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にじばぶさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3241
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 41
小津安二郎 37
石井輝男 24
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 15
今泉力哉 21
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 14
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 17
ジャン=リュック・ゴダール 36
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 15
ジャック・ベッケル 13
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 27
アルフレッド・ヒッチコック 53
ジム・ジャームッシュ 15
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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21.  ハロルドとモード 少年は虹を渡る 《ネタバレ》 
『ブリキの太鼓』を想起させるブラックコメディ青春映画。 頭のおかしい青年とぶっ飛んだ婆さんの恋愛奇譚。  冒頭の首吊りとラストの崖からの落下、2回とも騙された。 騙された感じは何とも言えない後味。  趣味の良い作品とは言えないが、何か突き抜けた凄みを感じた。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-09-19 21:28:34)
22.  背信の日々 《ネタバレ》 
やりますな〜、コスタ=ガヴラス! 人種差別という問題を通して、どちらサイドに着くにせよ、殺しは避けて通れない。 いずれにせよ、人を傷つけ、人を殺す。 人種対立という問題の不毛さ、更にはそれを皮肉ったとも言える内容が凄い。  ラストはおそらく、愛した女を殺せたけど、敢えて殺されたんだろな。 愛した女を殺すくらいなら、殺された方がマシ、と。 愛した女に裏切られた男の絶望感が、ヒシヒシと伝わってくる。  切ないラブストーリーでもあり、人種差別を扱った作品でもあり。 さすがのコスタ=ガヴラスでした!
[ビデオ(字幕)] 7点(2021-08-14 13:51:50)
23.  初恋・地獄篇 《ネタバレ》 
羽仁進は好きで、寺山修司は苦手なもんで、どんな映画か不安だったが、面白かった! 変態要素てんこ盛りも凄いけど、何より映像が良い。 1960年代の新宿、都電も出てくるのが個人的には喜ばしい。 主演二人は、いずれも不細工だが、それが逆にこの作品を味わい深いものにしている。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-06-19 13:36:19)
24.  パターソン 《ネタバレ》 
ジム・ジャームッシュは相変わらず一期一会の描き方が魅力的だ。  永瀬正敏との公園でのやり取り、これが特にいい。 見知らぬ人間とのほんの少しのやり取り、しかも最後はノートまでプレゼントしてあげて、でもアッサリさようなら。  見知らぬ人間同士の、ほんの短い時間のやり取りなのに、お互いの人間性、そして生きてきた歴史まで垣間見た気がするのは、やはりジム・ジャームッシュならではの魅力なんだろう。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-02-09 11:37:53)(良:1票)
25.  薄氷の殺人 《ネタバレ》 
もちろんグイ・ルンメイ目当てで見ました! 今までのイメージとは違った官能的なグイ・ルンメイを見る事ができて、それだけで満足です。 グイ・ルンメイを知らない人が見ても、本作は凡作の評価で終わるのではないでしょうか。 とにかく、グイ・ルンメイを鑑賞するための作品だと私は思うわけであります!  にしても彼女を助けたいとか言っておいて、観覧車の中で彼女に淫らな行為をする主人公、うらやま、、いや、けしからん!
[インターネット(字幕)] 7点(2020-11-24 19:48:49)(良:2票)
26.  白痴(1951) 《ネタバレ》 
見始めて、これは名作だと感じたが、後半が退屈して長く感じてしまった。 森雅之が白痴の役を演じたのは意外だった。 東山千栄子の存在感がもの凄かった! 久我美子は可憐で軽やか、現代でも違和感のない都会的な顔立ち。 三船敏郎は良さを発揮できていない。 原節子のトップクレジットは詐欺だ。てっきり原節子が白痴の役かと思ったじゃないか。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-09-27 22:38:32)
27.  母は死なず
菅井一郎の演技は上手とは言えないが、感情が入っているから、うまく伝わってくる。 男の人生の厳しさを、息子にうったえる終盤のシーン。 実に、胸が熱くなった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-05-12 23:34:30)
28.  Happy! School Days!
普通に楽しいレベルだけど、こういうストレートな青春映画大好きだなぁ。 高校生活最後の日っていう設定も、また良いなぁ。 難しい技術抜きにして、この設定と若々しい出演者たち、それがあるだけで十分見ていて楽しい!  『Happy! School Days!』この題名も素晴らしい。  変にベタベタ過ぎず、変に感傷に浸り過ぎず、卒業間近の高校生活を描いているのが良い。
[DVD(邦画)] 7点(2016-10-01 02:05:17)
29.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
イニャリトゥ監督作としては、『BIUTIFUL ビューティフル』で感銘を受けた。 そしてアカデミー賞を受けた、この作品を観ることに・・・  今までの映像重視な傾向はそのままだったが、本作はコメディ映画ということもあり、かなり趣向が異なっていた。 今までのシリアスな作風と、印象的な音楽の使い方が大好きだったが、本作においては予想通り、その期待とは異なった方向へ変化していた。  イニャリトゥ監督が、別の引き出しを出してみせた作品だったと思う。 賞を獲っているだけあって、完成度は高い。  個人的な好みだけで言えば満足はできなかったが、観る前からコメディ映画と判ってはいたので、ある意味、予想通りではあった。 ただ、ジャンルとして分ければコメディというだけで、随所に人間の生きざまが、この監督の色合いで絶妙に描かれていたとは思う。  次は賞は獲れなくても良いので、シリアス路線の作品を撮ってほしい。 特に静謐な音楽の流れる、イニャリトゥ監督ならではの美しい作品を!
[DVD(字幕)] 7点(2016-02-15 00:09:06)
30.  バンコック・デンジャラス 《ネタバレ》 
冒頭のバンコクを評した言葉「バンコックは猥雑で、堕落した街」というのが印象的。 猥雑は合ってるけど、堕落っていうのはなぁ・・・なんだか痛いところを突かれた感じだが、否定はできない。 だけど、バンコクは楽園です、男の。 それは間違いない。  さて、そんなアジアの魅惑都市、バンコクを舞台にした、アメリカ人ニコラス・ケイジが繰り広げる、ハードボイルド・アクション。 パン兄弟がアメリカに進出したことも含め、バンコクの街とニコラス・ケイジとの不協和音が、また面白い。  つっこみどころは何か所もあるけど、敢えて割愛。 魅力的なシーンを一つ。 それは、耳の聞こえない女性と知り合い、散歩中に襲われるシーン。 耳が聞こえないので、すぐ後ろで起こっている銃撃に気付かないが、血が女性に飛んできて、初めて気付くというシーン。 ここはお気に入り。  ヒットマンの引き際を描いた内容だが、それだけに切ない。 ヒットマンだって、引退して、普通の暮らしをしていけばいいのにと思うが、それは映画的に許されない、か。  バンコクを訪れた時に、旅先で生まれる確かな恋心。 ここがうまく描かれている。 ヒットマンとしては一流だが、清楚な女性と辛い食べ物には弱いという設定が、また味があって、とても良い。 まあ、いくらヒットマンとして一流でも、M字ハゲだと、ああも簡単に綺麗なお姉さんと懇意にはなれないけどな。  この映画を観て、またバンコクに行きたくなった。
[DVD(字幕)] 7点(2014-12-01 02:07:23)
31.  パプリカ(2006) 《ネタバレ》 
夢を自在に操りたい、そんな科学者の野心を描いたファンタジーアニメーション。  随所にエロティックなシーンがあったりで、大人向けのアニメ。 細かいところに、ちょっとした願望が映像化されていたりして、なんともニクイ演出の数々。  才色兼備な女性が、見た目がひどい男に惚れる。 これって現実にあることだけど、この映画では、それが一つの夢として現実化されている。 まさに夢と現実がつながっている。  色々な要素が凝縮されて表現されているので、難解なイメージも拭えない。 だけど、実はシンプルで、大人の願望、寝ている時に夢見る願望を、映像化したアニメの様な気がする。  大人が夢にみる願望を、可能な限り映像化したという点において、実に魅力的なアニメであり、アニメでしか表現できない魅力を持った作品である。   特筆すべきは、平沢進の音楽。 夢独特の浮遊感、壮大なファンタジー絵巻を実によく表現しており、耳に心地良い感触を残す、見事な楽曲だ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-07-15 12:51:00)
32.  針の眼 《ネタバレ》 
なかなか素晴らしい人情劇だった。 冷酷なスパイが、一人の女性の前では無力となり、正直になる。 どんな人間にも、人間らしさが眠っており、そしてその冷酷さの裏には、幼少期のトラウマがある。  人間を表面的に理解することの問題点をついているような気がした。 殺人を犯す人間にも、それなりの背景と事情がある。 そして優しささえ持っている。 それは、気を許せるほんの一握りの人間の前でしか見せない本当の姿。  スパイもの、戦争ものではあるが、人情劇だと感じた。 そして同時に、戦争の持つ悲惨さ、戦争の犠牲者を描いた内容でもあった。 見応え十分で、イギリス映画らしい、真正面な真面目さが良い方向に出ている。
[ビデオ(字幕)] 7点(2012-04-29 18:58:11)(良:1票)
33.  ばかのハコ船
山下敦弘監督の味わいが実によく出た一本。  山本浩司が着ている服のダサさ加減も全開。 その彼女の微妙さ加減も絶妙。  夢を追うツール“赤じる”ってのは、単に象徴であって、そのツールが何であれ、若者は夢を追いかけて突っ走るものだ。 それが成功する確率っておそらく低いけど、若者は夢を追う。 それが周りから見たら、“バカ”げていて無謀であっても、当の若者本人は気にもしない。  そして、その夢が破れた時、更にどん底まで落ちていく若者もいれば、普通に社会に復帰する若者もいるだろう。 そんな顛末はどうでもよくて、本作で山下敦弘監督は、そんな夢を追いかける若者の、良くも悪くも“バカ”な姿をフィルムで表現したかったに違いない。  田舎では人間関係が限定されていて、例えば風俗で働いていれば、当然知り合いが客としてやってくることだってある。 又、狭い人間関係だからこそ、誰かと誰かが深い関係になっていてもおかしくないし、そういう複雑で乱れた繋がりが田舎には存在する。  その辺りの田舎の人間模様も、丁寧に描かれていて、リアリズムを感じる。  チープな線を意図的に、そしてリアルに表現しており、山下敦弘監督の描く世界観ってのは、庶民的日本的なリアリズムに満ちていて好感が持てる。 そして、若者の持つイタさがよく伝わってくる。  このような点において、楽しく、そして時には切ない気持ちになったりする。 地味ながら、実に人間的で、愛すべき作品だ。
[ビデオ(邦画)] 7点(2012-02-26 05:07:16)
34.  裸の十九才 《ネタバレ》 
新藤兼人監督の作品はそれなりに観てきたが、本作が個人的には一番。  主人公の生い立ちを丁寧に描くことで、暴発する要因となった背景が浮き彫りにされている。  集団就職で東京に出てきたが、仕事から何から全てがうまくいかず、歯車が狂う。 だがそれはきっかけに過ぎない。 主人公が暴走し、連続殺人を犯すに至った根本的要因は、その生い立ちにあった。  不遇な生い立ちを経て大人になった人間は、一生、その不幸な生い立ちを背負い続けねばならない。 それを、監督の新藤兼人は訴えたかったのだと思われる。 勿論、不幸な生い立ちを経験した全ての人間が殺人を犯すわけではない。 だが、大なり小なり、社会で疎外感を感じるであろうことは、想像に難くない。  ただその一方で、目を覆いたくなるほど凄惨なシーンが、主人公の生い立ちを描く部分において沢山出てくる。 これにはさすがに暗い気持ちになった。 暗い気持ちになる映画は、あまり好きではないが、作品の重厚さとメッセージ性の強さが秀でているので、映画として十分に楽しむことができた。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-11-23 23:42:27)
35.  ハッシュ! 《ネタバレ》 
同性愛ものという時点で既に自分にとってNGだし、高橋和也の演技も気色悪いのだが、それでもなお且つ楽しめたのだから不思議だ。  なんというか、世の中のはみ出し者同士が、傷を舐め合うような内容で、どちらかというと弱者を描いている。 そこに傲慢さは感じられず、何だか謙虚で繊細な映画だなぁ、と感じ入った。 人間的な優しさを感じさせる映画である。
[DVD(邦画)] 7点(2011-09-11 01:53:17)
36.  バッシング 《ネタバレ》 
作品名の通り“バッシング”されまくる一人の女性を主軸に、その女性が原因でその家族までもがバッシングの対象とされ、悲劇が起こるまでの顛末を描いた、極めてシリアスな家族人間ドラマ。  私の最も好きな「東京フィルメックス」でグランプリを受賞した作品。 この映画祭でグランプリを獲った作品には今のところハズレが無い。  殺伐とした浜辺を眼前にそびえ立つ古びた団地。 そして荒涼とした工業地帯。 地味で地道な仕事に勤しむ人々。 それらの舞台設定が抜群に良く、このシリアスな題材に感情移入できるだけの、良い意味での映像的な「負のパワー」に満ち溢れている。  主人公を演じる女性は、とても自分勝手で、コンビニでわがままをタメ口で言ったり、決して美人とは言えない容姿など、冒頭から嫌悪感を振りまいている。 これは序盤から中盤で、この主人公の女性に同情的な感情移入をさせまいとする、計算づくの演出だったに違いない。 その序盤の彼女への印象が、終盤では見事に覆っていく。  いわばコンプレックスを抱えながら、貧しい環境で育ってきた一人の女性が、閉塞的な荒涼とした町の中で、いかに自分の居場所を失っていったか。 それは想像に難くない。  そんな彼女が、海外ボランティアを通して、自分の存在価値たるものを感じたかったと考えるに達するのは至極当然な流れである。  何不自由なく育った人には、他人事にしか思えないだろう内容だが、どこそこかにコンプレックスや居場所の無い孤独感を経験したことのある人なら、本作を鑑賞して、共感をおぼえるに違いない。  さすが「東京フィルメックス」のグランプリ作品だけあって、心の深い部分をえぐられたような衝撃を感じた。 これからも「東京フィルメックス」には注目していきたいし、過去の受賞作もできる限り観ていきたいと思う次第である。
[DVD(邦画)] 7点(2011-08-22 23:34:09)
37.  波止場(1954) 《ネタバレ》 
若き日のマーロン・ブランドの熱演が光る秀作。   『ラストタンゴ・イン・パリ』の中年時代にもない、『ゴッドファーザー』の晩年の時にもない、若かりし頃ならではのマーロン・ブランドの魅力が画面いっぱいに広がる。  ギラギラしたような、まるで鋭利なナイフの様な凄み。   しかしながら、ラストのとってつけた様なハッピーエンドには不満。  ラストはハッピーエンドにせず、マーロン・ブランドが独りで自分なりの正義を押し通して力尽き、その姿をもって、ギャングたちの悪行を世に訴えるといったラストなら、更に感動も強くなったに違いない。  悪童には悪童なりの意地と正義があるはずだ。  それをもっと自然な流れで表現してほしかった。   そこがアメリカ映画の弱いところで、素晴らしい作品ながら、何でも尺の中でハッピーエンドにもっていこうとするアメリカ映画の欠点も、同時に露呈した作品であった様に思う。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-05-13 00:51:50)
38.  ハリウッド★ホンコン 《ネタバレ》 
ジョウ・シュンという女優さんは特別好みじゃないけど、この作品自体はかなり好み。  超高層マンションと対比される密集したバラック街の趣きが良い。 周囲は道路で包囲されていて、デルタ地帯の様な状態の集落が舞台だ。 家屋の屋根と屋根がつながっていて、屋根づたいに移動できたりするところなんか、まさに“汚い”香港の風物詩。 バラックからバラックへ鉄製の橋が架かっていたりして、日本ではおよそ見ることのできない建物だらけ。 そんなバラック街を舞台に、話は繰り広げられる。  デブ男3人家族と、その近隣に住む怪しいネット商売をする少年。 そんな男4人のところに、“大陸娘”がやってくる。 16歳という設定らしいが、どう見ても未成年には見えず。 それはそれとして、その少女と関係をもった彼らは、後からその少女が美人局であることに気付かされる。 そして恐喝され、金を払わなかったネット商売の少年は、少女の仲間たちに右腕を上腕から切り落とされてしまう。  とまあ、エログロな内容で全編押しまくってくる。 直接的な描写はないものの、かなりエロいシーンが多い。  それと、本作の冒頭で、デブ3人家族がブタの血を体に付けながら、トラックに揺られる様はインパクト大。 デブ親父が、過っておばさんを殺めてしまい、商売道具でバラバラにしてミンチにし、飼っているブタに餌として与えてしまうシーンなんか、妙にリアリティがあったりして、立派なホラー。  腕を切られたネット商売をする少年が、近所のオバサンに他人の手を移植されてしまう話なんかは、半ばギャグだったが。  映像的な美しさをもった香港映画で、かなり好きなタイプの作品だった。 気色の悪いシーンと、むやみに多いエロシーンが、むしろ邪魔と感じるくらいだ。  少なくとも爽やかな作品ではない。 だけど、怪しくて汚い香港が好きな人なら、確実に楽しめる内容で、香港風味が豊かに薫る作品だった。
[DVD(字幕)] 7点(2010-11-07 01:37:28)
39.  花のれん 《ネタバレ》 
豊田四郎監督作品らしい重厚な作品。 戦争の焼け跡や空襲のシーンなど、かなり大掛かりな作りとなっている大作。  淡島千景と森繁久彌の前半のやりとりは、同監督の『夫婦善哉』を彷彿とさせる面白さ。 中盤は、淡島千景が金の亡者となって、大阪商人をひた走り、やがては大成功を成し遂げる。  そんな淡島千景の母親ぶりに、石浜朗演ずる息子は疑問を投げかける。 お金に何でも換算したがる母親に対し、もっと人間らしい感情と生き方を持ってほしい、と。  仕事やお金って、生活を豊かにするための手段あって、それが目的になってしまうのはいかがなものか。 そんな生き方は、目的と手段が本末転倒した間違えた生き方なのではないだろうか。   幸せな生活を送るには、もちろんお金が必要だし、それを得るためには仕事が必要なわけだが、最低限の文化的な人間らしい生活ができるお金があれば十分であって、まして、仕事が生き甲斐の人生なんてつまらない。 それがまさしく本作のテーマであって、本作のそのテーマに対するスタンスに、とても同感できた気がする。  人情劇を描かせると、頭一つ出た実力をみせる豊田四郎監督。 この監督ならではの持ち味が存分に発揮された見応えのある力作である。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-06-06 00:08:15)
40.  パラノイドパーク 《ネタバレ》 
時間軸をずらしたストーリー展開は不要だと感じたが、主人公が過失致死させたことについて、一度は手紙を書きながらもそれを燃やし、授業中は無気力にも居眠りをするという、いかにも全ての事柄に無関心だという若者の心理を描いたラストは、締めくくり方として非常に良かった。  電車に轢かれて体が上下に真っ二つ、切れ目からは内臓が飛び出し、上半身だけで這うという描写は、人間が上下真っ二つに裂けた時、下半身は動かず上半身だけは動くのか?という素朴でグロテスクな好奇心が残った。 というか、体が真っ二つに裂けているのに、しばらくの間生きていることが可能なのか、それ自体が甚だ疑問だが、事故の生々しい描写としては鮮やか過ぎるくらいの一種の美しさを感じた。  ショッキングさと相反する形で荘厳な音楽と共に静かに描かれたこの事故シーンは、独自のセンスを感じ、クリストファー・ドイルの映像と、それとシンクロするような音楽に非凡さを感じた。  アメリカとフランスの合作という良さが出ていたように思う。 それにしても、主人公が自首して品行方正な出来レース的予定調和なラストにならなくて安心した。 このラストに、フランス風味を感じた。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-23 23:17:27)
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