドリー・スコットの「エイリアン」と共通する部分があるのが面白い。 スコットに出てくるエイリアンは、たった一人でリプリーたちに戦いを挑んだ。リプリーたちにとっては恐怖の対象でしかない“敵”だが、エイリアンにとっては住処を荒らしに来た侵略者(エイリアン)にしか映らない。  「第9地区」は主人公そのものがエイリアンになってしまい、人間の時は侵略者か見世物小屋でも見るように感情の移入なんて有り得なかっただろう。 そんな男が徐々に異星人に変貌していく。当然人間たちからは疎外され、その中途半端な容姿は異星人にも奇異に見られる。 スコットの「エイリアン」もまた、仲間となる存在がなく常に孤独だった。更にはその凶暴性を人間側に利用されてすらいた。  しかし、「第9地区」は奇跡的に異星人の親子と意志のコンタクトを取る事が出来た。人間だった時に失ったものを、異星人になって少し取り戻せたのは皮肉なものだ。 例え利害関係の一致で一時的な事だったとしても、異星人の子供との絆は確かなものだ。 そしてエイリアンになって初めて知った人間の凶暴さ。彼らは害虫駆除くらいにしか思わないのだろう。「何かされてからでは 遅い!!」という恐怖が人間に牙を剥かせる。  男は何者として戦ったのだろうか。人間としてか。異星人としてか。どちらにせよ、彼は“彼”でしか無い。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-27 16:23:04)(良:1票)
39.  第七天国(1927)
第七天国 素直に好きと言えない男。「ダイアン チコ 天国」の言葉でしか愛の言葉を言えない恥ずがしがり屋。 そんなウブな少年を、戦争の悲劇が襲う。だが、そんな悲劇が二人をより強く結びつけるとは皮肉なものか。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-23 00:18:02)
40.  007/ロシアより愛をこめて 《ネタバレ》 
イアン・フレミングの原作をダイナミックに仕上げた痛快アクション映画。 前作「ドクター・ノオ」はSF色の濃い展開がされたが、本作からボンドの秘密兵器、強烈なファースト・シーン、リアリティとアクション性と「お約束」を高めた造り込みとなり、以降の007シリーズの土台を固めた作品。 真面目なフリをした超娯楽馬鹿映画「007」シリーズの最高傑作と名高い本作。 テレンス・ヤング監督の監督魂、気合の入ったアクションの磨きも一番神がかってる。 後半の「北北西に進路を取れ」を参考にしたヘリの攻撃シーンの迫力が一番の見所でもある。 この作品が遺作となった「ペドロ・アルメンダリス」の名演も忘れちゃあいけない。 何も言わなくともカッコイイ「ショーン・コネリー」、 ジョン・バリーの最高すぎる音楽、 そして「お約束」。 俺はこういう「お約束」が嫌いなタイプだけど、この映画から「お約束」を抜いたらただのスパイ映画だ。 この「お約束」の瞬間の安心度は異常。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-13 18:02:48)
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