221. めがね
食べる、眠る、息をする。生きていくにはそれだけが必要。それさえ出来ていれば、後は「たそがれ」ていれば良い。 でも、悲しいかな大抵の人間は「たそがれ」るのが下手。何かをしていないと不安になる。そのくせ、何かをしてしまうと不安を呼び込む。毎日はその繰り返し。 だから、この作品に流れる空気は心地良い。イライラしている時でも癒され、マッタリしている時でも癒される。いわば万能癒し剤。したくても出来ない時の過ごし方がここには満ち溢れている。 「かもめ食堂」はホームドラマの域を少し踏み出した世界だったけれど、「めがね」の世界はもっと大きく踏み出しましたね。 ただ、「めがね」が何を象徴しているのか、未だ解らない…。そうだ、ゆで小豆の缶詰を買ってこよう。それから明治屋のシロップも。解るかもしれない。 [DVD(邦画)] 8点(2010-09-26 13:47:50) |
222. マイ・ネーム・イズ・モデスティ
DVDのジャケットだけ見てしまうと、やたら銃をぶっ放すB級アクション作品という印象ですが、基本的にはヒューマンドラマ的(?)に仕上がってます。 主役のモデスティ・ブレイズは、イギリス産コミックの主人公で怪盗ってかスパイってかそんな感じのヒロイン。シリーズ化された人気作品で、60年代に映画化もされてますよね。(「唇からナイフ」1966年英国作品) ここでは、そんな伝説のヒロインをタラ的にアレンジ。実にカッコよく決めてます。ルーレットを使っての粋なやり取り、終盤の大立ち回り、何よりアレクサンドラ・スターデンの謎めいた美女ぶりが良いです。 余り話題にならなかった劇場未公開作品ですけれど、一見の価値ありです。 [DVD(字幕)] 8点(2010-09-26 00:19:45) |
223. パッセンジャーズ
《ネタバレ》 確かに、類似の設定による作品は随分とあります。この作品も、ある程度その種の作品に慣れていれば、あるいは好んでいれば、早い段階で種明かしに気付くでしょうね。 ただ、この作品に関しては、その気付きを想定して制作していると思われ、2回観てみると随所に丁寧な関連付けが施されていて、「なるほど、そういうことか…」と思わせられる場面が多々あります。 また、「生」と「死」、そして「愛」についての解釈と言うか思い入れというか、制作者のメッセージがきちんと伝わって来ます。登場人物の人物設定や役割、位置付けもしっかりとしていて、安定感のある作品になっていますね。勿論、キャスティングの妙であることも見逃せません。 という訳で、自分の好みのプロットであることも加点して8点献上です。 ただ、DVDのジャケットや予告編の内容がサスペンスやスリラーを思わせるものであることが、観賞時のマイナス要素になりかねないことが残念。とは言え、他に広告のしようもないとも思われ、配給会社の営業さんは苦労したんだろうなぁ… [DVD(字幕)] 8点(2010-08-16 01:15:31)(良:1票) |
224. 処刑山 -デッド・スノウ-
《ネタバレ》 ひさびさに面白いゾンビものを観せていただきました。 微妙にコメディタッチ。それも、結構笑わせてくれるんですよ。さりげないカットに込められた笑いのセンス。純粋な笑いじゃなくって、逆説的とも言える笑い。悲惨なカットなのに笑えてしまう。これは才能なのか国民性なのか。 B級ソンビものは、殆どがどうしようもない作品。妙にメッセージ性を強調してみたり、使い古されたスプラッター表現に固執してみたり。その辺は、米国作品において特に言える。正統派(?)B級ゾンビものの裏をかくっていうか、方針が定まればストレートに突っ走る、そんなスタイルが好きだなぁ。 [DVD(字幕)] 8点(2010-08-03 00:02:23) |
225. トランスポーター3 アンリミテッド
ま、ヒロインのことやら何やら、皆さん同様いろいろ言いたいことはありますけれど、ジェイソン・ステイサムのカッコよさは文句なく、満足できる1本でした。 でも、やっぱこれだけは言いたいなぁ… 何でこの仕事を彼に頼むの? それと、直前に観た「アドレナリン2」のイメージが濃すぎて、これ観てても何かにつけて下ネタに展開することを期待してしまった… 頼むよジェイソン、どっちが本当の姿? [DVD(字幕)] 8点(2010-07-11 12:34:06) |
226. パルプ・フィクション
今更ながらにコメントするのも気が引けますが、巷の高評価どおりの出来ですね。 とにかく多弁、台詞が多い。でも、気の利いた台詞だらけ。映画を観ていると同時に、小説を読んでるような気になる。外国の小説は、登場人物が語りまくるのが多いでしょ? ただ、もちろんそれはこの作品のほんの一部。洒落た音楽、美しい映像、凝った構成、そして全てを独特のウィットで纏め上げ、ひとつ間違うと悪趣味な作品に急降下しそうなところを巧みに操り良作に仕上げている。タランティーノの代表作と呼ばれることに納得。 同時に、嫌いな人には全く受け入れられないだろうことも理解。ストレートでいて難解という、稀有な作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2010-05-15 19:11:10)(良:1票) |
227. ナイト・ウルフ 武装襲撃
《ネタバレ》 正直なところ全然期待しないで観たのですが、冒頭から緊迫の展開に惹き込まれました。どの俳優さんも馴染みのない顔ばかりなので、それが寧ろ真実味があって良いのかも。 時事ネタを使ったイントロに始まり、警察内部の諍い、2国の政府の対照的な姿勢、テロリストの身の上話などなど、内容はなかなかのてんこ盛り。スピード感もあるし、飽きさせられません。 ま、強いて言うなら、例によってDVDのジャケットはかなり内容と違うし、邦題にも首をひねってしまうけれど、ひさびさに見っけもんをしたって感じ。満足です。 [DVD(字幕)] 8点(2010-05-15 18:52:55) |
228. アドレナリン:ハイ・ボルテージ
《ネタバレ》 ジェイソン・ステイサム、カッコいいですね~、完璧です。 でもって、このエログロ作品、これまた完璧です。やっぱ、やるならこんくらいやらなきゃ! 道徳心が邪魔をしてしまう方には「0点」作品でしょうけれど、私は好きだなぁ~。全編ノンストップで大笑い出来ました。 と言う訳で、細かい評価はなし!また、続編を期待してしまう1本でした♪ [DVD(字幕)] 8点(2010-04-10 20:31:38) |
229. 告発のとき
《ネタバレ》 戦争の悲惨さを描いた作品は星の数ほどあるにしても、この作品は独特の視点から兵士たち、そして家族の苦悩を描いていて、重々しい中にも何かしら希望を見出せるような、つまり、現実は悲惨でしかないけれど、その真の姿に気付いた時、人間はやっと次の一歩に踏み出せると言うような、いつかきっとこの悲惨な現状は淘汰されるかもしれない、そんな希望の欠片がここには描かれているような気がします。 悲しいけれど良心的作品。 邦題は、ちょっと考えすぎかな? [DVD(字幕)] 8点(2010-03-14 13:55:17) |
230. バンク・ジョブ
実話にしては都合良過ぎるような気がしないでもないお話なんだけど、設定・展開・結末、どこをとっても面白い。登場人物の背景がイマイチあっさりとしすぎなのが気になるけれど、これも実話ならではのこと? ただ、あまりにハッピーエンド風なエンディングはどうかなぁ…? [DVD(字幕)] 8点(2009-11-03 18:11:52) |
231. 僕らのミライへ逆回転
JBの作品はどれもいいですね。中には観る者をかなり選んでしまうものもあるけれど、その分を差し引いてもいいなぁ~。 本作は比較的観る者を選ばない良作。てか良心作。いつもながら、うんざりするほどコテコテのJBのキャラなんだけど、周囲の人たちから決して排除されない、どこか憎めない馬鹿野郎を演じ切ってますね。持ち味としか言えないです。 そして、皆さんのレビューにもあるように、作品全体としては映画への深い愛情、レンタルビデオ店を通じた人と人との温かい交流、あるいは最早絶滅危惧種となったビデオテープ文化へのオマージュ、さまざまな想いがしっかりと焼き込まれていて心地良い。 やっぱり映画は面白いですね~。 [DVD(字幕)] 8点(2009-10-25 23:49:05) |
232. 父親たちの星条旗
観たいけど観ていて辛いかなと思い観ていなかった作品。テレビで「硫黄島からの手紙」をついつい観たことから決心して観賞。 これまた既に皆さんのレビューで語り尽くされた感があるので一言だけ。2作品セットなので、それぞれに立場を変えて描かれているのかと思いきや、基本的にはニュートラルな視線を感じました。勿論、主人公が違うのだから当然という程度の差はあるけれど、偏りは最小限度に抑えられている感じがしました。見事。 [DVD(字幕)] 8点(2009-09-27 10:44:58) |
233. 硫黄島からの手紙
あまりテレビでは映画は観ないのですけれど、ついつい惹き込まれてしまった作品。遅れ馳せながらの投稿です。既に皆さんのレビューで語り尽くされた感もあり、あっさりと一言。 受け取り方によって良作とも凡作ともなってしまいますね。それは皆さんのレビューで一目瞭然。日本人として余りに繊細な部分を米国人が描く。もうこれだけで斜に構えてしまう方もいるでしょう。それは否定しませんし、あくまでも母国に対しての感覚・感情の問題ですから。 私としては、当時の日本という国に、少なくとも批判ではなく愛情を込めた眼差しをもって見てくれている、そんな空気を感じたので、敢えてディテールへの不満は触れないことにします。良作ですね。 [地上波(吹替)] 8点(2009-09-27 10:33:38) |
234. アイアンマン
《ネタバレ》 素直に面白い。 リアリティは元々期待してないから、洞窟で手造りロボット作ろうと、小型核融合装置作ろうと、実験中に壁に生身で叩きつけられても怪我して無かろうと…数え上げたらキリがないから考えないことにして観るっきゃないでしょ。 こういう作品は、いかに楽しいかだけでいいんです。見た目が良くって楽しけりゃ、とりあえずは及第点。あとは楽しければ楽しいほど高得点という単純な評価が一番です。 ま、ワタシ的には7点程度なんですけど、グウィネスがあまりに好みなので1点オマケです。 続編ありきの作り方も、この際仕方ないのかな? [DVD(字幕)] 8点(2009-09-23 12:42:23) |
235. 団塊ボーイズ
《ネタバレ》 いいですね~、これ!分かるな~旅立ちの理由。同世代より少し手前だけど。 4人の組み合わせも、荒野を突き進むハイウェイや、ひなびた西部の田舎町の感じも良い感じ。BGMも最高! 難しいこと考えず、一緒に夢を見ながら安心して観ていられる、心温まる良作ですね。 だから、この邦題だけが残念! [DVD(字幕)] 8点(2009-09-23 10:51:20)(良:1票) |
236. カンフー・ダンク!
《ネタバレ》 ノンストップで飽きずに観られる青春スポ魂ドラマという感じでしょうか。ワタシ的には大満足でした。 お約束どおりの展開は、全くもって予測可能。でも、その辺が逆に言えば安心して観られる訳で、実写のスーパープレイが適度に混じるワイヤーアクションも、妙な不自然さなしで良かったです。 ま、この作品を受け入れるか否かはラストシーンですよね。師匠の死が複線となって最後の最後に見せる主人公の底力。それを許せない方にはこの作品はダメでしょう。 と言う訳で、意外と観る人を選んでしまう1本です。 [DVD(字幕)] 8点(2009-09-23 10:34:50) |
237. ドラゴン・キングダム
《ネタバレ》 まさに夢の競演!皆さんの中にも数多くの賞賛のご意見があるように、開始後30分余り経過したあたりで繰り広げられる、ジャッキーとリンチェイの世紀の対決!これを見ものと言わずに、いったい何が見ものでしょうか?多少はワイヤー頼みのアクションがあったけど、やっぱ本物は違うな~。 それから、これまた皆さんのおっしゃってるとおり、極めてシンプルな物語。複雑なヒネリ付きドラマも良いけれど、このシンプルさが潔いじゃないですか。 とにかくスカッとする作品でした。カンフーオタクだったら、更に10倍楽しめるかも! ところでリンチェイさん、本作では「猿」だったり、「ハムナプトラ3」では「キングギドラ」だったり、もしかしたらカブリモノ好き?? [DVD(字幕)] 8点(2009-07-13 00:54:24) |
238. ハード キャンディ(2005)
《ネタバレ》 ジェフはそこそこ好感の持てるタイプの知的な男性。ヘイリーは生意気でアブナイお子ちゃま。序盤から中盤にかけては、疑わしいながらも「被害者」的なジェフに感情移入。ヘイリーの憎たらしさがそれを助長しますね。 でも、なんで金庫に行方不明の少女の写真?とか考えてるうちにジェフに対して疑念が生まれてきて…最後にはヘイリーに感情移入、てかジェフに逆感情移入(てな言葉があるかどうかは分からんけど)。 「ミザリー」みたいなシチュエーションながら全然違う背景と展開。観客は振り回されますね~、いやはや良く出来てます。観る者の感情をコントロールする、ってのが作品のコンセプトなのかな? エンディングは少し消化不良(ヘイリーの事後について)だけど、ジェフの選択はヘイリーの目論見どおりってことで考えれば、見事などんでん返しと言ってもいいのかも。 コンパクトにまとまった良作と思います。 [DVD(字幕)] 8点(2009-07-13 00:10:47) |
239. NEXT-ネクスト-
《ネタバレ》 娯楽作品と割り切る限り、とても良く出来た作品。 未来を予知し、それを変えてしまう話だから、タイムパラドックスにさほど拘る必要はないかもしれないけれど、2分後の世界を修正することによって、その後に起きる膨大な未来の出来事がどう変わってしまうのかってことについて、何も案じていないってのは極めて無責任、てかご都合主義。後半の分身シーンについても、その現象自体は決して否定しないけれど、たられば的な予知が出来るのなら、彼女との出逢いの時にシュミレーションを繰り返す必要なんかないだろうし…などなど、ツッコミどころは捜せば相当あるでしょうけどね。 でも、特に後半、ノンストップアクション的に楽しめる作品だし、細かいこと言わないで楽しみましょ♪ ってのが正解なんじゃないかな? [DVD(字幕)] 8点(2009-05-31 02:52:31) |
240. トロピック・サンダー/史上最低の作戦
《ネタバレ》 冒頭の作品紹介から始まって、戦場撮影シーン、そして監督の爆死シーンまで一気に魅せられます。でも、そのあとは少し中ダルミかな?作品のテーマ的な部分になって、一気にスピードダウンしてしまうように感じます。かと言って、無駄なシーンはないんですけどね。 結果的には言いたいことは十分伝わってると思うし、単純に観ていて楽しくもあります。でも、何かが足りない気がします。そのあたりが、日本人とアメリカ人との感性の差なのかなぁ? それと、こんな表現して、本物のヴェトナム帰還兵に怒られないか不安です。日本映画で、第二次世界大戦をテーマに作ったとして、ここまで表現できるかなぁ… 無理だろうな。 いずれにしても、コテコテのギャグの中にもキラリと光るシーンが何箇所も! お下品さの中に違和感なく散りばめられた、上質な笑いをお試しください。 [DVD(字幕)] 8点(2009-05-10 22:01:05) |