1. ブラウン・バニー
《ネタバレ》 見終わった直後は、「え?」と思った。つねに悲しい、しかも涙も枯れて乾ききったような、修復の余地のない悲しみを、ずっと観客に強いるせいで、後味が悪いことこの上ない。でも少し時間を置いて、シーンのひとつひとつを思い出してみる。「ああ、そうだったんだ」と解って、じーんときた。描きたいことが明確で、それに真っ直ぐに向かっているから、心に響くし、この感動は、きっと長く残ると思う。これほど評論家が「あてにならない」と思った映画は他にない。あんなに酷評されても毅然としていたクロエ・セヴィーニは素晴らしいと思う。彼女の体当たりの演技は、同性として決してイヤじゃなかった。ギャロ、「もう映画は撮らない」なんて言わないで~! <以降変更部分>上で、「何故、愛する女性と交わらないのか」と書かれている方がいたので、つい。あれはつまりバドのマスターベーションだったわけでしょう。だから交われる筈がないのです。私はそう理解しました。 10点(2003-11-26 22:54:04)(良:5票) |
2. フリーダ
良くも悪くもサルマの女王様映画。画家としてのフリーダのステイタスがあまり描かれていなかった点に多少不満が残ったが、カメラも演技も衣装も(ストーリーはもともと波瀾万丈な人間の伝記なのだから当然面白い)、合格点に達した佳作映画だと思う。あとは見る人がサルマを好ましく思うかどうかにかかっているのだろう。私はデスペラード以来彼女の大ファンで、彼女がいかにフリーダ・カーロに心酔しているかをインタビュー等で識っていて、主演から権利の獲得、資金調達までをこなした事を識っていたから、公開前からとても期待していたし、画家フリーダ・カーロに関する知識も多少頭に入れていた分、とても楽しめた。サルマのともすればひとりよがりになるがちな姿(女子高生役まで自分でやることはないと思う・・・)も、好感を持って見れたし、豪華な脇役陣を見ると、結構人望が厚い人なんだなぁと思う。「情熱」という言葉が、なんとも似合う映画。女性映画(観客の99%が女性だった)と思われがちだが、男性にも見てもらいたい一作。 9点(2003-10-12 20:08:32) |
3. ファイト・クラブ
公開当時見た時は、なんだか恐かった。最近見たら、「コレ、いいじゃん」と思ってしまった。すごく色々な事に挑戦的な映画ですね。深い様で浅い、暗い様で明るい。ふしぎな映画です。名言も沢山。ノートンの演技がすごい(真実の行方と微妙にキャラが被るけど)! ブラピはビジュアル的に最高。ヘレナ・ボナム・カーターは。「眺めのいい部屋」のイメージが強かったので。びっくりした。 9点(2003-10-01 18:20:52) |
4. フェイク
《ネタバレ》 とても面白いストーリーだなぁと観ていて、後で実話と知って驚きました。ジョニーが家庭を顧みない仕事人間で、アル・パチーノがよれよれマフィアだなんて、彼等のイメージとは対局にあるような役所を何の違和感も無く演じていて、二人の凄さを改めて確認しました。しかも「エンターティメントでちょっと変わったマフィア映画」と、だらだら観ていたら、不覚にも最後の銃声で涙が止まらなくなってしまいました。辛いったらないよ・・・ 9点(2003-07-01 22:01:24) |
5. プライベート・ライアン
すごかった・・・冒頭で胸をえぐられるような衝撃を受けて、そのまま最後までやられっぱなし。あの映像だけですごいのに、ちゃんとストーリー性があって、エンターテイメントとしての面白さも確立している。最近のスピルバーグ作品ではダントツに良かった。この映画を駄作とけなしたり、大したことないと言う人とは、お友達になれそうもない。 9点(2003-05-10 23:11:05) |
6. プラトーン
生温い平和に浸って生きている私にとって、衝撃的な作品でした。騒いで歌っている楽し気なシーンと、ビリビリした緊張の戦場への兵士たちの切り替えが、まさに監督の体験があってこそのリアルさで描かれていて、ドキドキしました。 永遠の名作だと思います。 通訳兵士役のジョニー・デップが、ちょい役ながら若くてキュートなのにプラス0.5(^-^) 9点(2003-04-09 22:23:53) |
7. プレッジ
ショーンペンの監督作を見たのは初めてでしたが、とても俳優が撮ったとは思えない、深く濃い作品でした。。画面も綺麗で、「凝り」が随所に感じられました。ただあまりに凝り過ぎて、長いなと感じてしまいました。こういうある意味「オチがない」映画で、この時間は長い。俳優監督ならではの豪華キャストが満足感大。 8点(2004-09-14 09:11:15) |
8. ふしぎの国のアリス(1951)
とりあえずこれは「ディズニー」なので、ルイス・キャロルの原作とは全く別物として観ました。卵とたまごふりかけ位の差異があるので。 懐古主義かもしれないけど、この時代のディズニー映画には、今のディズニーには失われてしまった楽しさが沢山つまっていると思う。不思議な情景、理不尽な台詞、決して「良い子」ではない主人公、アニメらしいキャラクターの動き、恐いシーン。CGを駆使して作り上げた壮大な映像はたしかに凄いけど、本物の自然を超える事は出来ないわけで、アニメーションらしい狂った世界の楽しさが存分に味わえるこの時代のディズニー作品は素晴らしいと思う。 8点(2004-04-06 14:58:53)(良:1票) |
9. ブレイブハート
エンターテイメント大作として見れば、面白い作品だと思う。三時間という撮影は素晴らしいし、ストーリーも起伏に富んでいるし、もしこれがファンタジーだったら、「良く出来た作品」で終わると思う。でもこれが、史実を扱ったものとして見ると、イングランドの描き方があまりに偏っているし、あんなに平和を望んでいたウォレスが、「祖国祖国」になっていく変化が急激で、感情移入出来にくい。メルの王様映画に見えて仕方ないし、第一、何故にメルがスコットランドの英雄を撮るのだという疑問が・・・・・10年若い頃観賞していたら、泣けたかもしれない。 8点(2004-02-13 14:52:43) |
10. フェノミナン
クラプトンにやられたって気がする。不覚にもすごい感動してしまった・・・ 面白いし、安心して見れるし、トラボルタという人の魅力を再確認させられた。 8点(2003-05-09 20:46:09)(良:1票) |
11. プリティ・ウーマン
ジュリアって、本当に好感度抜群。女でも憧れる種類の美貌と魅力。一日でいい、ジュリアになりたい。話も普通に面白い。優等生的映画。娯楽の王道。ただリチャード・ギアがど~~~してもいい男に見えない。ただの中年に見える。 8点(2003-04-30 15:29:46) |
12. フロム・ヘル
「ブロウ」を借りようと思い、間違えてこちらを借りてしまいました。期待ゼロで観たので、面白かった! 結局私は「ブロウ」よりこちらに一票。悪く言えばだるい映画ですが、良く言えば見せかたにこだわった手の込んだ作品だと思う。ヘザーが普段の馬鹿っぽい美女ぶりは何処へ・・・? のうらぶれ娼婦ぶりで、なかなか良かったです。ジョニーは相変わらず役の幅の広さを感じさせるキャラで、可愛かった。オチもGOOD。 8点(2003-04-29 17:02:57) |
13. フロム・ダスク・ティル・ドーン
途中までかなりだらだら展開で、「タランティーノらしくない」と思っていたら・・・やっぱ面白い!!! このハチャメチャぶりをいつまでも続けてもらいたいです。ひたすら面白い! でも2をビデオで借りて観たら死ぬ程つまらなかった。なんじゃ、あれ? 8点(2003-04-19 20:09:17) |
14. ブラックホーク・ダウン
アメリカ目線という批判は的外れだと思う。戦争映画なんて、どちらか側からの視点に決めないと内容がばらけるだけ。そんなことを言っていたら、大河ドラマも見られない。この映画が訴えかけるメッセージは、前線の悲惨さを、この映画を観るものに、現場の兵士の一万分の一でもいいから感じて欲しい、というところではないかなと思った。戦争を壮大に俯瞰して描くのではなく、ある一日の一場面を切り取り、丹念に描く。小さな小さな歯車のひとつとして現場に赴く者は、生き残ることと仲間を助けることに必死で、主義主張とはまるでかけはなれたところにいる。「大国アメリカの戦争」が、ボトムアップアプローチによって、リアルに描かれていると思う。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-05 16:40:49)(良:2票) |
15. 普通じゃない
この監督の映画は、トレイン~といいザ・ビーチといい、かなり嫌いなので、期待しないで観たらおもしろかった。この突き抜けたバカバカしさが好き。天使最高! 初めてキャメロンを「可愛い!」と感じた映画。どーでもいいけど、最近テレビ放映していたのをちらりと観たら、吹き替えがびっくりするほど酷かった。 7点(2003-08-05 20:02:06) |
16. フル・モンティ
おちゃらけ映画かと思ったら、いやはや、深かったです。なかなかの良作。これをアメリカがやったら下品に、日本がやったらえげつなくなるんだろうなぁ。イギリスのさらっとした感じが良いのです。最後は「え? もう終わり」って所が、良い意味でも悪い意味でも舞台的。 7点(2003-07-17 11:10:33) |
17. フォレスト・ガンプ/一期一会
面白かったです。感動はしませんでしたが。自分では思いつきもしないストーリーなので、先が全く読めず、ひたすらエンターてテイメントとして楽しみました。ここのレビューをみて、「知的障害者をバカにしている」という意見が多くてびっくり。これが駄目ならギルバート・グレイプもレインマンもマイ・レフトフットもカーラの結婚宣言も全部駄目でしょう。描き方の違いであって、バカにしているようには見えなかった。むしろ現実の世界で知的障害者への差別やいじめが無くなれば、これらの映画は必要ないんじゃないかな。依然としてあるし、将来もなくならないだろうから、描き続けられているわけで・・・ 自分で書いていて混乱してきた・・・・ 7点(2003-05-13 14:07:43) |
18. ブロウ
ちと長い。同じ事の繰り返し的シーンが多い。でも色々考えさせられる映画。私はペネロペより、最初の金髪の恋人が印象的でした。せつないねぇ~ 「今そこにある危機」と併せて見ると面白い。 でもファンとしては、終盤のジョニーの腹は・・・・ 7点(2003-04-27 18:34:20) |
19. ブリジット・ジョーンズの日記
面白かった! 期待していなかっただけに、役者の演技の上手さとテンポの良さで、飽きずに見ることが出来ました。カメラやスタッフに囲まれて、あれだけこっぱずかしい演技ができるレニーは凄いです。でも育児中の私からみたら、30代独身女の生活は、けっこう羨ましいです。 7点(2003-04-13 10:46:20) |
20. フォーン・ブース
電話ボックスから出ない、というのがウリで、私もその設定を聞いて「面白そう!」と思って見たんだけど、後半だんだんコリンのアップに飽きてきた。で、オチはというと・・・小物スチュを狙う犯人も、結局は小物なんじゃないの~ という、肩を竦めたくなるオチでした。あと、奥さんとの愛に目覚めるみたいな部分に、すごく興ざめした。6点欄の「ま、損はしてないかな」という表現が見事にハマる映画でした。 6点(2004-04-16 09:07:40) |