1. エクソシスト ディレクターズカット版
2000年の公開当時は「なんで今頃エクソシスト?」と思ったが、あらためてDVDで観直してみて、なんとなく監督の意図がわかった気がする。 冒頭の発掘シーンはフセイン政権前のイラクでの撮影だった。それ自体、今(2004年)の目で観ると非常にシニカルなものだ。ディレクターズカット版の製作当時にはイラク戦争の影もなかったはずだが、同時多発テロ以降のアメリカの覇権主義・武力威圧政策が顕著になっている時期であり、アフガニスタンへの武力攻撃などで多くの民間人が犠牲になった。そしてそれは今もイラクで続いている。 映画のテーマはキリスト教的な宗教観に基づいた「善と悪の対立」である。そして、監督及び原作者の意図は「最終的な善の勝利」であると私は確信している。古くから中東・北アフリカのいわゆるオリエントでは、善と悪の対立を根底に持つ宗教が普遍的だった。ゾロアスター教を出すまでもなく、それらの考え方は生活に根強く影響を与え、ユダヤ教やキリスト教やイスラム教の成立に影響を与えている。 ここで「悪」をどう定義づけるかで、映画の思想も大きく偏向したものになってしまう。具体的な「オサマ・ビン・ラディン」や「タリバン」などというものであるはずがない。まして「911のテロリスト」でもあるわけがない。彼らのやったことが好いはずないし、罪のない民間人を巻き込んだテロは憎むべきものである。しかし、もし映画の中で、それらを「悪」の正体と決めつけてしまった場合、結果的に、アメリカが主導したすべての戦争行為を正当化してしまうことになるのではないか? フリードキンはそんなために映画を再編集したのではあるまい。 それは、監督自身の解説で、「悪と戦うための武器は、小さな十字架と聖水とラテン語の聖書、そして、ことばや心である」という趣旨のことを語っている。決して軍隊による戦争を肯定しているとは思えない。穿った見方をすれば「信仰心をもって小さな爆弾を身にまとい自爆テロを敢行する人間」を肯定するかのように受け取れるかもしれないが、ことばや心を重視するのなら決してそんなことはありえない。 この映画は単なるオカルト映画ではない。善はどうあるべきか、悪と戦うにはどうあるべきか、心の平穏を取り戻すにはどうするべきかを観客に訴えているのではないだろうか。ぜひ、DVDで、一度ストーリーを鑑賞した後、再び監督の解説とともに観ることをおすすめする。 8点(2004-07-10 23:38:20)(良:1票) |
2. エイリアン2
「今度は戦争だ!」のフレーズ通り、エイリアンはたくさん出てくるは、軍隊は出てくるはで、ドンパチの派手な面白い作品になりましたね。前作とは大違いです。どちらも楽しめます。個人的にいちばん好きなシーンは、リプリーが女王エイリアンと対決する場面で、女王が指示すると、”働きエイリアン(笑)”たちがスーっと退いていくシーンですね。思わずニヤっとしてしまいました。 8点(2003-11-17 01:51:04) |
3. エイリアン
何とも言い難い謎の生命体エイリアンと戦う人間模様を描いた傑作ですね。シリーズ化された何作もある中でやはり本作がいちばん評価を受けるのではないでしょうか。とにかくお化け屋敷のような「いつ出るか、いつ出るか」とじらす演出は秀逸です。トム・スケリット(ではなく、ジョン・ハートでした(汗))のお腹を食い破って出てくるシーンは、初めて見たとき(コタツの中にうつ伏せになって目の前に画面を置く形で観ていた)、思わずビックリして飛び上がり、コタツの上にあったモノを辺り一面にぶちまけた印象があります(笑)。製作された年代を考えると、そのアイデアといい、エイリアンの造形(ギーガーの悪夢ですよね)といい、秀逸のモノがあります。それにしても(←口癖(笑))、4作目辺りと比べると、やっぱりシガニー・ウィーバーは若いねえ。 8点(2003-11-17 01:16:09) |
4. エネミー・オブ・アメリカ
いやあ、面白かったですねえ。こういうサスペンスは大好きです。日本が情報偵察衛星を打ち上げ、国民総背番号制度の導入が急がれ、新宿や渋谷などの繁華街での街頭監視カメラが稼働中の現在、日本でも同じようなことが現実に起こっても不思議はないのですから、とっても考えさせられる映画ですね。主人公が、悪い奴らなら盗聴や盗撮してもかまわないと思っていた弁護士というのも、あまりにも人権意識の希薄すぎる設定ですが、それによって奥さんの人権意識がクローズアップされる効果になっています。ラストで「敵を監視する者を監視するのは誰が決めるの?」という台詞に重みがありますね。あの猫が爪研ぎしてるシーンが可愛かったです(微笑)。 8点(2003-04-19 17:34:57)(良:1票) |
5. F/X 引き裂かれたトリック
楽しかったですね。主役のブライアンはちょっとマイケル・ケインに似てません?それから、もうひとりのブライアンは、悪役をやったり、「コクーン」では一転していい人だったりね。ゴールデングラブを受賞したけど、亡くなったのでは?やっぱり酒がいけなかったのかな?それと体重。映画は、二重三重のどんでん返しがあって、面白かったですね。「特殊効果っておもしろっ!」って感じです(笑)。 8点(2002-05-08 02:28:04) |
6. エアフォース・ワン
ストーリーは基本的に巻き込まれ型ハラハラドキドキパターンだと思います。ハリソン・フォードは操縦桿を握るシーンが似合います(笑)。最後の、エアフォースワンのコールサインがチェンジするシーンはけっこうお気に入りなんですけどね。 8点(2002-05-04 17:23:13) |
7. エルム街の悪夢(1984)
お風呂に入って眠くなる時ってあるんだよねえ。そんなときに股間からかぎ爪が出てくるのって、怖いねえ、エロいねえ(笑)。あのモチーフってその後いろいろな映画やドラマでパロディになってますね。そういう意味でのエポックメーキング的な作品です。ああ、可愛い女の子と一緒にお風呂に入りたい(笑)。 7点(2004-05-16 20:50:33) |
8. エンティティー 霊体
バーバラ・ハーシーのおっぱいが見えない手に揉まれるシーンとか、大好きでした(笑)。奴の正体はいったいなんだったんだろうね? 7点(2003-11-18 16:53:40) |
9. エンテベの勝利
知ってますよ(笑)。そこそこ楽しめたんだけどなぁ。「イスラエル万歳!」って感じかな(笑) 7点(2003-11-18 16:52:27) |
10. SFソードキル
仮面ライダー! 冷凍保存されていたのが生き返るという設定も面白いですが、現代のアメリカによみがえった侍の美学を楽しめる作品です。アメリカ人の解釈による”なんちゃって日本”があちこちに顔を出し、「ちっ!こんなのおかしいじゃねーかよ」というのが目白押しですが、それでも充分楽しめました。 7点(2003-11-18 16:49:21) |
11. SF巨大生物の島
さすがハリーハウゼン!こういうの楽しいですね。とにかく大きいのが動くのが面白い。 7点(2003-11-18 16:46:35) |
12. エクソシスト
マックス・フォン・シドーが寡黙な神父を好演しています。特撮が取りざたされますが、背景にあるキリスト教的哲学が垣間見えるのも面白いですね。音楽が耳から離れない(笑)。 7点(2003-11-18 16:43:35) |
13. 駅馬車(1939)
たしかに馬の疾走するシーンは凄い。ストーリーは単純。まあ西部劇の記念碑的作品という位置づけは認めざるを得ませんが、個人的な評価はさほど高くないという感じでしょうか。 7点(2003-11-18 16:41:38) |
14. エネミー・ライン
ストップモーションやスローモーション、ズーム・退きを多用した映像的な演出が、私には目新しく感じられました。皆さん挙げられている「アメリカバンザイ」には目をつむります(笑)。こういう映画はハラハラドキドキを楽しむものだと思いますから。ところで、ネット友達の元航空自衛官(パイロットです)の方の話(彼のアメリカの友人のパイロットの話)では、F18は扱いにくく不評なジェット機だそうです。それだから撃ち落とされちゃったんですかね?(笑) いろいろと感じたこと列挙します。 (1) 皆さん突っ込みのジャージ姿のスナイパー、あれだけ追跡能力があって忍耐力もあるはずなのに、なんで最後の最後にあんな間抜けな行動しちゃったの!(笑) それと、彼、なんとなくテレビシリーズ「燃えよ!カンフー」のデビッド・キャラダインに似てませんか? (2) 衛星からの追跡シーンで、虐殺現場に隠れたシーンは、なぜか「プレデター」のエイリアンから見たシュワちゃんの場面を連想しました。しかしすごいですよね。あの解像度は!上空から監視されてるのかと思うと、迂闊なことはできません(笑)。 (3) 海兵隊を載せたヘリが到着した後、「彼らは地上に降りないんじゃ意味無いジャン!」とマジで思いました。乗ったまんま撃墜されたらどうするんだ!って。で、その敵役の奴らなんですが、なんでもっとヘリを攻撃しないの?早目に撃墜しちゃえば、そのあと主人公をとっつかまえることだってできたはずなのに。 (4) ストーリー的には、かなり面白く見ていたんですが、主人公が救出された後の数分がとても冗長で、あの母艦上の場面はカットした方が好かったですね。私が演出したら、助けられたヘリのシーンでストップモーションにして、字幕でその後の経緯を流します。このラストシーンがあるだけに、8点にはできません。 7点(2002-09-04 04:49:14) |
15. 英雄の条件
映画の予告編を観たとき、観たいなと思った映画です。サミュエルの敬礼の意味が何なのか知りたかったからなんですが。同じ軍事法廷ものとして、なぜかメグちゃんの「戦火の勇気」を思い出してしまいます。そこで、トミーとデンゼルを比べてしまう。法定シーンに関しては後者の勝ち。問題を作るきっかけの戦闘シーンに関しては前者の勝ち。で、敬礼の意味は理解できなかったです。私がベトナム人だったら、返礼しないと思う。 7点(2002-05-04 17:39:34) |
16. 栄光のル・マン
この作品と「グランプリ」は、この時代を代表するレース映画ですね。マックイーンが格好いいんですが、やっぱりマシンのかっこよさと森の静けさが好対照をなしていて、時代の最先端を行っていたメカと、大自然という素材とが、なぜか融合していたように感じます。スパ・フランコルシャンにしても、ル・マン・サルテサーキットにしても、はたまたニュルンブルクにしてもホッケンハイムにしても、ヨーロッパのサーキットは森がよく似合いますね。 7点(2002-05-04 17:30:16) |
17. エンド・オブ・デイズ
《ネタバレ》 書いていたと思ったら、書いてなかったんだね。シュワちゃん主演のアクションものとしては、なんか竜頭蛇尾で終わってしまった印象が強いです。悪魔が復活するためにひとりの女性を狙うという設定は、他の作品でもいくつも取り上げられているし目新しいものではありません。また、悪魔の魅力にしても、ガブリエル・バーンは「仮面の男」ほど輝いてなかったし、不気味さという点では、「エンゼル・ハート」のロバート・デ・ニーロや「ディアボロス」のアル・パチーノと比べるともの足りませんでした。なによりも、エンディングだなあ。家族再会でめでたしめでたしですか。ミレニアム直前に作られた世紀末ものとしては、小粒な印象が否めません。 6点(2004-11-25 20:28:40) |
18. es[エス](2001)
置かれる立場によって人格までもが変わってしまうことの恐ろしさ。集団ヒステリーの怖さ。権力を持った人間の傲慢さが描かれた怪作ですね。全体のトーンが暗くて、救いようのない虚しさだけが伝わってくるのが辛いです。そこがドイツ映画らしいといえばそうなのかな。 6点(2004-11-19 17:36:20) |
19. えびボクサー
タイトルや予告からコメディを予想していた私は、(好い意味で)裏切られたという思いでいっぱいです。この手の作品を配給する会社も、もう少しタイトル考えた方がいいよ。トレーナーとボクサーとその彼女が、それぞれの人生を観直すロードムービーといった感じで、エビは出汁に使われた(←上手い表現でしょ?(笑))というのが結論ですね。あの種の生物に愛情やら共感があるかどうかはわかりませんが、無表情なシャコ(あれはエビではないでしょ)に対して、なんらかの感情を読みとろうとしている私がいました。良くも悪くもイギリス映画という雰囲気で、モンティ・パイソン・シリーズなんかをふつうに受け入れられる人には大丈夫な作品ですね。そうじゃない人にはウケないだろうな。少なくとも私には、同時に観た「28日後」よりも好きかな。 6点(2004-08-29 17:49:13)(良:1票) |
20. エンゼル・ハート
《ネタバレ》 卵食べます?(笑) ミッキー・ロークが嫌いなので、ざまあみろという思いでデニーロの悪魔に肩入れしていました。でもそれだけだね。 6点(2003-11-18 23:29:01) |