201. 起終点駅 ターミナル
《ネタバレ》 まず、佐藤浩市と尾野真千子が学生時代の恋人という設定に入っていけない。二人の実年齢差20歳だよ?(笑) よかった点としては、思いのほか、「食」の映画としてよかった。特に、ザンギのうまそうなこと。来る日も来る日もザンギを作り続けること、、彼にとってそれが罪の懺悔 (ザンゲ) なのかもしれない。(あ、言っちゃった) 北海道の「風景」も、よかったと思う。序盤のスナック通りの場末感とか、雪が降り積もる駅の情景とか、、たぶん実際に生活するには寂しいだろうけど、映画で見る分には北海道の片隅として旅情をそそるから不思議なものだ。 登場人物では、中村獅童の得体の知れないところ、敵か味方かもわからないその存在自体が、映画のよいアクセントになっていた。思うに、仕事の依頼は口実だろう。本当は、鷲田完治その人に会いたいだけ。仕事の利害関係抜きで出会っていたら、二人はよい友人になれたかもしれない、、そういう微笑ましい関係だった。 [DVD(邦画)] 6点(2017-04-10 20:07:44) |
202. ある天文学者の恋文
《ネタバレ》 言うまでもなく、その存在を失っても彼女の元に届く彼の愛を、その存在を失っても我々の元に届く星の光に例えています。それは永遠には続かない、といった意味でも一致しています。天文学者らしく、とてもロマンにあふれた愛情表現でした。でも現実的にはかなり無理のある話で、たとえ入念に準備したとしてもこうはうまく運ばないと思いますね。(スミマセン、夢がなくて) それに"天文学者"だからこそ許される愛情表現であって、普通の人が同じことやったらちょっと怖いです。女性的にはどうなんでしょう?これは女性の方の感想を聞いてみたい映画でした。それはさておき、、しつこいクローズアップ、カットが変わる度に新しいお洋服、おまけにスタントアクションにお色気サービスショット。一体これはオルガ・キュリレンコのプロモーションビデオですか?でもよいか、景色も含めて、美しいものたくさん観れるのも映画の楽しみの一つだし。 [映画館(字幕)] 6点(2016-12-04 19:29:58) |
203. 教授のおかしな妄想殺人
《ネタバレ》 まずは聴いてすぐにウディアレン監督とわかる音楽が相変わらずよいです。 地位も学もある男が殺人妄想に駆られて、やがて妄想に飽き足らず実行することに、、といったお話し。J・フェニックスが無表情で暴走するかたわらで、E・ストーンが一人慌てふためく姿は不謹慎な笑いを誘います。 彼はいわゆる「サイコパス」と思いますが、こういった人間を題材にしてホラーやサスペンスタッチにならないのは、まさにアレン監督ならでは。 その悪党は、あの時のペンライト (だったかな?) で滑って自ら奈落の底へ。色恋沙汰には寛容だが殺人者は罰を受ける、といった内容はアレン作品では通例ですが、今回の末路はいつになく、罪と罰や因果応報といった言葉が頭をよぎります。 それとなんだろう、この酷い末路は教授という職業に何か個人的な恨みつらみでもあるのだろうか (笑) [映画館(字幕)] 6点(2016-07-09 14:50:55)(良:1票) |
204. 孤高のメス
臓器移植とは人一人の臓器を、次の人に繋ぐこと。まさに命と命のリレーです。重たい題材ではありましたが、堤真一演じる当麻を筆頭に登場人物たちのキャラが面白くて、どこかコミカルなタッチの映画に仕上がっています。生瀬氏の悪漢ぶりなどは典型すぎて逆に笑ってしまうほど。 この物語で言う「孤高」とは、当麻の外科医師としての手腕ともう一つ、地位や金に惑わされず決して権力に屈しない、医師としての志の高さを言っていると思います。 でもこれにはちょっと物申したい。我々も大きな病気になれば、健康を取り戻すためには全てを賭けるし、執刀医にはまさに命を託すわけです。野本のような男が執刀医では大変です。(と言うか、彼は執刀医以前に人間としてクズすぎて論外でしょう) 患者の本音として言わせていただくなら、当麻の志の高さは決して孤高ではなく、これが医師たち全ての「標準」であってほしいと切に願うのだ。だから、私は彼の志の高さを孤高とは言いたくない。もちろん、彼の外科医師としての技術はまぎれもなく孤高でした、それは認めます。 そして、、その天然ボケもまぎれもなく孤高でした、それも認めます。 [DVD(邦画)] 6点(2015-10-21 00:45:05)(良:1票) |
205. マジック・イン・ムーンライト
《ネタバレ》 「波動が、、波動がきてるわ、、」ってインチキ臭いセリフとともにご登場のエマ・ストーン。はい、どこからどう見ても詐欺師かペテン師かインチキ霊能者にしか見えません (笑) その登場からかなり笑えました。映画のモチーフとして使われているお月様の姿と物語の展開から「ギター弾きの恋」が一瞬頭をよぎったが、何とも幸せな結末で一安心。二人が演じたのは種も証もありません、恋という名のマジックでした。名作ミッドナイト・イン・パリ、切れ味抜群のブルージャスミン、この年齢にして今まさに絶好調アレン監督。近年はその出来栄えで、本気の作品か息抜きの作品かハッキリとわかりますが、本作は後者かな。今回はおそらく南仏観光気分、仕事もそこそこにワインでも飲むお姿が浮かびます。 [映画館(字幕)] 6点(2015-04-16 23:21:26)(良:1票) |
206. HICK ルリ13歳の旅
《ネタバレ》 何と言ってもクロエのヴィジュアルに尽きます。子供でも大人でもないこの年齢ならではの色気と言いますか、とにかく本作で彼女が放つフォトジェニックな存在感は素晴らしい。もちろん、コスチュームもキャメラもクロエファンへのサービスが満載。でも残念ながら見どころはそれだけでした。ロードムービーは退屈にする方が難しいと思うが、本作はちょっと退屈だったかな。物語の構図は、都会に憧れる田舎娘の話と言うよりは、"大人の世界"に憧れる田舎娘の話でした。でも、ルリが想像していた以上に大人の世界は怖かったはずです。子供は背伸びをせずに子供の世界を生きればいいと思います。どうせいつかは嫌でも大人になるのだから。 [DVD(字幕)] 6点(2015-02-17 19:38:13) |
207. みなさん、さようなら(2012)
《ネタバレ》 主人公の不可解な行動。その背景には悲しい過去があり、それが次第に明らかになっていく。小説や映画などでは定番で、よく見かけるストーリー構成だと思います。いったいどんな悲しい過去が?この構成だと、この謎こそが映画のメインディッシュであると思うので、たった数カットの回想シーンで唐突に暴露をしたのでは、せっかくのメインディッシュがもったいないなと感じました。登場人物たちの語りや状況で少しずつ謎が明らかになる、といった手段でも面白かったと思います。残念ながら悲しい出来事はこの世の中絶え間ないが、主人公の"不可解な行動"によって救われた人もいたわけである。一つの不幸が生んだ一つの幸せ。悲しい出来事でもそこから始まる何かがある、この映画ってそれが言いかったのではないかと思います。 [DVD(邦画)] 6点(2014-11-06 22:25:33) |
208. スマイル、アゲイン
ジェラルド・バトラー&恋愛ドラマ、またこれかと食傷気味に思いつつも結局鑑賞。たぶん私はジェラルド・バトラーも恋愛ドラマも好きなのでしょう。(ちなみに男ですが・・)今回は主演よりもむしろ豪華な脇役たちが面白かったなア。まずはサッカーコートが全く似合わないデニス・クエイド。昔はベースボールをやっていた、などとベースボールに未練たらたらなセリフまでしっかり言うし。ベッドに寝そべるユマ・サーマンの姿はパルプ・フィクションのポスターそのまんま。そして、男を漁るキャサリン・ゼタ・ジョーンズの肉食系不倫妻は、なぜか彼女の実生活が目に浮かぶ(笑)。映画ファンなら、監督の遊び心を大いに楽しめること請け合い。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-09-01 21:56:28) |
209. 世界にひとつのプレイブック
《ネタバレ》 5点という、ダンスコンテストの点数に全てが尽きると思います。コンテストの採点以外にもあきらかに多くの意味が含まれているこの点数、私は彼らの恋や人生に対する期待込みの採点、とお見受けしました。ダンスも恋も人生も、最初から10点じゃあ面白くないですから。むしろ一度は人生を挫折しかけた彼らにとっては5点は上々の出来、これ以上ない最高のスタートです。そして、この先人生まだまだ長いが、10点という目標があればこの先もきっと前向きに生きていけるはずです。それにしてもデニーロ御大、存在感がありすぎて、普通のパパを演じても普通のパパにはあまり見えない(笑)。やっぱりいつもの普通でない役がいいかなぁ。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-03-30 20:40:25) |
210. 夢売るふたり
《ネタバレ》 監督が女性ということで、"女"をどう描くかに着目して観ましたが、男は身体的に強く女は精神的に強い、といった観る前の個人的な先入観そのままの内容でした。店が燃えた後に、なかなか立ち直れない貫也とすぐに前を向いて再出発しようとした里子、二人それぞれが起こした行動にそれがよく表れていたように思います。女の描き方には際どい場面や容赦のないエピソードも多く、女の飾り立てた外面ばかりを描こうとしないその姿勢には、自分がこれを撮らなければ誰が撮る、という監督の信念が感じられた。改めて思いますが、映画史を見渡しても、詐欺師を題材とした映画は実に多い。なぜだか撮る者観る者を惹きつけてやまない、魅惑的な題材なのでしょう。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2014-03-23 15:07:06) |
211. 幸せへのキセキ
《ネタバレ》 マット・デイモンは素晴らしいですね。私は、画面いっぱいに溢れる彼の優しさ誠実さが大好きで、彼が出演する映画は要チェックしています。20秒の勇気・・。いい言葉でした。けれど私はいつも、その勇気を出すまでに数年かかります(笑) [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-01-26 22:04:15) |
212. レッド・ライト
《ネタバレ》 このキャストを見て、デニーロとシガニーウィーバーの対決を心待ちにしていましたが、対決どころか同時に画面に映ることすら一度もなく、その点が最も残念でした。他にも突っ込みどころが多い本作ですが、「超能力者と物理学者の対決」テレビのバラエティ番組などではよく見かけるこの題材を、一度映画で本格的にやってくれないかな、、と前々から思っていたので、制作陣営に感謝を込めてこの点数であります。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-01-11 15:40:07) |
213. ダイアナ
《ネタバレ》 ダイアナ妃は、王室の人間らしからぬ振る舞いや言動で大衆層の支持が高かったと聞きます。これは、王室の人間でありながら、どこか庶民に近い雰囲気 (感覚) をもったダイアナ妃に期待と共感を感じる人が多かったのだろうと思います。本作は主に彼女のロマンスにスポットライトを当て、自身の置かれた立場と等身大の女性でありたい自分との葛藤を描いています。このあたりは幾分映画的脚色もあるはずですが、当時の英国民と同じく私も彼女がとても身近な存在に見えました。アンゴラにおける地雷撲滅運動、エイズ救済における貢献等、彼女の果たした歴史上の貢献も史実としてしっかりと伝わりました。彼女は若くして逝ったが、ご自身の使命を全うしたと思う。そして最も撲滅すべきは、地雷やエイズではなくパパラッチであること、という事実も確認しました。言われているように、確かにナオミ・ワッツはそっくりさんではなかった。でも容姿はともかく、役柄に対するそのアプローチは称賛したいと思う。 [映画館(字幕)] 6点(2013-11-01 19:34:17)(良:1票) |
214. アウトレイジ ビヨンド
《ネタバレ》 今回、監督は前作以上に「組織」を強く意識して作ったように感じる。サラリーマンだろうが、暴力団だろうが、組織という集合体に入ってお金を貰いたかったら、上の人間には逆らうなということ。もちろん、ここで言う上の人間とは年齢ではなく、次長課長、組長若頭といった役による格付けのこと。組織も人数が多くなればやがて派閥が出来上がり、こいつらはXX派、あいつらは○派、などと眼には見えないもう1つの組織図が出来上がるから面白い。そして組織の中で配下の人間を抑圧してきたら、組織から出たらそれなりに覚悟をしたほうがよいということ。一歩組織の外に出たらもう他人ですからね。この映画ではそれらが三浦友和さん光石さんあたりで露骨に描かれていて笑ってしまった。特に光石さん、手の平を返しすぎでしょ(笑)。 [映画館(邦画)] 6点(2013-10-26 23:14:05) |
215. まほろ駅前多田便利軒
原作は未読です。さわやかな役が多かった瑛太が珍しく無骨な男を演じておりますが、なかなかハマっております。松田龍平さんは、主演よりも本作のような助演で存在感を発揮しますね。可もなく不可もなく、6点とさせていただきます。 [DVD(邦画)] 6点(2013-10-14 03:54:55) |
216. ヒミズ
《ネタバレ》 まるで「冷たい熱帯魚」の同窓会のようなホームレスの面々が笑えてくる。 内容としては、あの大震災とその再生と同じように、登場人物たちによる0 (ゼロ) からの再生が (表向きの) テーマですが、いったい善悪とはなんぞや? という裏テーマも含んでいる気がした。ヤクザたち、住田と茶沢の親たち、無差別的に人を襲ったヤツら、、。「悪」にも色んな種類があるもんだ、と感心する。しかし、悪人もこれだけいると食傷気味になって、善人のふりをした悪人はおらんか? となってくる (笑) 例えば、渡辺哲のオッサン。人を殺してまで600万を手に入れて、その金で人助けはだめだろう。こいつは、悪と言うよりは "偽善者" と言える。住田と茶沢が不登校になっても、何の対策もフォローする事もなかった担任の先生。こいつは悪人でも偽善者でもないが、苦しむ生徒を助けない先生は善人とも言えないだろう。 茶沢さん。善意の押しつけは偽善にすぎないが、彼女の場合はちょっと違ったようだ。 あの大震災の混乱と絶望のなかでも、善悪や損得勘定を超越した心、つまり真実の愛もいくつかは生まれたんだろうな、と思いたい。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2013-10-14 03:40:26) |
217. ファミリー・ツリー
《ネタバレ》 家族のためにと仕事に明け暮れて、ふと気が付けば娘とうまく接することすらできなくなっていた親父の物語。ホームドラマとしてはあまりにも使い古された題材ですが、ハワイが舞台というだけでどこか新鮮な感じの映画となっています。家族が当たり前のように一緒にいることの大切さを、さらっと感じさせるラストが秀逸でした。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-09-26 21:56:19) |
218. トゥ・ザ・ワンダー
テレンス・マリック監督の映画は、人物たちの表情の変化が乏しいし、台詞が極端に少なくて退屈です。本作も、ハビエル・バルデム牧師さんが語れば語るほど眠気を誘う映画でしたが、その度に閃くような映像美に救われて、何とか最後まで持ちこたえることができました。本当に映像美は別格。そこだけは映画館で鑑賞してよかったと思えます。そびえ立つ幻想的なモン・サン・ミシェル、オクラホマの広大な大地、神秘的なカトリック教会。地球が誇る様々な景観の迫力にはただただ圧倒されます。物語の随所で暗示的に「水」が映しだされます。水・・羊水、全ての生命の起源、形のないもの、地球上の全てにとってかけがえのないもの、、要するに多次元的な「愛」を示唆していると思われます。総括すると、愛という教えを説く宗教のイメージビデオのような映画、としか言いようがない。 [映画館(字幕)] 6点(2013-09-16 23:10:59) |
219. 恋のロンドン狂騒曲
《ネタバレ》 先ずは言わせていただきたい。この邦題、センス抜群です。協奏曲ではない、狂騒曲笑。相変わらずブラックユーモアが満載であるが、実は意外と優しい視点でダメ人間たちを描いていて後味のよい映画でした。短い時間の中で、たくさんの登場人物、洪水のようなセリフ、セリフ、、。これが散漫にならずにスパッとまとまる。この作風はもはや職人芸ですね。アルフィを演じたアンソニー・ホプキンス、本当に生き生きと絶倫じいさんを演じていて観ているこちらまで元気が出てきましたよ。 [映画館(字幕)] 6点(2013-08-16 22:25:56)(良:1票) |
220. パーマネント野ばら
《ネタバレ》 三女優の演技がきらりと光ります。男運に見放された女性たちが多く登場し、これは徐々に幸せをつかみ取っていく感動系のお話か~と思いながら鑑賞していたらびっくり!伏線探しの意味でもう一度観ても面白そうです。 [DVD(邦画)] 6点(2013-08-08 22:06:30) |