201. トワイライト ささらさや
原作はファンタジーミステリーだろうけど、コメディっぽくそれでいて心温まるヒューマンドラマだ。赤ん坊のユウスケ君がとてもかわいくニコッとされるとたまらなくなる。母親のサヤさんともども応援したくなってしまう。おっかなく見えたユウタロウの父親も本当は愛情表現が苦手なだけだろうと予想のつく展開だけどそれでもやっぱり良い。隣の席あたりで涙ぐんでいて、「ばっかだねえ」と思っていたらこっちまでつられてしまった。 [映画館(邦画)] 7点(2014-12-01 15:41:56) |
202. ジキル博士とハイド氏(1941)
「ジキル博士とハイド氏」はフレデリック・マーチ主演に続き2作目、さすがに画面は精巧で美しく原作や前作に比べてストーリーもわかりやすくなっている。そして何よりもバーグマンとラナ・ターナーの二人の美女が際だっているのだが、バーグマンの汚れ役はピンと来ない。主役のスペンサー・トレイシーにしてもフレデリック・マーチを超えている思えないし・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2014-11-29 22:31:15) |
203. 河のほとりで
加山雄三と星由里子が恋人同士と言えばもちろん若大将シリーズなのだが、同時期に撮影された作品でありながら結構雰囲気が違う。若者の青春ロマンスもあるにはあるが、彼らの両親のロマンス、それも奪い取っただのその辺の清純とは言えない要素も含まれてくる。原作はとみると石坂洋次郎、さもありなん、台詞が小説のままの雰囲気すらあるのだ。おもしろかったのは、東野英治郎と乙羽信子の結婚式だ。牧師の有島一郎とその夫人沢村貞子がからんでやりとりが何ともおもしろい。そうそう加山雄三が年上の女性池内淳子と関係するなんてのもあって、結婚とはそんなに純粋なものばかりでないということを言っているようだ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-11-28 19:51:05) |
204. 想いのこし
試写会の評判つられて見たのだが、漫画チックな展開と内容の薄さにどこをどう感動して良いのかわからなかった。ただポールダンスについては、ストリップショーみたいなものではなく、サーカスか出初め式でのアクロバット演技というか、器械体操のアスリート競技のようなもので認識を変えさせられた。映画でのシーンもまずまずだったけどインターネット映像で見ると本当にすごいことがわかるし、鍛えられた筋力も必要。ガジロウの女装は大変艶めかしいが、演技は短期間でできるはずがない。 [映画館(邦画)] 4点(2014-11-27 16:18:48) |
205. 東京おにぎり娘
一見コメディ風のホームドラマからまり子をめぐる三人の男たち(伊藤雄之助の社長さんは除く)のバトルかと思いきや、みどりさんという女性の出現によりぐっと人情っぽくなる。美人でチャキチャキ看板娘の若尾さんの女らしさがとても良い。大阪生まれの江戸っ子の親爺もまたなかなかのもの。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-11-26 10:15:05) |
206. 紙の月
多額の預金を横領するという事件については同じでも、夫の存在が薄くなって隅より子、相川恵子という映画独自のキャストが登場することによって、原作とは別の「紙の月」になったと思う。決して悪いという意味ではなく、小説は小説、映画は映画の良さがあり、物語性よりサスペンス性を重視したとも言えるし、ガラスを割るシーンにはびっくりと言うほかない。ただ表面的な動機はわかるような気はするが、監督の意図する爽やかに破滅するヒロインには着いていけなかった。 [映画館(邦画)] 6点(2014-11-25 18:34:02)(良:1票) |
207. くじけないで
人生には楽しいことばかりでなく辛いことや悲しいことなどいろんなことがある。それらを自分に与えられたものとして肯定的に受け取り、優しさと温かさで他人に返すことができたらどんなにすばらしいことだろう。この映画には90歳過ぎてからの詩人柴田トヨさんの人柄がにじみ出していて、大変良いものを頂いたという実感だ。作り物でなく、ありのままの姿を語ったところが良い。差し詰め私も武田鉄矢同様のどうにもならない男だけど、トヨさんのような心境になれたらいいなと思う。 [DVD(邦画)] 8点(2014-11-25 09:14:53) |
208. 地上最大のショウ
私が子どもの頃は毎年のようにサーカスがやって来た。その中で見た映画、随分昔のことだからストーリーは忘れてしまっていたけれど、空中ブランコで技を競うシーンなど印象に残るシーンがなつかしい。終盤で列車がどうして脱線したのか、ピエロがどうして手錠をかけられたのか、子どもの頃は理解できなかったところが今になってわかった。あのピエロはジェームス・スチュワートだったんだな。映画としては7点かなと思ったけど、サーカスの大変さにプラス1点。 [映画館(字幕)] 8点(2014-11-24 20:46:22) |
209. ハーヴェイ
見える人には見える巨大な兎、最後には精神科の院長まで感染してしまって・・・。でも良いんじゃないかな、皆が幸せになるのなら。のっぽの人たちとそうでない人たちの身長差もあって別の意味でもおもしろかった。 [DVD(字幕)] 7点(2014-11-22 20:27:41) |
210. 妖星ゴラス
非科学的に思われることを真面目に作られると何とも言えない。外国のこの手の映画と較べると大人と子どもの違いのように感じるのだけど・・・。いかにも模型やぬいぐるみというのは当時のベストだから仕方ないにしても、怪獣とか記憶喪失は何とも。例によっていつものアナウンサーが出ていた。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2014-11-20 23:16:58) |
211. 田園交響楽(1946)
文豪アンドレ・ジッド(私たち年代にはジイドの方がなじみ深い)の代表作のひとつ田園交響楽。ベートーヴェンの音楽が出てこないのでタイトルに偽りありの感もするが、さすがにカンヌの大賞受賞作、すばらしい作品だ。盲目の孤児に対する牧師の慈悲深い愛と言いたいところだが、目が見えるようになったから幸せになるとは限らないわけか。 [DVD(字幕)] 7点(2014-11-18 16:53:42) |
212. シャトーブリアンからの手紙
史実だけに重苦しい。フランス占領に反対し捕らえられ政治犯は、捕虜ではなく人質なのだ。狂気としか思えない命令が粛々と実行される。事件が起きてわずか4日間の出来事だったとは大変な驚きだ。終盤での神父の「命令の奴隷になるな」の叫びが心に残る。 [映画館(字幕)] 7点(2014-11-18 06:48:00) |
213. 娘と私
記念すべきNHK連続テレビ小説の1作目である。子どもの頃、ラジオドラマで聴いたのが最初だったが、主人公が語り手となって進行するのがとても印象的だった。ラジオもテレビも好評で映画化されたわけだが、山村聡ではどうも小説家らしくない。それに細切れでストーリーが淡泊でどんどん進んでいくのに少々着いていけなかった。(映画だから仕方ないのかも)昔のテレビはテープが使い回しされていて現存していないのがとてもさびしい。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-11-16 06:38:39) |
214. あなたに降る夢
差し詰めフランク・キャプラの現代版と言ったところか。ジェームズ・スチュワートでなくニコラス・ケイジがやるとどうも嘘くさく見えてしまうのは偏見なのだろうか。人間大金を手に入れると人が変わってしまうのが常だが、変わらぬ人間もいるのだろうか。ファンタジーとしてはおもしろいが、実話をヒントにした作品と知って大変驚いた。 [DVD(字幕)] 6点(2014-11-15 21:52:47) |
215. 泥棒成金
ヒッチコック映画としては不満が残る映画。そもそも警察が来たからと言って逃げ回るようでは疑われても仕方がないし、自らが真犯人を捕まえなければという設定も得策には思えない。見所はグレイス・ケリーの美貌のみならず美しい南フランスの風景、仮装パーティの豪華衣装か。 [DVD(字幕)] 6点(2014-11-14 09:12:49) |
216. にごりえ
「十三夜」と「大つごもり」は短編らしくすっきりまとまっていて、オムニバスとしてとても良い。それに較べると「にごりえ」は宴会シーンなど原作にない部分が膨らみやや長いものとなっている。独立した一編であれば膨らます必要もあるかと思うが、文語体の原文の一葉のイメージとはちょっとそぐわないかも。(悪いというわけではない) 全編を通して明治時代の女性の立場や暮らしというものが手に取るようにわかるようだ。それにしても子役からちょい役まで役者揃いには驚く。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-11-14 09:10:19) |
217. グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札
女優として絶頂期にありながら惜しまれつつ引退したグレース・ケリー、カムバックを期待したファンもさぞ多かったろう。ヒッチコックの誘いに一度は考えたものの、ついに公妃としての道を貫く。そのままの伝記ではなく、事実に基づくフィクションであり、愛の物語である。この映画はすべてラストの彼女のスピーチのためにあると言ってもよいくらいだ。中盤がちょっとだけ中だるみになるような気もするけど・・・。 [映画館(字幕)] 7点(2014-11-10 19:32:48) |
218. エターナル・サンシャイン
よくはわからなかったけど内容のあるすごく良い映画だったように思う。消し去りたい記憶と忘れかかった記憶が入り交じって、人を好きになる愛するとは何かをも考えさせられる。ただ映画としては、クレメンタインの髪の毛に象徴されるけばけばしさに着いていけず、集中できなかったけど・・・。ニーチェやアレキサンダー・ポープのことばが非情に印象的。 (再鑑賞して)2度目を見てようやくストーリーがはっきりした。ポイントは髪の色だ。けばけばしい髪の色が現在と過去、現実と脳内とに区別され整理できた。また、3度目になっていろいろな伏線や細かなことが発見できて、よくできた脚本だと気づく。点数もあと1点プラスしよう。私のように最初よく理解できなかった人にももう1度見直すことを薦めたい。 [DVD(字幕)] 8点(2014-11-09 03:22:31) |
219. あこがれ(1966)
施設で育った二人を一緒にさせまいとしたのは、もっと深い理由があったのではと思って見ていたらそうでもなかった。原作はテレビドラマ「記念樹」であり、木下恵介らしい胸に迫るものがある。そうそう内藤洋子と新珠三千代といえばテレビ版の「氷点」も良かった。 [DVD(邦画)] 6点(2014-11-08 09:30:07) |
220. ハイハイ3人娘
私と同年代の三人娘と言えば、中尾ミエ、伊東ゆかり、園まりの「スパーク3人娘」テレビでは大活躍していても映画では初めてだった。(中尾だけはすでに「夢で逢いましょ」に出ていた)他に長沢純らのスリーファンキーズや植木等らのクレージーキャッツの面々も登場し華やかな青春歌謡ドラマ(ミュージカルとは言い難い)となる。私たち年代には懐かしいが・・・。おっとその頃はラーメン1杯50円だったのだ。 [映画館(邦画)] 5点(2014-11-07 11:36:31) |