Menu
 > レビュワー
 > S&S さんの口コミ一覧。3ページ目
S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2387
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順12345
投稿日付順12345
変更日付順12345
>> カレンダー表示
>> 通常表示
41.  鳥(1963) 《ネタバレ》 
低迷期だったヒッチコックの60年代の作品で、本作が最右翼の実験作と言えるでしょう。まず誰もが驚くのがミステリー・テイストのボーイ・ミーツ・ガール・ストーリーだった前半に、まるでモンスター・パニックSFの様な鳥の襲撃がメインの後半を無理矢理くっつけたドラマツルギーを無視した様な荒技でしょう。そしてヒッチコックにしては珍しく劇中いっさい音楽を流さなかったことも指摘出来るでしょう。鳥の襲撃はやはりジェシカ・タンディとティッピー・ヘドレンの確執のメタファーなんだろうかとどうしても考えてしまいますが、どうもヒッチコック御大はあまりそのあたりは深く考えないで撮ったみたいですね。やはり彼がやってみたかったことは、ブニュエルみたいな不条理劇を撮ることだったんじゃないでしょうか。音楽を流さないところもブニュエルのスタイルを真似ている感じがします。まあそれが上手くいったかは観ての通りで、やっぱヒッチコックには合わないジャンルだったみたいですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-05-27 18:35:19)
42.  徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑 《ネタバレ》 
思えば邦画の歴史の中でも60~70年代の東映で量産されたエログロ映画ほど、徹底して下品で扇情的なラインナップは無いんじゃなかろうか。時代が違うと言っても新東宝なんて子供騙しみたいなもんだし、日活ロマンポルノは比べるのが失礼なほど詩情に満ちた作品が多かったと思います。そんな東映エログロの中でもカルト中のカルトがついにDVD化されるという快挙を成し遂げました、世の中は成せばなるものなんですね(笑)。 だいたい、東大出のエリート社長が「次は牛裂きでいけ!」なんて指示をふつう出しますかね、さすがの牧口雄二監督も眼を白黒させたんじゃないでしょうか。というわけで社長の指令通り牛裂きで血みどろの極致を再現させた前半と、艶笑廓喜劇といった味わいの後半が見事に分離した怪作に仕上がったわけです。でも川谷拓三が絶品の後半パートはそれなりにエログロですが実に味わい深く、牧口雄二もほんとはこういう流れで全篇を撮りたかったんじゃないでしょうか。死んだ捨蔵の声が「これから気ぃつけて生きてゆくんよ」とおさとに語りかけるラストには思わず落涙でした。
[DVD(邦画)] 6点(2013-11-20 21:47:51)
43.  どぶ鼠作戦 《ネタバレ》 
岡本喜八の愚連隊三部作シリーズの中でももっとも切れた脚本と言ってよいでしょう、この映画は。この三部作はそれぞれのプロットはバラバラですが、共通する登場人物はもちろん佐藤允で、とくに本作で彼は最高のキレ味を見せてくれます。彼と藤田進や加山雄三のやり取りは、粋で軽妙の極みで聞き惚れてしまいました。惜しむらくは、サミュエル・L・ジャクソンの決め台詞“Mother Fucker !”と並ぶインパクトがある「ちっきっしょー」が、前二作ほど聞けなかったことでしょう。 藤田進がまたいい味出してるんですよね。坊さんが召集されて中国戦線に派遣されてきたという、いかにもと言うキャラを大らかに演じております。婚礼シーンの火踊りを観ても判る通り、この映画は『隠し砦の三悪人』のパロディみたいなところが有り、その中で彼が嬉々としてセルフ・パロディに興じるとは微笑ましい限りです。ラストなんか、有名な「裏切り御免!」へのオマージュになってますからね。 加山雄三も結局意外な役どころだったわけですが、この人はヒーローよりも脇に絡む役の方が上手いんじゃないでしょうか。もっとも砂塚秀夫の抱腹絶倒ぶりには大負けしますが(パントマイムで見張りを翻弄するシーンはもう最高です)。 あと今さら言ってもしょうがないことですけど、中国人とはちゃんと中国語(たぶん)で話すのは善いんですが、昼のシーンなんかは白文字を使っているので字幕が全然読み取れないことです。これは当時の東宝映画に共通する欠点なんです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-10-27 19:51:22)
44.  ドラム 《ネタバレ》 
あの怪作『マンディンゴ』と同じ原作者の小説を映画化。『マンディンゴ』の姉妹編と呼ばれていますが、あえて言えば『マンディンゴ』のパラレル・ワールドみたいなプロットであります。 ドラムとは主人公である奴隷の名前で、演じるのはケン・ノートンだが役柄は『マンディンゴ』で演じたのとは全然関係はなし。アフリカの高貴な血筋を引いているというのは似ているけど、こっちでは母親が地主の愛人だった白人女と言うところがちょっと捻っています。 ややこしいのがドラムのご主人さまになる奴隷商人で、『マンディンゴ』で最後はたしか死んだはずの長男と同じハモンド・マックスウェルという名前なんです。彼の乳母兼女中頭もルクレチアと同じ名前で、同じ女優が演じているとなると『マンディンゴ』を観た人には頭の中に?がいっぱい湧いてきます。そこら辺はパラレル・ワールドなんだと割り切るのが無難でしょう。 登場人物はみな一段とグロテスクな奴ばかりになっていて、エロ度もアップしております。見どころはウォーレン・オーツとイゼラ・ヴェガという『ガルシアの首』のゴールデン・カップルの再登場で、ヴェガも豪快な脱ぎっぷりでした。最後は奴隷の反乱でウォーレン・オーツとケン・ノートン以外はほぼ皆殺しという結末ですが、反乱奴隷が襲ってくるシーンはまるでゾンビ映画みたいでした。 冒頭の手抜きのナレーションから始まって雑な部分が目立つ映画で、はっきりいって『マンディンゴ』の方がずっとマシでした。
[ビデオ(字幕)] 4点(2013-10-25 21:13:32)
45.  東京オリンピック 《ネタバレ》 
馬鹿な大臣がいちゃもんつけたおかげで「記録か芸術か」と論争が起こったというのは有名なお話ですが、今の眼で見ればしごくまともでオーソドックスな印象さえ感じます。もっと前に『民族の祭典』をリーフェンシュタールが撮ってるのに、当時なぜそんな騒ぎになったのか不思議です。『民族の祭典』と比べれば平凡なもんですよ。それでも市川崑らしさを感じさせられるスタイリッシュなカットも随所に観られ、とくにあの女子80メートルハードルを正面から捉えたショットは、現在では当たり前の技法となっていますが当時は観客をびっくりさせたことでしょう。というわけで、映像に残された当時のオリンピック運営を観察したり日本人の反応を愉しめるのが本作の意義でしょう。■現在のオリンピックと比べると、思った以上に素朴な運営だったんだなとしみじみ思います。マラソンのとき、国立競技場の入口の柱に毛布が巻きつけてあるんです。なぜというと、選手が出入りするときにぶつかって怪我しない様にしてあるみたいです。開会式の晴天は有名ですが、イメージと違ってその後はけっこう雨が降った日が多かったみたいですね。雨天の走り幅跳びなんて、選手の足元は踏ん張ったら穴があくほどドロドロでした。そして見逃せないポイントは、「走る哲人」アベベ選手の力走が堪能できること。ストイックな風貌で、私はこれほど美しく走るマラソン・ランナーは観たことがありません。■実は手違いが怪我の功名になったというあの感動の閉会式の選手入場、今じゃこの「東京方式」がすっかりオリンピック閉会式のスタンダードとなっています。良く見ると選手たちがコスプレやパフォーマンスをしてて、ここだけもっとじっくり見せて欲しいぐらいです。昭和の日本人の精神に多大な影響を与えたもののひとつが、この閉会式が与えてくれた感動だったと思います。■64年のオリンピック招致が決まった時の首相は岸信介、56年後に再び東京オリンピックの招致が決まった時の首相が彼の孫というのは、不思議な因縁ですね(もっとも岸首相は招致には乗り気じゃなかったそうですが)。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-09-23 23:07:22)
46.  ドミノ・ターゲット 《ネタバレ》 
考えてみるとG・ハックマンとC・バーゲンは、『さらば荒野』『弾丸を噛め』本作と70年代に三本も共演しているんですね。すでに俳優業を引退した名優ハックマンですが、彼の生涯最多の共演女優がバーゲンだったとは実に意外です。まあカップルとしては実に不釣り合いな二人というわけだけじゃなく、三本が揃って凡作では映画ファンの印象も薄くなるのもしょうがないところでしょう。 さてこの映画は名匠と呼ばれたS・クレーマーの晩年の作品ですが、やっぱり力量の衰えは隠しようもありません。もともと彼は製作者としての方が高名で、撮る映画も世間を騒がせるようなネタ・テーマで一発勝負というスタイルで監督としてのテクニックや演出力が突出していたわけではありません。陰謀史観がまる出しの妙なテイストのオープニングからちょっと引いてしまいます。極めつけは終盤で襲われるバーゲンをハックマンが助けに駆けつけるシーン、いきなりストップモーションを使われて思わず「ださっ」って舌打ちしてしまいました。 気になったのは暗殺のターゲットが誰なのかを示さず、観るものにそれは大統領だったのではないかと感じさせる撮り方で、わざとその説明を省く見せかたは不気味な雰囲気を盛り上げていてちょっと良かったです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-17 00:16:19)
47.  毒婦高橋お伝
高橋お伝と言えば、最後に斬首で処刑された女囚として歴史に名を残している人物で、その犯罪を脚色した芝居が明治時代に大ヒットしたという、いかにも新東宝にはピッタリの題材です。でもそこは巨匠中川信夫が自身のミューズである若杉嘉津子を起用しているだけあって、詩情あふれる映像で丁寧に撮っています。明治の街並みを再現したセットが新東宝映画とは思えない様な出来栄えなのも見逃せないところでしょう。脚本は所詮講談の焼き直しの様なもので、実在のお伝の毒婦と呼ばれる様になった悪行はかなり薄められているのは不満なところ。でも若杉嘉津子のため息が出る様な奇跡の美貌には、ただただ見惚れるばかりでした。そういや、怪談ものでは話の半分は醜く崩れた顔になっちゃうので、若杉嘉津子と言う女優を堪能するのには本作がベストなのかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-03-02 21:57:52)
48.  突然炎のごとく(1961) 《ネタバレ》 
引っ切り無しに流れるJ・ドリュリューの音楽と詩的ではあるが少々過剰気味のナレーションはこの当時のトリュフォーが良く使った手法で、これは好き嫌いが分かれるところでしょう。このナレーションは美しい修辞のセリフが好きなフランス映画の伝統を引き継いでいて、日本語に訳されていてもなんかいいですよね、言葉遣いが。 男女の三角関係がテーマの映画は多いけど、こういう風に三人がそれぞれ他の二人を愛するというのはなかなかユニークです。J・モローはもう完全に気まぐれな女神で、ジュールとジムは彼女に仕える祭司みたいなものです。とくにジュールは女神さまを満足させるためにジムを同居させてSEXまでさせちゃうなんて、普通に描いたらドロドロものです。そこをトリュフォーはコメディっぽく撮っているのは上手いと思います。 J・モローは不思議な女優で、監督がL・マルとトリュフォーでは雰囲気が全然違うんですね(個人的にはマルの映画のモローの方が好きですけど)。ストップモーションで表情を固定したり、歌を歌わせたり、鏡に向かって化粧を落としてゆくのをじっくり撮ったりして、いかにもトリュフォーらしく彼女をフィルムに残しています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-12 22:44:47)
49.  飛べ!フェニックス 《ネタバレ》 
不時着する輸送機はフェアチャイルドC-82パケットというマイナーな飛行機です。胴体が二本になっているツイン・ブームという珍しい型式が特徴ですが、原作者はこの姿を見て「これだ!」って閃いたのでしょうね。ちょっと飛行機に詳しい人なら、どうやってエンジンの後ろに計器をくっつけたんだよ、などと突っ込みたくなるところですが、フィクションとしては素晴らしいプロットであることは確かです。フェニックス号は飛行可能な機体として実際に製作されていますが、やはり空力的には不安定だったので墜落してしまい不世出の名スタント・パイロットだったP・マンツが撮影中に亡くなってしまいました。J・スチュアートは大戦時に航空隊に志願して爆撃機のパイロットをしてたくらいですから、適役と言えるでしょう。 この映画に出てくる男たちは、J・スチュアートを含めて人格的な欠点を持つ人間ばかりだってところが濃密なドラマ構成に繋がっています。H・クリューガーにやり込められてくさっているスチュアートは、まるで窓際の中年サラリーマンみたいで、全然ヒーローらしさがありません。それにしてもアルドリッジらしいところは、結果として卑怯で臆病な人間が生き残るという実にリアルな結末でしょう。極限に追い込まれた人間の醜さを、綺麗ごとで済まさずにちゃんと描いているところはさすがです。そして、あまり活躍しなかったけど、おサルちゃんが最後まで生き残ったのはホッとしました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-30 19:05:25)(良:1票)
50.  永遠に美しく・・・ 《ネタバレ》 
実は私も、観た回数がいちばん多いゼメキス映画がこれです。やっぱ好きなんですよね。M・ストリープ、G・ホーン、B・ウィリス、この豪華配役でここまでブラックなおバカ映画を見せてくれるなんてもう最高です。ホーンとウィリスはもともとコメディ畑の人ですけど、その二人を完全に喰っちまったメリルの弾けっぷりがまたすさまじい。メリルを軸とした三人の辛辣なトーク・バトルもこの映画の楽しみのひとつです。今後も自分の中では、年に一回は観たい映画としてきっと君臨してゆくでしょう。 ところでお腹に散弾銃で大穴をあけられちゃったG・ホーン、背骨が途切れちゃったのにどうして立ってられるんでしょうか(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-05 20:27:03)
51.  トータル・リコール(1990)
ジェリー・ゴールドスミス入魂の勇壮なテーマ音楽、出来の悪いアメコミの様なおバカなストーリー、不必要と思えるほどの人体破壊に走るグロ描写、となんか全体的にアンヴァランスなんですよね。『ロボコップ』を撮った後だから、ヴァーホーヴェンも確信犯だったんじゃないかな。『ロボコップ』と本作、そして『スターシップ・トゥルーパーズ』の三作は、その後のハリウッドSFに多大な影響を与えたヴァーホーヴェンの偉業だと私は思います(ちょっと褒めすぎかな)。 それにしてもシュワちゃんの拙い演技、ほとんどコメディですよ。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2012-08-11 23:12:14)
52.  Dr.パルナサスの鏡 《ネタバレ》 
主演俳優が急死しても製作が続けられたと言うと、山本政志の『てなもんやコネクション』という大珍作をついつい思いうかべてしまいますが(この映画の場合は俳優が途中で降りただけです)、さすがテリー・ギリアム、まるで始めからこういう脚本だったみたいに違和感なく仕上がっています。このお話し、よく考えるとゲーテの『ファウスト』のパロディ・オマージュなんですね、Dr,パルナサスはファウスト博士でニックはメフィストフェレスというわけです。それを現代に時代を置き換え、コテコテのギリアム流イマジネーションで再構築していますが、ギリアムファンではない人にはこのセンスについてこれないのではと思います。謎の男トニーも一座を救うヒーローなのかと思わせておいて、結局はホントの悪党だったと言うオチは、なかなか意表をついていて好きです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-08 21:30:41)
53.  トゥルー・グリット 《ネタバレ》 
今年のオスカー受賞式ではノミネート作品をパロった紹介フィルムがありましたが、なんでアン・ハサウェイとジェームズ・フランコがクマちゃんの着ぐるみをかぶって馬に乗っていたのか、森の中であの変な歯医者と出逢うシーンを観て初めて判りました(笑)。コーエン映画の特長である“日常の中に突然出現する超現実”が顕れるのは唯一このシーンだけで、後は今までにないほど抑えた演出で実に淡々とした西部劇でした。復讐される対象のジョシュ・ブローリンだって、他のコーエン映画でお馴染みの異様な怪物ではなく、もののはずみで殺人を犯しただけみたいな感じで、その最期もあっけない。その分斬新なカットで1対4の乗馬決闘や息をのむほど素晴らしい星空を見せてくれ、また新しい西部劇の可能性が拓けたような気がしました。機会があればぜひとも映画館であの星空を体験してみたいと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2011-12-06 21:26:40)
54.  突撃隊 《ネタバレ》 
組織になじまない一匹狼だけど技量は抜群というと、同年に製作された『戦う翼』の爆撃機パイロットと思いっきりキャラがかぶるのですが、やっぱりマックイーンは将校じゃなくて兵士役が似合うんですよね、本作のマックイーンはえらくスリムで眼がギラギラしていてまさにオオカミという迫力です。マガジン三本をテープでくくったM3短機関銃は他の映画では観たことない使用法ですがいかにも実戦的で、私の中ではマックイーンのシンボルみたいなものです。ドン・シーゲルの無駄のないスピィーディな演出はB級映画のレベルを超えていますね。そう言えば、同じロケ地で撮ったんじゃないかと思うほどTVの『コンバット』に雰囲気が似てますね、音楽が同じレナード・ローゼンマンだったせいもあるかな。
[地上波(吹替)] 7点(2011-08-01 21:41:41)
55.  突破口! 《ネタバレ》 
「組織のカネに手をつけてしまって、殺し屋に追っかけられる」というプロットは、そう、『ノーカントリー』がすぐ頭に浮かびますね。本作の殺し屋ジョー・ドン・ベイカーはそりゃアントン・シガーに比べられたら分が悪いですが、70年代ではけっこう不気味なキャラでしょう。凄いのは追っかけられるウォルター・マッソーの沈着冷静で狡猾な悪党ぶりで、『ノーカントリー』のジョシュ・ブローリンもマッソーの半分ほどの悪知恵が働けばひょっとしたらアントン・シガーに勝てたかも(笑)。いつものすっとボケた表情を崩さずにあれだけ敵の裏をかく仕掛けを繰り出すとは、ウォルター・マッソーほんと恐るべしです。ラストのなぜか離陸できなくなって地上滑走しかできなくなった複葉機と車の追っかけっこも、いろいろな伏線があった上での計算されたシークエンスなのが見事でした。 そういや同年に製作された『戦闘機対戦車』というTVMの快作がありましたが、どっちが真似したんでしょうかね。
[映画館(字幕)] 8点(2011-05-22 20:55:43)
56.  トプカピ 《ネタバレ》 
『ミッション・インポッシブル』のトム・クルーズがデータ室に侵入するシークエンスは、本作の引用というか再映像化だったんですね。「偉大なオリジナル」は後年になって観ると既視感を持ってしまうのはつきものですが、どうしてどうして、オリジナルの侵入シーンもとても60年代の映画とは思えない緊迫感に溢れていますよ。ロープにぶら下がる「声が出せないイタリア人」というキャラも、ソダーバーグが『オーシャンズ』シリーズで「英語は理解しているのに中国語しか喋らない中国人軽業師」としてパロっていますね。メルナ・メルクーリはいつも通りの陽気で豪快な女傑ぶりでさすがにちょっとあのダミ声には引いてしまいますが、せこい小悪党を演じたらピカイチのピーター・ユスティノフには楽しませていただきました。こういう懲りない連中を観ていると、生きる希望が湧いてきますね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-01 22:51:34)
57.  特攻大作戦 《ネタバレ》 
ご存知『イングロリアル・バスターズ』の元ネタの一本。普通これだけ男を集めた映画ならひとりぐらい女性ファン用に二枚目俳優が混ざるものですが、まあ見事なまでにいかつい悪人面を集めたものです。そして「七人もの」の定番なのは集まった男たちが何か特技を持っているところですが、12人がただ凶悪犯であるということしか特徴がないというのもある意味いさぎよいところです。その12人とリー・マーヴィンをキリストと使徒たちになぞらえるシーンまであり、ちょっと悪乗りし過ぎです。中でも私のお気に入りはウォーデン将軍役のアーネスト・ボーグナインで、この人その後に三作作られた続編に全部ウォーデン将軍で出演しているんですね。それだけこのキャラは観客に受けたってことなんでしょう。前半の訓練パートはアルドリッチらしいごついユーモアに満ちて楽しめて、いざ敵地降下してからは計画は狂いっぱなしで結局12人のうちチャールズ・ブロンソンしか生き残らなかったのですが、不思議と悲壮感が全然ないところも私は好きです。ブロンソンがラストに言う、「将軍殺しが病みつきになりそう」は名セリフです。
[映画館(字幕)] 7点(2011-04-04 20:40:35)
58.  ドラキュラ(1992) 《ネタバレ》 
前半ははっきり言って退屈ですが、アンソニー・ホプキンスのヴァン・ヘルシングが登場してからは俄然面白くなる。このヘルシング博士が、ハンニバル・レクターを思わせる嫌らしい奴で、オールドマン・ホプキンスの二大変態名優がゲップが出るほど濃厚なパフォーマンスを見せてくれます。ウィノナ・ライダーもドラキュラに血を吸われてからの後半は彼女らしいゴスっぷりが爆発で、そうなるとキアヌ・リーブスの影がどんどん薄くなってきてちょっと可哀想なほどです。歴代ドラキュラ映画の中ではもっともドラキュラに感情移入が出来る撮り方で、コッポラの意図はまあ成功したと言えるのでは。
[DVD(字幕)] 7点(2011-01-20 22:59:18)
59.  トラブル・イン・ハリウッド 《ネタバレ》 
『ヒート』『ファイトクラブ』などのプロデューサーであるアート・リンソンが自身の体験をもとに脚本を書いた映画製作の裏側をプロデューサーの視点で描いたバックステージものです。「プロデューサーのデ・ニーロが体験する悪夢の二週間」というプロットなわけですが、彼はその間にショーン・ペン主演の映画を完成させ、ブルース・ウィリス主演の映画をクランク・インさせるのに四苦八苦することになります。ペン主演映画はキース・リチャーズそっくりのパンク野郎みたいな監督が悩みの種で、犬が射殺されるシーンが映画のラストなので試写会の観客や配給会社の社長から大ヒンシュクを買ってしまいシーンを改変しないといけなくなるがパンク野郎の監督は応じない。考えてみれば、劇中劇とはいえ犬が撃ち殺される映像があるハリウッド映画ってたしかに珍しいですし、この脚本はこれがやりたくて書かれたのではとも思えるぐらいです。人間が殺されたり拷問されたりする作品はOKなのに動物が殺されるのはNGというのだから、ほんとアメリカ人ってやつは理解しがたい。 ウィリスの映画は彼自身が大トラブルで、ぶくぶくに肥った上にヒゲぼうぼうの姿で撮影所にやって来て、これまた映画会社はヒゲを剃らないと制作中止だと大激怒。このウィリスが地なんでしょうけど、もう我がままし放題暴れまくり放題で、嬉々としてセルフ・パロディを演じています。 この二つの映画のトラブルはそれぞれオチがあるのですが、観ていて何となく予想した範囲のオチだったのがこの映画の印象を薄くしている原因かと思います。デ・ニーロの私生活でのトラブルも並行して描かれるのですが、それが本筋とはまったく絡まないので余計に散漫な映画になっちゃいました。このジャンルはアルトマンの『ザ・プレイヤー』という傑作があるし観客にも飽きられ気味な題材なので、これ以上製作されても興行的には難しいでしょうね。
[DVD(字幕)] 6点(2011-01-16 22:21:13)
60.  トゥルー・ロマンス
タランティーノが書いた脚本では最良ではないでしょうか。トニー・スコットが監督したので脚本が持っている毒気がちょうどよい具合に中和されて傑作となりました。この頃のトニー・スコットは、21世紀になってからの例のチャカチャカしたぶっきらぼうなカットつなぎでは無いので、テンポの良さがラストまで持続していて良かったです。またこれほど絶妙なキャスティングの映画も珍しく、けっこう豪華な出演俳優がみなそれぞれツボにはまったキャラを演じているのが実に楽しい。「バカップルもの」ジャンルではマイフェバリットです。
[DVD(字幕)] 9点(2010-12-15 21:29:19)
030.13%
1110.46%
2351.47%
31275.32%
42038.50%
535815.00%
644218.52%
761425.72%
842717.89%
91375.74%
10301.26%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS