1. アダプテーション
《ネタバレ》 一卵性双生児の兄と弟。学生時代、いつも周りを気にしている兄は笑われている弟を見て自分が笑われているように思った。鏡を見ているように似ている弟を否定し小ばかにしていたが、自分とは違う優しい心と自分自身を持っている弟と共に特別な時間を過ごしようやく気付く。双子である弟は自分の一部。だから自分にも弟のような心と自分だけの自分を持てる可能性がある、それに気付かせてくれてありがとう。あの涙と"Thank you"は深い。弟に歌いかける兄は優しかった。監督、脚本家、そして俳優達の新しい世界を観れてよかった。脚色によってストーリーはいくらでも「思わぬ方向へと転がっていく」事が出来る。 8点(2004-04-02 02:33:16) |
2. ピンポン
この映画はマンガだし、アニメだし、実写だった。正直、この試合どっちが勝つんだろう?という興味はまったくなかったです。それよりも映像の遊びに夢中でした。 8点(2004-02-27 13:40:08) |
3. ベルヴィル・ランデブー
オープニングからセンスの良い音、キャラクターに惚れ惚れしました。ステージで踊るダンサーが、第一次世界大戦の影響でアメリカから入ってきたジャズのリズムにのって踊る姿から、時代背景を瞬時に感じ取れました。絵はどことなく大友克洋監督の「Memories-大砲の街」かな。ノスタルジアというより監督のプライベートを覗かせて貰った感覚がしました。この映画に関わった人が、心から孫、おばあちゃん、3姉妹を愛しく思っているのが伝わってきて、観終わった後「良い映画を観れた」と素直に思いました。 10点(2004-02-27 13:30:07) |
4. シティ・オブ・ゴッド
良く出来た映画だと感じました。展開のほとんどが殺し、しかも100%銃殺、クレイジーだよ。理不尽すぎる殺しに製作者側ののエゴのようなものを感じました。でも、実話に基づいた映画。本当にここまでクレイジーな街が存在したのか、それとも演出によって死んだ人間が増えたのか。でも、こんな事を考えたのは観終わった後。鑑賞中はただただ、「City of God」の世界に浸っていました。世代交代を見事に繋げた脚本、一人の人物に焦点を合わせながらも隣りで何か企む少年を絶対逃さないカメラワーク、ギャング達が人殺しに現実感や痛みを感じないくらい一瞬の出来事のように銃殺シーンを表現した編集に拍手。この監督の頭の中はどうなっているのでしょうか? 9点(2004-02-25 15:52:00) |
5. 溺れる魚
《ネタバレ》 こういう映画が在ってもいいんじゃない?と思う。でも、こういう作風の監督ばかり増えるのは辛いけど。堤監督だけで満足です。堤監督は役者の経歴や今までのイメージを反則なくらい、いい所取りできる人だと思う。美女の窪塚、とぼけた演技が自然すぎる椎名、本当に美人の仲間があの食べ方、顔が映らなくても声だけで渡辺謙と分かってしまうけど渋い声で最後まで引っ張っていざ登場したらあの傷。好きです。でも、IZAMの役柄は「CHINESE DINNER」と被るからどっちかにして欲しかった。声に出さず、頭の中で突っ込みを入れてしまう細かくてしつこい演出が私の好みですね。 7点(2004-02-20 16:45:01) |
6. ショーシャンクの空に
私が主人公に自由になって欲しいと願ったそのままを映像にしてくれた素晴らしい映画ですね。ラストの映像はまさに自由そのもの。30年、とても想像できない年月です。 9点(2004-02-20 16:40:51) |
7. アメリ
《ネタバレ》 アメリの想像、妄想でこうなったら良いなという期待から全てが展開していくが良かったです。登場人物の紹介もナレーションでストーリーに必要な性格、習慣を簡潔に教えてくれて、ダラダラしてないからいい。結果オーライな行動も、実際、意地悪したくなるようなキャラクターだったし、盲目の人に別の世界を知らせたくだりは好印象でしたね。 最後、一言言わせてもらえば変態映画だでしたね。 8点(2004-02-20 16:36:40) |
8. 老人Z
公開当時はクレイジーで良いなと思いましたが、最近改めて観た後の率直な感想はやりすぎかな?と感じました。でも、その違いは年齢の違いなので、この映画の評価が落ちたとは思っていません。 8点(2004-02-20 16:30:38) |
9. うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー
ある意味「うる星やつら」、間違ってはいない。でも、お薦めではない。 5点(2004-02-20 16:26:06) |
10. うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
客観的にみた「うる星やつら」と監督の感性が出ていて好きな作品です。今思えばTVシリーズを毎週観ていた自分も良く飽きずにあのドタバタを好んで観ていたなと思いますが、登場人物も良く飽きずに毎週ドタバタしていたなと、20代になって気付いた名作ですね。 8点(2004-02-20 16:22:44) |
11. 千年女優
アニメーションならではの迫力と遊び心。しかもストーリーがしっかりしていてドラマがある。良い作品ですね。今監督は実写を撮ればいいのに言われる理由がこの作品にも出ていると思う。最後、あの一言を言わせたことで確かにアニメの枠を飛び出していると感じました。でも、戦国時代から現代までのストーリー、場面と衣装の切り替え。これはアニメでしか出来ない素晴らしいアイデアだし、今監督はこれをやりたかったのだと勝手ながら私は思います。だから、今監督にはアニメーション映画の監督でいて欲しいです。 9点(2004-02-11 16:56:33) |
12. 銀河鉄道の夜(1985)
宮沢賢治の哲学、好きなんですよ。やはり感激したのは、あの銀河を観ながら同時に小説に忠実に沿ったストーリーを堪能できたことですね、とても完成度が高いと感じました。 10点(2004-02-04 12:07:49) |
13. 千と千尋の神隠し
アニメーションという表現の中で、おにぎりを食べながら大粒の涙をこぼす千尋は正に子供そのもので本当に驚きました。後半、電車のシーンは圧巻でした。あの静寂な中に力強さを表現できるのが流石、宮崎マジック。 9点(2004-01-24 01:28:08) |
14. 木曜組曲
完璧なリズムで進んでいくストーリーに完璧にのみこまれました。最後は「なんてすごい話なんだろう」と圧巻、感動。そんなすごいストーリーに負けず勝ちすぎない素晴らしい演技と存在感のかっこいい6人の女優達。これこそ、観てからのお楽しみという作品。 10点(2004-01-23 23:48:35) |
15. ピカ☆ンチ LIFE IS HARD だけど HAPPY
堤監督作品ということで観ましたが、嵐の5人が役にぴったりというかなりきってる。アイドル映画ではないのでジャニーズだからと観わず嫌いの方はレンタルしてみては?地域密着型、これが好き。営業で猿岩石ってところがさすが。襲撃シーンもPV監督だった堤さんらしくリズムに乗っていていいですし、全体に漂っている変態具合も良いですね。堤作品は必ず死が近いところにある。映画というよりTVドラマの2時間ものですが、ちょっと時間が空いたときに観たい作品としてこれを選べば、いいマッタリ感を味わえるはずです。 7点(2004-01-23 23:42:33) |
16. エルミタージュ幻想
1時間30分ワンカットで撮影したことへの驚きは今でも消えません。 その理由だけでも観る価値はあります。映画好きの私としては一生物の 驚きでした。フランス語とロシア語で語られるストーリーとロマノフ王朝という歴史が背景にあるため、直接映画の中に入り込むことは一度の鑑賞だけでは難しかったです。でも、途切れる事のない映像のお陰でエルミタージュ美術館を十分に堪能し、完璧に再現された王朝時代の華やかなドレスは溜め息ものです。900人近い俳優とエキストラがプロフェッショナルに演じ皆が主役でした。中には目線が気になる人もいましたが・・・。どんなに高度な技術で再現されたスタジオセットやCGも、本物には敵いません。華やかな表舞台の裏方を薄暗い色で表現したり、舞踏会の余韻と共に映画の終演を告げる演出も好きです。ワンカットの映像技術を楽しむ、歴史を知る、ロマノフ王朝の豪華さを楽しむ、エルミタージュ美術館を堪能する。沢山引き出しのある映画を観れて良かったです。 10点(2004-01-23 13:17:38)(良:2票) |
17. ぼくんち
原作は読んでいないので映画だけの感想ですが、やっぱり間が悪い。観月ありさの啖呵を切ったセリフの後、あの意味なく長い間はなんでしょうか?あれじゃ、はいみなさーん、あの観月ありさがこんなすごいセリフを口にしましたよーって押し付けられている感じがしました。全てのシーンがゆっくりとしていて、離れ島の生活観が出ていてそれはそれで好きだけど、あの啖呵のシーンはサク!っと観たかったです。100%犯罪としか思えない長男の稼ぎ方や、次男が木の上で女の子の名前をあまりにも連呼しすぎて引いてしまいました。でも、子供達の会話や島民との関係は好きです。エンディングの曲のような映画だったらもっと好みだったかも。 6点(2004-01-20 12:00:15) |
18. マイ・ビッグ・ファット・ウェディング
《ネタバレ》 ウェルカムな方法は人それぞれだけど、みんなが楽しく踊って。そういう終わり方だったから本当に楽しめました。移民の中でも仲間意識が強いグリークを題材にして映画として公開したのも面白いです。人種、宗教の違いも同じ人種でもそれぞれの家庭のルールの違いも皆同じ。フルーツで例えた辺りが巧いです。平和的に終わったのは登場人物が愛すべきキャラクターだったからでしょう。$8から始まったアメリカ生活、家族を築き娘夫婦に家を買ったお父さんが素敵です。 8点(2004-01-18 04:43:19) |
19. ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
前作にはない「強さ」を感じました。ゴラムの葛藤には本当に感動。登場人物それぞれが旅に出たことによって得ている成長がみれていい展開でしたね。3部作によくある「説明だけの2話目」ではない所が、いかに原作、脚本がしっかりしているかが分かって嬉しかったです。本当に拍手。 10点(2004-01-17 02:51:40) |
20. ロード・オブ・ザ・リング
ただの冒険映画ではない、本当に素晴らしい映画だと感じました。原作に馴染みがなかったので、最初は物語の設定に戸惑ったし、人物名も把握できなくて3時間という長さに気合を入れて見始めましたが、「弱さ」の感性に引き込まれた瞬間から、肩の力が抜けて私自身も旅に出ました。醜くなりたくない自分、守ってくれる人すら信じられない悪の力、でもそれに頼りたくなる自分。何も言わなくても互いを受け入れあえる仲間。この作者、天才!映像の美、迫力、本当にこういう世界があったんだと思わせてくれたCG。俳優、スタッフ全てがプロの仕事ですね。拍手。 10点(2004-01-17 02:42:25)(笑:1票) |