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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2389
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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221.  地獄の警備員 《ネタバレ》 
92年の製作、もう三十年も前の映画なんですね。この頃はまだバブルが残っていたころ、そういや商社なんかではいわゆる絵画ビジネスなんて代物が流行っていましたね。「セザンヌを85億円で落札出来たら安い買い物か?」なんて会話があって、時代を感じさせられます。そして警備員に電源を落とされて外部に電話して助けを求めることが出来なくなる、そうかまだこの頃は携帯もPHSもメールもない頃、せいぜいポケベルが最先端ツールで、現代の若者には絶対理解できないシチュエーションだと思います。 松重豊が演じる元力士という設定の警備員はいわばジェイソン的なサイコキラー、というよりなぜか赤いロングコートらしきもの着ていて『帝都物語』の嶋田久作みたいな感じ。彼の登場シーンはすべて薄暗いシーンなのではっきりした姿形を認識しづらいけど、どう見ても“身長が2mちかい元力士”にはほど遠い感じがするのが難点。それこそ嶋田久作をキャスティングした方が正解でしょう。殺しの手口も巨漢という設定を活かしたあまり凶器に頼らない工夫が認められます。まあキ〇ガイのすることですから理屈が通らなくても全然かまわないんですけど、終盤でヒロインが唐突に警備員を説得というか対話を始めるのは黒沢清映画らしいところです。あと大杉漣がヒロインを個室に連れ込んでいきなりズボンを脱ぐところや、ラストで長谷川初範の奥さん(?)として洞口依子がワンカットだけ登場するところなんかもね。 怖いか、面白いか、と問われれば「微妙です」としか答えられないけど、不条理劇のようなものを好む方にはお奨めできるかも。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-07-11 23:03:01)(良:1票)
222.  勝手にしやがれ!! 逆転計画 《ネタバレ》 
懲りもせずにまたまた観てしまったシリーズ第四作、やはり今回も同パターンのストーリー展開です。哀川翔が惚れる今回のマドンナはタバコ屋の一人娘。今までにない真面目な娘で観ているときは「いよいよ新パターン展開か?」と思いきや、期待を裏切ってくれません、娘の競馬狂いの父親が登場してからは毎度おなじみの怒涛の展開に。だいたい、哀川翔がなぜか行倒れるヤクザの持っていた1千万円を盗むところからして、「なんじゃ、こりゃ?」という脚本。そしたらあの真面目な娘が父親もたじろぐ無謀ギャンブラーにキャラ変して、なんと1千万円を1レースにぶっこんで溶かしてしまう。まあこの1千万円が盗み盗まれて持ち主が転々とした挙句に、中央競馬会に巻き上げられたというわけです。ヤクザがカネを取り戻そうと追ってくる状況で、なぜか前田耕陽が買っていた馬券が大穴的中ですった1千万円が戻ってくるという、相変わらずいい加減な脚本です。そしてこれもお馴染みのいい加減な展開でエンド、ちっとは工夫しろよ、黒沢清!でも今回は父親役の河原崎健三がとぼけた良い味を出していたのは、良かったです。 今回気が付きましたが、このシリーズはビデオ・スルーのVシネマじゃなくていちおう劇場公開されていたんですね。さすがバブル時代の余韻が感じられる90年代、邦画界にはまだいい時代だったのかも。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-04-02 22:57:14)
223.  3-4X10月 《ネタバレ》 
北野武、監督第二作目にしてやりたいことを全部ぶち込んできたというところでしょうか。というかこの一作で北野映画の基本プロットを全部手の内明かしたとも言うべきで、続いて撮った『あの夏、いちばん静かな海。』や『ソナチネ』は本作を因数分解したような感すらあります。音楽を全く使わず極端に少ないセリフ、そしてあっけにとられるラストといい一種の不条理劇と言えるんじゃないでしょうか。まだ俳優素人だったたけし軍団の面々も初起用、彼らにバラエティーのような騒々しい演技をさせなかったなかなかの慧眼です。とくにガダルカナル・タカの強面ぶりはかなりのもので、この人ヤクザを演じて凄ませたらピカイチです。あと渡嘉ちゃんのくりだすパンチは、さすが元チャンプだけあって惚れ惚れさせられます。どうせあのラストにするなら、もうちょっと続けて便所から出てきた柳ユーレイが実はあのチームのエースで四番打者、そして活動的な陽キャラだったと判らせるオチにしたら、パラレルSFみたいで面白かったんじゃないでしょうか。まあ北野映画に全般的に言えることは、SF要素というか発想が無いということで北野武のいちばん苦手な分野なのかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-03-10 22:38:41)
224.  勝手にしやがれ!! 脱出計画 《ネタバレ》 
黒沢清の90年代Vシネマシリーズ第二弾です。もちろん哀川翔はじめ基本的なメンバーは変わっていませんが、それぞれのキャラ付けが少し濃くなってきました。哀川翔=藤田雄次は割とまともそうに見えるが実はいい加減なキャラ、前田耕陽=吉行耕作はほとんどバカだけど馬鹿正直なバカ。大杉漣や洞口依子といった常連との会話などは快調なノリで、一作目よりも黒沢清の脚本の腕が上がったかなと思います。しかしストーリー自体は相変わらずVシネマらしいいい加減さ、前回で二人を引っ掻き回したキャラを女から男に変えただけのようなストーリー。ヤクザの親分の娘に惚れられた予備校生とその娘の妹が騒動を引き起こすわけですけど、この予備校生が前作のキャバクラでバイトする保母よりもさらに上を行くいい加減な不思議男、しかも誰だか知らないけど演じる男優が大根役者(妹役の女優のひどさもかなりのレベルでしたけどね)。まあラストのオチは誰でも予想が付くもんでしょうけど、そこに持ってゆくまでの展開の雑さは第一作の再現みたいな感じでした。エンドタイトルで流れる哀川翔と前田耕陽が大真面目に歌っているのが『森のくまさん』、さすがにこのセンスは理解不能です(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-02-01 22:36:18)
225.  勝手にしやがれ!! 強奪計画 《ネタバレ》 
まあどっから観ても『傷だらけの天使』へのオマージュというか焼直しです。哀川翔と前田耕陽は言うまでもなく、洞口依子は『傷天』の岸田今日子で大杉漣は岸田森の役柄というわけでしょう。黒沢清は自分の趣味に合わない監督だけど、Vシネマでコメディということもあっていつもの臭みもなく安心して観れました。とは言え「可もなく不可もなく」というのが正直な感想。なんか主役二人が目立たないんだよな、その分疫病神・七瀬なつみが美味しいところを持って行ってしまった感が強いですね。真面目そうな風貌な保母さんなのに夜はキャバクラ・ホステス、ノミ屋で200万も馬券に突っ込んで踏み倒すという予想もつかないキャラ。けっきょくこのキャラに頼ったストーリーテリングで結末はいい加減というか出鱈目な終わり方です。まあ、深く考えなければそこそこは愉しめるし、お正月休みの暇つぶしにはちょうど良いかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-01-01 23:00:53)
226.  蛇の道(1998)
正直言って、なんか訳わかんない映画を見せられたなってのが感想です。怖いって言うよりも不条理の不気味な世界という感じですかね。高等物理(?)を教える塾、そこの生徒の天才的な少女、ヤクザの情婦みたいな一言もセリフを発しない(口がきけない?)足が不自由な熟女、普通の作品なら明らかに何かの伏線のはずなんですけど、何の説明や展開もなし。この映画には普通の意味での伏線らしきものがそもそも皆無なんです。哀川翔はもちろんのこと、香川照之についてもそのキャラクターの背景は全くのことスルー、ほんらい説明過多にならないストーリーの映画が好みの自分ですけど、本作はダメでした。劇中で一度も声を荒らげなかった哀川翔の不気味さはやはり特筆すべきでしょうが、なんかこれは自分が求める哀川翔像ではなかった感じが残ります。やっぱ自分には黒沢清の映画は合わないんだと再認識させられました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-10-26 23:00:01)
227.  乱気流/タービュランス 《ネタバレ》 
10年ぶりぐらいで観直し鑑賞しましたが、この映画のヒロイン・スッチーはハル・ベリーだったと思い違いしていたことに気が付きました。ローレン・ホリーもショートカットですけど、ハル・ベリーがスッチーだったのは『エグゼクティブ・デシジョン』でしたね、でも彼女のヘア・スタイルは製作スタッフは確信犯だったと思いますよ(笑)。飛行中の旅客機がトラブルに見舞われてスチュワーデスが操縦するする羽目になるという展開は『エアポート75』のカレン・ブラックが始祖だと思いますが、90年代後半になって突然このプロットが復活したような印象があります。私の中では本作と『エグゼクティブ・デシジョン』『パニック・フライト』が三大スッチー操縦映画という位置づけでございます。この三作の悪役の中で文句なしに最悪なのはレイ・リオッタであることには、皆さまご異議はございませんでしょう。もう彼はこの時期から怪優というカテゴリーに分類される資格は十分で、現在に至るまでまともなキャラを演じたことがないんじゃないかという美味しい(?)ポジションをハリウッドでキープしているわけです。対してこの三本の中で最悪(あくまでキャラとしてね)スッチーは、やはりローレン・ホリーということになりましょう。もうこの女の客席乗務員としてのバカっぷりは、観ていてほんとイライラさせられっぱなしでした。まあリオッタがあれほど嫌悪感を催させるキャラでしたから、これぐらいおバカでお人よしの方が雰囲気が和むのかもしれませんけどね。 ストーリー自体はツッコミどころが満載、いちばんの疑問はリオッタから「他の人質はみんな殺した」と聞かされていたのに、なんで着陸したとたんに彼らを探そうとするところでしょうか、まるで生きて監禁されていることを知っていたかのようにです。ましてジャンボに残っているのが二人だけとという誤報はFBI捜査官にも伝わっているのだから、LA市街に到達する前に撃墜してますよ、アメリカなんだから。そして最大のツッコミどころは、「いくらクリスマス・イブとはいえジャンボ機で一般乗客が五人じゃ、このエアラインもう倒産ですよ!」。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-03-06 23:38:29)(良:1票)
228.  ブルースチール(1990) 《ネタバレ》 
『ヒッチャー』の脚本家と駆け出し時代のキャサリン・ビグローがタッグを組んでいます。“ブルースチール”といえばハンドガン(拳銃)の異名であるのは言うまでもありませんが、同時にこの物語ではブルーを基調としたNY市警の制服を暗示しているわけです。タイトなまでの映像美は後年のビグローの片鱗をのぞかせていますが、どうにも脚本の出来がよろしくありません。『ヒッチャー』のルトガー・ハウアーをNYのヤッピーに置き換えたつもりだったと推察いたしますが、ヤッピーの正体がバレバレでバブルな証券マンがだんだん狂ってきて連続射殺魔になるわけで、そこになんらオカルト的な要素はありません。これでは得体の知れなかったルトガー・ハウアーの不気味さの足元にも及びません。そしてヒロインが新人警官という設定もあまり生かされているとは言えず、ジェイミー・リー・カーティスの行動も中盤以降はベテランの貫禄すら感じさせて、これでは“女ダーティ・ハリー”です。終盤の街中での銃撃戦に至る流れも、なんでロン・シルバーがカーティスを見つけることができたのかということからして、なんか脚本が雑なんだなあ。この犯人はスピリチュアルな存在じゃなくて頭がおかしいだけの生身の人間だってことを忘れるな、って脚本家に説教したくなりました(笑)。 現代のNYの最大の脅威はテロリズムですけど、30年前では悪徳弁護士と無能な警察幹部だったということなんでしょうね、きっと。
[ビデオ(字幕)] 5点(2019-01-15 23:39:26)
229.  ダイ・ハード3 《ネタバレ》 
製作陣も三作目を撮るにあたって、傑作だった一作目の監督ジョン・マクティアナンを再起用して気合いを入れ直してきた感があります。相棒をマクレーン刑事につけて90年代流行りのバディ・ムーヴィーに寄せた設定が前二作とは決定的に変えたところです。その相棒にサミュエル・L・ジャクソンを持ってくるところなぞ、気合いが入ってる感じは伝わります。そして悪役にはあのハンス・グルーバーの兄貴が登場です。ここまで頑張っているのは判りますけど、そりゃあ第一作を超えるどころか肩を並べる水準にまで達していないところは、まあ必然だったとしか言いようがないでしょう。第一作はビルの中、第二作は空港の敷地内と限定されている空間でのサスペンスだったのに、それがほぼNY市全域という舞台設定にしてしまったのは、初心を忘れてしまったとしか言いようがありません。現在ではもう不可能でしょうけど、たぶんNY市全面協力だったロケを多用した派手な破壊シーンの迫力は認めますけど、それでは他のアクション映画との差別化はできなくなってしまったわけです。グルーバー兄貴の犯行手口も動機からして弟の二番煎じに過ぎず、観てる方にも容易に見抜かれてしまいます。 実はダイ・ハードのシリーズはこの先は未見なんですけど、残り二作には相当出来が悪いものもあるという噂を聞いておりますし、観続けてゆく気力がちょっと萎えてしまいます。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2017-05-04 22:57:50)
230.  未来は今 《ネタバレ》 
コーエン兄弟のフィルモグラフィの中でおそらく1・2を争う低評価なおかつ最高の製作費をかけて大コケした作品ですけど、再見してみるとそんなに悪くない映画だと改めて思いました。悪徳経営者が無能なように見える人物をトップに据えてわざと企業価値を下げて私欲を肥やすというお話し自体は『メジャー・リーグ』そのまんまなんですが、まるでテリー・ギリアムが撮ったかの様な造りこまれた世界観はなかなかのものです。ティム・ロビンスが最初に配属させれる地下の郵便室は、たしかに『未来世紀ブラジル』を彷彿させてくれました。でも、あの“ブルー・レター”の伏線でラストの落とし所がだいたい想像つきましたが、そのオチがあまりにも強引過ぎるのでいくらファンタジーとはいえ鼻白んでしまいます。だいたいコーエン兄弟がハート・ウォーミングな映画を撮ったことがもう驚天動地なわけで、ちょっと彼らも血迷ってたとしか言いようがありません(笑) この映画のネタはもちろんフラフープですが、ラストにはフリスビーも出てきます(フラフープを開発した会社が後年フリスビーを初めて世に出したというのは事実だそうです)。『ビッグ・リボウスキ』でもタンブル・ウィードが出てきますが、コーエン兄弟ってほんと丸くて回転するものが好きですねえ、この性癖を精神分析してみたら面白いでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-01-09 22:53:17)(良:1票)
231.  理由(1995) 《ネタバレ》 
中盤でもう黒人死刑囚が無罪放免となっては、もうそこでネタばれしたも同然です。同じ様なネタなら、『追いつめられて』の方が面白さでは数段うえです。ラストにかけては別の映画、そう『ケープ・フィアー』みたいな展開に無理矢理持って行ったという感じです。分割する橋を飛び越えるカー・アクションなんて、はたしてこの映画に必要あったんでしょうかね。 と言うわけで大して褒めるところもない凡庸な映画でしたが、驚くべき見どころが二つあります。ひとつは誰もが納得するエド・ハリスの鬼気迫る怪演です。この人は他の映画でも悪役を演じていますが、どちらかと言うと知的な犯罪者が多いのですけど、このサイコ・キラーぶりはもうぶっ飛んでます。ほんと怖い、名優は何を演じても観るものを圧倒させるものですね。そしてもう一つは、ショーン・コネリーの娘役(孫じゃないですよ)の少女はスカーレット・ヨハンソンなんですよ。実はあとからそれを知りあわてて観直してみましたが、たしかに彼女でした(当たり前です)。彼女、これが『ノース/ちいさな旅人』に次ぐ映画出演第二作目だったんですね。どうせなら『ケープ・フィアー』のジュリエット・ルイスみたいに活躍させればよかったのに、でも11歳じゃムリですよね(笑)
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-06-16 23:16:14)
232.  プレデター2 《ネタバレ》 
またまた密林が舞台かと思わせておいて、カメラが進んでゆくとそこはLAでしたというオープニング・ショットは秀逸です。プレデターが熱い地域を好むみたいな前作からの設定もきちんとフォローしています。宇宙船の中に飾られているエイリアンのトロフィーをチラッと見せる遊び心も忘れていません。オリジナルより登場人物も多いしカネも掛けてますといった映像にもなっています。 でもなんか出来そこないのB級映画の様な雰囲気がぬぐえないんですよね。これはやはりダニー・グローヴァーをヒーローに持ってきたところに最大の原因がありますよ。だって銀河最強のプレデターを仕留めるのがおっさん暴力刑事と言うのはちょっと無理があり過ぎです、シュワちゃんならみんな素直に納得したと思いますけど。「続編では群れで出す」というモンスター系SFのセオリーはきっちり守ってますけど、あのお仲間登場シーンはほとんどコメディじゃないでしょうか。 だいたい、あんなデカい宇宙船が都市直下に埋まっていたことに気付かなかったなんて、LA市当局はどんだけ間抜けなんだよ!
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-12-31 12:57:13)
233.  てなもんやコネクション 《ネタバレ》 
大槻ケンヂの著書で「とってもヘンな映画」と紹介されていた記憶がありましたが、このたびご縁がありまして鑑賞させていただきました。 前半は言ってみれば波茶滅茶ロードムービー。香港のスラムに住むボンクラ兄ちゃんがクイズ番組で日本旅行をゲット。ところが大阪の代理店がインチキ業者で、通訳の姐ちゃんはド素人・食事は立ち食いうどん・宿はカプセルホテルともうほとんどサギみたいなもんです。おまけに車上荒らしにあって旅券と有り金全部を持ってかれて無一文、西成のオッサンたちにカンパしてもらって憧れの東京ディズニーランドにようやく向かうことが出来たが、車の底には泥棒のおばちゃんがしがみついていた。通訳のミスでTDLならぬ浅草花やしきに連れてかれるが、ここで入場500万人目記念で当たった景品が何と香港旅行ご招待! と、ここまではすこぶる好調で傑作コメディと呼んでしまいたいぐらいです。西成のあいりん地区でロケしていて出てくるのはちょっと危ない素人のオッサンばかりで、この監督の無鉄砲ぶりには感心しました。 さてこの映画が奇想天外なことになってくるのは、後半の香港に舞台が移ってからです。ボンクラ兄ちゃんがなぜか通訳の姐ちゃんと泥棒おばはんを連れて香港に帰ると、旅行中に日本の土建屋が実家周辺の地上げを始めてました。ここら辺から、なぜか室田日出男が画面に登場するんです。衣装が泥棒おばはんと何故か一緒、それもおばはんが映るカットがあると次のカットは同じ衣装の室田日出男が女装もせずにおばはんと同じキャラを演じているんです。大槻ケンヂの著書によれば「おばさんはこれより『男と女の二人一役』になります、よろしくね❤」という説明字幕が出たそうですが、DVDではそんなもんどこにもなく、予備知識がなかったらもう自分の頭がどうかしちゃったのかと不安になること必定な映像体験です。真偽のほどは不明ですが、室田日出男が監督とトラぶって途中降板しちゃった名残りなんじゃないかというのがネットなどでは有力な説で、たしかに彼の名前はエンドロールにも出てきません。たとえそうであったとしても、はじめから二人一役が監督のプランであったと考えた方が自然な様な気もするし、謎は深まるばかりです。はっきり申して後半の失速ぶりは痛いですが、近藤等則のサントラは絶好調でこれをお楽しみに鑑賞してみるのもいいかもしれません。
[DVD(字幕)] 5点(2014-07-24 23:29:53)
234.  バグジー 《ネタバレ》 
ラスヴェガス最初のカジノホテルを砂漠のど真ん中にゼロからおっ建てるプロジェクトX的な感動巨編と思ったら、実はそれはマフィアの変人が思いついたことだったというお話です、と言ってしまったら身も蓋もないですかね。 基本的には本作はウォーレン・べィティのナルシズム映画なんでバグジーのキャラ建てに違和感があるのは当然で、どうせ撮るならジャック・ニコルソンに演じて欲しかったところです。マフィアの純愛物語として観ようとしても、ヒロインが稀代の悪女バージニア・ヒルなんだから感情移入出来る人は少ないでしょう。エンニオ・モリコーネの音楽も『アンタッチャブル』の使い回しみたいな印象で手抜きが感じられます。 主演のお二人が派手な大芝居をしてくれたおかげで、ハーヴェイ・カイテルとベン・キングスレーは渋めの演技が高評価されて得したんじゃないでしょうかね。同じラスベガスをテーマにしていても、スコセッシの『カジノ』には到底及ばない平凡な一本でした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-02-18 01:03:36)
235.  スリーパーズ 《ネタバレ》 
少年が性的虐待を受けてその出来事が運命を変えると言うと『ミスティック・リバー』をどうしても思いだしてしまいますが、この映画も負けず劣らずの後味悪い結末でした。だいたい神父が偽証することを肯定する様なストーリーはちょっとどうなんでしょうか。デ・ニーロが演じるこの神父は、もともとさんざん悪事を働いた不良だったみたいで主人公たちがマフィアの下働きをしてもあまり本気で怒らない。いわば破壊坊主みたいな本性を持った人物なのに、デ・ニーロの演技からはあまりそれが伝わってこないんです。ストーリー上は13年の時の隔たりがあるのにデ・ニーロの風貌が全然変わっていないというところもあり、デ・ニーロめこの映画に関しては手を抜きやがったな、と思わざるを得ませんでした。でもあんなに衆人環視の中で殺人を犯しておいて、いくら店の主人や客が裁判に協力しなかったと言ってもふつう無罪になりますかね、まあ証人が聖職者でそいつが偽証するんだからどうしようもないか。 この映画こそムダに豪華な配役と言うに相応しく、とくにあの弁護士役にダスティン・ホフマンが必要だったとは到底思えませんでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-10-24 23:10:13)
236.  結婚記念日 《ネタバレ》 
いかにもW・アレン映画と言う雰囲気の題材なんですが、監督は『ハリーとトント』のP・マザースキーです。LAのショッピング・モールが舞台でアレンの職業は弁護士と、彼が嫌っているものをみんな盛り込んだ様なキャラ設定が皮肉たっぷりで可笑しい。サーフ・ボードを抱えて歩きまわるW・アレンなんて、けっこうレアな映像も観れます。 これで女房がB・ミドラーとくれば、後はもう想像通りの展開です。生粋のアレン映画とは違ってこの夫婦がまたけっこう生臭く、もちろん直接描写は無いですが劇中二回もセックスするんですよ。その内一回はガラすきの映画館の座席をベッドにしてやるんです、上映中の映画が『サラーム・ボンベイ!』と言うところがまた微妙でしたが。 マザースキーの脚本はまあ可もなく不可もなくといった感じですが、やはりアレンが書く脚本とは落差がありますね。B・ミドラーもいつもよりはテンション低い演技だったのもマイナス。夫婦の後を白塗りのパントマイム芸人がついて回るというのはいかにもアレン映画っぽくていいんだけど、狂言まわし的な役割をもっと生かした演出にして欲しかったところです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-08-06 21:09:28)
237.  シリアル・ママ 《ネタバレ》 
悪趣味大魔王J・ウォーターズにしては予想外にまともな撮り方なんですが、これとか『ヘアスプレー』や『クライ・ベイビー』からJ・ウォーターズに入門しちゃった人は、彼の過去にさかのぼって行ってとんでもない目にあうんだろうなと苦笑しちゃいました。K・ターナーやS・ウォーターストンといった大物俳優が出演していますが、P・ハーストやT・ローズといった常連のキワ者たちもちゃんと顔を見せてくれています。 良くも悪くもこの映画を象徴しているのが、包丁振りかざしたK・ターナーが獲物を目指して疾駆するシーンでしょう。とてつもなくシュールなんですけど、彼女の奮闘の甲斐があってけっこういい絵柄だったと思います。そして随所に引用される映画ですけど、J・ウォーターズのH・G・ルイスへの敬愛ぶりと、J・ヒューストン版『アニー』に対する憎しみが良く判りました(笑)。 でも「秋には白い靴を履いてはいけない」なんて風習がアメリカにあるなんて、ぜんぜん知りませんでした。はっきり言って意味判りません、世界は広いんですね(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2013-07-15 20:44:17)
238.  ラビナス 《ネタバレ》 
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』みたいに前半と後半ではテイストが変わってしまう映画。正統的なサスペンス・ホラーで始まったのに、途中からヴァンパイアかゾンビものみたいになっちゃいます。R・カーライルがまるで『28週後...』の高速ゾンビを先取りした様な暴れっぷりを見せてくれてなかなかの好演です。対するG・ピアースも彼が得意とするヘタれなヒーローと言うキャラなので安心して(?)観ていられます。 肝心のカニバリズム描写は特にグロいところもないのですが、実はいちばんグッときたのは冒頭の会食に出てくる妙に血なまぐさいレア・ステーキだったのは皮肉です。でもどうしても監督が『司祭』のA・バードなので、ラストなんかもカーライルとピアースのホモ的なイメージで閉めてきますし、もう彼女の趣味に走った感は否めなかったです。 そしてぶったまげたのはM・ナイマンの仕事とは思えない意表を突く陽気なサウンド・トラック、この先この映画はミュージカルになっちゃうんじゃないかと心配しましたよ。この辺りはD・アルバーンの色が濃く出ていたのかもしれませんね。
[ビデオ(字幕)] 5点(2013-05-29 21:20:27)(良:1票)
239.  バーチュオシティ 《ネタバレ》 
もっと考え抜いた世界観のプロットならば『マトリックス』に匹敵する様な映画になっていたかもしれなかったのに、惜しいことしましたな。そういう凝り方をしないのがB級たるところでしょうが無いと言えるけど、冒頭のヴァーチャル・シークエンスは色んな意味で面白かったのは確かです。 R・クロウのケツまで見せる怪演は楽しめましたね。彼は最近こういうサイコな悪役をやらないので、ちょっと新鮮な感じです。反対にD・ワシントンがこの頃は悪役や屈折したキャラばかり演じているのが面白いところですが、ヒーローばかりじゃなくヒールも演じきれるのが二人が名優の証しでしょう。 この二人以外の登場人物にまるで存在感が無いというのも困ったもので、こういう伏線を張ることに興味がない監督と言うのが時たまいるんですよね。この監督アイデアはいいのに、イメージがそれに追いついていないので色んな過去作から引用しちゃう人みたいです。R・クロウの最期なんて、もろ『ロボコップ2』でしたね。 まあ女性やその道の方々にはクロウのお尻でしょうが、私にはあの伝説の元ポルノ女優のT・ローズが観れたことが最大のインパクトでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-05-24 00:44:46)
240.  マーシャル・ロー(1998) 《ネタバレ》 
B・ウィリス、可哀想にこの作品でラジー賞を貰っちゃったんですね、そんなに悪い演技だったかな? やっぱ“I am a low”なんて言っちゃったからでしょうかね。 さてこの映画の欠点は、9.11でも使われなかった戒厳令を爆弾テロが頻発したぐらいで発動させちゃったことに尽きます。その責任は政府と大統領が負うべきなのに、なんかB・ウィリスにみんな泥を被らせて終わっちゃうのはどうなんでしょう。別にあの将軍がクーデターを起こしたわけでもないのにね。A・ベニングも、けっきょく彼女は何者だったんでしょうか? かつてCIAに所属していたのか、今もいるのか良く判りませんでした。ひょっとして私立探偵だったりして。D・ワシントンもこの当時の彼の十八番である正義感あふれる不屈の男を熱演していますけど、家族もいないみたいだしどうも人物造形が薄っぺらですよね。最近の彼はこういうキャラを演じなくなっていますが、これはなかなかクレバーです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-01-14 20:48:52)
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