1. デーヴ
《ネタバレ》 いやー、すばらしい。見た後の爽快感と言ったら、「ローマの休日」「ショーシャンクの空に」「スティング」「素晴らしき哉、人生!」などの名作と互角かそれ以上だと思う。 この映画の良さは、映画の作りすなわち脚本の良さだろうと思う。大統領のそっくりさんと大統領夫人が二人で外出したとき、パトロールの警官に尋問を受ける。男はそっくりさんだから当然なのだが、大統領夫人もそっくりさんにしてしまう巧みな対応にはまいった。 また最大のポイントは、大統領の替え玉からいかに元の生活に戻るかだが、これまた1本取られたと思った。 そして極めつけはラストシーン、夫人がそっくりさんの元へ駆けつけたとき、二人を守るSPの登場! 満点以外、点のつけようがない! これだけの映画作れるのは、その昔脚本と監督の両方で数多くの作品を産んだフランク・キャプラ以外にはないと思う。 [DVD(字幕)] 10点(2011-03-06 07:01:46)(良:1票) |
2. テキサスの五人の仲間
《ネタバレ》 ポーカーのゲームが終わっても結婚式の続きがあった。それが終わってもなお・・・。ポール・ニューマンのスティングを思い出させる鮮やかさだった。(こちらの映画が古いのだが) さすがポーカー、だますゲームには違いないのだが、天井知らずの掛け金無制限ルールでは、一番金を持っている者が勝つ決まっているのだが、銀行家が一枚加わったことにより一変してしまう。脚本がすばらしく、おもしろさ抜群。 [DVD(字幕)] 9点(2013-07-23 05:55:45) |
3. 天使にラブ・ソングを・・・
文句なく楽しい、おもしろい、すばらしい。良くできたストーリーで言うことなし。と言いつつ、コメントするが・・・。 尼さんと暴力団組織?のまったく異なる世界を同次元に扱うなんてすごい。音楽ももちろんすばらしいし、音楽の軽快なテンポに合わせるかのように進む映画もまたすばらしい。ピストルを構えたチンピラに「彼らを許し給え」などと祈るところなど最高。 しかし神様を冒涜してはいけないので、調子に乗りすぎないためにも1点だけ引いておこう。 [DVD(字幕)] 9点(2011-12-30 21:53:46) |
4. 手紙(2006)
《ネタバレ》 「差別は当然なんだ。差別のない場所を探すんじゃない、君はここで生きていくんだ。」電気店の平野会長が主人公に言い聞かせる台詞である。この映画の一番の感動シーンはもちろんラストの刑務所慰問だが、この場面も相当なもの、この会長さんの言葉があったればこそ、手紙を書くのをやめて兄と決別する覚悟が生まれたのだと思う。 差別はいけないことだとは誰もが知っているし、非人道的だと責めることは容易い。しかし犯罪者やそれに近い存在を遠ざけようとする心理もまた当然のことである。(自分の家の隣が暴力団の事務所だったらと考えてみれば・・・) だから会長さんは差別を肯定も否定もせず、その中で強く生きていくように励ましたのだと思う。また本店の会長にお願いし、そうさせた手紙の主由美子のけなげなさに私も心うたれた。 この後はラストの刑務所慰問まで感動の連続だった。邦画も捨てたもんじゃないと思わせる久しぶりの名作。 [DVD(邦画)] 9点(2011-04-22 21:40:10) |
5. Dear フランキー
DV亭主は例外として、少年フランキーも母親も祖母も、そして父親役を果たした謎の男も皆いい人ばかりで良かった。家族の愛情を深く感じる映画だったし、見た後の余韻が実に良い。フランキーがいつ真実を知ったのか気になったが、それはたいした問題ではないのかも・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2014-09-27 21:57:30) |
6. 天使のくれた時間
あのときもし・・・という設定で、もう一つの人生を経験する。それは決してどちらが良くてどちらが良くなかったという問題ではないだろう。岐路に立った時点でどう選択するかを考える大切さと、現在の人生の意味を教えてくれる映画なのかもしれない。映画は何度見てもおもしろく、主役の二人も大変良かった。さしずめフランク・キャプラの現代版か、「素晴らしき哉、人生!」 [DVD(字幕)] 8点(2013-10-02 05:57:26) |
7. でっかいでっかい野郎
何度見ても実におもしろい。「男はつらいよ」のシリーズでおなじみの渥美清だが、私は寅さんよりこっちの方が開けっぴろげで好き。当時の大ヒット曲の「恋の季節」もなつかしいし、若松・小倉を舞台にした「無法松」が出てくるも良い。そういえば、病院の先生の長門裕之は小さいときの敏雄を演じていたんだっけ、これも何かの縁か。 [映画館(邦画)] 8点(2012-10-31 20:56:48) |
8. 天地明察
実際の月日と暦が2日違っていたら、それは大変なことだと考える人とそれくらいの違いが何なのだと考える人では映画に対する見方は当然変わってくる。また十数年の間に日食がそう何回もあるはずがないと思う人と小説や映画だから気にしないと思う人でもそうだろう。だがはっきり言えるのは暦や天文など専門的な知識がなくても、十分に楽しめる映画だということだ。囲碁を嗜み、天文が好きで、数学の教鞭をとっていた私にはまさに格好の映画だった。 [映画館(邦画)] 8点(2012-10-07 14:40:10) |
9. 天国の駅 HEAVEN STATION
《ネタバレ》 「天国の駅」と「おはん」でまったく異なる女性像を演じた吉永小百合は、この年日本アカデミー賞の主演女優賞に輝いた。日活時代に清純派お嬢様女優として活躍していた彼女だったが、さすがに70年代になるとそのイメージではやっていけなくなり低迷していた。それが本格的女優としてのきっかけとなったのが75年の「青春の門」であり、大きく花開いたのがこの「天国の駅」と「おはん」だったろうと思う。 この映画の林葉かよは本当に不幸な女性である。下半身不随となった夫、つけまとう元警官、狂った妻を持つ旅館の主人、彼らもまた不幸でありかよの身体に救いを求めていた。これがさらなる不幸を呼び殺人事件となっていく。彼女が求めたのは愛そのものだったろう。だからこそ彼女のために献身的に尽くすターボとの逃避行となるのだが、雪の中で戯れる二人の姿に安らぎを覚える。 惜しまれるのはあの主題歌、吉永本人に歌わせるとたちまち安っぽくなってしまう。忘れるところだったが、西田敏行の好演も光る。 [映画館(邦画)] 8点(2012-08-11 00:24:15) |
10. ディア・フレンド<TVM>
世間を頑なに拒絶する老人と、保護観察中の17歳の少年の奇妙な友情を描いたドラマ。平成11年度文化庁芸術祭優秀賞受賞作品に選ばれている。1999年11月29日に放送されたのち、2008年10月12日に「緒形拳追悼ドラマ」として再度放送された。心温まるドラマであり、録画した私は何度も繰り返し見た。DVDにもなっているので、若い人にはぜひ見てほしいと思う。 [地上波(邦画)] 8点(2012-05-18 03:42:35) |
11. デッドマン・ウォーキング
重くずっしりと心に響く映画だった。被害者の側も加害者の側も偏ることなくきちんと描かれていると思う。とかく死刑廃止・存続が議論されるけど、意見を述べる前に見てほしい映画だ。ただ気になったのは、死刑廃止論者=共産党員みたいな表現があり、米国における共産党への偏見が気になった。 スーザン・サランドンは、主演女優賞に輝くだけあって大変すばらしいし、ショーン・ペンもまた少しも負けていないと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2012-02-21 16:05:54) |
12. 天国は待ってくれる(1943)
《ネタバレ》 女性遍歴の多いヘンリーを、天国と地獄のどちらへ送るべきか迷った閻魔大王が、直接本人に会って話を聞くという設定がすばらしい。愛の物語をこういう形で映画にするなど通常の感覚では思いもつかないことだと思う。 最初私は、このヘンリーという男がどうしても好きになれなかった。駆け落ちしてまで手に入れた美しきマーサをどうして裏切るのか。10年経ってマーサも愛想がつき実家へ、しかしそれでも再びマーサの元へ行き2度目の駆け落ち・・・・。愛すべきは彼の祖父の存在、「一度わしも駆け落ちしてみたかった」と粋な計らい、何ともほほえましい。 息子ジャックとペギーの一件からマーサとヘンリーの結婚25周年にかけ、ふたりの愛は次第に深まっていく。しかしそのとき踊るダンスが最後の別れになるとは・・・。 初めは「何だこの映画は」で見始めた私であったが、どんどんと映画に引き込まれていき、最後は私も閻魔様ではないが、彼をマーサや祖父の待つ天国へと送り届けたくなった。 噛めば噛むほど味の出てくる映画ではないかと今は思っている。 ところで閻魔大王の元に来た主人公と成人したヘンリーは同じ配役だったとは。まんまと騙されてしまった。 [DVD(字幕)] 8点(2011-06-05 10:46:39) |
13. 鉄道員(1956)
高校の時、音楽好きの友人がギターで弾いていたのが、この鉄道員のテーマ曲だった。悲しくも美しい旋律に私は心を奪われ、クラシックギターや映画音楽に興味を抱くきっかけとなった。 カルロ・ルスティケリの映画音楽は本当にすばらしい。「鉄道員」「ブーベの恋人」「刑事」「イタリア式離婚協奏曲」「誘惑されて棄てられて」などの名曲を次々とレコードで聴いていった。 そしてようやく見た映画、テーマ曲が聴けるだけで満足くらいの気持ちで見たが、映画ももちろんすばらしかった。 この映画は、イタリア映画の良さを余すことなく醸し出しているし、ピエトロ・ジェルミの映画は、もっと評価されるべきだと思う。 ところでこういったイタリア映画には、必ずといってよいくらい、かわいい純粋な男の子が出てくるような気がする。 [ビデオ(字幕)] 8点(2011-03-13 22:50:05)(良:1票) |
14. 手錠のまゝの脱獄
人種差別のきびしい一昔前の米国南部で、白人と黒人を手錠でつなぐことはありうるのだろうか。最初は疑問に思ったのだがユーモアだと言う。そのユーモアとは仲の悪い者同士を鎖で繋いでおれば決して脱走しないだろう、いや例え脱走してもうまくいくはずがないというものだ。ある面なるほどと思うがそこがまた映画のテーマでもあるのだ。結果的には鎖が切れても繋がれていたとき以上の友情が生まれるのだが。ミッドナイトランほどはおもしろくはないが、人種差別問題という点でそれ以上の価値がある映画かもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2014-12-17 19:33:37) |
15. 田園交響楽(1946)
文豪アンドレ・ジッド(私たち年代にはジイドの方がなじみ深い)の代表作のひとつ田園交響楽。ベートーヴェンの音楽が出てこないのでタイトルに偽りありの感もするが、さすがにカンヌの大賞受賞作、すばらしい作品だ。盲目の孤児に対する牧師の慈悲深い愛と言いたいところだが、目が見えるようになったから幸せになるとは限らないわけか。 [DVD(字幕)] 7点(2014-11-18 16:53:42) |
16. 天国への階段
日本の三途の川があちらでは天国への階段、しかもそれがエスカレーターというのにはびっくり。ラブストーリーとして特筆すべきものはないが、撮影技術は相当なもの。地上と天国を色分けしているのだが、同じ連合国側の英国と米国の色分けは・・・。愛はその色分けを超えるという訳か。 [DVD(字幕)] 7点(2014-10-04 12:35:05) |
17. 転々
まさに転々としたドラマなのだがおもしろい。何か突拍子もないことが脈絡なく続くのだが私はこういう感じは好き、人間のおもしろさや愛着を感じさせてくれる。映画は理屈で見るものではないことを改めて思う。 [DVD(邦画)] 7点(2014-06-16 14:29:21) |
18. 鉄くず拾いの物語
第63回ベルリン国際映画祭で審査員グランプリに輝いた映画。「ノー・マンズ・ランド」の監督ダニス・タノヴィッチがわずかな自己資金でたった9日間の撮影で作りあげた。当事者の夫婦を出演させ、実際に起きた物語をドキュメント風に綴ったもの。ロマ族一家の現実のきびしさを感じさせられる。 [映画館(字幕)] 7点(2014-03-20 14:15:16) |
19. デンジャラス・ビューティー
良くも悪くもサンドラ・ブロックの大活躍に尽きる映画。えっ、ミスコンなんてと思って馬鹿にしてたのが恥ずかしい。楽しいコメディでした。 [DVD(字幕)] 7点(2013-10-08 16:32:35) |
20. 天使の詩
兄弟でも4つも歳は違うし、父は留守がち、最愛の母は死んでしまった。本当はもっともっと甘えたい年齢なのに、幼い弟の面倒を見なければならない。アンドレアの気持ちは痛いほど伝わってくるし、いじらしい。なのに父親は長男にかまってやれない、いやかまうのだが、それは少し違う。外交官の秘書とは行き過ぎだが、実年齢より上に見ていたようだ。母の声のテープや肖像画など、涙を誘う。 [映画館(字幕)] 7点(2013-05-29 22:56:58) |