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アングロファイルさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1000
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 レビュー数が1000に達したということで、活動を停止します。(今のところ)仕事がひじょうに忙しいので、映画を楽しむゆとりがありません。落ち着いたら再開するかもしれませんが、とりあえず未定です。

皆さま、ありがとうございました。縁があったらまたお会いしましょう。

※変更要望は出すかもしれません。

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1.  日本のいちばん長い日(1967) 《ネタバレ》 
序盤は記録フィルムも使っての状況説明ですが、非常にテンポがよく飽きさせない。仲代達矢の語りもなかなかの名調子。このテンポのよさ、歯切れのよさが全編を貫いており、下手をすると収拾がつかなくなるような話をうまくまとめています。そのためか長さも気になりませんでした。  内容自体については、とにかく「見ればわかる」ことですが、陸軍の青年将校たちはやはり自分たちの目先のことしか頭になかったと思われます。そのあたり、大局を見て行動していた内閣の面々との対比も出ていたと思います。自分たちの体面や主義のためならば、国民や国体や天皇までも利用するという独善性。たとえば、天皇が終戦を決定したのは重臣にたぶらかされたからだと主張していますが、冷静に考えれば、現人神であるはずの天皇が臣下の者にだまされるものなのか。畏れおおくもその天皇を意のままにしようとしているくせに、都合のいいときには軍を動かすために「軍隊では上官の命令は絶対」と言う。利己的な小人の矛盾した行いであり、彼らの計画が頓挫したのも当然の帰結と申せましょう。とはいえ、そんな彼らを生み出したのも日本の政治家・軍隊であったわけで、そのあたりも突っ込んでもらえるとさらによかったと思います。  出演者で印象に残った人は多いのですが(というか多すぎる)、特記したいのは伊藤雄之助と小林桂樹。前者は常に悲壮な表情でセリフをまくし立てるよりも説得力があり、後者の徳川侍従はいかにも謹厳実直でこの人にぴったりの役でした。  まあなんにせよ、とにかく「面白い」映画であることは間違いないでしょう。その面白さの一因は全体からあふれ出ている熱気であり、それが熱に浮かされたような戦争末期の状況をよく現していたと思います。おそらく製作現場も、熱気にあふれていたのでしょうね。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2015-09-13 11:32:22)
2.  ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版 《ネタバレ》 
最初の劇場公開版の方が評価が高いようですが、私はこちらの方がよかったです。前半は、復元されてやっと話が見えたところもあったし(隣村の映画館と連携するところなど)、単純に鑑賞しやすくなっています。後半、帰郷したサルヴァトーレがエレナと再会するあたりが、評判よくなさそうですね。が、あの一連のエピソードがあるから、サルヴァトーレの過去が清算される。つまり、「アルフレードの死」、「エレナとの再会と、最後の日にあった出来事の真相」、「エレナが残したメッセージの発見」、「ニュー・シネマ・パラダイス座の破壊」はすべて、サルヴァトーレが“アルフレードの呪縛”から解き放たれるために必要だったのです。そのとどめがアルフレードの最後の贈りもの、つまり、彼が「俺が保管する」と言っていたフィルムを返してもらうことだった。あのフィルムを見ることによって、サルヴァトーレはやっと自分自身の足で歩くことができるようになった、本当の意味でふるさとから旅立つことができたのだと思います。それからのサルヴァトーレは、心から愛し愛される人とも巡り会うことができるでしょう。私は劇場公開版を「懐古趣味の映画」、つまり過去にとらわれた物語だと感じたのですが、この完全版は逆に未来を向いており、その点でこちらに軍配が上がります。 それにしても、編集することでこれだけ印象の変わる映画に仕上げるとは、この監督には恐れ入ります。と同時に、改めて編集の重要性を認識しました。まあ、重要なエピソードがカットされていたのが、もっとも大きな原因でしょうが。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2010-04-10 13:38:35)(良:2票)
3.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 
最初にリバイバルで見たときは、宇宙ステーション内の背景が白い場面で字幕がほとんど読めず、イライラしました。あまりよくわからなかったのは、それも一因ではないかと思います。のちにテレビで放送されたときは、吹き替えなので台詞がわからないということもなく、おぼろげながらおおよその見当はついたようです。今回久しぶりに見直してとりあえず気づいたのは、『サイボーグ009』の天使編や、『新世紀エヴァンゲリオン』の人類補完計画の元ネタでした、ってことでしょうか(笑) おそらくこういう映画に点数をつけるとすれば、満点か零点かの二択でしょうが、個人的には特に思い入れがないのでマイナス1点しておきます。それに傑作かと問われると、さてどうでしょうとなりますし。大いに示唆に富む作品ではあるでしょう。 あと、欧米産の作品として、やはりキリスト教との関連は見逃せないでしょう。そもそも猿人が登場するところで創世記を否定していますし。リヒャルト・シュトラウスの『ツァラトストラはかく語りき』が使われているのも、単なる効果ではなく、ニーチェの書物を題材にしたということがポイントだと思います。とはいえ、欧米人の宗教観は実感できないので、そのあたりは単なる想像になりますが……。まあ、こちらの想像力を大いに刺激する映画でもあるので、それはそれでよしとしましょうか。 NHKでの放送を録画してあるので、改めてそちらでも楽しみたいと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2013-10-02 20:00:42)
4.  二等兵物語 《ネタバレ》 
こういう名画が隠れていたとは、まだまだ映画の世界は深いです。前半は隊長の愛人がらみや悦子さんの伯母さんなど、かなり笑わせてくれます。後半は柳田親子を巡る話を中心に、軍隊の無茶ぶりを描写。このあたりはほかの戦争映画にもありますが、戦争が終わると知って物資を確保しようとする上等兵たちに、主人公凡作が思いっきり逆襲するのが見もの。こちらも胸がスカッとして、持って行き方がうまいです。ここですばらしいのは、凡作は「集団における信頼の大切さ」を説くのですが、これが軍隊批判にとどまっていないということ。学校におけるいじめが大きな問題として取り上げられている昨今、この信頼の重要性は胸に響きます。こういう意味で、今の時代にも通じる作品であると思います。ただ、最後の「平和が続く機械」というのは、ちょっと感心しません。平和というのはモノではなく、人間の心で維持していくものだと思いますから。 とはいえ、全体としてはすばらしい作だと思います。あまり知られていないようですし、ソフトも廃盤のようですが、もっと多くの人に見てもらいたい映画です。シリーズの2作目以降も見てみたいですね。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2012-09-10 21:18:12)
5.  ニュールンベルグ裁判 《ネタバレ》 
裁判(法廷)ものって、集中して見てしまいますね。証人の証言、それに対する尋問、検察側と弁護側のやりとりと、見るべきところがわかりやすく、気をそらせるものがないので、ついつい引き込まれてしまいます。この映画ではそれに加え、戦争犯罪者をどう扱うのかという点が問題があり、白熱した議論が交わされるのですからなおさらです。 ただ、いわゆる三権分立、つまり司法の独立という観点からすると、国家のために行動した被告人たちは、初めから有罪が確定しているようなものです。ところがなにしろ冷戦時代、ドイツ国民を味方につけるため無罪にしろと軍から横槍が入る……。やはりここが、この映画のキモであると思います。こんな状況で判決を下す判事。そして文字で語られるその後の経過。判事の下した理想と現実を対比させ、静かに問題提起したラストはすばらしい。 この映画については予備知識もあまりなく、さして期待せずに見始めたのですが、大いに裏切られました。このような名作にめぐり会えたことに感謝。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-09-30 11:27:30)
6.  肉弾(1968) 《ネタバレ》 
コミカルな、しかし軽薄ではない映画。とはいえ、笑いを取り入れることによって生まれる「軽み」が、シリアスな部分を強調して全体を引き締めています。ちょっと中盤ダレて少々長いかと思わせましたが、最後まで見るとそう長いとも感じない。ラストに現代に漂着するあたりがたいへん辛口で、「苦さ」よりも「辛さ」があとに残る作でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-12-25 20:06:51)
7.  人間の條件 第四部 戦雲篇 《ネタバレ》 
最後の戦闘シーンは、本物を使っているだけに迫力があります。それにしても、あれだけの戦車が相手では、負けは決まったようなもの。相手が条約を結んでいたとはいえ、本土から遠く見捨てられていたことがよくわかります。根本的に兵を大切にしない軍隊は、日本独特のものだったのでしょうか。 今回、梶と鳴戸が怒りを爆発させる場面がありますが、抑圧された展開ばかりなので、ああいうところも必要でしょう。それで何か解決したわけではありませんが。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-09-30 13:45:49)
8.  人間の條件 第三部 望郷篇
今回もまた、凄みのあるできでした。このシリーズは、主人公の梶のみならず、脇役陣に魅力を感じます。特に「国境の向こうに理想郷がある」と言ってあちらに越えていった新城には考えられます。戦後の日本では理想の国だと思って海を渡った人もいましたからねぇ。病院での看護婦・丹下とのやりとりが印象深いです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-09-30 13:34:00)
9.  人間の條件 第二部 激怒篇
捕虜脱走だけであれだけ話を保たせるというのも、たいしたもの。第一部より面白かった。王享立の存在感、渡合の悪辣ぶりが強烈でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-09-29 17:21:13)
10.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
印象をひとことで言うと、「懐古趣味の映画」でしょうか。時はまさにレトロブームのまっただ中。本作では、映画が娯楽の王様だった頃が懐かしくも楽しく回想されています。特にお客の騒ぎっぷりは、陽気なイタリア人らしいし、いかにも娯楽が少なそうな田舎の村が舞台というのも、効果を上げています。常連客は個性豊かで、映画を見ている人を映すだけでこんなに面白くなるとは思いませんでした。改めて考えてみると、どんな名画でも見ている人がいなければ、ただ布きれに光を当てているだけです。そういう視点に立てば、映画館では「観客こそが主役」であると言えるでしょう。その事をあざやかに描いてみせるあたり、監督は本当に映画が好きなんだろうなと想像します。 お話としては、やはりトトの少年時代が楽しいです。「子供と動物には勝てない」とはよく言ったもの。青年期もそれなりにいいのですが、よくある青春ドラマのパターンに陥ってしまい、強いインパクトを残さなかったことが残念です。しかし、観客の面白さはあいかわらず。そしてトトを育てるアルフレードの存在。主人公の「人生の師」として理想的なキャラクターで、作品を非常に締まったものにしていました。 映画館が本来の主役(?)だけに、破壊される場面ではこちらも感無量の気持ちになりました。その後、トトがエレナを映したフィルムを見るシーンもいいですね。それに比べると、ラストシーンはそれほどでもありませんでした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-10 20:21:19)
11.  ニュージーランドの若大将 《ネタバレ》 
これもなかなか面白かった。設定は前作を受け継いでいるのに、話は微妙につながっていないというのは、最初の「大学」と「銀座」の関係に似ています。そこまで意識したのかどうかはわかりませんが。 今回もとにかく、有島一郎の久太郎が面白い。特にマトンの肉を「うまくない、口に合わない」とか言いつつ独占して食べまくるところは、爆笑もの。今回はうつみみどりに振られるのですが、やはり若大将に慰められて飲みに行くシーンも、いい味を出しています。田能久では江口夫妻はさすがに落ち着きましたが、江口が若大将と共にオーストラリアに行って、節子さんや青大将とのからみもあるなど、出番がさらに増えて嬉しいかぎり。酒井和歌子はちょっと大人っぽくなって、けっこう焼きもち焼きに。このあたりは大学生時代に戻ったようです。 風俗面では「モーレツ」が流行語になっていて、デートにいくのはゴーゴー喫茶、女性にはミニスカートが流行というのが見て取れます(節子さんもけっこう短い)。そういえば、「モーレツ」はテレビのコマーシャルから生まれたわけですが、それが映画でも使われているというあたりにも、時代の流れを感じさせます。ただしテレビ自体は、ほとんど画面に現れないのですが。 不満点は、青大将の扱いが悪いこと。節子さんにしつこく迫ってうっとうしいし、女の子のお尻を触るなどエロおやじ化しています。また、自動車メーカーが協賛しているためか国産車に乗っているのですが、青大将といえば学生時代には決まって外車に乗っていましたから、違和感があります。それと、オハラ氏のエピソードが、消化不良でした。 これ以外は、かなり楽しめる作になっていました。スポーツの要素がなくなりましたが、それが幸いしたのか恋愛・会社・田能久がバランスよく配分されています。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-01-17 20:47:20)
12.  日本一の若大将 《ネタバレ》 
これもなかなか面白かった。青大将は前2作と違い、江口に代わってマネージャー役を引き受けるので、出番も多い。しかもちゃらんぽらんなのでしょっちゅう騒動を起こす、澄ちゃんに横恋慕すると、作中で占める割合も大きいです。若大将と2人で話を引っ張っていくという印象。これは田中邦衛さんも人気が出るでしょう。女性陣では、団令子が田村奈巳に交代したのですが、星由里子・北あけみと並んでいると、違和感というかどうもしっくり来ない感じがしました。 話のテンポは速くポンポンと進み、観ているこちらを飽きさせません。前半の江口の恋愛話、後半の合宿での騒動など、展開が早くて楽しめました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-10-25 19:41:04)
13.  にごりえ 《ネタバレ》 
一人の監督によるオムニバスですが、それぞれの長さがだんだん長くなっています。見やすく工夫されています。全体として光というか「灯り」を生かした演出が印象的で、特に第1話での提灯の使い方などうまいと思いました。アップと引きの使い分けもよかったです。第2話では動きのあるカメラで、変化をつけています。 内容的には、主人公がいずれも「行き詰まった状態にある女性」であることが共通していますね。その行き詰まりに変化を与えるのは、いずれも男性。女性一人ではにっちもさっちもいかないというのが、時代を感じさせます。もっとも変化といっても、事態が好転するわけではありません。第1話のせきは結局現状に堪え忍んで生きてゆかねばならないでしょうし、第3話に至っては心中で幕を閉じます。第2話は一応ハッピーエンドのように思われますが、伯父さんの借金はまだまだ残っていますし、問題を先延ばししたにすぎません。それでもこれが一番人気があるのは、将来に対する希望を感じさせるからでしょう。私も第2話がもっとも気に入りました。 原作は読んでいませんが、当時女性が置かれていた立場、それに対する樋口一葉の考えなどをきちんとすくい取って、ていねいに映像化したという印象を受けます。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-08-02 07:41:11)
14.  にあんちゃん 《ネタバレ》 
そうか~、これは『キューポラのある街』の原点のような作品ですね。貧しい家族の物語であるだけでなく、きょうだいの絆を描いていることも共通しています。一応長男の長門裕之が主演ですが、実質的に下の2人が主人公ですね。厳しい現実ながらも子供らしく遊ぶ場面があり、要所要所にユーモラスなシーンも挟まれていて、題材ほど暗さを感じさせないのがよかったです。最後に楽天的とも思えるほど未来に希望をもっているところは、やはり時代を感じさせます。当時は東京の情報などほとんど入ってこないでしょうから、未知なる世界へのあこがれはかなり大きかったと思います。それと、子供だからということも大きいのでしょう。今の子供はこれほど将来に希望を持てるのかと、思わず考えさせられました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-07-28 20:03:39)
15.  二百三高地 《ネタバレ》 
これはまた見ごたえがありました。最初に当時の状況説明があり、戦争に至るまでの経緯が簡単に語られるわけですが、いざ開戦となると戦闘の連続で、いったい何のために戦っているのかが忘れ去られそうです。実際に戦っていた人たちもそうだったのかもしれません。乃木に代表される軍上層部と、前線に立つ兵士を均等に描いたのは大変よかった。これによって戦争というものの全体図がつかめますし、反戦の意図が明確になります。この上層部ー前線兵の関係は、現代企業の管理職ー労働者(特に非正規の)に通じるところがあります。小賀を親露的な人物としたのは、あざといですが効果は上がっていました。特撮は東宝のスタッフが出張してきていますから、こんなできでしょう。東映の映画でこんな特撮が見られるというのは、なんだか嬉しい。休憩前の演出は、やはりヘンでした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-07-21 22:27:10)
16.  人間の條件 第六部 曠野の彷徨 《ネタバレ》 
いよいよ完結ですが、前作に増して哲学的・観念的な会話が出てきます。しかし、結局梶は三千子に会えない。というか、三千子の生死自体不明のままです。思想を語ったところで生き延びられるわけではないというのが、戦争の現実であり、このシリーズの核でしょうか。裏返せば、思想を語れるのは平和な証拠のなのでしょうね。 それにしても、最後になって桐原に制裁を加える梶は怖い。第一作で私的制裁を糾弾していたのと同じ人物とは思えません。これは、戦争の場にあっては個人の思想など用をなさないということを、端的に表しているのかもしれません。 終盤やや駆け足気味だったことが残念でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-10-04 22:30:54)
17.  人間の條件 第五部 死の脱出 《ネタバレ》 
題名通り、命をかけた脱出行が延々と続きます。本作での梶は、落伍者が出てもしゃにむに突き進むところがやや人間離れしてきて、これまでよりマイナスのイメージです。強行軍の合間に哲学を語るのも、どうかと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-10-04 22:22:54)
18.  人間の條件 第一部 純愛篇
6部作の大河ドラマなので、本作だけ取り上げてもどうかとも思いますが……。しかしまあ、こういう言い方をするのもどうかと思いますが、かなり面白く見ました。引きつけられて目が離せません。全編リアルな演出であることにも、魅力を感じました。 それにしても、梶も人間。岡崎も人間。戦争という状況があるにせよ、非道な仕打ちをするのはその人間の本質が出ただけではないかと思います。じゃあ「人間の條件」って何よ、という疑問が湧いてきます。何でも悪いことは戦争のせいにするのは、いかがなものでしょう。戦争は人間がひき起こすものです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-09-29 17:15:12)
19.  二十四の瞳(1954) 《ネタバレ》 
一昨年だったか小豆島に行って、二十四の瞳映画村にも立ち寄りました。そのとき原作を買って読んだのですが、実はそれが初読。本作も今回初めて見たのですが、かなり原作に忠実で、「大石先生アカ疑惑」もちゃんと描いていたのは意外でした。もっとも原作と違って、やや唐突というか、とってつけた感じがしましたが。 さて、原作でも映画でも、どうもある種の居心地の悪さというか、違和感を感じてきました。これは作者が社会主義者であるためかと思っていたのですが、映画ではそれほど強く主張しているわけではないので、少し違うようです。おそらくは、お涙頂戴物を好まないという私の嗜好から来ているのでしょう。後半の大石先生は泣いている場面がやたらに多く、正直ウンザリしてきます。 ただそれ以外にも、時代の変遷というものが大きいと思います。公開当時、大石先生や生徒の親・級友のように、戦死した人を悼み悲しむ観客は大勢いたでしょう。それゆえ、作中人物の悲しみを自分の悲しみとして共有できました。しかし現在では、戦死した人を知っている日本人は少ないでしょう。震災などの災害で家族や知り合いを亡くしたとしても、そうしたものに巻き込まれて死んだ人と、自ら戦争に赴いて死んだ人を同次元で語っていいものやら。今日この作品を見て泣くというのは、「可哀相だから」という、幸せな人間がいわば他人事として見ることによるところが大きいのではないかと思います。それはそれでいいのですが、どうも私はそういうのが苦手というか、可哀相だから涙するということがありません。 ということで、やはり最初の分教場編がもっとも好みに合っています。とくに、生徒たちが大石先生を尋ねようとして歩き続けた末、バスに乗っていた先生に出会えて泣きながら抱きつく場面が印象に残っています。私にとって本作は、このシーンで記憶に残る映画となるでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-08-16 21:32:29)
20.  人情紙風船 《ネタバレ》 
長屋の様子や町の風景、特に建物などは江戸時代の風情が出ているような感じがして(実際にどうだったのか、もちろん知るよしもないが)、丁寧に作られているという印象。人物描写も個性が出ていてよいです。お駒・忠七カップルがどうからむのかと思っていたら、なかなか面白く使いました。このあたりとか、毛利宛の文の使い方は、あいかわらずうまいです。とはいえ、口角泡を飛ばして絶賛するほどの出来とも思えません。まあ、普通にいい映画という程度のものでしょうか。 それにしても、山中・三村コンビというのは、威張っている奴、権力を笠に着た奴がとことん嫌いだったんでしょうなぁ。もしも戦後まで活躍していたら、松本清張を原作に映画を撮っていたかもしれません。そういえばこの2人は、同い年でしたね。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-12-20 20:16:50)
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