1. パイレーツ・ロック
《ネタバレ》 堅苦しく鬱屈した社会の中でロックンロールがいかに多くの人々の魂を解放してきたかを高らかにうたいあげた作品です 60年代のロック・ポップスもふんだんに使われているのも楽しいです。 また、雰囲気やビジュアルも当時のイギリス映画を思わせるような感じでよかったです。 [地上波(字幕)] 8点(2015-11-14 10:31:38) |
2. HUNGER/ハンガー(2008)
《ネタバレ》 激しい獄中闘争、命を賭けたハンガーストライキ・・・・これらを激しくも冷徹に、そして芸術的に映像化し、なおかつエンターテイメントとしても成立させてしまうとは、この監督は只者ではありません。この政治的な重い題材を、北アイルランド問題の1エピソードとしてでは無く、IRA、英国のどちらにも与せず、あくまでも第三者的な立場からあくまで「人間の信念・意地の通し方」という普遍的な面から描いている点が興味深いです。 当時の北アイルランドに関する状況を予習しておくと面白さがかなり増すと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2014-11-16 23:35:16) |
3. バタフライ・エフェクト/劇場公開版
《ネタバレ》 これまで生きてきた歴史の中に様々な後悔やトラウマを抱える我々観客の多くにとっては非常に共感できる映画ではないでしょうか。ある意味、この作品における主人公の行動は「自殺」を暗示しているようにも受け取れるのですが、あくまでもフィクションですからこの完璧に練られた夢物語をそのまま受け入れたいですね。 [地上波(字幕)] 10点(2014-11-08 22:32:35) |
4. バルトの楽園
《ネタバレ》 日本ではあまり注目されることがない第一次世界大戦の最中にこのような事実があったことを映像として残せたことにまず意義があると思います。 そして、松江所長の、敵であっても文化・思考が違っても相手を尊重する姿勢は時代を超えて心を打ちましたね(その行動の根底にあるのが明治維新の勝敗であったことも)。 ベートーベンの第九がこのような形で日本初演奏されたというのも興味深かったですね。 [DVD(邦画)] 7点(2013-12-23 23:26:21) |
5. ハッピーフライト(2008)
《ネタバレ》 フライト自体は全然ハッピーではないんですけど、我々が飛行機を利用する陰でこれだけの人たちが精一杯働いていることが良くわかる作品でした。 まあ、空港や飛行機を舞台にした作品にハズレなしというところですかね。 [地上波(邦画)] 8点(2011-10-11 23:35:39) |
6. 春との旅
《ネタバレ》 先行きが不透明な日本という国に生きる者として、この作品は非常に身につまされるテーマを扱っており惹き付けられました。自己実現を第一に人生を送ってきた主人公の老人の姿はまさに現代の日本人である我々の象徴であり、その我々が将来どのような状況に陥るかをこの作品は示してくれています。 ただ、このようなヘヴィなテーマであっても、これまで日本映画を支えてきた名優たちが演じているのですから面白くないわけがありません。特に、仲代達矢のクソ爺ぶりは本当に素晴らしかったです。 そして、3月11日の震災で大きな被害を受ける前の東北(気仙沼・唐桑町他)の姿も映し出されており、そののどかな風景が一瞬にして失われたことの恐ろしさを痛感させられました。また、主人公たちの家族がバラバラになった原因が大津波によって家が流されてしまったことにあるという設定(当然、この作品は震災前に作られたものです)が非常に重く感じられました。映画の中で、何回か出てくる鹿折唐桑駅も大津波の被害にあい、その姿を変えてしまってます。 今、多くの人に見てもらいたい作品です。 [DVD(邦画)] 9点(2011-08-19 00:12:18) |
7. パリ20区、僕たちのクラス
《ネタバレ》 あるクラスの状況を通して、フランスの教育事情だけでなく「移民国家」としてのフランス社会事情を映し出している作品です。 移民の子供たちの態度も未熟さ、甘えから来るものと言うよりは、自分たちの主張を声高に叫ばないと拾ってもらえないというような移民の社会的におかれている状況、そして社会からの疎外感が影響しているように思えます。 まあ、教師側が情に流されず割り切って淡々と教師業をこなしていること、生徒側もいろいろな騒動が起こった後も引きずることなく授業に出ていることなんかを見ると文化の違いを感じますね。 はっきり言って映画としてはそれほど面白い作品ではありませんが、ドキュメンタリーとしては興味深い作品でした。 [DVD(吹替)] 7点(2011-05-09 21:31:29) |
8. パンドラの匣
《ネタバレ》 かなり原作のイメージを崩さずに映像化した印象を受けました。キャスティングも良い感じではまってましたね。特に川上未映子の起用は大成功だと思います。 ただ、ちょっと中だるみ気味なところもあって時間が長く感じましたね(そんなに長い時間ではないのですが・・・)。 [DVD(邦画)] 6点(2010-09-14 00:25:33) |
9. パコと魔法の絵本
《ネタバレ》 ストーリーは悪くないですし、途中何度も胸にグッときました。役所広司やアヤカ・ウィルソン、土屋アンナといった役者陣の演技も良かったです。 ただ、過剰な演出・CGが個人的には逆効果でしたね。なんというかゴチャゴチャさが素材の良さを打ち消した感じでちょっと作品に入り込めませんでした。 まあ、面白い作品ではありましたが・・・・ [地上波(邦画)] 7点(2010-08-21 15:12:57) |
10. パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ
《ネタバレ》 パンクの女王というよりは、パンクな詩人と言う方がふさわしいパティ・スミスの、カリスマとしてではなく母として娘としてそして一アメリカ人女性としてといった等身大の姿を映し出した非常に貴重な映像作品です。 いつまでたっても衰えることの無い熱いエネルギーに惹き込まれました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-06-19 00:52:36) |
11. 母なる証明
《ネタバレ》 ポン・ジュノの才能が遺憾なく発揮されている快作です。まるで「藪の中」のようなミステリーの形をとりながら、我々に人間社会の理不尽さや人間の抱える原罪のようなものを指し示しています。 過ちを抱えながらも、何事もなかったかのように踊る母親の姿こそが、まさに人間という生き物そのものであるように感じました。 [DVD(吹替)] 8点(2010-06-09 01:10:59) |
12. 反恋愛主義
《ネタバレ》 どうしてもハンガリーというと、旧社会主義国とか「ハンガリー動乱」を思い浮かべてしまうのですが、この作品は現在のハンガリーの姿をユーモラスに描いていて非常に興味深かったです。単純にラブコメディとしても良く出来ています。 しかし、こういう未知の国の映画でもあまり文化のギャップを感じずに共感できるというのはグローバリズムが進行しているってことなんですかね? [DVD(字幕)] 7点(2010-01-27 21:01:24) |
13. パール・ハーバー
《ネタバレ》 日本が完全に悪役として描かれているので、観ていて気分は良くなかったですね。まあ、戦闘シーンは迫力があったとは思いますけど。 ただ日本人としてのバイアスを除いたとしても、この映画の物語の核となる主人公たちが繰り広げる三角関係に全く感情移入ができませんでした。どうみても身勝手でドロドロなのに、なんかあっさりとしたタッチで美しくまとめているのがどうなんだという感じです(まあ、真珠湾攻撃でそれどころではなかったということなのかも知れませんが)。戦闘シーンと恋愛シーンのアンバランスさが気になりましたね。 しかし、戦艦アリゾナが今もまだ1000人以上の遺体とともに真珠湾に沈んだままになっているんですね・・・・ [地上波(吹替)] 4点(2009-11-11 23:16:45) |
14. パンドラの箱(2008)
《ネタバレ》 親子関係・兄弟関係そして介護問題という、トルコだけでなく我々にとっても他人事では無い普遍的なテーマを扱っているので見入ってしまいました。 しかし、この問題は難しいですね。ラストの一人で山に入っていくアルツハイマーの祖母をただ見つめるしか術のない孫の心境が非常に良くわかります。 緻密に計算された映像美と演出、そしておばあちゃん役の演技が素晴らしかったです。 [映画館(字幕)] 7点(2009-11-08 11:28:15) |
15. 巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト)
《ネタバレ》 2003年の作品ではありますが、昔の洋画を見ているような懐かしい雰囲気が漂うミュージカル映画でした。まあ、1920年代にヒットした作品の映画化で舞台劇をそのまま映像化したような感じでしたけど、それがまたレトロな感じで良かったと思います。 ストーリーもちょっと下世話な男女の物語をユーモアを交えて軽妙で小粋な感じに仕上げていて面白かったです。ラストも上手くハッピーな感じになっているのもいいですね。料理で言えばメインディッシュではなく前菜といった感じの作品です。 [地上波(字幕)] 7点(2009-10-27 23:37:22) |
16. 裸足の1500マイル
《ネタバレ》 人間が自分たちと異なる文化を持つ人間を動物扱いしている。そして、それがさも当然であるとその人間たちは疑いを持つことなく考えている・・・・・。あまりに愚かな政策で唖然としてしまいました。いろいろ考えさせられました。 [地上波(吹替)] 7点(2009-10-11 10:36:05) |
17. バーダー・マインホフ 理想の果てに
《ネタバレ》 60年代から70年代にかけてのドイツ赤軍の動向がドキュメンタリータッチで淡々と描かれていて非常に興味深く観ることができました。正直、現在の感覚で観ると、疑問や嫌悪を感じる部分も多かったです(ただこの「現在の感覚」というのはこういった事実を消化した上に成り立っているのですが・・・・・)。 序盤のテロ活動のシーンなんかは妙に格好よくて、こういった集団に憧れる若者が出てくるのも無理はないなと思いましたね。それ故に、その理念よりも「格好よさ」に惹かれた第2・第3世代が暴走していくのが本当に良く理解できましたし、必要以上に神格化された第1世代の戸惑いや脆さが上手く映し出されていたと思います。 [映画館(字幕)] 8点(2009-08-24 18:47:32) |
18. ハッシュ!
徹底的に緻密に作られた設定・ストーリー・台詞・キャスティング等々本当に「お見事!」というしかありませんが、どうしても「それでいいのか?」という疑問が残ってしまいます。もう少し若い頃(10代、20代)に見ていれば「これでいいのだ」と受け入れることができたとは思いますが・・・・・。なので、この点数となりました(傑作であることは間違いありません。 片岡礼子の演技は本当に素晴らしく満点です。) [DVD(邦画)] 6点(2009-07-27 10:52:18) |
19. 花よりもなほ
《ネタバレ》 義を重んじ、義に殉じることは武士として当然であるという「建前」と、目の前の幸せの中に安住していたいという「本音」の間でジレンマに悩む武士の姿を、「建前」を通した赤穂浪士たちの「本音」を絡めながら描いていていろいろと考えさせられる作品でした。長屋のセットも非常にリアルな感じで作られていて、興味深かったです。まあ、賛否両論あると思いますけどね。私自身も納得できる部分とそうでない部分はありますので。 残念なのは、ストーリーがやや粗く散漫で、着眼点や発想は非常に素晴らしいと思うのですが消化しきれていないんですよね・・・。ちょっとカッコつけてしまっているなという印象もあります。 [地上波(邦画)] 7点(2009-07-02 18:54:35) |
20. バンガー・シスターズ
《ネタバレ》 ロックも半世紀近い歴史を重ねてきていることを思い知らされる作品でしたね。ゴールディ・ホーンの若々しさには驚かされました。 [DVD(吹替)] 7点(2008-11-16 23:48:59) |