1. ブレードランナー/ファイナル・カット
本作を劇場で鑑賞するのは初代オリジナル版が公開された1982年以来です。 25年を経た今、同じ新宿で「ファイナル・カット」を鑑賞できるとは感慨深いものがあります。 映画の内容については余りに語り尽くされているので申しますまい。 今回何よりの収穫だったのはDLP方式での上映であったことです。 名前は聞いていましたが、実際この方式で映画を観るのは初めてでした。 ひと言で言って驚愕の映像、音響です。 本作のあとに「続・三丁目の夕日」を別の劇場で、通常のフィルム上映方式で観たのですが、こちらが最新作にもかかわらずあまりの品質の差に驚きました。 DLP方式で観るブレードランナーは、画面揺れゼロ、ゴミ、傷がひとつもない、フィルム粒子一粒一粒まで認識できるほどの解像度、暗部の豊かな階調、クリアでダイナミックな音響、これが25年前の作品とは到底思えない品質です。 そうして体験する2019年のロサンゼルス。画面のあちこちに新たな発見をすることになります。「もう何十回も観たよ」という人ほどあらためて劇場で観た方が良いと強くお勧めしておきます。 [映画館(字幕)] 10点(2007-11-29 01:35:14) |
2. 冬構え<TVM>
NHKのドラマスペシャル。先日再放送やってました。映画を観てもめったに泣きませんが、これは泣きました。笠智衆演じる老人がこの先寝たきりになって息子達に迷惑をかけるくらいなら、自分の体が自由になるうちに自ら死を選ぼうと、全財産を持って東北に一人旅に出ます。「ああ」「いやぁ」「そうですか」そのひとことだけで彼の人生や人柄がにじみ出てきます。 10点(2003-12-27 19:42:14) |
3. ブレードランナー
とにかく衝撃でした。陰鬱とした未来社会。日本語の看板はめちゃくちゃでしたが(w。美術が素晴らしいですね。この人は空気感というか、匂いのある映像を撮らせたら世界一だなあ。ひとつ気になる場面が。ロイが絶命して、鳩が空に舞い上がりますが、そのカットがどうも取ってつけのように見えてしかたがない。なんか建物の壁が未来都市と全然合ってないし。勝手な推測だが、最初鳩が空に舞うカットは無くて、後でどうしても付け足したくなり、撮影所の裏かなんかで適当にスモーク炊いて鳩飛ばしたんじゃないかなと。 10点(2003-12-12 19:58:10) |
4. ブルース・ブラザース
はじめてR&Bを知ったのがこの映画でした。最初はせんだみつおと小野ヤスシの吹替え版だったのですが、もう取り付かれたようにテープが擦り切れるほど何回も何回も見ました。BBの濃すぎるキャラ、踊りだしたくなる素晴らしい音楽、無駄に金をかけまくった(?)壮大なギャグ。最高です。でも、高校の友達が「世の中にこんなにつまらない映画があるのかと思った」とのたまったのにはまた愕然としました。好き嫌いの別れる映画なのかもしれません。自分にとってはもう体の一部です。 10点(2003-12-12 02:09:45)(良:1票) |
5. 富士山頂(1970)
《ネタバレ》 1970年といえば、邦画界がTVに押されて凋落を始めた頃、しかしそれでもこのクオリティの高さには恐れ入った。 まずは俳優陣がとてつもなく豪華。 主演の石原裕次郎はもとより、勝新太郎、東野英治郎、宇野重吉、渡哲也、田中邦衛、山崎努、市原悦子と、実力派、重鎮がことごとく出演のオールスターキャストだ。 戦争を体験した昭和の俳優の引き締まった立ち居振る舞いと、1970年当時の風景。演出はスーパースターの裕次郎を主演に据えているからといって軽薄で観客に媚びることがない、重厚で抑制されたもの。 昨今の製作側の政治的な都合だけのミスキャストや場違いなタイアップテーマソングもない。 三菱重工社員の役所である裕次郎は台詞は少なく、表情で語る場面が多い。 僕は俳優としての彼をじっくり観たのは初めてだが、彼の並々ならぬ才能を垣間見た気がした。 安易なセット撮影に逃げることなく、果敢に富士山でのロケ撮影を敢行したことも画面に奥行きと重厚感を加えている。 本作の権利は石原プロモーションが持っているのだろうが、現在に至るまでDVD化されずに人々の目に触れなかったというのがつくづくもったいないことだと思う。 同じく幻の作品「黒部の太陽」もそうだが、ハイビジョンやBDの普及で家庭での視聴環境が整ってきた現在、そろそろソフト化して多くのファンに作品を観てもらう機会を設けるべきではないだろうか。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2010-12-09 13:41:02) |
6. 不都合な真実
《ネタバレ》 大統領選で僅差で敗れたゴア氏は、こんなことをやっていたのか。彼は地球温暖化問題、つまりは地球環境問題に長く取り組んできたようで、今は世界中をこの問題の啓蒙のために飛び回っているそうだ。この作品はその講演内容をシンプルに映像化したもの。だから映像的に斬新であるとか目新しいとかいうことはないのだが、今地球に起こっている「不都合」どころではない背筋も凍るような驚愕の真実が、ゴア氏のユーモアを交えた巧みな話術と、豊富なデータによって明らかにされる。皆さん環境問題、地球温暖化と耳タコでしょうけれど、目を背けずにこの現実を見てください。ほんと地球マジヤバイです。しかしこの作品の良いところは、危機を煽るだけ煽って、はいサヨウナラ、ではないところ。アメリカ人らしい、明るさといおうか、前向きさ、といおうか(一番CO2を吐き出しているのは当のアメリカ人なのに・・・)、これだけ絶望的なデータを示しながらもなお「希望を捨てるな、我々は今まで幾多の危機を乗り越えてきたではないか。この人類未曾有の危機も必ず乗り越えられる」と訴える。それは特別なことではない。エアコンの設定温度を上げましょう、公共交通機関を使いましょう、リサイクルしましょう、といったことだ。正直なところ、それも焼け石に水かもしれないと思う。でも、何もしないよりは少なくともましなのだ。 [映画館(字幕)] 9点(2007-01-21 01:51:17)(良:2票) |
7. フォーン・ブース
シンプルな設定をここまで緊迫感のある物語にした手腕はすごい。80分ほどの短い映画だが丁度良かったと思う。 9点(2004-04-08 08:15:08) |
8. ファイト・クラブ
なんの予備知識もなしに観ました。タイトルからして、ただのバイオレンス映画かと思ってたので、いやー、おもしろかったです。ラストはちょっと強引だったような気がしますが・・・。 9点(2003-12-12 22:49:55) |
9. プラトーン
オリバー・ストーンはベトナム戦争従軍経験があるそうなので、きっとかなりの部分、実際の戦場を再現していたのではないかと思う(いや、わからないけど)。残念だったのは低予算ゆえ戦闘機が思いっきりおもちゃだったこと。小さいことだが。 8点(2004-03-17 06:09:26) |
10. ブレア・ウィッチ・プロジェクト
ありゃりゃ、評判悪いなあ・・・。これ、友人と観に行ったんですが、怖がってたのは僕だけでした(w。 8点(2003-12-18 16:23:45) |
11. ブレイブハート
アクション監修と撮影は確か「ラストサムライ」も担当されてるかと思います。日本人なので時代考証云々はわかりませんが、リアリティ(現実感)は非常に感じました。湿った空気の匂い、男達の汗臭さ・・。そして戦いで飛び散る血。こういうところがしっかり表現されている映画は好きです。DVDの音声解説のギブソン監督の裏話が非常に面白いです。周到に準備して臨んでいるハリウッド映画なのでしょうが、後から撮り忘れカットに気がついたなんて話も出てきます。 8点(2003-12-12 23:48:47) |
12. 復活の日
少々荒っぽい演出も見られるが、南極ロケを敢行し、本物の潜水艦(旧式ディーゼル艦だけど)を氷山そびえる南極海に浮かべたのは快挙というほかない。気になったのは日本人俳優の演技が芝居がかってて萎えたこと。テーマソングも名曲だった。 8点(2003-12-12 23:05:42) |
13. フルメタル・ジャケット
脚本、演技、技術が非常によく吟味されてしっかりと構築されている。隙が無い。 でも非常に憂鬱になる映画。 8点(2003-12-12 22:46:36) |
14. プライベート・ライアン
スピルバーグというのは映像の力、使い方を本能的に知ってる稀有な監督だと思う。冒頭の上陸作戦しかり、街で遠くから戦車が近づいて来る恐怖を地響きで見せたり。 8点(2003-12-12 22:40:51) |
15. ファーゴ
これはですねー、DVDの吹替えで観ました。メイシー演じる冴えない中年サラリーマンが切なかったですねえ。しかしこれも脚本の勝利というのでしょうか。最後まで一気に観れました。 8点(2003-12-12 22:38:11) |
16. ブレイブ ワン
《ネタバレ》 過酷な運命に翻弄され苦悩しながらも危機を力強く乗り越えていく、という女性を彼女は良く演じるが、そういう役柄は本当にはまり役だと思う。 彼女は笑顔よりも苦悩する表情の方が美しい。 最愛の婚約者を殺され、警察も頼りにならないと悟った彼女が違法に銃を手に入れ、夜な夜な処刑人として無法者達に制裁を加えていく心情の変化が非常に丁寧に脚本に織り込まれており、ジョディ・フォスターの演技力にも助けられ最後まで一気に鑑賞できた。 しかし、あとで振り返ってみればわだかまりが残るのも事実。心情的には理解できても違法な行為である彼女の行動を正当化し、美しく際だたせるためには、悪党を単純化して記号化してしまわなければならないが、引き替えに作品の世界観、奥行きが失われる。この種の作品の限界だろうか。 [DVD(吹替)] 7点(2008-03-17 14:28:49) |
17. フラガール
《ネタバレ》 これ本当にあった話なんですね。最後で紹介されるまで知りませんでした。まあもちろん脚色はあるでしょうけど。導入からのテンポの良い物語の展開は好感が持てますが、途中からちょっとたどたどしさが出ましたね。平山まどかが生徒達とうち解けていく過程が急ぎすぎて唐突だし、逆に中盤の興業の旅の過程、クライマックスの大舞台は間延びに感じました。あの大舞台は製作側にとっても力の入った思い入れのあるシーンだと思いますが、そこに溺れてはいけない、溺れていると悟られてはいけない。昭和40年らしい風俗と炭坑の疲れた感じは良く表現されていて、美術部門の奮闘に拍手した気持ちですが、そんな全体のバランスを唯一ぶち壊していたのが豊川悦司。あの髪型はないでしょう。祖父の代から炭坑で生きてきた男の髪型ではない。なぜなのか。他の作品を掛け持ちしていたから?ギャラ?それとも豊川自身の作品への思い入れの無さなのか?ついでに言えば彼の東北弁も大いに違和感ありでした。邦画でいつも腹立たしいのは一部に見られるスター級役者のそういったぞんざいな役作りですね。作品としては8点でもいいのですが、彼が足を引っ張ったと言うことでー1です。 [DVD(邦画)] 7点(2007-03-29 03:15:11) |
18. フィフス・エレメント
スターウォーズ、ブレードランナーから繋がるお決まりの未来社会の美術設定から一歩抜け出したスタイリッシュな映像は新鮮だ。しかしウィリスどうもミスキャストに思えてしかたがない。 7点(2003-12-14 07:41:43) |
19. フィールド・オブ・ドリームス
アメリカ人て野球すきなんだね。すごく素朴でいい映画。 7点(2003-12-13 01:02:02) |
20. フライボーイズ
トニー・ビル監督の経歴をみたら、「スティング」で製作をつとめていた。 「スティング」を監督したジョージ・ロイ・ヒルといえば飛行機映画の名作「華麗なるヒコーキ野郎」がある。時代設定もほぼ同じ。当然意識していたはず。 ヒルはパイロット出身だったが、ビルも同じくパイロットで複葉機マニアだというだけあって、レプリカで実機を作ってしまうほどメカニカルな面のこだわりはすごい。 しかし本作の一番の売りである複葉機同士の空中戦などではCG頼みになり、カメラワークがダイナミックであるほど「CG臭」が漂って微妙に安っぽさを醸し出してしまう。このあたりは「華麗なる~」での美しい空撮映像には逆にかなわないという皮肉な結果になっている。 ストーリーはいままでの娯楽映画、青春映画に使われてきたどこか既視感のあるシチュエーションが幕の内弁当のよろしくてんこ盛りで、スタジオ関係者はそろばんはじきやすいだろうが、目新しさはない。 まあ監督が本当にやりたかったのは複葉機が宙を舞う空中戦であり、その他の要素は添え物なのかもしれないのだが、上記のように肝心の航空アクションが微妙になってしまったため、飛行機マニアにもドラマを観に来た客にも中途半端な印象を残す作品となってしまった。 [DVD(字幕)] 6点(2008-04-08 19:18:40) |