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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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1.  π(パイ)
数学スリラーとしての掴みはまずまずなのだが大してややこしくもなさそうなストーリーをやたら難しく見せてむりやり箔を付けましたって感じがどうにも・・。ミュージッククリップのようなシャレた映像と哲学チックな内容とのマッチングにはセンスを感じるが印象に残るような画はほとんど無い。数学者のそのようにしか生きられない不器用さであるとか孤独感なんかを描くという一般受けするほうへ逃げなかったのを評価すべきか。
[DVD(字幕)] 4点(2011-08-23 15:02:23)(良:1票)
2.  パリ、18区、夜。 《ネタバレ》 
フランスが移民国家であることは、サッカー・フランス代表の顔ぶれを見れば一目瞭然なのだが、映画はそこから派生する諸問題を浮かび上がらせることができる。それを提示する意志のあるなしにかかわらず。レオス・カラックス『ポーラX』然り、ミッシェル・オスロ『アズールとアスマール』然り。そしてこの『パリ、18区、夜。』然り。こういった外国の社会問題を映画ファンは新聞から得れる情報以上のものを得ているんだから映画は侮れないのだ。といった話は置いといて、クレール・ドゥニ、彼女の映画はコレ以外だと『ネネットとボニ』『ガーゴイル』しか見ていないのだが、共通するものといえば「孤独」だろうか。主人公の女性はパリに着いたばかりでフランス語すら話せない。しかし何か問題を抱えているようには見えない。映画は連続殺人事件の犯人がアフリカ系移民であり、それゆえに問題を抱えていることを犯人の兄夫婦の諍いによって伝えている。しかし同じく移民である主人公は淡々とそのドラマにつかずはなれずにいるだけ。でもラストシーンで彼女はある行動を起こす。新たなる犯罪者誕生の瞬間である。そこに移民問題があるとは言ってない。しかし彼女が「孤独」だったのだと思い当たるのだった。この瞬間に立ち会うまでちょいと退屈かもしれんが。
[ビデオ(字幕)] 6点(2010-12-16 15:49:55)
3.  パリのランデブー 《ネタバレ》 
ロメールらしいかわいい恋愛コメディ3篇。 ■「7時の約束」 会うはずのない3人が出会うべくして出会う。そんなアホな!な偶然。この「偶然」ってのがロメール映画の重要な鍵。さらに他人の財布を拾って直接届けにきて意気投合しちゃう女二人ってのがいかにもロメール映画のリアル。「偶然」がドラマを作り人生を豊かにしてゆく。 ■「パリのベンチ」 ああ、ここでも言ってる恋愛哲学。日を変え場所を変え延々と続く会話の中に女の哲学が明示される。そして言ってることに思いっきり矛盾する行動というオチ。この無情なオチに愕然とする男は私でもある。 ■「母と子」 母と子の話ではなく、展示されているピカソの作品「母と子」をナンパの(正確にはナンパ前の準備段階)道具にする下心全開男の話。といってもロメールの男たちはたいてい下心全開なのだ。けっきょく何も得るものがなかった男が最後にぼそっと言う。「それでも無駄ではなかった」と。このセリフは3つの短編全てを締める言葉でもある。もっと言うとロメール作品全てに当てはまる。無駄ではない。いや、無駄なんてものは元々無い。何がしかの教訓を得た。そう思うことでまた楽しい人生が始まるのだ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-05-13 14:16:02)(良:1票)
4.  バグジー
ラスベガスのホテルの一番の驚きはその巨大さだと思います。どれだけデカイかは行ったことがなければなかなか理解できないと思うんだけど想像を絶します。そんなのを最初に作ろうなんて考えた人間ってどんな人だろう?という興味を持てなければこの作品はちときついかも。言い換えれば映画としての魅力に欠けた作品ということになるかもしれない。バグジーと呼ばれる男が実際どんな男だったのか知らないが、映画の中では一応男前だけどもキレたら怖いヤツとして描かれているように思うんだけど、その怖さが前半にだけ提示されていて、話が進むにつれて怖さがなくなってゆく。女優に恋をしたから。という前提があるにしても、いつその甘いマスクの下の鬼が出てくるかわからないという緊張感は持続させるべきだったろう。物語上ではひょいひょいとそんな顔も見せてはいるんだけど、怖さを演出できていない。というかわざとしていないのだろう。そのあたりは監督の趣旨というよりもウォーレン・ベイティが製作に名を連ねているところに理由があるのかもしれません。ギャングものを期待すると肩透かしをくらいます。でもまあ、あそこまで女に惚れこんじゃう男だからこそあのホテルを建てようなんてことを考えるんだろうなとどこか納得できるところもあります。
[DVD(字幕)] 5点(2009-07-07 11:44:17)
5.  (ハル)(1996)
相手の顔も素性もわからないままにコミュニケーションをする主人公たち同様に文字からその文字を書き込んだ状況を我々も想像するという楽しみを与えられる。パソコンに映し出される文字だけを映画が映し出すことで。『電車男』がやるべきはこういう演出だったのだ。ヒロイン深津絵里がほとんどしゃべらないのでより効果的に「文字」の力が発揮されている。ストーリーは正直寒いものがあるし、なされる会話はもっと寒いし、バーでデートとか実に寒いのだけどそれらはまだ許せる範疇にある。でも宮沢和史演じる死んだ女を愛し続けるためにカタチだけの結婚をしようとする御曹司というキャラの登場は遭難しそうなくらいに寒かった。この古臭いというか青臭いというか、いちいちこういうのが顔を出すから見てるこっちが小っ恥ずかしくなる。あそこを削ると深津絵里の和服姿も見れなくなってしまうので削れないのだが・・。春樹の本も1回ならこの子ハルキストなんだとか本棚が美しいとかまあいろいろ思考もめぐるもんだが、何回も何回も映し出されるとクドイとしか思えなくなる。ストーカー男も要らんと言えば要らんのだが、アイツがいるから深津絵里のコスプレが拝めるからやっぱり要る。
[ビデオ(字幕)] 5点(2008-11-21 13:03:56)(笑:1票)
6.  バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲 《ネタバレ》 
バットマンよりも敵キャラが濃いほうが面白いというのはジョーカーやペンギンが証明してくれたわけだが、今回のMr.フリーズは一見存在感がバットマンを超えているようで、前作「フォーエヴァー」のトゥー・フェイスやリドラー同様にキャラクターよりもそれを演じる俳優の濃さが勝ってしまっており、シュワはシュワ自身の個性が強すぎるにすぎない。ようするに有名どころに敵キャラを演じてもらうことを売りにして、実際その有名どころが出てますよというのがわかりやすく提示されている映画。マンガチックな世界観はそれはそれでいい味出してるのに、こういう映画から遠く離れたサービスは、モンローはモンローじゃなきゃいけない、ボギーはボギーじゃなきゃいけないという時代じゃないんだから止めてほしい。バットガールも中途半端。コスチュームさえあれば誰でもなれちゃうってのは別にいいが、出るなら出るで、もっと活躍してほしい。まあでもロビンを含めた3バカトリオ・・じゃなくてヒーローたちのヒーローらしくない行動はそれなりに面白い。3人がそれぞれの大袈裟な乗り物で登場するシーンのバカバカしさはけっこう好き。
[DVD(字幕)] 5点(2008-10-16 15:20:22)
7.  裸のランチ 《ネタバレ》 
これがバロウズの世界観なのかどうかはバロウズの書籍を読んだことがないのでよく分からないが、クローネンバーグの世界観であることは間違いない。クローネンバーグは他の作品を見ても解かるとおり、虚構の世界の中から真理なり真実なりを見出そうとする作家であるから、バロウズのドラッグによる幻覚から産み落とされた虚構の世界に何かを見出そうとするのは自然な成り行きと言える。そこに有機物(昆虫)と無機物(タイプライター)の融合という気持ち悪いクローネンバーグ印が虚構の世界を彩る。虚実の境がはっきりしているのも彼の作品の特徴のひとつだと思うが、個人的にその親切はいらないと思うことが多々あり、これもそう。この映画で主人公の作家はモデルとなっているだろうバロウズが実際にそうしたように「実」の世界で妻を殺す。そして「虚」の世界でもう一度妻を殺す。妻殺しは事故なんかじゃなく動機ある殺人だったというお話ととれなくもない、こともない? もちろん映画内(虚構の世界)のお話である。
[DVD(字幕)] 6点(2008-05-09 15:48:27)(良:1票)
8.  ハード・キャンディ(1999) 《ネタバレ》 
同名作品と間違えて鑑賞。冒頭の学園の人気者4人組が颯爽と歩くシルエットは様になっていたが、いざ始まってみると何故人気者なのかがわからん。学園一ダサイ女として登場するジュディ・グリアが一番可愛い。リーダー格のローズ・マッゴーワンはこれでもかってくらいの意地悪な顔。事故死をむりやり他殺にしてしまうのだが警察バカすぎ。ダサ女がイケテル女に変身すると学園中の人気者になってダサ女だとわかると全員無視ってこの学園の生徒はみんなアホですか。パーティ会場での大逆転って、あんな告白テープで生徒たちは真相を知っちゃうってかなりムリない?一応犯人捕まってることになってんだから。どうも荒っぽいなあ。だいたい冒頭でいきなり死人が出るんだけど、死体の顔のアップの真に迫った生々しさと全体のおバカな展開とのバランスが悪すぎ。
[DVD(字幕)] 2点(2007-12-05 11:48:55)
9.  伴奏者
主人公の伴奏者としての葛藤を軸にしているものの、戦時下のナチスが絡んだ政治的背景やらオペラ歌手の不倫やらと物語も散漫になりがちなうえ、リシャール&ロマーヌの親子共演という以外はいまひとつ話題性の欠けるおとなしめの作品なのに、なんともいえない余韻を残してくれるのはロマーヌの少女と大人、素直さと反抗心、憧れと嫉妬の両者を見事に内に共存させた表情のせいだろうか。彼女の演技もいいが、セリフを少なくし、オーバーアクトさせずに、その表情を引き出した監督の手腕がお見事ということなのだろう。大きな出来事に負けていない、ロマーヌの小さな表情の変化がこの映画の全てと言ってもいい。
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-07-19 12:05:09)
10.  バットマン・フォーエヴァー
ティム・バートンが監督した前2作と明らかに違うのが敵キャラの描き方。前作までの敵キャラは主役であるはずのバットマンと同じかそれ以上の扱いをもって描かれていた。しかしこの作品では敵キャラはあくまでヒーローに倒されるためだけに存在するものとしてしか描かない。そういう意味ではシリーズで初めてヒーローが主役となった作品。ただバットマン自体のキャラが暗くて主役を一人で張るだけの器量がないのでロビンに助けてもらったという感じ。バットマンも暗いだけじゃなくてもっと怖いイメージがあったんだけどなぁ。バートン版でせっかく作ったゴッサムシティの独特の世界観も、全体の色調だけを受け継ぎながらもどこかチープになっているのは、より原作アメコミに近づけているからなのでしょうか?読んだことないのでわかりませんが。
[DVD(字幕)] 3点(2007-05-31 15:51:05)
11.  バタアシ金魚
すべての行動規範が「一目惚れした女」にあるというあまりに真っ直ぐな男は、女にとっても、傍から見ても鬱陶しい奴。実際にいればかなり気持ち悪い奴。そのうえバカで身勝手で自惚れ屋ときた。それでもこれが青春なのだ!と思わせる説得力があるから不思議。筒井道隆の中にある主人公カオル的な部分を見事に映し出しているからなのか、風景が見事なまでに「ニッポンの夏休み」を再現しているからなのか。物足りないのは高岡早紀の存在感の乏しさ。たしかに可愛い。とくに出会いのシーンのプールサイドに佇む水着姿の彼女は。でも筒井道隆と比べて魅力的じゃない。この監督は男を撮ることに比べて女を撮ることには長けていないように感じる。シチュエーションがちょっと似ている塩田明彦の『月光の囁き』がいいのは女が魅力的に撮られているからなのだとあらためて思う。
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-05-16 11:47:02)(良:1票)
12.  ハートブルー
ただキアヌ・リーヴスにサーフィンとスカイダイビングをさせたかっただけかのような強引な展開にはあきれるが、中盤のパトリック・スウェイジとの長い長い追いかけっこは良かった。お金目的ではなく、リーダーのよくわからん思想に共鳴し見事なチームワークを見せる強盗団ということなのだが、リーダーのカリスマ性を演出できていればけっこう面白くなったような気がする。例えば『ヒート』のデ・ニーロのように。本人に語らせたり、「彼はこんな人なの」と女に語らせたりという手抜きをしないで、なにげないやりとりで、佇まいで、顔で、画面で。
[ビデオ(字幕)] 5点(2007-02-08 11:16:48)
13.  ハバナ 《ネタバレ》 
バチスタ政権崩壊直前のハバナを再現した大セットに大エキストラが混迷する状況下でのメロドラマを盛り上げる。アメリカ式資本主義がもたらす自由と退廃の象徴としてのハバナ。レッドフォード演じるギャンブラーもまた自由と退廃の象徴として登場する。そんなギャンブラーが金を捨て女に走る。ちと説得力に欠ける気もするが、混乱を極める状況下がハートの火に油を注いだということでまあ納得。一方、女は結果としてレッドフォードを選ばないのですが、政治的背景が二人を引き裂くのではなく、背景を無視して純粋に男と女のドラマとして選ばない。この堂々としたメロドラマぶりには好感が持てる。ふられた男の悲しみも倍増ってなもんです。惜しむらくは極めてユーモア感覚に乏しい点。それゆえにヒロインが魅力的でない点。
[DVD(字幕)] 5点(2006-11-22 11:45:47)
14.  蝿の王 《ネタバレ》 
人間はなぜ戦争をするのか。それは人間の持つ本能なんてものではなく中途半端で幼稚な知性が前提となることをこの映画は描いていると思う。もともと規律を重んじる米軍学校の生徒たちが「決まり」を作ろうとすることも上下関係を作ろうとすることも必然。そこから生じる疑心暗鬼。閉ざされた環境が恐怖心を生み、恐怖心が人間を攻撃的にさせる。しかしこの映画は少年たちの恐怖感をまるで洞窟の悪魔から突然発生したかのように見せてしまっている。飛行機事故という最初の恐怖、無人島であるという恐怖、大人がいないという恐怖、救助が来ないかもという恐怖の積み重ねが悪魔を作り出すのであってその恐怖感を画面上に映し出すことが出来なかった時点でダメ。しかも狩猟班リーダー格の少年だけが狂気に捕りつかれたかのような演出によってほかの少年たちの殺人も唐突に感じる。全体的にチープ。 期待を裏切られた思いが評価を下げているかもしれんが1点です。
[DVD(字幕)] 1点(2006-08-30 12:04:22)
15.  バートン・フィンク 《ネタバレ》 
ニューヨークからハリウッドに呼ばれた演劇作家の不安と期待、そして社会派を自称するもプロデューサーからの脚本依頼がB級格闘技ものであることから生まれるプロとしての葛藤、そういった心情もあってか全く筆の進まないという作家としての苦悩までもが入り乱れ、悩める作家バートン・フィンクの世界が描かれてゆく。その世界観がおもいっきり虚構感を漂わせながらも妙にリアルで、リアルでありながらも明らかに破綻していて、複雑にして単純な独特な世界を見せてくれる。怪しげなホテルの一室でベッドに横たわったところからすでに夢なのか?それとも翌日か?ということになるとホテルのフロントは現実ということになるがそのほうがもっとありえない。だってフロントマン、ブシェミですよ、ブシェミ!ふつうに不気味です。まぁ、内容はともかくとしてなかなかインパクトのある映画でした。フロント・ブシェミにしても廊下を焼き尽くしながら向かってくるグッドマンにしても不気味さと怖さと可笑しさが同居していて、これぞコーエン兄弟の味だなぁと思いました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-06-01 13:56:32)
16.  遥かなる大地へ
万人に好まれるはずの壮大でかつ娯楽色豊かな映画だと思うのだが、トム&ニコールの名前が別の印象を与えているのか、ロン・ハワードも含めて代表作としてなぜか名が挙がらない作品。ところがこれがよくできた作品で、けしてトム・クルーズというネームバリューに頼らずしっかりと背景を映し、それでいてトムの端正な顔立ちと役者としての佇まいをいかんなく作品に利用している。アイルランドとアメリカ大陸の空気の違いもさることながら、ボストンとオクラホマの光の対比を含めた空間の見せ方が素晴らしい。土地を目指す人々の迫力ある映像の中にとりわけ疾走感を強めるトムの騎乗する荒馬の描写もいい。(スローモーションはなくても良かった、、。)アイルランドの地において二度昇天する父の描写がラストへの伏線となっているのもウマイ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-22 15:00:39)
17.  パラサイト
宇宙から来た寄生生物という設定、そして誰が寄生されたかわからないところからくるサスペンス、正体を見破る方法があることで生まれるドラマ、、ロドリゲスが敬愛するジョン・カーペンターの『遊星からの物体X』を彷彿させるプロットに舞台を閉塞感極まる南極基地から開放感みなぎるアメリカの高校に移し、若さとスピード感溢れる脚本をもとに作られた堂々たるB級SFホラー。てか、ベタベタのB級SFホラー。B級といっても干からびた寄生生物が水を得て動き出す様や鼠を赤い食指で捕まえる様の特撮はA級といってもよく、このあたりをB級になりきれていないととるか、しっかりと作られたB級ととるかで評価も変わってくる。私としては『遊星からの物体X』のパロディとして登場する首だけの女の先生からタコ足が出てきてにゅるにゅると移動するシーンを見ただけで妙に満足してしまった。ラストで平和が訪れ五体満足で登場することの漠然とした疑問も心地よかったりする。ドラッグの吸引をふさぐために鼻の穴がピシャっと閉まるのもべつに閉じなくても吸引のふりだけでいいじゃんと思いつつも笑って許せてしまう。私のボーダーラインを下げさせる力を持った作品。
[DVD(字幕)] 6点(2005-11-11 12:18:46)
18.  バンディッツ(1997)
最初から最後までミュージッククリップじゃないですか。音は完全に後から入れた音でライブ感ゼロだし、どこに行ってもギターやらドラムセットがあるし、ラストの屋上ライブなんてアンプ持っていくだけでもかなりしんどいと思うんスけど。でもミュージッククリップだったらそれもアリ、、というかどう見てもミュージッククリップの作りですよ、コレ。それが新しいってこと? キャラはそれぞれがたってたと思いますが、ベースの可愛らしい顔した人は、描かれた限りの人格からはどう見ても凄腕の結婚詐欺師には見えない。「バンディッツ」というバンド自体は雰囲気出てたし、4人とも本物のミュージシャンのようにキマッてました。ライブ感をもっと出して、無理やりなロマンスを端折ってやれば、それなりにアメリカンニューシネマ・ドイツバージョンが出来あがったかもしれない。そこに新しさがあるかどうかは知りませんが。
[DVD(字幕)] 3点(2005-09-21 13:59:24)
19.  パリ空港の人々 《ネタバレ》 
『ターミナル』のレビューでも少し触れましたが、『ターミナル』も『パリ空港の人々』も元ネタは同じ実在の人物です。内容は全然違うのですが、大きく異なるのはこちらは「人々」とあるようにひとりぼっちじゃないということです。何年も空港に住んでいる(出られない)先人たちがいるというところ。その生活感溢れる特異な日常がなんともおかしく、そしてなんとも寂しく描かれてゆきます。マリサ・バレデス(主人公の奥さん)の空港外での奮闘と、意を決して片道キップで空港内に入って出られなくなるオチの面白さを見て、(反対に)スピルバーグのコメディ・センスの無さを痛感しました。パリを見たことがない少年のために皆で外に出るシーンの開放感。夜のパリの情景をバスの窓から映す、そして外を歩く人達に風が吹き付ける。たったそれだけで『ターミナル』ではけして感じることのできなかった開放感をこの作品は感じさせてくれます。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-08-24 15:42:50)
20.  パリでかくれんぼ
もともと2人の女の物語だったのをリヴェット得意の即興でもってもう一人の女の話を絡めて3人の女の話にしたらしいのですが、この3人目の女の話ははっきり言って浮いている。パリが舞台で女が主役で陰謀めいたものも描かれ、演出は即興、そして当然長尺というまさにリヴェットの映画といえる要素をふんだんに持っていながら、どうも冴えが無い。その原因はやっぱり3人目の女の話のせいだと思う。即興で得られる自由さよりも、強引に話を作った不自由さを感じる。一方、リヴェットの映画では「映画ならではの」とか「映画だからこそ描けた」というものが必ずと言っていいほど盛り込まれたり提起されたりするのですが、この作品でそれに当たるのが、唐突に始まる“ミュージカル”。これは良かった。その踊りも斬新で面白かったのですが、現実世界の中で、踊っている2人だけがミュージカルの世界にいるという映画ならではの描写がいい。 クラブ歌手として登場のアンナ・カリ-ナは....そりゃ、歳もくうわな。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-05-12 18:03:16)(良:1票)
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