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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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1.  ぼくたちと駐在さんの700日戦争
冒頭のスピード違反の取締りに対する報復合戦がアホらしくも実はああすればこうする、こうすればああするといった展開自体は実に映画的だったりする。しかし見せ方がよろしくない。こうすればああするの「ああ」の初っ端のカットで全てが決まるというのに、えらくちんたら見せてしまう。これ、全編に言える。笑いのネタは映画に適したネタが多く、これの次にこれを見せる、という具合にちゃんと見せてるのに、そのワンカットの中に無駄なシーンが入ったりする。もうひとつ笑いをというサービス精神なのか監督の間の取り方なのかわからんけど、どうにものれなかった。マンガチックに装飾されたキャラクターと演者のマッチングは絶妙だと思う。そのかわりそのせいで感動話が一層くさくもなってると思うが。
[DVD(邦画)] 4点(2011-10-27 16:40:22)
2.  ホステージ
話は破綻していないです。ただそれだけ。序盤の雰囲気はまずまずだったのにお話があらぬ方向へ行きだしてからおかしくなっちゃった。何故あらぬ方へと行くかといえば、それが観客の求めるものだから。少なくとも作り手はそう考えている。ひねればOKみたいな。「小説の映画化」とあるから原作がそういう展開なのかもしれないけどもしそうなら原作自体がひねればOKって思ってんじゃないの?ひねるのは別にかまわないが、ひねることで得れるものが少なくともこの映画には全くない。散漫なだけ。登場人物にそれぞれのドラマがちょこちょことあるがどの話も半端なくせに自己主張しすぎている。それでいていろんなことが起こりすぎ。さらにそのいろんなことが食い合っている。お、凄いなと思うシーンがあってもその思いすら消し去ってしまう。
[DVD(字幕)] 2点(2011-10-13 16:34:47)
3.  ぼくんち
原作とは別個もん。なにもサイバラワールドを作らなきゃならないってこともないし、原作が伝えたかったことを映画でも伝えなきゃならんってこともない。設定だけを借りてきた別個もんと割り切らなきゃ。映画『ぼくんち』はどこまでもマンガチックな世界と人物で作られる。どんなに深刻な展開に行こうともシリアスさを回避する。むしろ弱者で笑いをとる。漫画では許せることも実写では許せないということがある。だからよりマンガチックな世界と人物を持ってきて、さらにコメディ色を前面に出してとにかく笑いに転化することに漫画以上に苦心する。でもそれだけならば映画作品として面白くならないだろう。そこに阪本順治の常にリアルで生々しい世界が画面に同居するから面白くなる。と同時に原作から解き放たれる。カメラも落ち着いている。海の見せ方もいい感じだ。そこに鳳蘭と観月ありさという貧乏が似合わない日本人離れした長い手足を持つ親子が立つ。なかなかいい画だ。ちぐはぐさも込みで。
[DVD(字幕)] 6点(2011-08-04 16:13:47)
4.  ボルト
ピクサーの頭脳(社長と監督)を移植されたディズニーの作品。なるほどはじめて見る外の世界に驚きながらの冒険譚といえばピクサー諸作品『トイストーリー』『バグズライフ』『ファインディング・ニモ』『カーズ』に共通する。CGアニメーションの技術はピクサーの真骨頂。犬の毛一本一本がゆらめく描写は凄い。そこにディズニー『わんわん物語』で研究に研究を重ねたリアルな犬の動きが加わる。そしてあきらかにディズニー実写映画『三匹荒野を行く』にオマージュを捧げているような内容。またこの単純なストーリーがいいのだ。冒頭のアクションも良かった。縦横無尽に動くボルトを適格に画面に収め続けるアニメーションならではのスピード感が素晴らしい。娘と見に行ったんだけど、偽ボルトと抱き合う女の子を影から覗き見るボルトを大泣きで見ていた娘を私がまた盗み見て泣くという、もうここまでくると映画で泣いてるのかどうかもわかんないことになっちゃってるんだけど、素直に良かったなあと。この涙は映画館ならではなんだろうね。
[映画館(吹替)] 7点(2011-07-20 13:54:15)(笑:1票) (良:1票)
5.  ボルベール/帰郷 《ネタバレ》 
死んだはずの母親が帰ってくる。このあたり、従来のアルモドバル映画にはない軽やかなコメディ演出を堪能させてくれる。初期作品にはコメディも多くあるのだが、どれもこれも毒が盛られている。対して今回は直球のコメディ(序盤だけだけど)。その背景にレイプと殺人があるってところが考えてみれば凄いんだけど、そんな負の背景はどっかに置いといてって感じでずんずん進んでゆく。終わってみれば『ハイヒール』同様に母と娘の物語で、『オール・アバウト・マイ・マザー』同様にたくましく生きる母がいて、『バッド・エデュケーション』同様に過去が今を作るという構図があり、というあいかわらずのアルモドバル映画であった。過去が今を作るということは今をどう生きるかが未来を作ってゆくということでもある。難局を感じさせない肝っ玉母ちゃんのように生きるペネロペ・クルスを見れば、悲惨な背景とは裏腹に爽やかな感動を覚えるのも当たり前ということだ。それにしても、やっぱアルモドバル映画のペネロペ・クルスはいいねえ。
[DVD(字幕)] 7点(2011-05-12 15:10:52)
6.  ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン
ホウ・シャオシェンは『珈琲時光』のときに小津の真似をせずに自らの演出スタイルで東京を描いたように、今回もけしてラモリスの真似をせずに今のパリを描く。長回しで見せる現代の喧騒を静かに見守る赤い風船。いつもの彼の映画のように物語以上に物語の根底となる生活が描かれる。小さな苛立ちや不安が生々しく、それでいてそれらを支える優しさやその中を生きる力強さがしっかりと映し出されている。そしていつもの彼の映画のように電車はこの映画のために適格に動き、建物はこの映画のために完璧にそこに立ち、光はこの映画のために最適な量で差し込む。そうとしか思えないように作られている。風船もまたラモリスの風船がそうであったように抜群の表情を見せてくれる。 
[映画館(字幕)] 7点(2011-04-15 16:17:02)
7.  ホースメン 《ネタバレ》 
地味に公開しながらも宣伝はチャン・ツィイーをメインにしてたので、どんなにつまらなくてもチャン・ツィイーの殺人鬼は見て損なしだろうと高をくくっていたのだが、実際清純そうで美しい顔をした頭のいい犯罪者が実にきまっててワクワクさせてくれてはいるのだが、いかんせん出てきたと思ったらすぐ退場っておいおい。いやはやその後のトーンダウンにかえってチャン・ツィイーがいかに存在感のある女優なのかを思い知った。加えて若い。アジア版イザベル・アジャーニだ。内容は、なんか子供が親に訴える連続殺人って昔テレビドラマであったよな。などと思索にふけるほどに後半がつまらなかった。謎解きはそれなりにがんばってる。どうしても説明くさくなりがちなところを映像でフォローしている。でも必要以上にドラマチックにしていてちょっと冷めた。第一第二の殺人現場シーンの凄惨な雰囲気とも繋がらない。
[映画館(字幕)] 5点(2010-12-14 15:30:32)
8.  ホワイトアウト(2000) 《ネタバレ》 
どんなに吹雪こうがどれだけ雪中にいようが織田裕二の顔には雪が積もらない。時々パウダースノーが積もるのみ。顔を見せたいのはわかるが、それじゃ全く極寒が伝わらない。大昔、凍傷で黒く焦げたような植村直己の顔を見たことがあるが、その顔だけで極寒の過酷さは伝わったものだ。映画『植村直己物語』主演の西田敏行だって撮影中に顔を凍傷でやられたって聞いたぞ。寒いのいやならせめてメイクで極寒を伝えようよ。せめて眉毛を凍らせようよ。普通にスキーしてたって天候ひどいときは眉毛もまつ毛も凍るっての。極寒の中、長距離を歩ききった主人公。そのことを伝えるのはその距離を表す数字と中村嘉葎雄の驚きのセリフでしかない。中村嘉葎雄のねぎらいの言葉はひたすら空々しく響くのである。あと、松嶋菜々子を抱き上げて雪中歩く姿のなんて滑稽なことよ。いや、松嶋がデカイからじゃなく(それもあるんだけど)、あの抱き方はないでしょ。おぶれ。
[映画館(邦画)] 3点(2010-10-20 15:24:09)
9.  抱擁のかけら
盲目のおじさんが親切な若い女性になにやら介助されているところから始まったと思ったらこのおじさん、その女を口説く。で、やっちゃう。で、それがどうも毎度のことらしい。もうここから引き込まれてしまう。この冒頭の短いエピソードの小さな驚きの連続とさりげないユーモア。ところがある男の死を知り、またべつのある男の訪問からミステリアスな展開へと。そしてこのおじさんがまだ視力を失う前、映画監督だったころのお話がスタートする。男と女の愛憎劇。まさに愛憎劇で、とにかく濃い。たしかに入り組んだ関係と入り組んだエピソードをつなげてゆく展開といい、劇中劇といい、テレビに映し出される映画(今回は『イタリア旅行』)といい、ゲイの登場や親子の葛藤などアルモドバル印満載なのだが、いつものユーモアがここ(映画の大半である過去シーン)には無い。劇中劇をコメディとすることでごまかしてるような。そもそもその劇中劇が自身の『神経衰弱ぎりぎりの女たち』をまんまコピーというのはどうなんだろう。これがユーモアのつもりだとしたら失敗しているような。全体的に重さをひきずった展開同様に今回のペネロペの美しさも異質に感じた。うまく言えないが美しさがいつものアルモドバルの女たちよりも濃厚。印象的なシーンがいくつかあって、その中でもとびっきりかっこいいシーンが読唇術のところで、決定的セリフのアフレコしながらの尋常じゃない美しさの女優ペネロペ登場。ここは唸った。このアフレコ以外にも過去の「かけら」を紡いでゆく物語と「編集」を重ねるメタ映画な構成もまたアルモドバル的なんだけどちょっと懲りすぎの感も。
[映画館(字幕)] 6点(2010-08-25 18:31:30)
10.  ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン! 《ネタバレ》 
全くノレなかった。絶賛レビューに触れるたびに寂しくなってくる。端からコメディだと分かっていたので笑いに対して変に期待しすぎちゃったのか。というか前半はコメディ(前半は楽しめた)だけど後半はどうなのよ。えらくマジメにサスペンスしてないか?でもそのサスペンスの部分があまりにありきたりじゃないか?異物を取り除こうとする村社会という構図は『ドッグヴィル』『ヴィレッジ』を例に出すまでもなく別に新しくもなんともない(この映画のシチュエーションに最も近いのは『丑三つの村』なんだけど)。そうじゃなくアクションを楽しむものなのか?あのハリウッドを模倣した早いカット割りの。いやいや、その模倣振りも含めて様々なアクション映画のパロディを楽しむものなのか?『ハートブルー』とか『レオン』とか『バックドラフト』とか。でもソレと分かったところで別段面白くないんだけど。ばあさんに蹴り入れるシーンはスッキリしたけどさ。
[DVD(字幕)] 3点(2009-09-14 16:35:52)
11.  ホタル(2001)
昭和天皇崩御の後に戦友の自殺。夏目漱石の「こころ」の明治天皇崩御と乃木大将の殉死と先生の決断の関係によく似ている。昭和天皇に対する思いと明治天皇に対する思いはおそらく全く違うものだろうけど、ひとつの時代の終焉とともにその時代の象徴するものに殉死するという意味で同じだと思う。この映画は「特攻隊」を題材にしているが、主題は過ぎ去ってゆく時間の中で過去とどう向き合ってゆくのか、どう落とし前をつけてゆくのかということだと思う。「二人でひとつ」という理想的な夫婦のカタチを見せてくれる二人にとっての落とし前のひとつが妻の初恋の人の遺品を家族の元に届けること。21世紀の訪れとともに夫婦の結晶とも言うべき漁船を燃やすのもまた一つの時代の終焉に伴う落とし前。「戦争」や「特攻隊」は向き合うべき過去のひとつに過ぎない。でも、遠い昔にあったらしいことと割り切れちゃいそうな「過去に起こったこと」を描いているのではなく「過去と向き合う今」を描いているからこそ立派な反戦映画にもなっているのだと思う。戦争を語り継ぐのに映画は最適な媒体の一つだと実感する。
[DVD(邦画)] 6点(2009-08-05 19:06:57)
12.  ボビーZ
主人公カーニーは極度の悪運のせいで塀の中の人なんだけど、優しくて頭も良くて男前、そのうえ度胸もあってすこぶる強い。んなやつおらんやろ~~。まあいいとしてとにかく強い。格闘のプロ。いつからやねん。フツウっぽいのがそこそこ頑張ってるならいいのだが、ここまでめちゃくちゃに強いならその強さの元を悪運の回想録の中に入れといてほしい。それぞれの思惑を持つ追う者たちの交錯がなかなかに面白いので、追われる者、つまり主人公と子供のコンビにもっと珍道中的なユーモアがあったらもっといいものになったかも。それはさておき、オープニングとエンディングのおっさん、誰やねん。いらんやろ。
[DVD(字幕)] 5点(2009-06-05 12:51:59)
13.  ポセイドン(2006)
誉高いオリジナルにあった、パニック映画にしては重厚にして濃厚な人間ドラマは一方でちょいと説教臭いというか暑苦しいというか、そんなところもあったのだが、このリメイク版はその暑苦しいところが全く無くすっきり見ることができる。オリジナルの贅肉をそぎ落とした作品。あまりに落としすぎて拍子抜けするくらいだ。だからオリジナルでは脱出劇の最中に一人また一人と命を落としてゆくというのはドラマを盛り上げるための必要なシーンでもあるのだが、すっきり簡潔を信条とする(?)リメイクで同じシチュエーションをやっても全く盛り上がらないのだ。なのに何故オリジナル同様の数人の脱出劇にしちゃったのだろう。迫力のCG映像を最大のウリにしていることは分かりきってるんだし、実際その部分は成功してるんだから、展開も大幅変更すればもっと面白かったかもしれない。全員でゾロゾロ脱出してドカドカ人が死んじゃう映画とか。
[DVD(字幕)] 6点(2009-01-21 14:35:59)
14.  ボーン・アルティメイタム 《ネタバレ》 
「1」も面白かったし「2」はさらに楽しめたので「3」への期待はそこそこに膨らんでいたのですが、大枠では期待は裏切られませんでした。とくにボーンは常に姿を現さず(見せず)に、しかし全てを見ているという、世界各国の背景を活かしながらのロングショットがこの「3」でも健在で(駅のシーン)見ている間にも期待値はどんどん上がってゆく。シリーズ通して多用される「何かを見る目を一瞬映しすぐあとに見られるターゲットなり次の行動なりを映すという短いカットの応酬もキマリまくり。ただ、カーアクションや格闘シーンの短いカットの応酬と揺れる画像もまた「2」よりも数段パワーアップしており、これはちょっとやり過ぎに感じた。ぶっちゃけ怒涛のアクションシーンなのに見てる途中から飽きてきた始末。それでもそんなマイナスを吹っ飛ばしてくれたのがエンディングのかっこよさ。海に浮かぶ体の影。テレビで伝えられる行方不明。それを聞いて笑顔になる女の顔。そして浮かぶ影が・・。もうわかってるんです。どうなるかは。わかりきったシーンをじっと待ってるこちらをじゅうぶんにじらせてそのシーンに持っていくその長すぎず短すぎない完璧な間の使い方が最高。拍手しそうになりました。
[映画館(字幕)] 6点(2008-07-03 13:04:34)
15.  ホーンテッドマンション(2003)
アトラクション「ホーンテッドマンション」は怖さよりも神秘さや優雅さを幽霊に吹き込んだ、子供も楽しめるお化け屋敷なわけだが、映画も当然目指す方向はこの「子供も」というところになるんだろうけど、ただ単に「怖くない」お化け屋敷になっちゃったって感じ。原因は明白でエディ・マーフィーという個性におんぶにだっこの映画だから。「怖さ」を取り払うために「笑い」を持ってくるのはいいのだが、全部エディ・マーフィーのコメディアンとしての立ち振る舞いにお任せ状態。しかもキャラクターとして映画を引っぱったカリブの海賊スパロウ船長に対し、こちらはひたすらコメディアン・エディ・マーフィーが引っぱる。演出としての笑いは皆無。怖くもなければ面白くもない。神秘的でもミステリアスでもない。ドキドキがあってもあまりにお決まりのパターン。大人どころか子供にも受け入れられんでしょう。客をなめとる。
[DVD(字幕)] 1点(2008-03-12 12:24:23)
16.  僕のスウィング
主人公の少年は都会では味わえない本来の人生の素晴らしさを短い夏休みに体感します。音楽を聴き、音楽を奏で、そして歌い、踊る。草花に触れ、昆虫に触れ、森を歩き、川を泳ぎ、仲間と語らい、異性を想う。老人の話に耳を傾け、大切な人の死に涙する。少年はその貴重な体験を体に染み込ませたから文字で記された日記を手放した。少女が日記を持ち帰らなかったのは文字が読めないからじゃない。今を生きることが大切だから過去の記録はいらない。死ねば持ち物すべてを焼くという風習もそういうことなんじゃないだろうか。本来の「生」の素晴らしさをジプシーの生き方の中に見出そうとした美しい映画。今は夏休み。映画を観ている場合ではない。子供を海へ山へ連れ出そう!
[DVD(字幕)] 7点(2006-08-08 14:25:23)(良:1票)
17.  ホテル・ルワンダ 《ネタバレ》 
様々な国の紛争や独裁国家に対し人道支援の名の下に軍事介入してきた大国がルワンダには来なかった。理由は大国のほしい物(石油などの資源)がそこに無かったから。それならそれで人道支援などという言葉は他国に干渉する際に使わないでほしい。この映画の訴えかけるものは、こんな恐ろしいことがあったんですよ、人間って怖いでしょ、ということではなく、国益最重視の大国の非情とエゴに対する批判であり、国連軍の軍隊としての矛盾に対する問いだと思う。このような訴えかけは映画でなくてもテレビでもいいわけですが、例えばボスニアの現状を訴えかけた『ノー・マンズ・ランド』やアフガンの悲劇を知ってもらおうとした『アフガン零年』は映画祭を通して広く世界への配信に成功しているし、種は異なるが『ミッドナイト・エクスプレス』は実際に政府を動かしたという過去を持っている。そういう意味ではテレビではなく映画というメディアを使うのもありだと思う。しかし映画は光や色、あるいは構図やカメラの動きなどで言葉以上のものを表現することが出来るものなのですが、この作品ではそれらが希薄なんです。感じた恐怖や狂気は全て事実から来るもので映画からは来ない。主人公とそのまわりだけで進行するドラマもドキュメンタリー性を損なってしまっているようで個人的には不満が残ります。大エキストラによる現場の再現は見応えがあるし、カラフルなシャツは現場の生々しさを増幅させていたのでそれなりの満足感は得れた。加えて、先に述べた大国のエゴを「実話」としてさらけ出させたこの作品の存在は大いに評価したいと思う。
[映画館(字幕)] 6点(2006-03-31 19:58:42)(良:1票)
18.  ボーン・スプレマシー
前作同様に様々な国でロケを敢行していますが、前作よりもロケーションが活かされていると思った。カーアクションはここではイマイチな評判ですが、素直に「凄い」と思いました。車が暴走しながら大通りに合流するシーンってカーアクションではお決りのようにあるんだけど、不思議なくらいぶつからずに合流するのを見て「一回、やったろか」とか思ったりしてたんですが、この作品では思いっきりぶつかってます。ガンガンぶつかりまくってのカーアクションのリアル感がロケで得られたリアル感の喪失を防いでいた。主人公が瞬時に判断・行動する様を主人公の視線なり表情をその行動の前に短いカットで挿入することで見せてゆくのも前作以上に冴えわたる。先が見え見えの展開でも十分楽しめました。前作と同じ6点ですが、今作は限りなく7点に近い6点。
[DVD(字幕)] 6点(2006-02-07 12:09:24)(良:1票)
19.  ボーン・アイデンティティー
すごくテンポが良くって最後まで飽きることなく楽しめました。ヨーロッパロケもスパイ映画にリアリティを与えていて成功している。ただしアクションシーンでは、一部マットの動きを早回しで見せているのがあきらかでせっかくのリアリティをぶち壊している。そんな小細工しなくてもじゅうぶん見せてくれていたのに。何気なく立っている姿や歩いている姿でもじゅうぶんその筋のプロであることを覗わせていたと思う。あと、不満ではなくて疑問ですが、どうして銀行の番号がケツに埋め込まれてるの?主人公は何台もの車のナンバーを瞬時に憶える能力の持ち主なので、主人公には必要ないですよね。CIAがもしものときの為にやったにしても銀行名までは必要ないでしょ。その銀行にはエージェントらしき人物がいたし、他者に見られる可能性があるし実際漁師が見つけたし。あと考えられるのは主人公が記憶喪失になることを想定していた、、ぐらいしか思いつかない、、、。もしかして根本的なところで思い違いをしてます?もしそうなら【嘲笑】入れられる前にこっそり教えて。
[DVD(字幕)] 6点(2006-02-06 16:08:47)
20.  亡国のイージス
光の乏しい艦内や夜のシーンは暗くて当たり前なのだが、重要と思われる人物がこれだけたくさんいると、この暗さは相当ネックになってくる。しかもこの暗さがリアルな演出として機能していない。中途半端な灯りが中途半端な方向から照らされるから。有名どころオールキャストだから人物が把握できるだけで、外国では通用しないのではなかろうか。それともやっぱり日本向けの商品として作ったのか?大作感を煽るたいそうなBGMも鬱陶しい。 日本人の性分を真っ向から否定する展開は今の世相を反映しているのだろう。その中で任務と人間性の選択で後者を堂々と選ぶ主人公の行動と発言は甘くもありセンチメンタルでもあるのに、それでも一貫して「人間は人間らしくあるべき」とこの期に及んで大いに謳いあげる姿は感動的ですらある。この熱さこそが坂本監督ならではとも思えたが、一方でエンターテイメント志向へと突き進む坂本監督は独自の個性を自ら手放そうとしているとしか思えない。そろそろどっちかに決めたほうが良いと思う。暗闇から発射されるミサイルの閃光の画を見る限り、エンターテイメント志向でもいけるんじゃないかとも思うが、個人的にはふろしきを小さくして初期作品のような独自性を見せてほしい。
[映画館(字幕)] 4点(2005-12-09 17:47:57)(良:1票)
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