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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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21.  パラノーマル・アクティビティ 《ネタバレ》 
殺人鬼やモンスター・ゾンビを登場させて、派手な流血を好むと一般的に思われているアメリカ人としてはなかなかユニークな作品を作ったという印象。恐怖を与える存在が具象化されることはなく、音や影や足跡などを利用して得体の知れない“存在”で驚かせる発想やアイディアはそれなりに評価したいところ。 また、(実際には大して起こらないが)何かが起こるかもしれないという人間の感じる恐怖感を上手く煽り、恐怖感を効果的に利用するできているのではないか(個人的にはそれほどの恐怖は感じなかったが)。製作者の計算なのか、予算の関係なのかは分からないが、観客の“恐怖”が発散されずに最後まで“維持”されていくので、ラストに上手く繋がっていく。さらに、素人のような俳優、ブレまくるカメラの映像、いい位置にセットしてある寝室のカメラなどのマイナス的な要素も逆手にとって効果的に利用している。しかし、全体的に作り込みの甘さ、粗さ、稚拙さも目立つ作品(意見は分かれるかもしれないが、「ブレアウィッチ」の方が作り込み度は高かったと思われる)。 低予算による試験版のようなものなので、この程度でも仕方がないかもしれないが、もうちょっとだけでも丁寧に作成し、もう少し様々なアイディアを盛り込むことができていれば、評価はもっと高まっただろう。夜間に突っ立っているだけ、突然ベランダに行くといったネタもあるが、ラスト付近で突然おかしなことを言い始めるといった“不気味さ”などをもっと前面的に押し出してもよかったか(ラスト後の余韻は評価)。序盤は楽観的な雰囲気を出していてもよいが、楽観が悲観に上手く変わるような演出も求めたいところ。 ところで、やむを得ず、渋谷で鑑賞することとなったが、観客層が非常に若かった。 驚いた声を出す・隣の連れと常にしゃべり続ける・前の席の後ろに足裏をくっ付けるような体勢で見るといったように鑑賞態度は非常に悪かったが、リアルに感情を表してくれるので、本作のような作品を鑑賞するにあたっては、悪くはない環境だった。 予告編や紹介VTRなどを見ていると、ラストではだいたい“アレ”が来ることが分かるので、自分は構えることができたが、不意を付かれると相当にビビルようだ。 後ろの席から、どれほどビックリすれば、そのような衝撃を与えることができるのかと思えるほどの衝撃が自分の席を直撃した。 映画よりも、それが一番ビビった。
[映画館(字幕)] 6点(2010-02-20 13:41:41)(笑:1票)
22.  パブリック・エネミーズ 《ネタバレ》 
評価しようと思えば、いくらでも評価はできる作品には仕上がっている。 映像面においては、素晴らしいシーンや素晴らしいアングルなど、見所で溢れている。 例えば、森の中でデリンジャーが銃を乱射するシーンを映しながら、相手の動きまでをも同時に捉える場面などには唸らされる。また、個人的に気に入ったのは、“静”から一気に“動”へと展開していく演出だ。冒頭の脱獄シーン、銀行強盗シーン、アパートやクルマの中にいる捜査官を襲う各シーンなど、少なくとも4~5ヶ所はそういった演出を試みている。このような演出により、作り物らしくはないリアリティさは生まれている。ただ、マイケル・マンらしい臨場感のある演出は冴えているが、映画としては面白みに欠けるような気がする。 特に、人間ドラマが希薄のように感じられた。ジョン・デリンジャーという人物がはっきり言って見えてこない。人質に取った女性にコートを貸してやるところを含めて、もちろん断片的にはどのような人物かは分かるが、デリンジャーに共感したり、彼の生き様に感動したりはできにくい。ジョニー・デップの圧倒的な存在感により、彼の姿は確かにカッコよくは描かれているが、彼の内面を深く描けば、もっともっとデリンジャーは輝きを増したのではないか。本作のメインになると思われたデリンジャーと恋人のビリーの肝心な関係も深くは描かれていない。深まりそうになったところで、逮捕されてしまうので仕方がないところはあるものの、彼らの関係には物足りなさを覚える(ラブシーンは綺麗に撮られていたが)。 デリンジャーとFBI捜査官のパーヴィスの関係も何も伝わってくることはなく、パーヴィスの執念といったものは感じられない。出番の少なかったフーヴァーの方が存在感を発揮するようではダメだろう。緊迫感を伴って追われる者を描くためには、追う者の存在感が強くなければ、面白みがなくなる。 そして、デリンジャーとその仲間たちの関係もイマイチなので、初見では誰かが死んでも、訳の分からない奴が死んだとしか感じられない。FBIサイドとしても増強したメンバーを含めて、彼らの存在感が強くはないので、この部分においても面白さが感じにくい(見に行く映画を当てるというシーンなどはあるが)。 人間ドラマをメインにしたタイプの映画ではないということもできるが、ストーリー上の面白さを感じにくいタイプの映画になってしまった。
[映画館(字幕)] 6点(2009-12-13 22:32:18)(良:2票)
23.  ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝 《ネタバレ》 
あまり期待していなかったせいか、それほどつまらないとは感じなかった。 むしろ、イエティやドラゴンが登場するなど、盛りだくさんの内容となっており、飽きずに楽しむことができる。 レイチェル・ワイズが降板してしまい、ジェット・リーの出番も少なく、ストーリーもご都合主義万歳であり、練りに練られた脚本とは言いがたいが、万人が楽しめる作品に仕上げようとしている。 「どうやってこのピンチを脱出するのか」というドキドキ感がなく、先が全く読めない作品でもないので、傑作とは言いがたいが、気軽に楽しむ映画としては落第点ではないと思う。 また、詳細には書かないが、「ハムナプトラ」の「3」の作りや構造は、基本的に「2」と変わりがない。 はっきり言って、エジプトから中国へ舞台が変わっただけのほとんど焼きなおしに近いものであり、このシリーズが好きな人には楽しむことができるようにという製作陣の意図が感じられる。 オコーネル夫妻のキスシーンを見た息子の反応や、カバンに入れられた大量の武器を親子で競い合うシーンなどは、このシリーズを観た者には特に楽しめるだろう。 既存のシリーズと大きくズレることなく、期待を大きく裏切らなかったので、続編としては悪くないものとなったのではないか。 少なくとも「インディ・ジョーンズ」や「ナショナル・トレジャー」の続編に比べれば、あまり文句のないものに仕上がっている。 さらに、中途半端であり、深くはないが、素直になれない父子関係、息子を心配する母子関係、夫婦関係、恋愛関係、三角関係などの定番の基本的なネタは盛り込まれており、努力の成果は見られる。 肝心のオチはつまらないものだったが、オチのつまらなさは予想通りなので、全く驚きもしなかった。 観ている途中から、これは大したオチにはならないと思っていたので、あの程度でも「まあ、こんなところか」と納得できた。 素晴らしいオチを付けてくれると期待すると、裏切られた感が強くなるかもしれない。 気になるのは、ハリウッドの若手俳優の層の薄さだ。 もし、オコーネルの息子に華があるスターをキャスティングできれば、彼の息子が活躍する新シリーズを展開させることもできただろう。 ルーク・フォードは特別悪くはなく、落第点というわけでもないが、個性を発揮できたとはいえず合格とはいいがたい働きだった。 少なくとも、彼を主役にすることはできないだろう。
[映画館(字幕)] 6点(2008-09-02 03:16:19)
24.  ハンコック 《ネタバレ》 
深みは全くないが、十分楽しめる内容になっている。気合を入れて観るというよりも、夏の暑いときにボケッとしなかがら眺めるには最適ではないか。そういう製作趣旨の映画と感じられた。 シャーリーズ・セロンにも鑑賞前は全く分からなかったサプライズがあったのも大きな裏切りとなっており、前半と後半で雰囲気がやや異なる点も面白い作り。 前半は「嫌われヒーロー・ハンコックの更生とヒーローとして認められるまで」を描き、後半は「スミスとセロンの関係」を中心に彼らの正体や秘密が描かれており、前半と後半で二度美味しい映画となっている。 ただ、面白いのも事実だが、物足りないのも事実。 意外と簡単に更生してしまうハンコックなど、軽さと重さのバランスの取り方がこれで適していたかどうか判断するのは難しい。 あまり重くすると一般性を欠き、これ以上軽くすると非難を浴びる。 一般的に好まれる作品を目指せば、この程度で妥当だったかもしれない。 個人的には、もうちょっとスミスとセロンの関係を重めに描いて欲しかったところだ。 彼らの関係というのは、軽くはないと思われる。 互いに引き合いながら、近くにいればいるほど自分達の能力が無力化していき、かつ敵を引き寄せるという設定はメチャクチャでもあるが、面白い設定でもある。 スミスのカラダに刻まれた傷の深さだけでも、彼らの長年に亘る関係は奥深いと分かる。 彼らが愛し合えば愛し合うほど、スミスたちの体が傷ついていくので、彼らが別れと出会いを繰り返しているということが分かる。 それだけ二人の愛情も深いはずだ。 セロンは今の旦那とも上手くいっており、ようやく幸せをみつけたと言っていたが、今の旦那とスミスとの間で葛藤があってもいい。 セロンに葛藤なかったので、こういう葛藤が生まれようもないが、スミスにもセロンとともに暮らして、人間として生きるか、ヒーローとして生きるかという葛藤が生まれるとさらに深みが増したかもしれない。 このような葛藤の結果、セロンは今の旦那を選び、スミスはあれほど嫌われていたにも関わらずヒーローとして生きる道を選べば、もっとココロに残るストーリーになったかもしれない。 もっとも、能力がないのにスミスを庇うセロンや、セロンを救うためにフラつきながら飛び出していくスミスの姿を見れば、お互いがお互いのことを真剣に考えているのはよく分かる作りにはなっていると思う。
[映画館(字幕)] 6点(2008-08-23 23:24:11)(良:1票)
25.  バスキア 《ネタバレ》 
つまらはないが、面白くもない映画。 面白くない理由は、バスキアの「人生」や「苦悩」があまり見えてこないからだろう。 彼の「人生」の苦悩は確かにきちんと描かれてはいる。 貧乏時代の友人を失い、愛してくれた恋人を失い、支えてくれた画商を失い、「成功」を手に入れたはずの男がどんどんと「大切なもの」を失っていく。 「成功」したことによって、豊かになるのではなく、どんどんと貧しくなっていく様がきちんと感じられる。 また、自分の生い立ちにコンプレックスをもち、成功しても黒人ゆえに“下”にみられてしまうことが彼の人生に悲劇を生んでいるようにも思える。 偽札かどうか調べられるというキャビアの購買エピソードは面白いものだった。 レストランでの食事の際にも、白人の金持ち連中に自分がバカにされているのではないかと疑心暗鬼になり、彼らの分まで彼らに知らせずに払うという方法でしか、自分を満足させることができなくなっているエピソードは彼の人生を描き出していると思う。 そのように精神的に貧しくては、アーティストとして優れた作品を残すことはできないのだろう。 ヘロインによって身を滅ぼすのが分かる仕組みになっているが、肝心の彼の姿がどこか薄く感じてしまう。 大きな理由としては、他のキャラクターがあまりにも強烈なインパクトを発揮しているので、主人公の姿が見えてこないのではないか。 シュナーベル監督は画家だけあって、作家ではないというのが分かる。 主人公の内面を深く深く掘り下げて描くことはできていない。 一方、面白く感じられる理由は、まさに画家というビジュアル面の面白さだろう。 ウォーホルの死を聞き、取り残される「アヒル」がまさに画家的な描き方ではないか。 「夜になるまえに」ほどではないが、映像の面白さはやはり天性の才能を感じられる。 だが、肝心のバスキアのアートがあまり美しく描かれていない気がする。 本作を見ても、バスキアのアートがまったく印象に残っていない。 印象に残っているのは、冒頭のピカソのゲルニカ、中盤のウォーホルの小便アート、終盤のオールドマンが演じた画家がキャンバスに大量の陶器のようなものを貼り付けたアート(シュナーベルの得意分野)である。 バスキアの芸術の凄さではなく、他の芸術家の凄さしか感じられないのでは、「バスキア」という画家を描いた作品としては評価することはできないのではないか。
[DVD(字幕)] 6点(2008-03-16 02:15:42)(良:1票)
26.  バンテージ・ポイント 《ネタバレ》 
このシナリオを普通に映画化した場合、巷に溢れるただのテロリスト映画になってしまうので、このスタイルを取ることで他の映画と差別化を図ることができたことは評価できる。また“オチ”を最後まで引っ張ることができ、観客にいい緊張感やヒントを与えることができるので、映画における“仕掛け”としては面白いものとなっている。 ただ、バカ正直過ぎるというか、ご丁寧過ぎるというか、あまりにもクド過ぎるのが難点だ。大統領暗殺事件を多角的な面から捉えるのは結構だが、あそこまで繰り返し描かれると「いい加減にしろ!」と思う人もいるだろう。 そもそも「羅生門スタイル」とは、同じ事件の受け取り方がそれぞれの主観等によって婉曲されるという点に面白さがある。同一事件が受け取り側によって同一ではなくなるので、事件の真相を炙り出すために繰り返し描く必要がある。いつまでも事実が変わらない同じ事件をここまで繰り返し描く必要があっただろうか。 また、豪華キャストを用いているが、キャラクター造型に関しては、ほとんど工夫がなく、個性が全く感じられないのも問題だ。 激しいアクションでも髪型や服装もあまり乱れていないデニス・クエイドが超人的なタフガイ過ぎることも問題だが、彼の内面が全く描かれていない方が問題だ。 過去に大統領暗殺を食い止めたもののシークレットサービスの仕事に“恐怖感”を覚えているという設定があまり活かされていない。 さらに、彼の存在を敵側が利用するという設定がややボンヤリとしている。 その他にも、何がしたかったのか分からないマシュー・フォックスや「弟!」を連呼する登場人物など、単純化されすぎたキャラクターばかりが登場する。 そして、自分の記憶が確かならば、最後の救急車を運転していたのは男性だったはずだが、最後にああいうオチを持ってくるのならば、運転手は女性という設定にした方がよかったのではないか。 あの女性はハビエルの弟を殺すのを躊躇していたので、あれがいい前フリにもなっただろう。「誇りに思う」と自爆テロを行う連中が一人の少女のために重大なミッションを諦めるとは思えない。 ラストはツメの甘さが目立ち、やや拍子抜けの幕切れとなった印象を受ける。 仕掛けやカーアクションなど、なんとなく面白かったと感じさせるが、あまり印象には残らない映画になってしまったのではないだろうか。 どこかもったいない映画となっている。
[映画館(字幕)] 6点(2008-03-13 00:33:10)(良:4票)
27.  ハンナとその姉妹
この映画には「詩」のような雰囲気を感じた。 とくにストーリーもなく、繰り返される日々の日常から、「人生」や「人間」の意味を感じ取っていくしかないという映画。 人生を深く考えたところでも答えなんて出るものではない。人は皆、自分の本音なのか、建て前なのかも分からず発言したり考えたり行動したりもするが、結局のところ川の流れのように人生も流れていくところに流れていく。答えなんてものは後から分かるものなんだというように感じた。 このストーリーで多くの登場人物がいるにもかかわらず、かなり調和がとれた優れた映画であるのは素晴らしいが、アレン演じるミッキーが役柄上必要なんだが、どうにも違和感を感じる。彼は唯一「人生の意味」を真面目に考えようとして、その結論をつける重要なキャラクターではあるので外すことはできないのだが。 また、三姉妹ということもあり「インテリア」テイストを多めに捻じ込んだのも本作のテーマからすると余計だったかなという気もした。 素晴らしい傑作になり得た作品だけど、このテーマを映画に仕立てるのが難しすぎて、うまくまとめ切れなかった感を受けた。
[DVD(字幕)] 6点(2006-01-03 07:01:39)
28.  バーレスク 《ネタバレ》 
アギレラの魅力は存分に発揮されており、彼女のファンならば十分に楽しめるだろう。 歌とダンスに主眼が置かれており、それを堪能する目的は果たせるはずだ。 アギレラだけではなくて、アカデミー賞女優のシェールがさすがの貫禄をみせており、彼女の出演が本作には欠かすことができないものとなっている。 悪役を含めても比較的善意あるキャラクターが多く、重苦しさやドロドロしたものなどは存在しない。 アギレラの魅力を最大限に伝えるために、アイドル映画のようなアプローチ自体は間違いではないと思うが、これが正解だとも思えない仕上りにはなっている。 この映画に関してはストーリーを気にする必要がなく、ストーリーに文句を付けるのはお門違いということは十分分かっているが、いくらなんでも浅すぎはしないか。 身内もおらず天涯孤独の身であり、苦労を重ねてきたという設定ではあるが、本作では能天気で苦労知らずのわがままな女性とも映ってしまった。 なんらの挫折も苦悩もなく、好意を寄せる二人の男性を手玉に取った小悪魔的な存在ともいえる。 本作に決定的に欠けていることは“挫折”だろう。 とんとん拍子で成功していくだけでは“深み”がない。 “夢”には成功と挫折が付き物ではないか。 田舎から出てきた娘が大した苦労も苦悩もなく夢と男をゲットする、そのような映画に深みがあるはずはない。 夢を掴むために、苦悩を乗り越えるパワーをもっと感じたかったところ。 ストーリーが十分なものではないと、せっかくの歌のシーンも単なるミュージックビデオのようなものにもなってしまう。 ストーリーや自己の心情などと掛け合わすことによって、足し算ではなくて掛け算的な効果が生じるが、本作にはあまりそのような効果はなかった気がする。 シェールの貫禄を除けば、ぞくぞくする様な感覚にはなれなかった。 また、窮地を救った最後のオチはちょっと意外なものであり、アレはアレでも面白いが、プロフェッショナルならば、自分の技能で師匠に“恩返し”するべきではないか。 歌やダンスに主眼が置かれた作品なのに、最後はそれとは関係のない方法で物事を解決してしまうというのは、いかがなものか。 師匠から何かを学び、その師匠を超えていくような“ミラクル”を起こしてこそ、映画の醍醐味といえる。 他のミュージカル作品に比べると、やや物足りなさを覚えたので、評価は低めとしたい。
[映画館(字幕)] 5点(2010-12-24 00:24:15)(良:2票)
29.  ハンティング・パーティ 《ネタバレ》 
「言っていることは分かるけど、結局何が言いたかったの?」という映画。 ジャーナリスト魂を描きたいというよりも、「戦犯をCIAや国連は野放しにしている」という事実を伝えたいとしか思えない内容だ。 フォックス(実在のカラジッチをモデルにしている)はセルビアの英雄と目されている人物であり、そんな人物にアメリカのCIAが手を出したら、国際情勢が混乱するというのは明白だろう。そういった微妙なバランスが存在すると思われるので、CIAは手を出したくても手を出さない、手を出せるけれども手を出さないという政策的な判断をしているのではないか。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の背景を詳しく知らないので、偉そうなことは言えないが、彼が大虐殺に関わっていたとしても、彼を捕まえることで「万事解決」という単純なものではないはずだ。本作を見る限りでは、ボスニアには紛争の傷跡・悲劇の爪痕が色濃く残っているようであり、火種を再燃しないということに専念しているのではないか。 また、ドキュメントで行きたいのか、フィクションで行きたいのか、やや中途半端となったのも大きな問題か。トンネル後のストーリーは完全なフィクションと思われるが、本作のフィクション部分がかなり幼稚だ。ジャーナリストはあくまでもジャーナリストであり、警察でもなければ、CIAでもなく、ましてや正義のヒーローでもない。 「彼に会って虐殺の真相や彼の信念をインタビューしたい」というものならば納得できるが、「何の策略や計画もないのに彼を捕まえたい、恋人を殺された復讐をしたい、金が欲しい」という内容に納得できる観客は少ないだろう。 何とか面白くしようと思い、脚色をどんどんと加えていくうちに、大切にすべき方向性を見誤ったような気がする。 見ている最中は、「ひょっとして、こいつらジャーナリスト魂なんてものは持ち合わせておらず、ただただ生死の狭間で体験できる独特のスリルを味わいたいだけじゃないのか。戦争や紛争がなくなった(実際にはまだまだ絶えないが・・・)ので、ただ危険地域に足を踏み入れたかっただけじゃないのか」と思っていたが、そういった意図もなさそうだ。 題材的には面白そうなのだが、「ジャーナリスト魂」を感じさせる内容になっていないのが残念だ。彼らは危険地域にわざわざ近づく、ミーハーな人間と同じではないかと思ってしまう。
[映画館(字幕)] 5点(2008-05-23 22:45:31)(良:1票)
30.  ハーモニーベイの夜明け
見方によっては深いテーマを扱っていると思うが、はっきり言ってあまり面白くはない。 特に終盤は嫌が応にもショーシャンクの想像してしまうし、見終わった後、このタイトルを付けた理由もなんとなく分かります。 冒頭のグッディングjrの写真を使ったやり取りの分かりづらさから嫌な予感がしたのだが、この監督は演出が上手くないような気がする。 出世しか頭になかったテオ、父親への愛僧が込められた複雑な想いを抱えるリン。 そして安らぎと調和の取れた生活やゴリラの家族を奪われて、「奪う者」を導いた責任の重さから自分と人間(「奪う者」)に対する怒りを抱えるイーサン。 三人の心の動きや変化、そして出会いによってどのように変わったか等、いかようにも面白くかつ感動させることができる舞台が揃っているのにそれが上手く演出がされていないと感じる。 テオは確かにマジックミラーに余裕で合図したり、「(イーサンの)心を開かせてやる」と自身満々で語っていたりしたが、受刑者に平等を与える等、元々の根が最初から真面目過ぎていて、どうにも成長や変化が感じられない。 リンは「なぜ(私ではなく)あなただけに話すの?」とテオに最初の頃は語っていたが、もっと父親への憎しみや愛情を表に出すべきではなかったか。 イーサンが持ち続けた写真への繋がりからいって大事な部分だと思う。 イーサンを演じたホプキンスの演技は評価されても良い、かなり素晴らしい出来だったと思う。 しかし、テオは「イーサンによって人生や生き方を教えられた」と言っていたが、果たしてイーサンの生き方から、この文明社会を生きるために必要な何かを教えられたことはあっただろうか。 むしろ「自由は夢ではない」と教えてくれたテオの言葉の方がより重みはあった気がする。 本当に悪くないテーマだけに勿体無いという想いを感じさせる映画だ。
5点(2005-03-06 03:26:08)(良:1票)
31.  バッドサンタ 《ネタバレ》 
ビリーボブソーントンのまさにハマリ役の役柄。 「バーバー」の時のようにソーントンにはやはりタバコが似合う。そして酒と女も彼にピッタリ。 まさに彼の素に近い気もするけど、どことなく「チョコレート」を演じていた彼を思い出せるような雰囲気も醸し出していた。 自分のクソみたいな人生、なんとか変えたいけど全く変わることもなく過ぎ去っていく虚しさを感じさせる。 酒に逃げても逃げ切れず、そんな人生に嫌気をさして自殺をしようとしても上手くいかない。 ソーントンの惨めな人生だけど、メチャクチャな名前の男の子との出会いが少しだけ彼を変えていく。 その少しの変化がなんとも言えず良い。 頼まれていた色も実は合っていなかったりするんだけど、この辺りは凄い良かったと思った。 でも、この映画を支えるブラックな笑いは自分にはちょっと合わなかったなあ。 クスリとする部分はかなりあったけど、笑いの感性が合わないのか。微妙な感じがする。 爆笑できたのが、ボクシングのシーンくらいで、あんなのコテコテの笑いだからなあ。 しかし、二人の出会いが二人の絶望的な人生を少しだけ変えられたような思いを感じられただけでもココロが癒された感じがして良かったと思えた。
5点(2004-12-13 01:30:12)
32.  パンチドランク・ラブ 《ネタバレ》 
何を伝えたいのか趣旨がよく分からないところもあるが、「狂っているのはオマエだけじゃない。世の中どこか狂っている。キレたくなる衝動は分かるけれども、どうせキレるのならば、いい方向にキレてみよう」というメッセージとして本作を受け取った。 恋愛にキレて、恋愛に狂ってみたら、ドンヨリと曇った世界も、虹色のような世界(ハワイ)になるということか。 彼が愛用している青いスーツも、ブルーの気持ちを代弁しているのかもしれない。  事故を起こす車、壊れかけのピアノ、マイレージのルールの歪み、応援しているのか苛立たせているのか分からない家族、H系の電話なども、世の中が狂っていることを言い表しているようにも感じるが、個人的にはそのどれも上手くはハマれず、共感するには至らなかった。 頭で理解しようとするのではなく、まさに感じる映画なのだろう。 個人的な率直な感想としては、共感しにくいので、あまり好きなタイプの映画ではなかった。 また、ストーリーを楽しむよりも、映像の面白さを楽しむのも手だろうか。 好き嫌いが大きく別れそうな映画だ。
[DVD(字幕)] 5点(2004-06-25 15:29:52)
33.  バットマン・フォーエヴァー
人間の二面性、憎しみからの復讐の空しさ、トラウマなど前作から繋がる人間の暗さ、心の闇にも焦点を当ててはいる。でもやっぱりバートンの創り出した世界とは違う。 ヴァルキルマーのバットマンは頑張ってはいるが、やはりイメージとは違い違和感がありすぎる。 バットマンの自分よりも、ウェインの自分の方がいいとキッドマンから言われたときの「ニヤリ」の表情とかは良かったんだけど。  バットマンシリーズは、主役のバットマンよりも悪役の方に焦点が当たることが多い。 しかし、トゥーフェイスはイマイチと言わざるを得ない。 人間の二面性を映画のテーマにしているのに、全くその特徴が出ていない、昔は検事だったらしいのに。前の二作に較べて存在感もない。  ジムキャリーのリドラーはなかなか良くは見えるが、ふと振り返るといつものジムキャリーをそのままやっているだけかもしれない。  ロビンはどうでもいいが、ロビンはバットマン自身の過去の自分の姿なんだから、復讐に燃えるロビンとバットマンの対立をもっと深く描ければ良かったと思う。 出てきて何もせずにとっ捕まるくらいなら、思い切って、ロビンを参戦させずに復讐の空しさを説いて今回は戦わせないというストーリーでも個人的に良かったのに。 ラストはひどい、コイン投げは人を馬鹿にしている。 
5点(2004-04-30 16:20:21)
34.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 
他のコーエン作品のレビューでも同じ事を書いているが、面白い設定の割には、あまり面白さを感じさせない不思議な作品になっている。騒々しさだけは伝わってくるが、基本的にはあまり中身がないためと思われる。徹底的に自己中心的でアホな連中を登場させたり、徹底的なブラックさでグロく攻めてくれれば、多少は評価できるが、評価できる部分が見当たらない。本作のラストにおいて自己評価しているが、「何の教訓も得られない作品」としか言いようがない。コーエン兄弟はアカデミー賞を受賞したので、あえて“中身がない作品”を作ろうとしたのだろうか。 この手の作品は、“単純な複雑さ”が求められるものだ。本作は、単純なことを回りくどく描いているだけのような気がする。 Aの行動をBが疑い、Bのその行動をCが疑い、Cのその行動をDが疑い、Dのその行動をAが疑うようなものが“単純な複雑さ”といえるケースになるだろう。 「全身美容整形手術費用をフランシス・マクドーマンドが欲しい」という基礎となる根っこがあり、「マルコヴィッチから金をふんだくる」というところまでは悪くはないが、そこから話が上手く転がっていない。CIAやロシアといった面白いファクターもあるのに、有効利用されていない。マルコヴィッチは、マクドーマンドのことをギャングかロシアのスパイと勘違いして、動揺して金を準備して、そのマルコヴィッチの不審な行動を、妻のスウィントンは離婚のための資産隠しと誤解するというように上手く転がせないものか。“データ”も“金”というアイテムも上手く活かせていないので、面白くなりようがない。 それ以外にも、執筆者であるマルコヴィッチは気づいていないが、ブラッド・ピットが手に知れたネタが実は重要機密が書かれており、CIAとロシアをも巻き込んだ騒動になるという王道ネタにすれば、まだ面白くなったのではないか。 オチに関しても、上手くオチているようには思えない。 「実はAが○○だった」というどんでん返しもなく、バタバタした挙句に訳の分からない拍子抜けのオチで逃げてしまった感が強い。CIAがマクドーマンドの主張を飲む理由も分からず、最低な“オチ”といえる。「実はマルコヴィッチはロシアのスパイであり、マクドーマンドの行動がロシアの利益に合致した」でも、「実はブラッド・ピットが○○○でいなかった」でもいいので、“オチ”をマジメに考えて欲しかった。
[映画館(字幕)] 4点(2009-05-06 21:37:31)(良:1票)
35.  パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト 《ネタバレ》 
ラスト1分間だけは面白いが、残りの2時間余りは面白くもつまらなくもない可も不可もない映画。一言でいえば、冒険映画だけれども全く冒険しない無難な仕上りとなっている(既存の映画のごった煮的な作り)。 問題はディズニーとかブラッカイマーではなく、監督のゴアヴァービンスキーでしょう。彼の作品は何本か観たけどリズムやテンポが致命的に悪すぎるし、盛り上げ方や緊張感の出し方など全く考えていないような気もしてしまう。まだ、マイケルベイの方が数倍マシではないか。いいドル箱シリーズだけに他の監督の演出だったら、もっといい作品になっただろうと悔やまれてしかたない。 監督の演出だけが悪いとは言えないにしても、今回は悪役も含めてそれぞれのキャラクターが全く輝きを欠いている。ジャックスパロウも今回も頑張っていたけど、前回よりもやや存在感を欠いた印象。前回のようなサプライズアカデミーノミネートは今回はないだろう。 ウィルターナーは今回は主役ともいっていいはずなのに、ビックリするくらい全く存在感が感じられない。むしろノリントンの方が存在感あったような気がした。 エリザベスは今回最重要の役柄だったけど、あまり苦悩というか、行動の理由付けが感じられなかった。伏線は張ってあるので脚本は問題ないはず。 <ネタバレ注意>演出の何が問題なのか具体例をあげると、ターナー親子がデイビージョーンズと賭けをする際のやり取りなどは、自分の命を賭けているのだから最大に盛りあがってしかるべきである。しかし、緊張感も感じられず、「この三人さっきから何やってんだ」っていう風にしか自分には見えなかった。ただ単に鍵の在りかを探るだけにせよ、その後も鍵の強奪も簡単に事が運びすぎる。「これで観客がドキドキするだろうか」と観客を意識して本気で創っているのかと疑いたくなる。ただ単に脚本をスケジュール通りに撮っているだけじゃないか。 また、最大のラストのエリザベスとジャックスパロウのやり取りも淡々としすぎている。これはキーラの演技もやや足りないと感じたが、あまり観客に訴えてくるものがなさすぎる。あのシーンには色々な感情(キーラのジャックとウィル両者への想いなど)が混ざり合ってしかるべきだ。  脚本の問題としては、宝箱の中身は大した事ないけどラストまで明かすべきではなかっただろう。途中で明かさなければ、観客の緊張感がちょっとは違ってくるはず。
[映画館(字幕)] 4点(2006-07-16 16:39:50)(良:3票)
36.  パール・ハーバー
鑑賞前は、観るに耐えないほど凄まじい駄作という期待感を持っていたのだが、観終った第一印象としては、怒りで手が震えるほどというものでもないかなという感じがする。0点を付けようと思っていたのに、やや期待ハズレだった。 もっとも、観終わった後に「結局何がやりたかったんだ」という印象は確かに持ったが。 史実がどうのこうのとか知識がないため自分には分からないが、ブラッカイマーとマイケルベイの映画に対して史実と違うと怒るというのは、彼らの今まで創ってきた映画を見れば、ちょっと筋が違うかなという気もする。例えが悪くて申し訳ないが、プロレスを八百長だと文句をつけるのと同じような感じがする。 史実云々よりも、この映画の最大の欠点は「長さ」ではないだろうか。決して「長い」映画を否定するつもりは全くないが、「長さ」に見合う「質」が問われるべきだろう。 この映画には残念ながら、「長さ」に見合う「質」が圧倒的に足りない。 真珠湾攻撃をテーマにしているにも関わらず、レイフとダニーとイブリンの三角関係や、レイフとダニーの友情などを描くというのは、なかなかのチャレンジャー精神が感じられ、それほど悪い設定でもないと思う。しかし、描き方が非常に甘すぎる。もっと重厚かつシリアスに彼らの関係を描くことができれば、真珠湾攻撃の悲劇との相乗効果があったのかもしれない。 残念ながら、彼らの関係が中途半端に軽い感じに描かれてしまっているため、「空虚さ」が二乗三乗され、映画が虚しく感じられるようになってしまっている。せっかく爆撃シーンがよく撮れているのに相当勿体無いと思う。そのため結局、何を伝えたいのか分からなくなってしまっている。戦争の悲劇も何も伝わらずに、単なるアメリカ万歳の映画で、普通の感覚の日本人を怒らせるだけの結果となってしまっているのではないか。 マイケルベイの映画というのは本当に難しいと思う。 看板だけ見ると「バッドボーイズ」は刑事モノと思うし、「アルマゲドン」は宇宙モノ、「パールハーバー」は戦争モノと思うのだが、中身が想像とは全く違う別モノを観させてくれる。看板と中身のギャップが、ある意味では観た人の失望に繋がっている気もする。
[DVD(字幕)] 4点(2005-07-16 19:40:24)
37.  バレエ・カンパニー 《ネタバレ》 
途中まではそこそこ面白いかなと思ってたけど、話が膨らみかけた所で終わってしまった感じ。 結局アルトマンは何がしたかったのか?という疑問だけが残る。 バレエの美しさを描きたかったのか、それともバレエカンパニーという集団内における特異な人間関係を描きたかったのか。 どちらも確かに描かれてはいた、嵐の中のダンスは確かに素晴らしかったが、はっきり言って人間関係の方は中途半端という印象を拭えない。 主役を取るための争いもなければ、演者と演出家との確執も中途半端、バレエをどうしても踊りたいという情熱もなければ、プレッシャーや食事制限に負けそうな人物もいない、かなりぬるい世界が描かれてはいたが、そんな中途半端な映画の中にも一人だけ目に付いた人物はいた。 ミスターAである。彼だけは一人バレエに情熱を燃やしていた人ではないだろうか。 金策に頭を悩ませながら、市長には頭を下げに行き、ダンサーが怪我をしないように舞台には絶えず注意を払い、雨が降ればダンサーが足を滑らせないかを心配する、自分とダンサーの意見が激突してもダンサーの才能を認めてかフォローはちゃんとする、ベテランダンサーがわがままを言っても演出家との関係でそそくさと帰ってしまう姿、恐らくスポンサーの関係でねじ込んだと思われるヘタクソなダンサーがいるのも金に困ってのことだろう。 そしてダンスが終わった瞬間、一人大声で「BRAVO!」と叫ぶ続ける彼の姿にはバレエに対する大きな愛を感じる。 良かったのは彼一人であとははっきり言って主役を含めて印象が薄い。 別にドキュメンタリーを取りたいわけではないのなら、やはり一本のバレエを仕上げていく過程や苦労を描く方が面白かったと思われる。 演者になれるかどうかの激しい競争をし、勝ち残っても脱落していく者、才能があっても怪我をする者をきちんと描き、死ぬほどの努力と押しつぶされそうなプレッシャーそしてようやく一本の作品が出来あがる。 そして出来あがった作品中での怪我で苦労して勝ち取った役を降りざるを得ない、そういう過酷ともいえる試練を描いてこそ夢を掴むまでの大変な世界を我々が感じ取れるのではないだろうか。 そういうきつい世界だとすれば支えてくれる恋人の存在も重要になってくる。二人とも怪我しちゃったねって笑ってられるほど楽な世界なのか、あそこは。
4点(2004-09-05 02:54:08)(良:1票)
38.  ハムナプトラ/失われた砂漠の都
インディジョーンズシリーズを彷彿とさせるアドベンチャー映画を創りたいというコンセプトは面白いし、舞台背景も結構凝っているし神秘的な雰囲気は出ていた、冒頭はテンポ良く、映像は特に素晴らしく、また気軽にユーモアがあふれ、お約束的なノリで素直に楽しめる作品には仕上がっている。 しかし、往年の作品と比べるとアドベンチャーモノでありながら、緊張感が欠けているのが最大の問題ではないだろうか。 普通この手の映画は手に汗握るものだが、この映画からはあまり感じられなかった。 それに主人公のことはよく知らないんだが、主人公としての魅力やカリスマ性みたいなものを感じない。 脇役も個性的な味を持っている人がいっぱいいたんだが上手く引き出せてないような気がする。 ベニーはぎりぎり合格点だがもっと嫌らしさを感じさせても良かったし、エヴァリンは魅力はあったから恋愛色をもうちょい加味した方が良かったかなと思わせるし、ジョナサンもとぼけた感じで仕事はしてまっせというのは感じられたがちょっと弱い。 惜しいのは黒ずくめの顔に刺青をしている人が活きていない。寡黙でありながらメチャクチャ強い設定にした方が面白かったかなと感じられる。 敵役のイムホテップの目的である3000年の悲恋を上手く描ければ、もっと切なさを感じながらも冒険映画として面白い映画になっただろうな。
4点(2004-08-28 19:59:42)(良:2票)
39.  ハルク
正直言ってそれほど面白くはないと感じたが、画面分割を多用したり、演出についてはアンリー監督は相当頑張ったなあという感想。 ブルースの父親役の人も良かったと思われる。欠点は脚本かなあ、ハルク誕生までが長すぎる上に、二組の父子の関係や一度別れたはずの二人が愛を取り戻すようなことを描こうとしたため色々中途半端になってしまった。 アクションがメインではないが、爆弾を叩き落すハルクはカッコ良い。飛んでいるような連続ジャンプも中々良かった。
[映画館(字幕)] 4点(2004-06-25 16:05:14)
40.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 《ネタバレ》 
続編公開を機に再見。今回はあまり深く考えずに、頭を空にして楽しもうと思ってみたけど、やはり主観を排して客観的にみても「子どもダマし」の映画という印象しか受けなかった。確かに、ジョニーデップが演じるジャックスパロウには魅力はあるかもしれないが、ジャックスパロウ自身、魅力あるキャラクターとしてきちんと描き出されていただろうか。もし、ジョニーデップ以外の他の誰かがジャックを演じれば、どんな風に映画が仕上がったかを考えると恐ろしい。魅力あるキャラクターを魅力ある俳優が演じるのが本来の姿であるはずで、俳優の演技におんぶに抱っこする姿勢はあまり好ましくない。本作には、ジャックスパロウのキャラクターに「凄み」を与えるほど、彼の見せ場が少ないような気がする。例えば、無人島脱出のエピソードも、二回とも脱出できたのは単なる偶然でしかなく、別にジャックでなくても脱出できたのではと感じてしまう。やはり、ジャックならではの奇想天外なユーモアある脱出方法を見せてくれればそれだけでも彼の魅力が一つ増すだろう。それをラム酒を取りに来る船や、軍が救助に来るという展開にするから、「ご都合主義」と罵られる結果になってしまう。本作が冒険映画ということを考えてみても、ここはお粗末な展開と思わざるを得ない。また、一発しか入っていない銃もジャックの魅力を引き立たせるアイテムになったはずだ。自殺用として自分を裏切ったバルボッサから受け取った銃を、バルボッサを撃つために残しておくというのはよい展開だ。しかし、その良さがあまり活かされていない。映画の途中途中で銃を撃たざるを得ない局面をジャックに与えてやり、そういった場面でも銃を使わずに乗り切るという流れが必要ではないか。そうすれば、彼の芯の強さや、信念なども観客に伝わり、また彼の魅力の一つになるだろう。また、ラストの銃の使い方に至る流れもやや悪い。戦っている当人たちも認めていたが、不死人同士の決闘をだらだら見せられても観客は飽きるだけだ。決闘シーンに入り、二人の剣さばきを観客に十分見せた後、ジャックがピンチに陥り、まず観客をドキドキさせて、バルボッサに刺されて「やばい」と観客に感じさせる。しかし一転して、アステカの呪いを利用したトリックを観客に明らかにして、ヒートアップした勢い・流れを利用して、銃を撃った方がより引き締まる展開になると思う。
[DVD(字幕)] 4点(2004-06-25 15:55:19)
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