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ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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21.  ドーン・オブ・ザ・デッド
この映画はアクションですね。(ゾンビとは言え)群集に向かって銃を乱射する、情けをかけず殺しまくるなどなど、通常の設定では倫理的にいかがな描写も、ゾンビ相手ならOKとばかりにやりたい放題。ゾンビ映画の醍醐味のひとつってこれなんですよ。大勢で、しかも単品では弱い連中をとにかく殺しまくると。こういう正直な映画、アクション好きとしては奨励したいと思います。そしてクライマックスは「マッドマックス2」!プロパン大爆発、誰もが思い描くナイスな作法でチェーンソーを振り回すなどなど、とにかくわんぱく放題です。しかしこれがかの「ゾンビ」のリメイクとして見た場合には、確かに問題もあるわけで。ゾンビの存在以上にオリジナルのキモだったドス黒い世界観が継承されておらず、その点で言えば「28日後」の方がオリジナルに近いんですよね。そしてやっぱりゾンビはユラユラ歩きの方が不気味でいいです。殴られようが撃たれようがユラユラ歩いて来る、目的がわからないから怖いんですよね。でも目標めがけて全力疾走してしまうと、その怖さがなくなってしまいます。それに走ってしまうと、どうしても人間に見えてしまうんですよね。全員陸上選手みたいにいいフォームだし。でもゾンビが走ればアクションの緊迫感は高まるわけで、やっぱりこの映画はアクションとして評価すべきなんです。なのでこの点数で。
7点(2004-06-03 22:29:26)(良:1票)
22.  トラフィック(2000) 《ネタバレ》 
まず、麻薬撲滅担当の大統領補佐官に就任した判事とその家族の物語。本作中最大のビッグネームであるマイケル・ダグラスが主演している関係上か、はたまた観客にもっとも近いアメリカ人家族の物語であるためか、作品中もっとも力点の置かれたエピソードとなっているのですが、これがまったくのダメダメでした。何がダメかって、マイケル・ダグラス演じるウェークフィールドの行動が出鱈目なこと。彼の権力を総動員すれば失踪した娘なんて簡単に見つけ出せるはずなのに、麻薬撲滅活動のトップにいる自分がスキャンダルに晒されてはならないからと個人で問題解決に当たっているうちに、事態はどんどん悪化していきます。また、娘が見つかったら見つかったで、今度は最悪のタイミングで「個人的な問題を抱えている自分では任を全うできません」と言って職務から逃げ出してしまう。あんたは一体何がしたいんだと呆れてしまいました。 次にベニチオ・デル・トロが主人公を務めるメキシコパート。デルトロのオスカー受賞から察するに、世間的にもっとも評価されているパートがこのエピソードのようなのですが、テレビドラマ『ナルコス』などを見てしまうと、本作の描写は完璧にパンチ不足。15年も後に制作された作品と比較するのは酷と言えば酷ですが、それでもメキシカンマフィアのヤバさはかなり控えめだし、サラザール将軍を売るという危険な決断に至る過程に存在したであろうデルトロ捜査官の葛藤も不足しており、「ちゃんと描いていればもっと面白くなったはずなのに」と残念になってしまう点が多々目につきました。 最後に、夫が麻薬密輸業者であることを知った有閑マダムとDEA捜査官の攻防を描いた西海岸パート。キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、デニス・クエイド、ミゲル・フェラー、ドン・チードル、ルイス・ガスマンと知名度も演技力もある俳優が多く配置されたこのパートがもっとも勢いがあり、娯楽性も高くなっています。追う者と追われる者の双方の視点で描かれることでドラマもサスペンスも絶好調に盛り上がるし、家族を守るという絶対正義の下で悪事に手を染めざるをえなくなった有閑マダムの存在によって、作品は善悪二元論に収まらない広がりを見せます。本作で評価されるべきはデルトロではなく、ゼタ・ジョーンズであったと思います。
[DVD(吹替)] 6点(2017-03-20 03:05:33)
23.  殿、利息でござる! 《ネタバレ》 
良い人だけが出てくる良い映画であり、たまにクスっと笑わせるという、いかにも松竹らしい人情コメディとなっています。とにかく全員が公共のために尽くそうという思いを持っており、このプロジェクトの障害になると思われていた藩の出入司や、財政難の元凶となっていた殿様すら話してみれば良い人。事情を知るや主人公たちへの協力姿勢を示し始めるという、安心して見られる作品となっています。 主人公たち出資者は「町が滅びれば自分たちの商売も立ち行かなくなるから、何とか町に活気を取り戻さなければ」という目的で資金の供出を開始します。この点は合理的で納得がいったのですが、他方で店を潰してまで資金を捻出しようとした妻夫木聡演じる浅野屋の行動原理だけは不明であり、この点が作品のアキレス腱となっています。彼のドラマをもっと合理的に見せてくれれば作品全体がより腹に落ちたのですが、もはや徳の高い人でしかないという見せ方は良くありませんでした。
[ブルーレイ(邦画)] 6点(2017-01-14 15:47:15)
24.  ドローン・オブ・ウォー 《ネタバレ》 
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』において、スパイ衛星で捕捉した敵を、常時航行しているヘリキャリアーからの攻撃により自動排除するというインサイト計画なるものが登場しましたが、「そんなもんはファシストのやり口じゃねぇか!」と激怒したキャップにより当該計画は豪快にぶっ潰されるのでした。 本作で主人公が従事するミッションは、まさにインサイト計画と同様のもの。テロリストであるとタレこみがあった人物の居場所にまでドローンを飛ばし、ミサイルで始末するだけの簡単なお仕事です。そして、キャプテン・アメリカの怒りを買ったインサイト計画と同様に、このミッションにも正義はありません。農夫にしか見えないアフガン人をテロ関係者として殺したり、ドローン攻撃で死亡した人物の葬儀に集まった人たちにもミサイルを撃ち込んだりと、もはや歯止めが利いていないのです。少しでも疑いをかけられた人物はクロと見做して殺す。たった一人のテロリストを殺すために無関係な一般市民を巻き添えにする。被害者と加害者の国籍が逆であればどれだけの非難を受けているだろうかということをアメリカはやっているのです。 そもそも戦争とは命の奪い合いであり、そこに良い殺し”Good Kill”などはないのですが、それでも従来の戦場には一定の掟や美学というものが存在していました。戦闘行為は兵士のみが行い一般市民は巻き込まないこと、相手の命を奪いに行く以上は自分も殺される覚悟をしておくこと。しかし、ドローンによる殺戮は絶対安全な場所でボタンを押すだけで片がつき、そこには最低限のモラルすらありません。主人公はF-16のパイロットに戻して欲しいと何度も上司に懇願しますが、それは一人の戦士として今やっていることに耐えられなかったためでしょうか。 昼間は遠隔操作での殺戮に手を染めながら、夜には帰宅して家族との時間を過ごす。そんな生活を送る中で兵士たちは次第に精神を蝕まれていきます。ある者は麻薬に走り、ある者は任務から離れていく。主人公もまた、大儀のない殺戮に順応するため他者への共感を絶たねばならなかったことから、家族との間で溝ができていきます。若い女性部下と何となく良い感じになっても不倫に走らず家へ帰るあたりからは、彼の中でも行動を制御しようとする意志が見られるのですが、それでも人格そのものが崩壊していくことは止められなくなっているのです。 以上、なかなか意欲的な姿勢で作られた作品ではあるのですが、物語はどこか牧歌的。主人公がウジウジと悩む様はある意味呑気であり、ミサイルを撃ち込まれる側からすれば、「発射ボタンを押す人だって苦しんでるんですよ」と言われたところで「それがどうした!」としかなりません。本作はより被害者目線に立った作品であるべきだと感じたのですが、これがアメリカ映画の限界なのでしょうか。
[DVD(吹替)] 6点(2016-08-12 18:49:24)
25.  トランセンデンス(2014) 《ネタバレ》 
生命倫理の問題や、テクノロジーが神の領域にまで達しようとすることの是非、環境問題など、この映画にはとにかくいろんなトピックが盛られています。監督と脚本家は恐らくこれら全部を語りたかったんでしょうけど、キャリアの少ない彼らではこれを扱いきれず、ただのひとつも観客の興味を引くことなく終わっています。難解な題材を華麗に調理するクリストファー・ノーランという天才の下でしばらく働いてきた撮影監督が、「ノーランほどではなくても、それに近いものは自分にも撮れるのではないか」と考えてしまったことは致し方ないところですが、もっと地に足のついた、まずはワンイシューで勝負するところから始めていれば、映画としてはきちんとまとまったのではないかと思います。 監督はあまりに多い構成要素を捌くことにいっぱいいっぱいで、血の通った物語にしきれていません。元は人質として囚われていたポール・ベタニーにどんな心変わりがあってエコテロリストの参謀を務めているのかが不明だったり、一貫して自己中の悪人にしか見えないエコテロリストのケイト・マーラが途中から正義の扱いになることの違和感、モーガン・フリーマンの存在意義など、キャラクターの動かし方が総じておかしいのです。何より問題なのは、誰がどう見ても怪しさ全開の行動をとるAIウィルが、実は良い人でしたというオチに納得感が薄いこと。超越的な知能を持ち、文明社会の森羅万象を動かす力を持っているのだから、人類から猜疑心を抱かれないよう、もっとうまくやれよと思ってしまいました。これと併せて、遠隔操作可能な改造人間を作り始めるに至って、ようやく「最近のウィルって何だか気持ち悪いわ」と感じるようになったエブリンの異常な鈍さにも付いていけず、バカ夫婦の起こした珍騒動という印象が強くなっています。 そんな感じでトピックの扱いでも、人間ドラマでも失敗している本作ですが、救いはビジュアルの美しさで観客の目を楽しませることには成功していること。ノーランの映像美を最前線で支えてきた監督は、ここではきっちりと仕事をしています。 また、脚本レベルでは中盤以降、FBI、民間セキュリティ会社、エコテロリストの連合軍がウィルの要塞に攻めてくるという何とも燃える展開を準備してきますが、この下世話な部分が面白かったので、本作は憎めない作品となっています。人類側は「ハイテク兵器ではウィルに乗っ取られるから、旧式の銃火器で乗り込むぜ!」とやってくる。対して、ウィル側は障害者を改造して作り上げた不死身の強化人間軍団で陣地防衛。前半の真面目な雰囲気をぶち壊すこのバカさ加減には、私の中のB級魂が騒ぎました。また、結構真剣にテクノロジーを扱ってきた作品なのに、このパートではナノマシーンがほぼ魔法の道具扱いになっていて、このヤケクソ加減も私のツボでした。キューブリックの脚本をマイケル・ベイが監督したかのような歪さを楽しめるかどうかが、本作の評価を分ける点なのでしょう。私は嫌いじゃありません。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-01-28 19:24:07)(良:1票)
26.  ドライヴ(2011) 《ネタバレ》 
勢い任せに逃げる鬼ごっこタイプではなく、追手の死角を突きながら徐々に距離を離していくかくれんぼタイプのユニークなカーチェイスには引き込まれました。音響への異様なこだわりも映画のテンションに大きく貢献しており(本作は音響の整った環境で観るべき映画)、絶好調のスタートを見せる本作。ライアン・ゴズリング演じるドライバーのキャラ設定も良く、質素な一人暮らしならば修理屋の給料のみで食べていけるにも関わらず、逃がし屋やスタントマンといった危険な仕事を定期的に引き受けることで己の破壊衝動を充たしているアブナイ男という、バイオレンス一直線な設定には燃えましたとも。究極の危険愛好家にして、度を越した暴力性を胸に秘めたドライバーは、ポジティブに描かれたアントン・シガー。ライアン・ゴズリングの幽霊のような存在感も主人公のキャラ描写に大きく貢献しており、この主人公を見ているだけで2時間は余裕で楽しめます。忍従を重ねた末に、いよいよドライバーがブチ切れる瞬間には飛び上がるくらいに興奮しましたとも。。。 問題に感じたのは、ドライバーのキャラがあまりに完璧すぎて、その敵となる犯罪組織が完璧に見劣りしていること。アルバート・ブルックス演じる古株のヤクザなどはかなりいい味出しているのですが、人間凶器とも言えるドライバーと戦って勝てるタマではありません。そのため、冒頭のカーチェイスに匹敵するような緊張感ある見せ場を後半に準備できておらず、映画全体としては尻すぼみな印象を受けました。
[DVD(字幕)] 6点(2012-09-25 00:53:48)(良:1票)
27.  トゥルーマン・ショー 《ネタバレ》 
「ガタカ」に続いて”人間の尊厳とは?”というテーマを扱っており、実にアンドリュー・ニコルらしい脚本となっています。空から落ちてくる照明器具、おかしなタイミングで挿入される広告宣伝、セットの裏で休憩しているエキストラ等の小ネタも面白く、脚本の仕上がりは上々です。問題に感じたのはピーター・ウィアーによる演出が堅過ぎたことで(当初はニコル自身が監督する予定だったが、ジム・キャリーが主演に決定したことで製作費が倍増し、監督経験の豊富なウィアーに交代させられた)、本来は毒のあるコメディであるべき本作が大真面目な人間ドラマになっています。。。 公開当時、本作はメディア批判の映画として評価されていました。これこそウィアーによる真面目な演出の結果なのですが、本作をメディア批判という視点で鑑賞するとあまりにも穴が多すぎます。万里の長城に匹敵する超巨大セットが組まれ、小国の経済規模に匹敵する製作費が投入されているという基本設定はあまりに荒唐無稽。クリストフにはテレビマンとは思えない行動が多く(ハプニングこそが視聴者を引き付けるのに、ハプニングが起こると放送を打ち切ってしまう)、そもそも「トゥルーマン・ショー」という番組がまったく面白そうではありません。これらの点が本作を中途半端な出来にしており、もしメディア批判の映画を観たいのであればロン・ハワードの「エドtv」をおすすめします。
[DVD(吹替)] 6点(2012-06-24 22:08:07)
28.  ドラゴン・タトゥーの女
ハリウッド最強の脚本家と監督が組んだ作品だけあって安定感は抜群。娯楽性と芸術性の間で見事にバランスをとっています。主演2人はもちろん脇を固める俳優陣も素晴らしく、映画としての完成度は非常に高いと思います。しかし、とにかく上映時間が長い。目を見張る展開やド派手な見せ場のない本作で2時間半オーバーは厳しすぎます。。。 インディーズスタジオだったニューラインシネマズで「セブン」と「ゲーム」を成功させて以降、デヴィッド・フィンチャーはスタジオからの口出しを受けずに映画を撮れる地位を確立しましたが、それ以後に彼が撮った映画はどれも長い。確かにこの監督のヴィジュアルは完璧であり、どのシーンも美しく撮られているためにすべてを使いたくなることは理解できるのですが、同時に映画全体をどうまとめあげるのかという視点も持っていただきたいものです。同じくヴィジュアルの巨匠であり、自由に映画を撮れる立場にいるリドリー・スコット師匠などは毎回本編を短めに刈り込み、DVD化の際にディレクターズ版を発表することが恒例となっています。リドリー・スコットは”適正な上映時間”というものを常に意識しており、時には個々の場面の重要性よりも映画全体のテンポを優先させるという判断を下しているのです。フィンチャーも、早くこの域に達して欲しいものです。
[DVD(吹替)] 6点(2012-06-23 02:16:33)(良:3票)
29.  トロン:レガシー 《ネタバレ》 
チャチながら味のある映像、安いながらも独特の雰囲気を醸していた音楽、そんな「トロン」第1作を見た直後に「レガシー」を鑑賞したのですが、その素晴らしいアップグレードぶりには目を見張りました。最先端の映像は美しくてやたらかっこよく、仰々しい音楽は腹にドスンと響きます。とにかく目で驚かせる、これぞスペクタクルだと思いました。前半のハイライトである「ゲーム」の作り込みはハンパではなく、平面だけではなく垂直方向も意識したアクションの連続には大興奮させられました。21世紀に入って突如「トロン」続編の製作が発表された時には「なんで今更『トロン』なの?」と世界中が首をかしげたのですが、この映像を見せられると、「なるほど、これを見せたかったのか」と合点がいきました。ビジュアル的には百点満点の映画だと思います。。。 ただし、お話の方が弱いと感じました。どのキャラクターも薄味で感情移入できないし、タイトルロールである「トロン」の扱いもぞんざいなものです。ビジュアル的にはかっこいいのに、キャラクターとしてまったく掘り下げられていない点が非常に残念でした。心変わりの背景などをもう少し丁寧に描いていれば、見違えるほど良くなったと思うのですが。さらには、観客に世界観を伝え損ねていることも問題です。ポータルがどうのこうのとか、ケビンのディスクがどうのこうのという話はサッパリ意味不明だし、デジタル生命体アイソーの件も、やはりよくわかりませんでした。難解な世界観をうまく観客に飲み込ませていた「マトリックス」という先例があるのですから、もう少し丁寧に脚本を作り込むべきだったと思います。 
[DVD(吹替)] 6点(2011-12-04 09:54:45)(良:1票)
30.  特攻野郎Aチーム THE MOVIE
テレビ版は小学生の頃に日曜洋画劇場でよく見ていましたが、こちらは小市民をいじめる悪党をAチームが懲らしめる一話完結の水戸黄門のような物語。一方、今回の映画版はテレビシリーズでも描かれなかったAチーム結成からはじまり、彼らが地に潜るまでを描くエピソードゼロ的内容となっています。90年代から何度もリメイクが検討されてきた企画だけあってキャラクターはよく作り込まれていて、コング(映画版ではオリジナルに合わせてBAと呼ばれていますが、こちらの呼び名の方がしっくりきます)の飛行機嫌いの原因にまで触れた細かさには感心しました。 しかし、監督による演出がAチームの空気とズレており、なんだか中途半端な仕上がりとなっています。「スモーキンエース」に続いて本作を引き受けたカーナハンはアクションコメディが好きなのでしょうが、この人は根本的にこのジャンルには向いていないように思います。荒唐無稽な場面は多くあるもののどうにも弾けきれず、途中から生真面目な面が出て来てしまうのです。本作における冒頭のアクションはまさに痛快さで、このまま行けば最高のリメイクになるものと期待しました。しかし以後の物語はどんどん真面目になっていき、トム・クルーズやマット・デイモンが出ていても不思議ではない普通のアクション映画に。その一方で荒唐無稽な見せ場が要所要所で挿入されるため映画全体の温度感が掴みづらく、感情がうまく作品に乗っからないまま映画は終わってしまいました。これは、コメディとしての側面をうまくコントロールできなかった監督のセンスに問題があったと思います。 同時に、脚本上もいくつかの欠点が指摘できます。何年も寝かされてきた企画は、多くの監督・脚本家によって練り上げられていくうちに物語が複雑になりすぎる傾向があるのですが、「ミッション・インポッシブル」のような陰謀や裏切り渦巻く本作の物語も、単純明快だった「特攻野郎Aチーム」のリメイクとしては作り込み過ぎです。また、キャラクターものとしての欠点もあります。ハンニバルが作戦を企画・立案し、メンバー達が各自の特技を活かしてそれを実現するのがAチームなのですが、この映画版においては何故かフェイスが作戦を考えています。集団アクションはメンバーの役割分担を明確にすればするほど面白いのに、なぜハンニバルとフェイスのポジションを被らせてしまったのか。これは理解に苦しみました。 
[映画館(吹替)] 6点(2010-08-23 00:49:17)(良:3票)
31.  トリプル9 裏切りのコード
多数の人気俳優を持て余すことなくそれぞれから良質の演技を引き出しており、同じくスター共演作だった『欲望のバージニア』と同様に、ジョン・ヒルコート監督は良い仕事をしています。特に、マフィアのボス役を演じたケイト・ウィンスレットの迫力や凄みは非常に素晴らしく、彼女は作品の要としてきちんと機能しています。また、見せ場もかなりこだわって作り込まれており、強盗団がちゃんと優秀に見えていた点も評価できます。 ただし、各構成要素はよくできていても全体としては面白くなっておらず、映画としては残念な出来でした。ひとつひとつの構成要素は良いものの、量があまりに多すぎることと、それらを捌くには尺があまりに短すぎることからすべてがアッサリと流されている状態であり、もはや消化試合のような有様となっています。観客に何を感じ取って欲しいのかという観点から全体を構成し、描くものをより絞り込むべきだったと思います。 本作の山場は、トリプル9発動のために相棒・クリスを殺すことに決めたマーカスのドラマにあったと思います。当初は、まったくソリの合わない相棒なんてぶっ殺しても構わないと思っていたものの、その後ヒスパニック系ギャングとのいざこざを契機に仲良くなり、殺しづらくなってしまう。二人の関係性に焦点を絞れば映画に一本筋が通ったと思うのですが、残念ながら監督はこのドラマもアッサリと素通りしてしまいます。これは本当に残念でした。さらには、この部分を重視しなかった結果、一応は主演であるはずのケイシー・アフレックが居ても居なくてもどっちでもいいような状態となっています。これはさすがにマズイでしょ。
[ブルーレイ(吹替)] 5点(2017-01-07 21:01:27)
32.  トールマン 《ネタバレ》 
【注意!激しくネタバレしています】 企画の概要は極めて優れていると感じました。善悪が二転も三転もする展開は面白かったし、『トールマン』というタイトル、果てはホラーというカテゴライズ自体がミスディレクションだったという大胆な仕掛けには唸らされました。ジェシカ・ビールが本企画を非常に気に入り、製作費が底をついた際には自腹まで切ったという入れ込み方にも、素人ながら納得がいきました。これはホラーの歴史に名を残す傑作になる可能性もあった作品だったからです。。。 ただし、企画は魅力的であっても脚本力や演出力はそれに追いついておらず、かなり残念な仕上がりとなっています。まず、ホラー映画としての作り込みが甘いので、大して怖くありません。着地点はホラーでなくとも、少なくとも企画がその本性を現すまでは、全力でホラーをやりきる必要はありました。しかし、ホラーパートは驚くほど簡単に処理されてしまうので、映画としての見所がありません。。。 さらには、ネタが明かされた後のドラマにも魅力がなく、「言いたいことは分かるんだけど、ねぇ」という、何とも残念な状況となっています。ベン・アフレックが『ゴーン・ベイビー・ゴーン』でやったことを3倍くらいに薄めたような内容で、深みがないのです。実の親の元で貧困と虐待にさらされながら生きることと、偽りの家族と共に物質的に恵まれた生活を送ることと、どちらが子供にとって幸せなのか?このテーマを語るのであれば、さらわれる前の子供達がどれほど過酷な環境にいたのかを観客に理解させる必要があるのですが、この映画はそうした描写を怠っており、観客が脳内補完してやらねばならないという状況が発生しています。これではドラマとしては不十分です。
[DVD(字幕)] 5点(2013-03-31 03:49:07)
33.  トロール・ハンター 《ネタバレ》 
M・ナイト・シャマランが『サイン』の宇宙人映像で使用した例が初だと思いますが、それ以降、モキュメンタリースタイルはSF映画の定番となっています。SFに不可欠な空気感をいとも簡単に作り出すことができ、おまけに対象をはっきりと映し出す必要がないため予算も節約できる。『モンスターズ』や『chronicle』等、今やこのジャンルは屈指の激戦区となっています。。。 そこに来ての本作ですが、本作ならではのオリジナリティ、他作品との差別化の程度が弱いと感じました。映画としての出来は決して悪くないのですが、観客も食傷気味となっている当該ジャンルにおいて、この程度のアイデアでは心許無いのです。一応、ラストには60mの特大トロール登場というサプライズが用意されてはいるのですが、比較対象のない雪原での戦いであるため意図した程のインパクトを与え損られていません。トロールハンターのオヤジはいい味を出しているものの映画の顔となるレベルには達しておらず、あらゆる要素が勿体無い状態となっています。。。 映画の出来とは別に私が興味深く感じたのは、トロールが反キリストであるという点です。日本のようにお寺と神社が共存している社会は極めて稀であり、土着信仰は一神教により否定され、駆逐されるというのが歴史の常です。ノルウェーもその例外ではなく、10世紀頃(劇中提示されるトロールの寿命と一致する年代)にキリスト教が本格的に上陸し、土着信仰は駆逐されました。かつて神だったトロール達が怒っている理由はここにあります。さらに興味深いのは、現在のノルウェー国民のうち9割以上はノルウェー国教会に所属しているものの、熱心な信仰心を持っているのはその内の1割程度であり、大多数の国民は便宜上教会に籍を置いているに過ぎない状態にあるという点です。さらには、ノルウェー国民のうちの相当数は、今でもトロールの実在性を信じているとか。土着信仰は形式的には消滅したものの、ノルウェー人の心の中では今なお生き続けているのです。そして、劇中のノルウェー政府がトロールの存在をひた隠しにする理由は、この辺にあるようです。。。 現在、北欧の土着信仰復権運動を担っているのはブラックメタルです。90年代には、キリスト教会に放火する等の過激な事件までを引き起こしています。エンディングにおいて、作品に相応しくないメタル系の音楽が流された理由はここにあります。
[ブルーレイ(吹替)] 5点(2012-12-30 17:43:40)(良:1票)
34.  ドゥームズデイ
見せ場のクォリティは高いし、狙ったB級路線なのだからいちいち目くじら立てず素直に楽しむべき作品ではあるのですが、それにしても設定に穴が多すぎます。30年間も人工衛星で汚染地域を監視し続けながら、あれだけ大勢のヒャッハーな生存者がいることを把握していなかったロンドン政府とか、警察官であるにも関わらず、なぜか特殊部隊の指揮を任される主人公とか、防護服を脱いだ途端に異常に強くなる科学者とか、そもそもあの万里の長城はいつ築いたんだよ?とか。あとひと知恵で余計な疑問を避けられたはずの点で、多くの綻びが見られます。バカバカしい映画は嫌いではないのですが、こうも知恵が足りていない映画には乗り切れません。。。 さらには、オリジナリティも致命的に欠如しています。『マッドマックス2』『ニューヨーク1997』『キャプテン・スーパーマーケット』、本作のベースとなった作品群には、突出したオリジナリティがありました。設定が強引であろうが、世界観が稚拙であろうが、何か一点とんでもなく魅力的なアイデアがあったからこそ、これらの映画は支持を受けてこられたのです。一方本作は過去作品の模倣ばかりで、突出した何かを打ち出せていません。設定は穴だらけ、アイデア貧弱、監督が好きなものを盛り合わせただけの幕の内弁当では、なかなか高評価を与えられません。決して嫌いではないんですけどね。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2012-11-26 17:30:13)
35.  ドライブ・アングリー3D
10年前ならロバート・ロドリゲスが撮っていたような闇鍋アクション映画。個人的に好きなジャンルなのですが、本作にはイマイチ乗り切れませんでした。主人公の能力設定がとにかく曖昧なので、アクションに感情が乗らないのです。無敵の強さを見せたかと思えば、意外な場面でピンチに陥る、2時間弱見ていて手に汗握ることが一度もありませんでした。また、復讐劇ならもっとウェットであるべきだし、勧善懲悪ものならもっと爽快であるべきなのですが、本作はどっち付かずになっていることも不完全燃焼の原因です。きちんとしたお膳立てがあれば目を釘づけにするような素晴らしい見せ場が多く、役者も全員ハマっているにも関わらず、脚本や演出の手落ちのために残念な仕上がりとなっています。
[DVD(吹替)] 5点(2012-01-21 20:16:04)(良:1票)
36.  ドミノ(2005) 《ネタバレ》 
ここ10年のトニー・スコットは、「スパイゲーム」や「デジャヴ」など並の監督では手出しできないような困難な企画を器用に作り上げており、リドリー以上にその手腕には注目しているのですが、ここ最近で唯一のハズレ映画がこれでした。大して難しい企画ではなく、普通に撮ってれば面白い映画になっていたのに、どうしてこんなことになってしまったのかと。前作「マイ・ボディガード」(ヘタレなタイトルからは想像もつかない残酷バイオレンスの傑作)で効果を発揮したチラチラ映像を全編でやってしまい、まったく落ち付かないビジュアル。ドミノの生い立ちなどではその効果を感じたものの、全編に渡ってこれはさすがにやりすぎでしょう。また、話を複雑にしすぎていることも問題でした。この映画の核はあくまでドミノ・ハーヴェイという実在の人物であり、彼女の数奇な生き様を堪能することがもっとも大事なことのはず。にも関わらず、タランティーノも呆れるような複雑な犯罪を後半に持ってきたことから、見ている私達の集中力はドミノから犯罪へとシフトすることを余儀なくされます。これにより、せっかく面白かったドミノと仲間たちの物語が中断される形となってしまいました。ラストの銃撃戦も、相変わらずのチラチラ映像のために燃えるような大アクションとなっていません。スコットの手腕があれば余裕でかっこいい銃撃戦を撮れるのに、必要とされていない工夫をしてしまったことが完全に裏目に出ています。良い題材に、良い役者(ミッキー・ロークの最高ぶり!)を得ながら、要らない工夫のために映画をつまらなくしてしまった珍しいケースだと言えます。。。なお、DVDに収録されている眞鍋かをりによる吹き替えはよく出来ていました。ここ数年のユニバーサルはよくタレントを吹き替えに起用し、その大半は恐ろしくダメな仕上がりなのですが(DAIGOによる「ウォンテッド」には倒れそうになりました)、これだけは例外。決してうまくはないものの、その不安定さがお嬢様育ちの賞金稼ぎというキャラクターと偶然にも噛み合っており、作品の意図と一致しているのです。彼女が汚い言葉を吐く時の無理しているような感じなど、完成されたプロの声優では出せない妙な味が出ています。キーラ・ナイトレイのルックスと眞鍋かをりの声質にも不思議な統一感がありました。
[DVD(吹替)] 5点(2009-08-14 11:42:07)
37.  ドント・ブリーズ 《ネタバレ》 
恐怖シーンにおける豊富なギミックや意表を突く展開など、実によく考えて作られていることは分かるのですが、主人公・ロッキーにビタ一文感情移入できないという点が致命的でした。事故で娘を失った盲目の老人宅に侵入し、事故の示談金を盗んでやろうという発想の時点でクズ。また、自分に惚れていて何でも言いなりになるアレックスを無理に強盗に引き込むという女としてのズルさや、「クズ親から幼い妹を引き離す」という大義名分によって自己の悪事を正当化している点など、とにかくロッキーのすべてが気に入らんかったです。 また、彼氏のマネーがぶっ殺されたり、監禁されている加害者を発見したり、自分自身が孕まされそうになったりと、もはや金なんて言ってられる状況じゃなくなっても金への執着を捨てないという点も受け付けませんでした。最後には、マネーとアレックスに罪を擦り付けて、まんまと金をせしめるという驚愕のクライマックス。空港で妹にオレンジジュースを飲ませてましたけど、ああいうとこのジュースはそこそこ高いんですよ。何人もの命を犠牲にして得た金でオレンジジュース飲ますんかいと、そんな些細な点まで気に入らなかったです。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2017-08-06 13:04:06)(良:2票)
38.  トランスフォーマー/最後の騎士王 《ネタバレ》 
IMAX-3Dにて鑑賞。 日本公開前から前評判の異常な悪さが聞こえてきていたこの最新作ですが、確かにつまらんかったです。ギャグのつまらなさや設定の意味不明さは『1』以来の本シリーズの伝統なのですが、本作についてはそうしたシリーズの問題点が余計に悪化しており、もう本当にえらいことになっています。 しかも本作が重傷なのは、その意味不明な設定を観客にちゃんと理解させようと時間をたっぷり使ってしまっていること。前作までは正義のロボットと悪のロボットが戦っているという構図さえ理解できれば後のことはどうでもよかったわけですが、本作では「人類史にトランスフォーマーが深く関わっていた」という、本当にどうでもいいことがしつこいくらいに説明されるし、そうしてしつこく説明される割りには、タリスマンや杖といったアイテムに一体どんな力があるのか分からなかったり、途中まで杖の争奪戦をやっていたにも関わらず、ラスボスを倒す時にはその杖が大して重要な役割を果たさなかったりと、この監督と脚本家は一体何がやりたかったんだろうかと、本当に不思議で仕方ありませんでした。 もう一点、本作の関係者が罪深いと感じたのは、冒頭の合戦(おそらくベイドン山の戦い)にて円卓の騎士の中に一人黒人がいるということ。北欧神話をモチーフにした『マイティ・ソー』の世界にもなぜかイドリス・エルバや浅野忠信が居て「ハリウッドの人種平等主義はやりすぎではないか」と感じていましたが、本作はその比ではありません。円卓の騎士の名前と個性は広く知られているにも関わらず、そこに人種が違う人間を無理にねじ込んでいるのですから。特に本作では設定を観客に楽しませようとしていたのだから、その前提としては広く知られた歴史を尊重するという姿勢が必要だったはず。前作では中国の地理を無視して中国人を怒らせていましたが、本作ではイギリス人を怒らせるのではないでしょうか。外国に対するアメリカ人の無神経さには、毎度恐れ入ります。 また、肝心のロボットバトルにも前作から特に進化している点はなく、毎回毎回同じようなことばっかやってますなぁと、こちらでも熱くはなりませんでした。予告の時点でさんざん押されてきたオプティマスの寝返りについても、オートボッツと一回ド突き合いをしただけで我に返るというアッサリ加減で終わってしまうし、本作独自の色を出そうとしながらも、結局いつもの形に戻ってしまうという点がもどかしかったです。一時的にでもオプティマスとメガトロンが肩を並べて人類を攻撃するという画でもあれば、盛り上がったのですが。そういえば、あのメガトロンは『ロストエイジ』のガルバトロンと同一人物なのか、それともまったく別ルートで生き返ったものなのか、はたまた『ダークサイドムーン』で殺されたはずのやつがひっそりと生きていたものなのか、その説明すら端折られてましたよね。どんだけ適当な映画なんでしょうか。
[3D(字幕)] 4点(2017-08-05 01:20:45)(良:1票)
39.  トリプルX ネクスト・レベル 《ネタバレ》 
ヴィン・ディーゼルには去られたものの、予算もスケールも前作よりアップし、更なるアクション大作を目指した第2弾。・・・のはずだったのですが、本作は完全に期待外れの出来に終わっています。私は前作をまったく評価していないので、本作についても過大な期待をせずに鑑賞したのですが、それでも本作には楽しめる点がほとんど見当たりませんでした。。。 コードネームxXxは使い捨てであり、ミッションの都度、適任者が任命されるという新機軸が本作より導入されています。今回のxXxはストリート育ちにして元ネイビーシールズ隊員であり、上官への反逆罪で服役中のダリウス。ダリウスが服役するきっかけとなった事件にはギボンズも当事者の一人として居合わせていたのですが、片やダリウスは服役中、片やギボンズはNSAの現場指揮官にまで出世と、この時点で設定に不整合が生じています。脱獄したダリウスはかつて仲間だったストリートのブラザー達を集め、白人エリートが起こそうとしているクーデター計画の阻止に走るのですが、このあらすじの時点で、この映画がどの観客層を取りに行っているのかが見え見えになっているという点でもマイナス。ストリートの黒人が拍手喝采する内容を狙いすぎて、少々いやらしくなっているのです。。。 ダリウスを演じるアイス・キューブは『ゴースト・オブ・マーズ』で宇宙の荒くれを演じた人物であり、B級映画においてはなかなかの存在感を放っています。悪人っぽい顔つきも良く、「毒をもって毒を制す」というこのシリーズのコンセプトは、彼の存在によって前作以上に立っていると言えます。ただし、彼の体型はずんぐりむっくりで手足が短いため、立ち姿やアクションがまったく決まらないという致命的な欠点を抱えています。また、ストリートのワルだった、シールズ時代には名狙撃手だったという設定上の経歴もアクションにはまるで反映されておらず、設定と物語が正反対の方向へ進んでいくというマズイ脚本となっています。。。 冒頭をピークとして、以降は図ったように盛り下がっていき、クライマックスに待っているのは雑なCG丸出しでやる気の感じられないチェイスシーン。『007/ダイ・アナザー・デイ』のリー・タマホリも、本作ではやたら雑な仕事をしており、演出のレベルの低さにも問題を感じさせられました。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2013-11-17 03:22:00)
40.  逃走車
低予算でもそれなりの映画が作れるということもあって、ワンシチュエーションでのサスペンスアクションはここ数年多く製作されていますが、たいていは盛りの過ぎたスターが出演するVシネマです。そこに来て、現役のスターであるポール・ウォーカーが製作までを兼任し、さらには自身の出世作を連想させるカーアクションを中央に据えた映画とくれば、ジャンルの中でも頭一つ抜けた出来を予感させるところですが、これが完全に期待はずれの駄作でした。。。 本作の脚本はネタの詰め込みがとにかく甘く、エンドロールを含めて85分というコンパクトな上映時間でありながら、中弛みをするというどうしようもない事態を引き起こしています。劇中に起こるイベントの数が少なすぎるのです。また、巻き込まれた主人公の動機付けが弱いために、ダメ男が正義に目覚めるというドラマとしての感動も薄くなっています。さらには、社内の様子しか映さないという監督の試みも完全に裏目に出ており、視点が固定されてしまったためにカーチェイスの迫力は半減しているし、俯瞰ショットを使えないために、主人公がどれほどの包囲網の中にいるのかもよく伝わってきません。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2013-09-30 01:03:04)
070.55%
1171.33%
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