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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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21.  ビルとテッドの大冒険
本人たちのためにも、この二人はやはり落第させた方がいいと思いました、ハイ。 時空を飛びすぎ、飛びまくりすぎ、一本の映画の中でこれだけ、色んな国の色んな時代の色んな人物の色んな姿を登場させる、ってのも、恐らくは相当、手間なワケで、そういう意味ではずいぶん贅沢な映画なんですが、見終わって、ちっとも贅沢をした気分にならないのは、これはどうしたことなんだろう???
[インターネット(吹替)] 7点(2021-04-12 22:36:57)
22.  火の鳥(1978)
子供の頃、テレビでやってたのを夢中で見たという記憶はあるのですが、細部は忘れてしまって、だけどどういう訳か一部のシーンは気味が悪いほど鮮明に脳裏に焼き付いてて。見てから経った年月と、その映像の記憶の鮮明さとが余りに釣り合わず、何か他の作品の記憶が混在してるんじゃないかと、自分でも疑わしくなるのですが、後に原作の黎明編を読んでみると、確かにそこには記憶に似たシーンが存在していて。 で、今回、この映画版を40年ぶり(?)くらいに、見てみると。 おお、鉄の矢が岩を砕くシーンも、あの残酷な目潰しのシーンも、穴の底に生えたわずかな草をむさぼるシーンも、記憶通りそこにあるじゃないか! と言いたいところですが、正直、それぞれ少しずつ、実際よりも立派なシーンへと脳内変換されてたようです。ハイ。素顔のウズメがこんな由美かおる顔だとも思ってなかったし。 たぶん、子供の頃の私には、今と違ったものが見えてたんだと思う。 しかし今みると、ムダに説明じみたセリフの多さが気になってしまいますね。脚本は谷川俊太郎さん。きっとイイ人なんだろう、とか思っちゃうのは元々の氏のイメージにもよるのですが、ちょっと原作に配慮し過ぎかな、と。こういうのは、「手塚治虫がナンボのもんじゃい」というぐらいの人がやった方がいいと思う。 ただ一人、市川崑監督だけが、手塚治虫と横溝正史との区別がついていないようですが。 何にせよ、この原作のイメージを残しつつ実写化する、という困難を、アニメとの合成という大胆な手段で乗り越え、さらにはコミックだからこそ許される誇張やギャグまで、そのノリを取り込んじゃおうという、無謀な挑戦。 一方では、奇跡と言ってよいほど原作イメージ通りの、草刈・仲代両名の存在もあって。 失敗作といえばそうだろうけど、それだけで終わらせては、ちょっと勿体ないですね。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-03-28 11:48:12)(良:1票)
23.  ピラニア 3D
エリザベス・シューがいてクリストファー・ロイドがいて、これでマイケルJがいれば完璧なのだけどそうもいかないので、代わりにリチャード・ドレイファス。代わりが務まるのかどうかは知らんけど。 それにしても、ひたすら人間がピラニアに食われ続ける映画。豪快に、美味しそうに、ピラニアが人間を食べまくり、これだけ徹底的にやったらアッパレ。と思わんでもないけれど、人体損壊に拘りすぎて、ちょっと単調。ピラニアから逃れようと、水に浮いたステージみたいなヤツに人びとが殺到して傾いてしまい、また水中に転落する、ってのは大いに結構だけど、こういう場合は傾くだけじゃなくって、派手にひっくり返って欲しかった。 全体的に、「想定内のパニック」から脱しきれなかった、との印象も。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-03-23 23:30:47)(良:1票)
24.  ビー・バップ・ハイスクール(1985)
かつて、この映画の監督さんが、「ジャッキー・チェンのように体を張ったアクション」こそがホンモノのアクションであり、そういうのを目指したんだ、みたいなことを言っていて、当時の私はかなり反発を感じたもんですが。まずアクションと言えばカーチェイスとクラッシュだろう、と。それに、こんな映画とジャッキー映画を一緒にするな、と。 でもその後の私の人生で種々雑多な映画を見てきた、その過程とは結局、このビー・バップ・ハイスクールという作品が、真似しようにも簡単には真似できぬ稀有の作品であることを確認する過程であった、と言っても過言ではない、とまで言うとこれはもう明らかに過言なんですけど(←そればっか)、でも確かにこれは稀にみるハチャメチャ痛快作である、ってコトには確信を持ってます。持つようになってしまってます。 こういうツッパリ、ってのも今ではすっかり絶滅危惧種となって、ウチの子供に訊いても「今までにこんな髪型を見たのは仮面ライダーフォーゼぐらい」とのこと。そりゃまあ、ナンボか誇張はありますけれども、そんな未確認生物を見るような目で見なくっても、かつてはこんなヒトたちが、そこそこ生息していたワケで。 で、そんなヒトたちが、ほとんど「人間の体はどこまで頑丈か」「どこまでの無茶に耐えられるか」を競うように、映画の中で無茶しまくってる。一体、何でしょうね、どうしてこんなワケのわからない「頼もしさ」を彼らに感じてしまうのでしょうか。 クライマックスの一大合戦が、アホらしくてダサくって、闇雲にカッチョいい。いや、ホント、貴重な作品です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-01-04 17:25:43)(良:1票)
25.  病院坂の首縊りの家
冒頭からヨコミゾ先生が登場(一緒に出てるのは、本物の奥様なのか?)、たどたどしいながらもセリフの多い役をこなし、いやもしかして、最終的にこのヒトが犯人だったりして、とちょっと警戒、まではしないけど(ところでここは、本物のご自宅なのか?) 事件の背景とか動機とかに関して言うと、あおい輝彦の存在が(顔も)ワケわからんような気がしつつ、それでも作品自体は、ほどほどに錯綜し、ほどほどにわかりやすく、意外にうまくまとまっているように思われます。勿論、ミステリとしては、原作自体が面白すぎる上にギミックにも事欠かない『犬神家の一族』と比べると、地味な印象は拭えませんが、趣きある古い日本家屋の中で、時に動きのあるシーンを織り込んだりして、映画としての魅力は決して負けていないのではないか、と。 というより、凝った映像を作ろうにもやりつくした感があって、犬神家で見たようなシーン(町を歩く二人を上から捉えたカメラとか)の蒸し返しが、ちょっとパロディみたいな可笑しさにも繋がっていたりして。 舞台となっている古い町並みも風情がありますが、肝心の「病院坂」だけが妙に都会。この坂をロケで使いたいのなら、そもそも田舎を舞台にしなきゃいいのに・・・と思わんでもないけど、やっぱり古い町並みは、このシリーズによく似合う。だから、我慢しよう。 桜田ズン子は重要な役どころでなかなかの熱演。だけどそれにもまして、草刈正雄のこの自由奔放過ぎる演技は、一体何なんだろう、と。ホントいい度胸してると思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-09-22 20:33:43)
26.  豹/ジャガー
コルブッチ監督には『続・荒野の用心棒』ってな邦題の作品がありましたが、そのセンでいくと、本作は『続・夕陽のガンマン』とでも名付けるべきですね、闘牛場での決闘シーンでは、円形の舞台に3人が睨み合う形となって、臆面もなく夕陽のガンマンのシーンをそのまんまパクってます。でも残念ながら、続・夕陽のガンマンという映画はすでに存在しているので、『続・続・夕陽のガンマン』とでも名付けるべきですね。なにせ、続・夕陽のガンマンみたいに、円形の舞台で3人が睨み合うもんね。ははは。 実際、本作の背景には革命が描かれていて、そういう激動の時代の中での決闘、という点でも、続・夕陽のガンマンを思わせるものがあります。ただし、チンピラみたいな軽いノリの革命家と、フランコ・ネロ演じる凄腕ガンマンとの奇妙な友情が物語の中心で、敵方の用心棒ジャック・パランスと戦う、という、比較的ストレートなオハナシには、なってます。だけど、この三者がそれぞれに一癖もふた癖もあって、物語に起伏をもたらします。 ジャック・パランスの髪型(いかにも似合わないパーマ)は、どうなのよ、と思いつつ、さらには何でこんな映画のこんなシーンで素っ裸にされてるんだよ、と思いつつ、それでも敵役としてはなかなかの貫録。 彼に刺客として任命された男の後ろで、別の男が農作業用のフォークを作ってて、刺客の男からカメラがそれると、男の悲鳴が聞こえ、フォークを腹に突き刺されて絶命した男の姿がカメラに捉えられる、などという、若干アホらしい見せ場も楽しいし、上述の「円形の決闘」がクライマックスかと思わせて、物語はそこで終わらずにさらに見せ場を作るのもまた楽しいところ。 出色のマカロニ・ウェスタン。パクリ的な部分も含めて。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-05-06 16:53:07)
27.  ビッグ・アメリカン
まず冒頭、壮大なる西部開拓時代のオハナシか・・・と思ったら、これが実は単なる見世物(仰々しい邦題もここではミスディレクションに貢献しちゃってます)。要するにあの、バッファロー・ビルがやってたという、ワイルド・ウェスト・ショーのオナハシ、なんですね。アメリカ開拓史ってのは、土地の開拓が終わったら、今度はビジネスの開拓が始まって、休む間もありません。 バッファロー・ビルを演じているのがポール・ニューマン、だもんで、すでに何だか胡散臭い。そもそもこのヒトは本物のバッファロー・ビルなのやら、もしかしてニセモノなんじゃないの、とすら思えてきたり。冒頭のクレジットでも役名は単にThe Starとだけ書かれてるし。もっとも、他の登場人物もみな、役名が名前では書かれていなくって、本物だろうと偽物だろうと、もうどうでもいいのですが。 実際、劇中で行われるショーは、代役あり、失敗による流血沙汰あり、まあ、テキトーなんです。 そんな中で、先住民役として雇われている(本物の)先住民のオジサン、こちらは本物のシッティング・ブルっぽい(でも、そもそもシッティング・ブルなどというキャラクターの来歴自体、ギミックじみた少々アヤシイところがあるのですが)。で、言葉数も多くなく、いつもどこか醒めた表情をしていて、それがユーモラスであると同時に、強烈な皮肉を漂わせています。 皮肉と言えば、バート・ランカスターの存在。何かと登場はするけれど、この状況に関わる気が、あるのか無いのか、超然と涼しい顔。作家の彼がこの状況を作り上げたのかも知れないけれど、もう彼にもどうにもならないし、多分、どうする気もなさそう。 ショーの中で大事故でも起これば、映画としては娯楽色が出るけれど、本作は、物語をそういう娯楽路線へ開放することもなくって。「事故が起こったら大変だよね」というサスペンスはもちろんあるけれど、あくまでその中途半端な不安定さのまま、主人公が取り残されたようにフイと映画が終わっちゃう。 一方で現実世界の商業主義は、紆余曲折はあれど行き詰まることなく拡大の一歩をたどって、この先、壮大なカタストロフが待ち受けているのか、どうなのか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-23 17:21:04)
28.  昼下りの情事 《ネタバレ》 
まず冒頭、パリではどこもかしこも、イチャイチャする男女ばかりなんですよ、と、フランス人への偏見モード全開。まあ、この後の物語展開に対する言い訳みたいなもんかも知れませんが。 とあるオッサンが妻の浮気調査を私立探偵に依頼、結果、これはクロですなあ、という訳で依頼人のオッサンはピストル片手に浮気現場へ。一方、この話を盗み聞きしてしまったのが、私立探偵の娘であるオードリー・ヘップバーン。揉め事を未然に防ごうと現場のホテルへ先回り、依頼人の妻と、浮気相手である大富豪でプレイボーイのジジイ(=プレイジジイとでも言うんだろうか)に、カクカクシカジカ事情を伝え、その場は丸く収まる・・・はずが、今度はジジイとオードリーが何となくいい感じになっちゃう、というオハナシ。何でこんなジジイがモテるんだよ、一体このジジイ何者だよ、とか思っちゃうんですが、何者も何も、ゲイリー・クーパーなんだから仕方がない。でも、いつの間にこんなに老けたんだ、クーパー。メイクかも知れませんが、かなりのジジイ感です。 で、オードリーがこのジジイに弄ばれるのか、心配だなあ、と思って見ていると、ジジイはジジイで彼女に弄ばれてるようなところがあり、お互いヤキモキしてる。大人の恋愛かと思ったら、少年少女のようなところもあって。 中盤、オードリーが手紙を何度も書き直した上で封筒に入れ、しかしそれを投函することなく燃やしてしまうまでの一連の挙動を、長々とワンカットで描いているのですが、確かにワンカットで捉えるだけの魅力が、彼女の仕草に溢れています。そりゃジジイも参るでしょう。 でも結局は、ヘボ探偵かと思ってた彼女の父が、一枚も二枚もウワテでした、というのがなかなか気が利いてます。もっとも、もしも彼女の父がラストで一枚噛んでいなかったら、「そんな終わり方でいいのか!」と暴れたくなるところですが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-07 15:42:36)
29.  ビッグケーヒル
主人公の保安官役がジョン・ウェイン。ではあるのですが、主人公というよりは若干、脇役に引き気味で、悪党一味に手を貸したばかりに抜き差しならない立場に陥ってしまう彼の息子たちが、むしろ物語の中心です。父親への反抗心からの軽はずみな行動が、次第に彼らを理不尽な状況に追い詰めていく、その理不尽さを少年の立場から描いているのが、何ともソラ怖ろしくて、イイんですね。大雨の中、ヌッと姿を現すジョージ・ケネディの、いかにもオソロシげなこと。 ジョン・ウェインというヒトは、映画の中ではしばしば、大丈夫かこのオッサン、とつい思ってしまう頼りない部分があったりする(ような気がする)のですが、本作は、一歩引いてる分、また中盤でその持ち前の頼りなさを垣間見せる分、終盤では彼に似合わず妙にしっかりしたオヤジになってて、そのおかげで、普通なら「こんな終わり方でいいのか!」と文句の一つも言いたくなるような(ある意味予想通り)のラストも、何となく腑に落ちてしまうのでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-11-09 02:51:04)
30.  BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント
少女と巨人の交流のオハナシですが、正直、ストーリーらしいものは殆ど無くって、多少、間延びした感はあります。しかし、CGで描かれる巨人たちの活き活きとした感じ、そしてCGの世界と主人公の少女との融合が、観てて楽しいんですね。 特に、CGの中で茶目っ気たっぷりに動き回ってみせる少女と、これまた見事に動き回って見せる「カメラ」、その特殊効果による描写は、ここまで描けるんだという驚きにあふれていますが、それでもどこか少し胡散臭くって、トリックめいていたりもして。それが、あのかつてのダイナメーション技術みたいな「魅力的な不自然さ」とでも言いたくなるようなものを感じさせたりもします。 個々のシーンが持つワクワク感。いいですね~。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-09-08 17:50:05)
31.  緋牡丹博徒 鉄火場列伝
これまた、人物配置が実にお見事で、印象的な登場人物たちを巧みに絡み合わせて、そりゃもう面白くならない訳がない、というもの。 緋牡丹お竜を取り巻くは、カタギになって藍の小作人たちの権利を守る労働組合委員長(?)になった待田京介。少女を連れた渡世人・鶴田浩二。敵役もそれぞれにワルさの度合いが異なりそれぞれに魅力的だけど、何と言ってもアヤシイのが、ピストル片手に上から下まで真っ白のスーツ姿の丹波哲郎。もうちょっと足が長くてスマートだったらもっとサマになってたんですけどね。こういった個性的で魅力的な登場人物たちが惜しげもなく投入され、物語の中に的確にハメこまれて、これじゃもう、熊虎親分の出番は無いでしょ、と言いたくなるくらいなのですが、そうはいくかと熊虎親分もとってつけたような大活躍を見せてくれます。 ここまでくると、もし登場人物を誰かひとり削らないといけないとしたら、緋牡丹お竜を削るしかないんじゃないか、と。 いや、もちろん彼女にも見せ場は準備されていて、カタギの立場を貫こうとする待田京介との関係とか、賭場シーンで見得を切って見せるところとか、いろいろあるんですけどね。しかしクライマックスの立ち回りにおける彼女の活躍もやや抑え気味。祭りの終わった阿波の地から、静かに姿を消していく。そんな印象です。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-07-23 20:41:02)
32.  ヒトラー暗殺、13分の誤算
この邦題にもある「13分」という数字に、西欧では不吉なものを見るのかも知れませんが、映画の最後に出てくるタイトルを見ると、主人公の名前である「Elser」となってて、実際、この映画では「誤算」が何分であろうと、さほど問題ではなく、あくまで主人公個人を描いた映画なんですね。 それに、映画はその「13分」を直接は描かず、計画の失敗、拘束、拷問から物語が始まります。で、現在と過去が交互に描変えていく。現在の殺風景な留置施設の光景に対し、過去のシーンにおける自然の美しさが目にまぶしい。 ヒトラー暗殺計画は失敗し、無関係な人々の命を奪っただけに終わってしまう。過去に遡ったとて、そこに繰り広げられるのは、人妻との不倫関係に過ぎない。そこにあるのは、ただただ、寄る辺の無い主人公の姿。無力な主人公は、周りの人々の運命を狂わせただけで、所詮は無力な存在に過ぎなかったのかも知れない。のみならず、終盤で示される5年後のエピソードでは、主人公は何も無しえぬまま、思わぬ人の運命を思わぬ形で狂わせたことだけが虚しく示されます。 何とも、寂しい映画です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-21 10:52:58)(良:1票)
33.  緋牡丹博徒
高倉健が男のヤセ我慢なら、藤純子は女のヤセ我慢。自分の人生を犠牲にしても父の仇を追う女と、それを知りつつ弟分をかばわねばならぬ男とが繰り広げる葛藤が、もうたまらんのです。二人の演技もその葛藤へとひたすら収斂していく。 だからこそ盛り上がる、クライマックスの殴り込み。ダイナマイトでも何でも持ってこい。 というワケで。 いや、素晴らしいです、ハイ。 何が? 清川虹子の溢れんばかりの貫録が。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2019-02-23 07:57:08)
34.  ひまわり(1970)
可憐なロシア娘を選ぶか、南イタリアの豪快なオバチャンを選ぶか、それが問題だ。 って、一体それのどこが問題なのよ、と言いたくもなるだろうけれど、そう簡単に割り切れないのが人生なのです。 戦争から帰らぬ夫を探し求め、ソ連を訪れた妻の前に、夫は彼の地で妻子を設けていたという事実が突きつけられる。戦争のもたらした悲劇。 冒頭、無数のひまわりが咲き乱れる中で、カメラがその一つの花へとズームしてゆくのが、あたかも、この映画で取り上げる物語は、無数の悲劇の中の一つに過ぎないんだよ、とでも言っているかのような。ラストも、無数のひまわりの花へと再びカメラが帰っていき、映画が終わる。 しかも、映画中盤でもひまわり畑が登場しますが、このイメージは、その少し後に登場する、林立する墓標のイメージにも重ねられます。本来であれば、「ひまわり」とは、陽光あるいは生命力を象徴するような花、にもかかわらず。 映画に何度か列車が登場しますが、画面の左から右に向かう方向への動きは不安な未来へ、右から左へ向かう動きは安寧の過去へ、の動きのように、感じられます。ロシアからの復員者を乗せた汽車は右から左へ。ロシアでマストロヤンニの姿を見たソフィア・ローレンが飛び乗る汽車は左から右へ。 そんな中で、ラストの別れは、左⇒右ではなく、右⇒左の動きであることに、ギクリとさせられます。もはや、すべてが取返しのつかない、過去へと封印されていくかのような・・・
[CS・衛星(字幕)] 10点(2019-02-12 22:20:20)(良:2票)
35.  昼顔(2017) 《ネタバレ》 
一枚のチラシが、二度と会う事を許されぬ二人を、再び結びつける。でもそのチラシを、上戸彩がなかなか見ようとしないのよね。だもんで脚本家はテーブルの上のチラシを扇風機の風で飛ばして、彼女に注目させようとするのだけど、一向に目を向けようとせず、もうニブイったらありゃしない。業を煮やして今度はチラシの上にカナブンを落として見せ、ようやくニブイ上戸彩でも気づくことになる。これだけ念には念を入れて再会させられたふたりが、そりゃもはや離れられるワケもなく。 大学の先生のくせに、川遊びばかりせずにもうちょっと研究らしい研究をしなさいよ、と言いたくもなるけれど、要するにこの二人の間柄って、子供同士の延長みたいなところがあるのね。だから、大人からの視線を浴びせられると、ツラくなる。そっと川辺で密会し、ままごとのような共同生活をし、やがてあっけなく永遠の別れを迎える。子供の小遣いで買ったような指輪だけが人知れず川辺に残されて、たまたまそれを見つけた子供たちの手にわたって物語はオシマイ。なんちゅうはかない永遠性であることよ。 斎藤工演じる北野先生、なんの活躍も見せないままアッサリと事故死(同乗の伊藤歩が強すぎるんじゃなくって、斎藤工が弱すぎるんです)、上戸彩は(そして観ている我々も)遺体との面会すら許されぬ、という、物語の中の「死」の特権すら剥奪する残酷さ。まーホント、気が滅入ります。
[地上波(邦画)] 7点(2019-01-29 22:33:07)
36.  ビッグ 《ネタバレ》 
外見が大人でも中身が子供のままだから、オモチャ会社で鋭い意見を吐いて成功するんだとか、少年の心を持っているから女性のハートを射止めるんだとか、そういったコトを「だって当然の帰結でしょ」と頭ごなしに我々に納得を求めてくるこの映画。どうも好きになれないのです。そういったコトに説得力を持たせるために、何を描いて見せてくれるか、それが我々の期待するところ。なのにこの映画は「そういう設定だから、当然そういう展開になるに決まってるよね」といきなり同意を求めてきて、そこには我々を納得させこの世界に引きずり込む、何のエピソードもない。 ただそこにあるのは、トム・ハンクスの「中身は少年です」と必死でアピールする演技だけ。一応は、彼の人懐っこそうな風貌とマッチして、それなりの効果はあげているのだろうけど、しかしそれとて、「大人が眉をひそめるような非常識な仕草」頼みの演技が中心で、そんなに面白味のあるものでもなし。 「元に戻りたい」気持ちくらいはせめてもう少し丁寧に描きそうなところを、むしろ新しい生活を順風満帆、楽しんでいる様子の方が、印象が強く、これだったらいっそ、最後まで元に戻れませんでした、という悲劇で締めくくればよかったに、とかいう事まで思ってしまうのですが、ハイ、それはさすがに無理ですね。そんな後味の悪いコメディ映画、絶対に人気出ません。 あの、やはり子供の心を残しているらしき社長との交流、これはもっと掘り下げてもよかったのではないか、とも思います。恋愛方向に話を持っていくより、ドラマが広がり、説得力も出たのでは、とか。そう思うと、『釣りバカ日誌』ってのは、社長とコドモ大人との交流を描き、そこには馴れ合いだけではなく両者の間の緊張感までも盛り込んでいて、本作より余程よく出来ていたような気がしてました。そういえばどちらも同じ1988年の映画なのでした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-12-02 12:07:42)
37.  ピクセル(2015)
ゲーマーが宇宙からの侵略者と戦う。しかもゲームそのもので戦うだなんて、『スター・ファイター』でもそこまで厚かましいことはしませんでした(しかしあの作品はあの作品で、大勢登場させた宇宙人をアッという間にほぼ全員死亡させるという厚かましい作品でしたが)。 というワケで、こんなアホらしい設定で映画を作ってくれて、とりあえずは有難う、なんですけれど・・・その「アホらしい」という地点に、そのままとどまってしまったのが、作品を残念なものにしています。「アホらしさ」を言い訳に、映画を適当に作ってはいけません。 主人公たちがイケ好かない連中、ってのは、作品の狙い通りだろうけど、そんな、およそどうでもいい「等身大以下」のヒトたちが、ただゲームをやって終わりだなんて、いくらなんでもお粗末でしょう。そのゲームだって、ひとつひとつ順番にこなしていくだけ。物語にも何にもなってない。 そりゃま、私も「懐かしいなあ」と思う世代のひとりですけどね。その一方で、「他人がやってるゲームを横で見せられても、大して面白くない」ってのも、あるワケです。
[DVD(吹替)] 4点(2018-08-16 15:32:00)
38.  ビリー・ザ・キッド/21才の生涯
わざわざ「21才の生涯」だなんていう邦題つけちゃって。クリス・クリストファーソン、いくら何でも21才には見えんよ。でも、なんか素朴さがあって、いいですね。 それよりも本作の主人公は、ジェームズ・コバーン。保安官パット・ギャレットの役ですが、どうもても彼の方がよほど、アウトロー。 要するにみんな、好きなことやってる。自由気まま。ビリーもギャレットもいずれは殺されるんだけどね。そういう期限付きの自由が、さらにあこがれを煽る。そしてもう、元には戻れない。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-08-08 20:52:28)
39.  ヒューゴの不思議な発明 《ネタバレ》 
昨今ではメリエス作品も動画サイトでお手軽に観られるようになって、ありがたい世の中というか、ありがたみの乏しい世の中というか。まあ、感謝すべきではあるのでしょう。 さて本作、タイトル前が一番の見どころというか(笑)、縦横無尽のカメラ、いきなりのハイテンションで、これがこのまま続いたら大変だ、とか思うのですが、本編に入るとひとまず落ち着きます。 いやむしろ、黎明期の映画への愛を語るファンタジーにしては、ちょっと遠慮しすぎでは?という気もしてきます。もうちょっとマニアックなところに踏み込んでもいいのにねー。もっとも、スコセッシがマニア道を全開にしたら、大変なことになるのかも知れないけれど。 「映画への愛」の部分が、ファンタジーを描くための仮の意匠とでもいうか、何だか「テーマは何でもいいんだけど、たまたま映画を選んでみただけなのよ」みたいなよそよそしさがあって、何だろう、この遠慮は。結果的に物語が向かって行く先が、弱くなっていないか。映画が空回りしていないか。 だけど、やっぱり、この児童文学っぽい雰囲気、子供の視線、ってのは、いいですね。お巡りさんは無条件にコワイとか。 汽車が迫ってくるシーン(夢の方)、後のシーンと関連するとは言え、わざわざここまで派手なシーンにしなくてもいいんだろうけど(どうせ夢オチだし)、「Le Voyage à travers l'impossible」あたりのイメージなんですかね。本当はもっと、色々やりたかったんじゃないのかなー。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-04-21 03:14:53)(良:1票)
40.  ビバリーヒルズ・コップ3
3作目に至って、監督がジョン・ランディス、ってのがもうすでに投げやりな感じがしてしまうのですが、そして実際、評判も芳しくないようなのですが、すみません、ワタシは好きなんですコレ。バカバカしくって可笑しくって。 もはや3作目ですから、「デトロイト⇔ビバリーヒルズ」というカルチャーギャップネタを今更やる訳にいかず、結局、アクセルとローズウッド君をとりあえず登場させてはいるものの、あまりビバリーヒルズコップシリーズである必然性もなくなってます。そもそも、今までのシリーズだと、アクセル刑事が口八丁手八丁、いつもテキトーな事ばかり言って強引に何でもやり遂げてしまう、ってのが定番のパターンだったのに、本作では、ワンダーワールドに入り込もうとしてついた嘘がいきなり見抜かれ、入場料を払わされる羽目に。この辺りは、「本作は、過去のシリーズ通りの路線ではありません」という宣言のようなもの。宣言しちゃたもんの勝ち、あとはもう、遊園地ならではの、バカバカしいギャグとアッと驚くアクションを連発し、楽しいったらありゃしない。バカばっかりやってるようで、種をまいておいたいくつもの伏線をチャッカリと刈り取って見せるのも、気持ちいい。 カメオ出演も大層、豪華ですが、そのうち一人(役名:がっかりした男)は、誰もがよ~く顔を知っている、まさかまさかのアノ人。いったい、何考えてるんですかね、あはは。 という訳で、1,2作目も好きですけれども、変化球のこの第3作が、一番好きだったりするのでした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2017-04-09 20:05:26)(良:1票)
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