241. 3人のエンジェル
とかく「プリシラ」と較べられるけど、芸術性では負けているかもしれないけど私はこっちの方が断然好き。オカマに抵抗のあった私ですら、気軽に楽しめた。三人三様の個性もよく出ているし、村人たちとの交流も良い。 [DVD(字幕)] 8点(2013-11-20 12:00:31) |
242. 清須会議
コメディ風に描きながら、誰にもわかる歴史教科書でもある。無骨な柴田勝家に対し、機転のきく策略家秀吉の対立が実におもしろい。見る前は秀吉がどうして大泉洋なのか疑問に思ったけど、大正解だったと思う。 [映画館(邦画)] 8点(2013-11-19 14:44:37) |
243. 5つの銅貨
良い映画だった。この映画は実在のコルネット奏者の伝記物であり音楽ものなのだが、娘ドロシーが生まれてからの物語はファミリーものと言っても差し支えないだろう。娘を寄宿舎に入れ顧みなかったばかりに、娘の病気はレッドにとっては相当なものだったろう。命より大切にしていたトランペットを河に投げ捨てるシーンは私の胸に強烈に響いた。なおこの映画は名作であることは随分前から知っていたのだが、私がジャズや金管楽器が好きでないばかりに見るのが延び延びになってしまっていた。ところで皆さんはトランペットとコルネットの違いがすぐにわかりますか? 丸みがある方がコルネットです。 [DVD(字幕)] 8点(2013-11-15 08:53:30) |
244. ペコロスの母に会いに行く
先行上映にて鑑賞。長崎出身の原作者、長崎出身の監督、長崎出身のキャストによる長崎を舞台にした映画。認知症の年老いた母とペコロス(小タマネギ)のニックネームを持つ息子が主人公の物語。岩松了のハゲっぷりと赤木春恵のポケっぷりがたまらなく良い。笑いと涙のなかに喜劇を得意とする森崎東監督らしいユーモア溢れる映画となっている。ふんだんに長崎弁が使われているために若干抵抗のある人も出てくるかもしれないが、それが長崎から全国へ向けたメッセージとなっている。「ぼけるって悪いことばかりじゃない」と。 ところで婆ちゃん役の赤木春恵さんを見るのは久々だったが、かつては武田鉄矢主演の金八先生の学校の女校長先生として活躍していたっけ。 [映画館(邦画)] 8点(2013-11-12 15:27:00) |
245. 告発の行方
昔見たときはただのレイプ裁判ものとしてしか見ていなかったのだが、今回見直していろいろ考えさせられた。こういった事件はとかく男が悪いとか女にも原因があるとかいう議論で終わってしまいがちだ。だがレイプはちょっとしたきっかけや弾みで起きてしまう。(少なくとも米国では)そしてその場の雰囲気でとんでもなくエスカレートしてしまう。その恐ろしさをまざまざと知った。また映画では煽った入れ墨男は別として、さほど善人悪人がはっきり区分けしているわけでなく実にリアルだ。あの女性検事だって最初は司法取引して現実的だったし・・・。ジョディ・フォスターの体当たり演技だけでなく、作品そのものが評価されていい映画だと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2013-11-06 06:47:46) |
246. アフタースクール
初めから観客をだまそうとしている映画だし、私の方も見事だまされた口だが、それでもやっぱりおもしろい。「運命じゃない人」もおもしろかったし、内田けんじ監督の映画(脚本)作りはすばらしい。最初は頼まれたからといってほいほいついて行く教師がどこにいるのかと思ったのだけど、ちゃんと訳があったのだ。何度も繰り返して見るDVD向きの映画。 [DVD(邦画)] 8点(2013-11-04 08:50:58) |
247. 按摩と女
ちょっとしたストーリーに漂う情感、これが「ありがたうさん」の清水宏監督と知ってすごく納得。ある意味おもしろさではこっちが上かもしれない。目が見える者を追い越したり喧嘩にも負けない。特に8人半にはまいった。それでいて目の見えないハンディをユーモアたっぷりに表現する。漫才のような掛け合いで始まった映画が、実にしっとりした印象的シーンで終わる。 [DVD(邦画)] 8点(2013-10-18 09:44:28) |
248. 瀧の白糸(1933)
子どもの頃、講談や浪曲で聴いた「瀧の白糸」、悲恋ものの代表格として知られる。恋する男性に身も心も尽くす女心が何ともいじらしく、涙なくして見ることができない。サイレント映画だが、当時の弁士による語りが目に浮かぶようだ。最初らへんの馬車と人力車の競争は愉快。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-10-13 19:08:48) |
249. 疑惑(1982)
ふがいない男や法廷シーンなど現実にはありえない部分が多々あるが、そういうことにこだわるとおもしろくなくなる。映画だからおもしろいのだ。その映画の中の女優二人、桃井かおりと岩下志麻が凄すぎ、インパクトの強い映画だ。 [DVD(邦画)] 8点(2013-10-09 19:31:01) |
250. 荷車の歌
農村の嫁、そして母の生き様を描いた名作。私もそのような人を身近に見てきただけに、切実なものを感じてならない。三國連太郎と望月優子の名演は文句ないが、姉左幸子の子ども時代を演じた左時枝にたまらない愛着を覚える。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-10-03 06:15:05) |
251. 天使のくれた時間
あのときもし・・・という設定で、もう一つの人生を経験する。それは決してどちらが良くてどちらが良くなかったという問題ではないだろう。岐路に立った時点でどう選択するかを考える大切さと、現在の人生の意味を教えてくれる映画なのかもしれない。映画は何度見てもおもしろく、主役の二人も大変良かった。さしずめフランク・キャプラの現代版か、「素晴らしき哉、人生!」 [DVD(字幕)] 8点(2013-10-02 05:57:26) |
252. 女系家族
遺産相続をめぐる三姉妹の欲深い争いと思っていたら、大番頭や踊りの師匠、叔母らも加わった駆け引きと画策のすさまじさがおもしろい。さらに愛人若尾文子を登場しさらにヒートアップ、けなげに見える彼女が一番したたかとは予想通りだったが、最後に笑ったのが当の死んだ本人だったとは良くできた物語だ。遺産相続に関する法律等、よく調べあげられたところが実に山崎豊子の小説らしい。死を惜しみ鑑賞。 [DVD(邦画)] 8点(2013-09-30 22:46:56) |
253. 飢餓海峡
ずいぶん昔に見た感動の映画。主役は三國連太郎だが、弓坂刑事の伴淳三郎、杉戸八重の左幸子の印象が強い。伴淳三郎はコメディアンとしか見ていなかったし、左幸子がこれほど情の深い役をするとは思っても見なかった。爪を大事にとって哀願するさまは目に焼きついて離れない。 [映画館(邦画)] 8点(2013-09-30 07:12:34)(良:1票) |
254. 快盗ルビイ
とってもお洒落でコミカル、私の好みにピッタリ。ピッタリと言えばこの頃の小泉今日子が、役柄にとてもあっていた。真田の方はどうかわからないけど・・・。さらに終盤の名古屋章さんの粋な計らいに点数アップ。ちなみに題名は怪盗ではなく快盗、ここちよいのだ。 [DVD(邦画)] 8点(2013-09-26 20:20:00) |
255. 少年H
空襲で焼け出されるシーンはあっても戦闘そのものはなく、それでいて戦時中の日本の様子が手に取るようにわかる良い映画だと思う。戦争一色に染まった時代には、今の平和な時代では考えられような非道なことが数多く行われていた。その一端を知る上でもお勧めの映画だと思う。ただ戦争開始前の肇君好子ちゃんは良いが、5年経った戦後まで同一キャストで引っ張ると幼すぎて年の経過が感じられないのが残念。 [映画館(邦画)] 8点(2013-09-17 16:51:23) |
256. 夕やけ雲
人間関係や心情を切々と表現することの多い木下恵介監督らしい作品。77分と短い映画の中に、家族や友との別れや青春の思い出を描く秀作。妹の和枝が叔父さんに引き取られていく場面は思わず涙ぐんでしまった。なお主人公の洋一と遠メガネの少女は、あの「野菊の如き君なりき」のふたりである。 [DVD(邦画)] 8点(2013-08-28 06:04:42) |
257. 第十七捕虜収容所
捕虜を扱った映画だけど「大いなる幻影」とは違って娯楽映画の色彩が強い。米国映画で監督がビリー・ワイルダーだからかもしれないが、戦争の悲惨さに的を絞ったものではないと思えば腹は立たない。というか、やっぱりワイルダーらしいおもしろさだ。 [DVD(字幕)] 8点(2013-08-27 15:46:16) |
258. 長屋紳士録
紳士録というから男ばっかりかと思いきや、何と何と主人公は男勝りのおば(あ)さん。「あ」の字を入れるか入れないか微妙な年齢。笠智衆さんが拾ってきた男の子を、口や態度ではやっかいものとしながらも、次第に愛着を覚えていく過程が実に良く、表情が何とも言えない。ラスト近くの「親子っていいもんだよ」と言うあたり実感がこもっている。戦後まもない頃の映画だけに、音声が大きくなったり小さくなったり不揃いで聞き取れないところが多少あるのが残念だが、復興期の心温まる作品であることに間違いない。小沢栄太郎、笠智衆らの若き姿にも驚く。 [DVD(邦画)] 8点(2013-08-24 21:05:26) |
259. 告発
暗い独房生活は昔見た「パピヨン」を思い出したが、それ以上である。弁護士スタンフィルの不屈な闘志がすばらしく、頑なな囚人ヤングと友情で結ばれていく過程もすごく良い。映画ではケヴィン・ベーコンの演技が高く評価されているけど、物語としてはこんなすばらしい弁護士はいないと思った。 [DVD(字幕)] 8点(2013-08-03 22:04:54) |
260. 裸足の伯爵夫人
何と言っても伯爵夫人のエヴァ・ガードナーがすばらしい。大柄で彫りの深いエキゾチックな容姿は美しく、この映画ではトップダンサー、ハリウッド女優、そして伯爵夫人と観衆を引きつける。物怖じせず威厳に満ちた振る舞いは、周囲の男性陣、ロッサノ・ブラッツィにしてもハンフリー・ボガートにしてもかすんでしまうほど。回想形式で語られる物語もすばらしく、映画と現実の世界を錯綜させ情熱を感じる。 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-31 08:06:47) |