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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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2141.  卍(1983)
作者の狙いどころが分からない。ユーモアと滑稽がまぜこぜになっている。原田芳雄を三枚目にしてユーモアを出すのはいいけど、女二人のやりとりはときに滑稽で、ありゃユーモアじゃないよ。切実さが今ひとつ分からないんだ。ラストの査問ごっこを見ると、理解しあえない、ってところが中心テーマのようだが、だとするとその前の女二人の関係がもっと納得できるようであってほしかった。滑稽に見えてしまうところがあるってのは、嘘っぽいってことで、つまり映画としての切実さに欠けてるってこと。海に向かって広角レンズで砂を投げるとこなんか図としてはいいんだけど、流れのなかで見ると薄っぺらく感じられる。難しいね、映画における充実って。
[映画館(邦画)] 5点(2012-08-18 09:20:11)
2142.  ミステリー・デイト 《ネタバレ》 
もしかして拾いものか、という匂いを入り口でかいだような気がしたのだったが、やっぱどーでもいい映画でした。ミソとしては「一晩もの」ってとこか。だらだら日にちが延びるのより、ピッと一晩の物語になっている。怪しい雰囲気作りは東洋人におまかせ、ってとこは気になります。悪者の部下たちがちょっとトンマすぎるのは、東洋人差別でしょ。トランクのなかからの発砲、すでに排ガスで死んでいて、死後硬直でたまたま引き金が絞られた、だと思わなかった? 追われているときにあんな目立つ車で走り回るかよ。
[映画館(字幕)] 5点(2012-08-16 09:45:13)
2143.  フィッシャー・キング
この監督はもっとヒネクレたもので勝負すべきで、ピュアなものを肯定したい気持ちになってたのかな。R・ウィリアムズが出るとすぐそういうトーンになっちゃうんだ。でもそこはじっと我慢して『ブラジル』の線で行ってほしかった。中世志向もグロテスク趣味というよりロマンの味付けどまり。通勤の人たちのワルツのシーンのみ買う。これ脚本にはギリアムはタッチしてないのね。全体として監督が慣れない世界で窮屈に仕事している感じで、そこから世界が広がれば次のステップになるんだけど、なんかこの窮屈さから抜けられなくなってしまった印象。
[映画館(字幕)] 5点(2012-07-17 09:59:25)
2144.  レイト・フォー・ディナー
60年代の部分は、いいぞいいぞ、と思って見ていた。ナレーションでシークエンスをつないで、回想シーンになるときは画面がゆらゆらとなる昔のタッチを採用、ユーモアのセンスも悪くないし、テンポもいいし。なのに90年代になるとガラリ監督が変わったかのようなモタモタぶり。愛は時代・年代・年の差を越え得るか、という一点だけがポイントになって急に線が細くなった。男二人に個性が欠けるのもつらい。アメリカにとって60年代ってのは無垢の象徴なんだな、ということのみ理解できた。このころ冷凍保存ものの話が多いのは、何か社会にそういう話題があったのか?
[映画館(字幕)] 5点(2012-06-15 12:21:49)
2145.  ロングタイム・コンパニオン
エイズへの偏見撲滅キャンペーン映画とでも言うか。このころはエイズ映画が多かったけど、最近ないな、今だってまだ蔓延してるんだろ? あの国はときにこういう野暮ぎりぎりのキマジメな映画を作り、それが主流になっては困るけど、こうやって地固めをしている部分もあるのが、あちらの映画産業の丈夫さなんだろう。ゲイ社会たって普通なんだ普通なんだ、と脅迫されているような気がちょっとした。エイズに関して言えば、彼らが人類全体の尖兵となって感知してくれてるようなところがあるわけで、だからと感謝を強要されてるような。みんなで昼メロ見ている和気あいあいの感じが印象的だった。それが仲間でさえキスの後では神経質に口を濯がねばならなくなる病いが、エイズなんだ。ここらへんをもっと突っ込めば普遍性のある映画になっただろう。私のノートの最後に「YMCAは笑えた」と書かれているのだが、なんだったか思い出せなく気になる。
[映画館(字幕)] 5点(2012-06-03 09:41:51)
2146.  過ぎゆく夏
ジェームス・ディーンの再来って宣伝だったけど、こりゃただのソックリさんだわな。もう勝負のついている賭けに、さかのぼって50年代にロックンロールに賭けたってちっとも偉かないさ。本当のJ・ディーンの時代と比較した(映画製作時)90年代のだらしなさを自己批判した映画としてなら意味があるが。鐘で始まり鐘で終わる。お粗末な演奏はよく出来ていた。ロックが乗ってくるとこね。監督はなんでも振り付け師あがりだとかで、その感覚だろう。後の秘密バーでのダンスシーンより良い。DJで流れていた曲は、なんかアレンジが50年代以降に聞こえたんだけど、どうだろう。ラストはもう定型どおり。喜劇だと定型どおりが○になることが多いけど、こういうドラマだと×に感じる。なんかシラケちゃうんだな。ま、おばあさんがロックンロールに乗って自然に腰を動かし始める、っていう定型がなかっただけでもヨシとしよう。
[映画館(字幕)] 5点(2012-05-25 10:11:55)
2147.  ねらわれた学園(1981)
昔NHKで6時からやってた少年ドラマってのか、あれで面白かった記憶が濃厚だったので、かなりガックリした。あっちは連続ドラマだったんで、だんだんファッショになっていく怖さをやれたんだな。テレビも低予算だったんだろうが、頑張っていた。こっちも金は宣伝費に使って実質低予算だったんだろうな。ラストの対決シーンにその低予算の哀しみが漂った。あるいは新人俳優に演技指導する予算も、製作費の穴埋めに回して使ってたんだな。体育教師がこっち側につくんだけど、だいたい体育教師ってのはあっち側の人間が多いんじゃないの。って思うのは偏見か。でもこれ話の核心はいいんで、丁寧に作れば、しっかりした作品になれたんだがなあ。
[映画館(邦画)] 5点(2012-05-16 10:02:06)
2148.  濹東綺譚(1992)
カツラってとこが新藤さんの解釈なんでしょうか。原作は、古風な世界にタイムスリップしたような気になるところを「綺譚」と表現したんで、断髪じゃ根本的に作品を組み替えていることになる(原作で確認しなかったけどそうだよね)。ラストの男も、ただ静かに去るんじゃなく、こっちでは嘘をつく。男と女の落差を、戦後篇で引っ繰り返していくところが、新藤さんの視点。沈潜していく男と元気になっていく女。荷風的な陰影なぞクソ食らえと、とにかく自分の世界に力業で持っていき、昭和史へ強引に引き伸ばしていく。自分の世界に持っていくのも映画作家としてアリだろうが、そこには原作との格闘があってほしい。これはただ原作の上に自分の絵の具を塗り重ねただけなんじゃないか。玉ノ井に導かれていくとこは、もっともっと時間を掛けてやってもらいたいのだが、つまりそういうところに味わいを求める映画じゃないのね。
[映画館(邦画)] 5点(2012-05-07 09:50:42)
2149.  マイ・スイートファミリー
朝日新聞社提供の映画って、なにか似たトーンがあり、この邦題もそれを示唆していてこわごわ観に行った。学者小僧なんてキャラクターにもオロオロさせられ、都会との対比の湖畔なんてのも、やんなっちゃうんだけど、でもこの湖畔に舞台が移ってからは、まあ映画に一応リズムを合わせることはできた。ヒロインがカメラに語りかける趣向。物語には人間関係をややこしくすることの愉しみってのがあり、「やれやれ」って気分がおかしみに移っていく。複数の父と複数の母たち。こういうふうにして家庭ってものが輪郭をぼやかして世間へ溶け込んでいくっての、これからの理想的な個人と社会の関係になっていくかも知れないなあ、なんて思った。ヒロインは2000年までに地球の3分の1が家族になるって言ってた。そうなっているようには思えないが、そういう義理の家族集団としての人類を想像できた20世紀末。
[映画館(字幕)] 5点(2012-04-27 09:45:18)
2150.  バーチャル・ウォーズ
映像作家はいろんな分野を開拓し、たとえばスピード感・あるいは恐怖感・神々しさ、などなど言語に頼らず映像だけで表現できる世界を広げてきた。そういう中で目立たないが(苦労してもあまり褒めてもらえないが)「生理的な気色悪さ」ってのを追求しようとした人たちもいたのではないか。古くなってひび割れ剥がれかけたペンキの塗り跡とか、小さな穴がぽつぽつとあいてる表面とか、意味に還元される以前にじかにゾワッと鳥肌が立つ画面、ああいうものを意識してしっかり創造してやろう、と決意した人たちもいたのではないか。本作の人体ピンポン玉分解にそれを感じた。よく熱についての教育番組なんかで分子の運動が活発になるイメージのアニメってあるでしょ。あるいはダリの絵とか。人体がああいうふうに、無数のピンポン玉みたいのに分裂し、活発に運動して四散しちゃうの。ハッキリ言ってそこのとこしか見どころのない映画でしたが、けっこうそれは生理的にじかに来る気色悪さで、気に入った。あとの現場であのピンポン玉みたいのが転がっているとこを想像するとなお気持ち悪い。あちらではこういうSF的な世界を描くと、だいたい一方に神を持ってきてオモシにする。
[映画館(字幕)] 5点(2012-04-25 12:28:12)
2151.  ザ・スタンド(1991)
現在自然保護が圧倒的命題になったことはいいことで、「文明」という野蛮を冷静に反省するんならいいんだけど、何か非合理主義とか神秘主義への傾斜が感じられると不気味。非合理主義こそ野蛮の元締めだった。この森林の中でも電気を必要とする人類だし。ゴルフボールを打ち込むのはちょっと引っかかったな。映画としての展開はかなり地味。ジャングルを三次元で感じさせてくれるロープウェイシーンや落下シーンがあり、ちゃんと高さのある密林になっていた。子どもを救うかどうするかってとこは、実に重い問題なんだけど、あっさり情で逃げてしまった。全体、人物に魅力が乏しいの。
[映画館(字幕)] 5点(2012-04-17 12:17:14)
2152.  ベンガルの夜 《ネタバレ》 
この「夜」を耳にしたとき、あちらの人にとっては night と knight の二つの発音が引っ掛けられてる、なんて言葉遊びみたいなもの、あるんだろうか。と思ってたらフランス映画だった。イギリス系の俳優が出てるもんで。青年、自分は騎士のつもりでいたが、夜の闇の中に融けていってしまう話。けっきょく彼はインド人一家にとっては邪悪なほうの(カーリー女神だっけ)運命の使者になってしまってたわけで。白い人にとってのインド。明晰な西欧に対して、沼のような世界。欧米がサックスの響きなら、セン家で聞こえるのはクラリネット。気の触れた妹の存在。百年後におまえが作ったものでなにが残ってる、いうニヒリスト、上海帰りのジョン・ハート。こういうジャーナリスト浪人みたいのに時代の空気感じる。セン氏は養子にしようと思ってたのに、青年は娘と結婚するんだと思ってしまった、という誤解なんだけど、これ民族の相互不理解といった普遍性にまでは持っていけてなかったな、そういう話じゃなかったのか。
[映画館(字幕)] 5点(2012-04-11 10:07:46)
2153.  おろしや国酔夢譚
まじめに作られた映画で感動してやりたい気持ちはあるのだが、シナリオ術の低下は無視できない。映画のシナリオを作る伝統が、どこかでプツリと途絶えてしまっている不安を感じた。邦画のこの手の大作って、ストーリーのダイジェストになっちゃうのね。映画として楽しませようという気持ちがない。はたして観客はあの手の、通り一片の暴風シーンなんか見たいと思ってるだろうか。どうせスペクタクルで見入らせる金はないんだから、漂流しているとこから始めて、シナリオのなかにうまく粋に経過を織り込めばいいじゃないか。そういうとこで金を使わずにシナリオを構成するのが邦画の伝統だったはずだ。そんなとこより、河の氷が溶けるシーンなんかのほうが映画として十分盛り上げられそうなのに、西田敏行が岸辺にたどり着くまでを描かない。河が動き出す感動を映画は捉えない。西田の顔に河がオーバーラップするの。変に説明的なとこがあるかと思うと、彼らの進行を分からせてくれる地図を出さない。そういう「別の感動」への手助けとなる説明は、はしょらなくてもいいのに。小さな個人と大きな国家、小さな漂流と大きな歴史、そんな対比が芯の話と見た。海に向かって波に逆らって吹く風がすさまじかった。主人公が世界を知っていく感動や、望郷の願いやらは、も一つ焦点が定まらなかったみたい。
[映画館(邦画)] 5点(2012-04-10 09:59:31)
2154.  KAFKA/迷宮の悪夢
役者が凄い。イギリス系の名優をずらっと揃えて、アーミン・ミューラー・スタールで押さえている渋さ。あとプラハの街の白黒による陰影も見ものと申しておきましょう。でも映画はノレなかった。監督はいわゆる「カフカ的」にならないように製作した、って言ってるけどどうなのかなあ。作者ってのは出来上がってから気がついた欠点を指摘されるのを予防するために、何らかの発言をすることってあるからな。これなんかカフカ的ってとこを、上滑りした物語に思えた。「カフカ的」って言葉の使い方だよね。現在カフカを生かすなら、カフカ的世界を作るんじゃなくて、現代をカフカ的方法で描くべきなのであって、何も主人公をカフカにする必要はない。カフカのエピソードや作品の断片をちりばめて、けっきょくカフカ的雰囲気に浸りたかっただけに見えちゃう。カフカのドタバタ的側面(弟子)を描いたのは目新しいけど、「笑う男」なんか反カフカ的に思えた。ヒッチコックのほうがよほどカフカだ。名前負け。
[映画館(字幕)] 5点(2012-04-09 09:56:31)
2155.  裸のランチ
殺虫剤ドラッグってイメージは面白いのよ。ジュディ・デイヴィスがハーッと息を吹きかけるとゴキブリがポロッと死んで落ちてくなんてユーモアもいいし。タイプライターとゴキブリの合体、きっと文章なら面白かったんだろうと思うんだけど、映像という具体物でいくとシラケちゃうんだなあ。イメージの広がりが止められちゃうというか。昔読んだアイルランドの小説『ドーキー古文書』ってのに、自転車人間てのが出てきて面白かった、あれなんかも実際目で見ちゃうとさほどのことなかったのかも知れない。ユーモアが乾燥しちゃう感じ。難しいんだよね、イメージが具体化されるのが映画の一番の強みのはずなのに、それが弱点にもなっちゃう。本来小説は、映像化され得るものを超えたイメージを文章で組み立てようと試みているんだろうな。で、本作のモチーフ、書くということへの嫌悪感。書くから孤独になるのか、孤独になるから書くのか、っていうようなこと。でもそういう方面に頭を働かすまでに映画に世界の広がりが感じられなかった。映っているとこの外側も、そういう世界が広がってるんだろうな、という確からしさがなかった。主人公の妄想の世界だからそれでいいんだ、っていうのかも知れないけど、妄想ってものこそ際限なく広がっていっちゃうもんなんじゃないのか。
[映画館(字幕)] 5点(2012-04-01 10:06:22)
2156.  遠き落日 《ネタバレ》 
差別用語とされる「てんぼう」という言葉をちゃんと使ってたことは褒めましょう。文久三年(1863)に尾羽嬢だったシカが明治元年(1868)にはもう三田佳子になってるのには驚いた。中盤のちゃっかりと手術費用を捻出するとこ、餞別をもらい回るとこ、山本圭のとこに強引に乗り込むあたりなどに「人間野口」が感じられかけるとこは若干あるんだけど、やっぱり偉人伝ものの枠からは抜け出せなかった。母の手紙が映画のキモで、このころはまだ有名ではなかったのではないかな。東西南北を読み込む中国の文章の伝統が、こういう僻村にまで及んでいることに驚かされる。母との再会のとき、左手の手袋は脱いでるの。ついにオッカアに「こんな手にしたのはおめえじゃねえか」と言ってしまった後の愁嘆場はモロ「日本映画」でしたなあ。牧瀬里穂の無理なフケメイクがなくてホッとした。
[映画館(邦画)] 5点(2012-03-15 10:17:08)
2157.  アメリカ物語2/ファイベル西へ行く
こういうのも国威発揚映画っていうのか。インディアンも動物にしてしまえば、こういう形で描いても許されるらしい。アメリカが繰り返しアメリカン・ドリームを描くのは別にかまわないとは思うけど、なんかむなしさが付きまとう。「理想の国」だったってことを確認し続けていないと、気合いが抜けていってしまうようなところがある気の毒な国。オリジナル版では老保安官の声がJ・スチュアートだったそうで、ちょっと聞きたかった。彼も「アメリカの良心」として外せないところなんでしょうな。見せどころとしては空き缶に乗ってのジェットコースターシーンがあり、さらには汽車での蜘蛛との戦いとかなんだろうが、なんかうつろ。ラストの決闘が弱い。場所が生かされてないんだ。駅の雑踏の中を歩き回るあたりは好き。ぶら下げられたタイガーが後ろの岩と重なるあたりも面白いか。
[映画館(吹替)] 5点(2012-03-04 09:20:59)
2158.  寝盗られ宗介
腎臓手術のあたりからか、この度を越した「いい人」が熱を持ち始め、ジミーが駆け落ちすると言い出すあたりの演劇的切り返しシーン、後ろの幕がパッと落ち楽屋が見える、あそこらへんあたりからちょっとノレてきた。大半は原田芳雄の魅力に掛かってたけど。越路吹雪の弟として「愛の讃歌」をやるのが、隠し芸的な興味ながらも見事。姉の身代わりに受験したっていうの。あと天皇の戦争責任を許してもらうためにマッカーサーに身を捧げたひばりの隠し子、なんてのも面白くはある。深読みするほどの意味はないと思うけど(芸能とは…、というところでドサ回りとつながってはいるか)。まだこの頃はひなびた風景がけっこう残っていた。
[映画館(邦画)] 5点(2012-02-29 09:53:36)
2159.  海炭市叙景
海炭という地名からは、滅んでいった炭鉱町のイメージが呼び起こされ、最初の造船所のエピソードの絶望的な組合運動の姿なぞ歴史を思い出させる。消えるまぎわの炭の最後のほのかな明るみみたいなものを描くのかと思った。きれいなんだ、あれ。でも観ていくと、これ炭の最後の明るみと言うより、ほとんど灰の世界。グレーで一貫している。全員うなだれ、負のカードばかり拾い集めているような侘しさが募る。暗い屋内で市の暗いニュースを報じるテレビ画面ばかりが明るい。たしかに題名で「叙景」と断わっているのだから、芯のような手応えを求めてもお門違いなんだろうが、とことんうなだれたこの世界は、ちょっとキツかった。いっそ叙景に徹し、息を殺して見詰めないではいられない映像で押してくれれば、こっちもそういう姿勢をとったものの、こちらの眼力が弱かったのかも知れないが映像にそれほど引きつける力が感じられず、中途半端に「文学」が残ってしまっている気がした。その「文学」の部分だけでは、「なるほど現在の地方都市はこうなのか」と新鮮な角度からの発見は得られなかった。こちらが勝手に「ルポルタージュ」を求めてしまっていたのかも知れない。最後路面電車を巡って、登場した人たちが出てくるあたりはちょっと浮き浮きしたが、あまり絡み合わず、ここもあくまで「叙景」。プロパンボンベのそばでの煙草が一番ドキドキした。
[DVD(邦画)] 5点(2012-02-27 11:01:24)
2160.  パトリオット・ゲーム 《ネタバレ》 
トーンが一貫してくれない。いっそ弟を殺されたハネあがりテロリストとその情人の偏執的復讐に絞ってくれればいいのに、北アフリカの訓練基地が出てきたりすると、困る。国際政治ものでいくのなら、このテロリストがやってることは組織として馬鹿馬鹿しすぎる。オリジナルな怖さとしては偵察衛星画面か。衛星が回ってくる時間になると隠れるなんてのにリアリティ。遠くの戦場を同時中継で眺める気味の悪さ。これは後にビン・ラディン殺害のとき現実に味わうことになったわけだ。
[映画館(字幕)] 5点(2012-02-26 12:12:06)
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