21. ハッピー・デス・デイ
《ネタバレ》 ホラー要素は、本筋のコメディの味付け程度。本歌は「恋はデ・ジャブ」。だから、「心を入れ替えてもムダだった」というくだりがすごいいいです。なんかこう、ただ呑気に眺めるのにちょうどいいチカラ加減の映画ですので、続編は、いつかまた気持ちが沈んだときのために取っておきます。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-03-22 21:32:58) |
22. パラサイト 半地下の家族
《ネタバレ》 たぶんスラップスティックコメディなんだと思いますが、笑えない。くすぐりどころはわかるんだけど、笑っていいのかわからない感じ。庭での誕生日のシーンも、あそこにとんでもないものをぶつけたくなる気持ちは分かるが、予定調和でもある。ただ、終幕近く。通常届くとは思えないメッセージを息子に託す父と、息子の決意。こんなとんでもない家族はきっと仲間割れするか、実は擬似家族なんだろうと思いながら見てましたが、最後まで揺るぎなく崩れない家族の信頼関係。そこが物語の核だとは思いませんが、ああ、いいなと思いました。 [映画館(字幕)] 8点(2020-01-20 16:20:45)(良:1票) |
23. 母なる証明
《ネタバレ》 本作のやりきれなさは、本当の真犯人はジョンバルではないかもしれない、トジュンを信じ切ることができないということではないでしょうか。親は因果な商売です。【追記】詐話師の鉄くず屋の親父さんを、不必要に殺してしまった話かと思っていました。他の方のレビューをみて、愕然。そういう筋だったのですね。さらに、やりきれない。+2点。恥ずかしいけど、このままにします、 [インターネット(字幕)] 8点(2019-12-30 21:38:23) |
24. バイス
《ネタバレ》 ジョージ・W・ブッシュの頃のイラン戦争にまつわる裏話なんて、もう聞くだにウンザリするんだ。チェイニー副大統領は、本当に「すべきことをしている」と考えていたはず。同調圧力とシステムへの過剰適応。ブッシュの黒幕が副大統領なのではない。糸を引いていた人なんて、誰もいないんじゃないですか?【追記】第2のエンドロール後の集団インタビューの件はいただけない。あれやられると、製作側が逃げてるなって思っちゅうんですよね。なんちゃってって、言っているような。 [DVD(字幕)] 4点(2019-10-19 17:15:17) |
25. 運び屋
《ネタバレ》 「グラン・トリノ」がもう10年以上前の作になるんですか。彼の作でも、こういう風に年をとったらいいじゃん(困難だけど)という人生の手本をいただいたような気がしていましたが、本作でもそう。「チクショー」って言いながら、車転がして「あちこちに行く」。年齢と戦わず、年齢を味方につける。クリント・イーストウッドの佇まいがカッコいいのが説得力だとは思います。しかし、とにかく。健康第一。病床の奥さんとのシーンも良かった。 [DVD(字幕)] 8点(2019-07-25 22:17:00) |
26. パラドクス
《ネタバレ》 ええ~っ。これは難解だけれど、なんか結構面白いのをみせられたような気がするぞ。これはつまり、我々のこのみずみずしい世界を支えているのは、彼らの無間地獄というようなお話だったのでしょうか?通常営業の世界から見たら、彼らの世界はincident(ささいな出来事)に過ぎないけれど。この解釈、全然自信がありませんが、しかし。DVDジャケのようなシーンは一つもなかったと一応言っときます。【追記】ローグさん、わかりやすい説明、ありがとうございました。それと知って、+1点。視聴後第一感の感想を全部消したくなりましたが、恥ずかしいけど残しておくことにします。 [DVD(字幕)] 8点(2019-07-05 21:56:46) |
27. パシフィック・リム:アップライジング
《ネタバレ》 映画館で見るべき映画を、家庭の小さいテレビで見といてナンですけれど、映画館で見たって面白くなかったに違いない。作ってる人たちは楽しかったんだろうなって雰囲気がうっとうしい。文化祭ノリ。3作目があるかのような終わり方ですけど、こんな大風呂敷広げといて、3作目がなければそれはそれで面白いとか思いましたよ。「え、俺たち、裂目の奥にはいけないの!」。東京と富士山の間にはだいぶ田園地帯がありますが、田んぼで闘う"KAIJYU"とイェーガーなら見たかったな。 [DVD(字幕)] 2点(2018-10-19 21:38:04) |
28. パージ
《ネタバレ》 なるほど。オープニングを見た感じでは、これは久々の面白密室系(「CUBE」など)では、と興奮したモノです。しかし、そうではなかったワケです。ワタシはこれは、ホントに理不尽にバッドエンドで終わるべきモノだったと思っています。殺人が合法になる設定ですので。もう、それこそ「ファニーゲーム」みたいな感じでうつむき切っての終わり方が良かったんじゃないか。ですので、近所の人が悪役として登場したさいには、よっしゃと思いましたが、なんか朝7時まで待つ時間の余計なこと。良い設定がもったいない。【追記】それにしても、まさかのヘンリー、あそこで撃たれてそのまんまとは! [インターネット(字幕)] 6点(2018-06-11 19:42:45)(笑:1票) |
29. バーニング・オーシャン
《ネタバレ》 主人公らしき人(マイク)はいるが、ヒーロー然とはしていない。なるほど事故の起きそうな職場だと思わせる前振りだけど、ダイブ長いなあ。実話ベースに不謹慎なのですが、大規模な火事場見物をしたという印象。 [DVD(字幕)] 5点(2017-12-03 11:25:49) |
30. ハドソン川の奇跡
《ネタバレ》 シミュレーションとの違いが問題だったのだとしたら、おそらくそれほど世間的には大きな事案になることではなかったのではないでしょう。機長しか判断できないことを、責任回避することなく行い、それで結果、死者をださなかったのだから。いわゆる疑惑の部分は、わりとあっさり解決します。しかし。本作でワタシが恐ろしかったのは、英雄的なことを成し遂げた後の憂鬱、あがりきったテンションから日常に落ち着いたときに現れるやるせないだるさ。凡人のワタシ、日常レベルでも今日は年に何回あるかないかのうまくいった日の高揚の後のなぜか寂しい感じ。あれが、国家レベルの事だったら、どれだけきついことかと。ワタシ、芸能人やスポーツ選手が薬物に手を出してしまうのは、このような高揚があったがゆえの憂鬱のせいだと思っています。って、何を言ってるんだ、オレ。 [DVD(字幕)] 7点(2017-02-26 17:05:36) |
31. バケモノの子
《ネタバレ》 父親と子の物語としてはそうとう「出来ていた」のではないでしょうか。ずいぶん荒っぽくて、雑な物語運びも、父と子の関係ならでは、といいように解釈しようと思います。二人の父親がでてきますが、それぞれに切ない。繊細な父子関係。…いや、違う。熊徹のことが、ワタシはうらやましいんだ。「胸の中の剣に聞け」。それを、せがれの中に残すことができた熊徹がうらやましいんですよ。胸の中の剣=生きる指針。 [DVD(邦画)] 8点(2016-03-27 08:48:22) |
32. 波伝谷に生きる人びと
《ネタバレ》 うーん。監督は波伝谷の皆さんの生きるうねりに飲み込まれてしまっているようだ。よそ者の視点がだんだん弱くなっていく。思い入れが強いからどのシーンも削れないのだと思いますが、料理されていない素材だけを提供されているよう。契約講の共同作業のシーン、アベック優勝したソフトボール大会など、波伝谷の人が輝いているだろうシーンが盛られていないのも残念。貴重な記録であることはわかるんだ。「30年後に役立つ映像」。今後、どう我妻監督が動くのか? [映画館(邦画)] 5点(2016-03-14 18:33:28) |
33. ハンガー・ゲーム
《ネタバレ》 ジェニファー・ローレンスが小学校のとき同じクラスにいた、体育も勉強もどっちもできる女の子のよう。ゲーム上のなり行きにもかかわらず、好きと言われてその気になってしまったかに見えるところや、甲走った感じの正義を振りかざすところとかも。強くてやさしいけど幼い。そんな主人公の造形はよかったと思います。ただなあ。皆さんのおっしゃるとおり、テレビで全世界に放映されているゲームのルールの変更をいとも簡単にやってしまう第13地区のゲームの主催側のありようは、この映画の観客に対する制作者のありようと同じとも言える。いくら何でも、そんなに都合良く物事進めようとすんなよ。 [DVD(字幕)] 2点(2015-11-23 12:51:38) |
34. 張込み(1958)
《ネタバレ》 時代がついた雰囲気は好きでした。石井とさだ子の逢瀬のシーン。二人の会話の内容があるようなないようなだらだら感やなぜかパラソルを回すシーンとか、これから全部捨てる大人の女性の本当な感じかもしれんと思っています。ただ、リアルさを追求したがための単調であれば、なおさら一瞬”ハッ”とするシーンがなければ、と思います。後半、なんか刑事による説明っぽさが気になりました。 [DVD(字幕)] 5点(2015-09-19 08:55:24) |
35. 幕末太陽傳
あんまり誰もいわないみたいなので言いますが、この名作のために、落語「居残り佐平次」だけはどうしても予習として押さえほしいんだ。面白さ40%増し。ぜひYoutubeでどうぞ。ワタシは、志ん朝押しです。フランキー堺の神がかり演技。誰にもまねできない。だからリメイクはあり得ないと思いますが、もしやるなら佐平次は山崎弘也(ザキヤマ)で見てみたい。 [DVD(邦画)] 10点(2015-09-12 08:22:32) |
36. バグダッド・カフェ
《ネタバレ》 主題曲を聴くための映画があってもいいと思っています。私にとって、「カリートの道」は「You are so Beautiful」を聞くためのものでした。いや、「カリートの道」をおとしめるつもりで言ってるのではありませんよ。8点つけてます。そういうもんだったとしても、いいんだと。本作について。キリキリと甲走った歌声「CALLING YOU」を聞くための110分だったと思っています。それにふさわしい前半、なにやら不穏な風景であったり、ぎくしゃくした人間関係でした。なんかいい感じの神経質なキリキリする雰囲気。しかし、ラスト近くの「バグダッド・ショー」、あれは何だ。「人生をローギアに入れて」「愛があれば大丈夫」。そんな世界観の映画だったかぁ?素人マジックは確かにチャーミングだったが、それだからと言って、こんなに早く宗旨替え(スローライフとか、ラブアンドピースとか)するなよ。あんたらもっと殺伐としてくれてたじゃないか。「なれあいすぎ」と出て行くデビーの気持ちがよく分かる。…あれ、だとするとワタシのこの未消化な感じも織り込み済み?難しい映画です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-04-05 23:55:57) |
37. her 世界でひとつの彼女
《ネタバレ》 うわー、これはえらいものを観せられた。OSの彼女なんてものを道具立てしていますが、つまるところ、赤裸々かつ、あからさまに「オトコの更年期障害」を描いた作品だと思う。中身は物心ついた頃からほとんど変わらないのに、入れ物(身体)だけはどんどん衰えている。すぐ転ぶところがイヤだ。寛容にみえて、心グズグズなところがイヤだ。ウクレレや手紙集が卑猥だ。子供に見せたくないくらい。ワタシはこの映画の主人公がとてつもなくイヤだ。だから、とことん良くできていると48才のおっさんは思う。そうです、ワタシも更年期です。10点でも5点でも良いような気がしますが、ここは5点で。いや、すごい5点だよ。 [DVD(字幕)] 5点(2015-02-06 22:57:08) |
38. ハート・ロッカー
《ネタバレ》 これでいいの?と思ったクチです。大義なき戦争のあと、誰のためなのか分からない彼の国の状況がリアルに伝わって来たのでなおさら。大きなインチキのツケを払わされてる切実な人たち。明らかにワタシの考え過ぎだと思いますが、この人たちをクローズアップすることで、何かが目くらましされている気がします。世の中のマッチポンプを描くのに、これで本当にいいの? [CS・衛星(字幕)] 2点(2014-12-27 19:58:24) |
39. 反逆次郎の恋<OV>
今をときめく監督の才能の片鱗のそのかけらさえも、オレには見いだせない。意図したものだと思うが、主人公次郎くんの考えていることが最後まで全くわからず、行動に共感できない。不快だ。こういうのは大阪芸術大学映画研究部のOB会だけでやって欲しい。若気のいたりは誰にでもあると思うが、そういうのはちゃんと金庫にカギ掛けてしまっておいてください。 [DVD(邦画)] 1点(2014-12-14 15:58:05) |
40. ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
《ネタバレ》 終幕間近に、監督はエンドロールでネタ晴らしをするつもりだ!とわかったときに、一気に血圧が上がりました。しかし、これが消化不良。他の方のレビューを見て納得。ワタシたちがどうしてあの「ニワトリ」のことがこんなにも気になってしまうのだろう。痛飲した翌日の心許なさ。これをネタに内田けんじ監督が撮っていたら、ものすごく面白くなっていただろう。伏線の回収はもっと丁寧だったと思うし、単に仲良し3人組+1人とはしなかったと思うし。ただの平板な「友達」ではなかったからこそ、命賭けてもダグを見つけたんでしょう。簡単にいうと、大味なんだ。楽しいけどね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-10-13 17:07:22) |