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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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281.  映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ペコと5人の探検隊 《ネタバレ》 
「のび太の大魔境」のリメイク版。オリジナルはとにかくジャイアンがかっこよかった映画なのだが、今作でもジャイアンの良さがよく描かれていて、あらためてジャイアン、普段はガキ大将だけどやっぱ良い奴だよなあと思わずにはいられないし、やっぱりそんなジャイアンが好きだ。今まで見た旧作のリメイク版の中ではメインの新キャラの投入や脚本独自の新解釈などはなく、かなり忠実なリメイク作品となっているが、旧作で忘れている部分も多くそういった部分でも楽しめた。終盤でピンチに陥った時、ペコ(クンタック王子)が5人を残して一人で敵に立ち向かっていってそれをジャイアンがいてもたってもいられなくなり後を追い、ほかのメンバーもペコのところへ集まるまでのシーンを挿入歌(ジャイアン役の木村昴が歌っているが、声がキレイ。)のもと台詞なしで描いているのがまさに映画を意識した演出になっていて良いし、子供が主に見る映画だからといって子供だましにはしないという八鍬新之助監督(自分と同い年の人が手がけていることに時代の流れを感じてしまう。)の熱意を感じられた。10人の外国人の真相とその結末は今見ると無限ループに陥ってしまうような展開で、ちょっと怖さも感じてしまうが、むしろそういうことをあえて描いているのも藤子・F・不二雄らしいところかもしれない。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-11-11 19:42:15)
282.  荒野の七人 《ネタバレ》 
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ」を見て久しぶりに見たくなって22年ぶりに再見。前回テレビ放映で見たときは原作である黒澤明監督の「七人の侍」も見ていないころだったのだが、正直あまり楽しめなかったことを覚えている。今回も少し不安だったのだが、けっこう面白かった。ユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーンをはじめ、主役の七人を演じる俳優たちがどれも個性的でカッコイイし、公開当時はユル・ブリンナー以外はほぼ無名だったのが、本作をきっかけにスティーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンらがブレイクしたのもうなずける話。それに「七人の侍」ではキャラクター性がほとんど描かれていなかった悪役(これがあの映画での数少ない不満でもある。)なのだが、本作では盗賊の頭であるカルベラ(イーライ・ウォラック)を前面に出しているのもいい。七人の中の一人で、本作オリジナルの登場人物であるハリーが20ドルの報酬は建前で実は大金が手に入ると思い込んでいたり、村人が七人を裏切るという「七人の侍」にない設定や展開も面白い。ドラマ的には「七人の侍」と比較してしまうと物足りないのも仕方がないが、それでも帰る場所がないというクリスや悪夢にうなされるリー(ロバート・ボーン)、そしてオライリー(チャールズ・ブロンソン)と子供たちの交流など七人それぞれのドラマは見ごたえのあるものになっている。とくに、オライリーが子供たちに家族を守るということについて説くシーンはぐっとくるものがあり、とても印象的だ。クライマックスの決闘シーンが雨ではなく晴天なのはいかにも西部劇といった感じ。しかし、ここでの決闘で四人がバタバタと死ぬのはちょっとあっさりしすぎていて味気ない気がしないでもない。(初めて見たときはオライリー以外やられたのに気が付かなかった。)それでも、最初に書いたように面白い映画であることは確かで、元の作品が傑作であればあるほどリメイクは失敗するイメージがあるのだが、本作はオリジナルには及ばないものの見事にそのイメージを覆す面白さはじゅうぶんにある映画だと思う。「七人の侍」を引き合いに出さずにレビュー書こうと思ったが、ちょっとやはり無理だったかな。(2019年4月27日更新)
[DVD(吹替)] 7点(2022-11-05 16:28:00)
283.  虹をつかむ男 南国奮斗篇
「虹をつかむ男」の続編だが、前作にあった映画への愛というのかそういうものが前作ほど描かれておらずに別の作品になってしまった感じで残念。前作は渥美清の死後に「男はつらいよ」の新作に代わって急遽作られたという事情があるのに対し、本作はじゅうぶんな時間と余裕があったと思うのだが、前作のほうが良かった。それに、どことなく取り合えず作ってみた続編という感じもする。
[地上波(邦画)] 4点(2022-11-03 19:04:46)
284.  ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 《ネタバレ》 
モンスターバースシリーズ3作目で、レジェンダリーゴジラシリーズとしては2作目。前作(2014「ゴジラ」)がイマイチだったのであまり期待をせずに映画館に行ったが、監督が変わったのが良かったのか、冒頭から出し惜しみをすることなくゴジラやモスラ、キングギドラが出てきて、怪獣同士の戦いも前作ほど画面の暗さを感じることなく、素直に楽しめたし、もちろん前作より面白かった。キングギドラの劇中での呼称が「モンスターゼロ」であるなど、オリジナルシリーズへのオマージュ(小ネタ?)もこれでもかというほど多い。登場する怪獣がゴジラ、ラドン、モスラ、キングギドラという「三大怪獣地球最大の決戦」と同じメンツなのだが、モスラは「三大怪獣地球最大の決戦」では見ることのなかった幼虫~繭~成虫という三段変化を見せてくれるのは嬉しかった(でも、チャン・ツィイーの双子設定はやりすぎだったかも。一人二役の小美人見てみたい気はするけど。)し、ラドンのソニックブームもしっかり描写されてるのも良い。それになんといってもアレンジされているとはいえ、伊福部昭と古関裕而の曲がハリウッド映画である本作にしっかり使われているのは、本当に東宝怪獣映画を好きなスタッフが作っているということをここにいちばん感じられる。ただ、人間ドラマに関しては前作と同じく家族の話を軸にしているが、やはり今回もこの部分がちょっと退屈に感じたし、ゴジラ単独ならまだしも、複数の怪獣が登場する作品では、よけいな人間ドラマを描かないほうが良いように感じた。前作ではムートーの設定に平成ギャオスの影響を感じたが、今回はメインとなる家族が息子をゴジラに殺された設定だったり、ゴジラをいったん倒したあとに、キングギドラを倒せるのがゴジラだけと分かったあとのやりとりが平成ガメラを思わせていて、やっぱりこのシリーズはガメラからも影響を受けていると改めて思った。まさかのオキシジェンデストロイヤーが登場し、前作から登場している芹沢(渡辺謙)という博士の存在から、だいたいこの芹沢博士の末路は想像がついたが、オリジナル1作目とは逆に核爆弾を使って自らの命と引き換えにゴジラを目覚めさせるという展開にそう来るかとビックリ。そのオキシジェンデストロイヤーや核爆弾の扱いも軽く、前作と同じくもう少しここらへんを慎重にやってほしかった。それに、広島原爆で父を失っていることが前作で語られていた芹沢が自らこういう行動をすることに対して少し違和感を感じる。怪獣が暴れまわるだけの映画としては満足できるレベルだけに7点をつけたいが、ここらへんがどうしても気になって1点マイナス。純粋な怪獣映画としてはモンスターバースとしての前作である「キングコング 髑髏島の巨神」のほうが潔さを感じるのだが、この差は何なんだろうか。次回作ではそのキングコングとゴジラの対決が描かれるとのことだが、日本の「キングコング対ゴジラ」が好きなだけに、果たしてどうなることやら。最後にもう少し、渡辺謙、離婚しなければ夫婦揃ってゴジラ、モスラ、キングギドラが一堂に会する映画に出演する俳優になれたのに。
[映画館(字幕)] 6点(2022-11-03 18:10:24)(良:1票)
285.  Shall we ダンス?(1995) 《ネタバレ》 
かなり久しぶりにDVDで再見したが、昔に初めて見たときはそんなに面白いとは思わなかった映画なのに、今になってあらためて見るとこれがかなり面白くて思わず見入ってしまった。平凡な毎日を送りながらもどこかに満たされない気持ちを持っているサラリーマンの男がふとしたきっかけで社交ダンスをはじめ、次第にのめり込んでいく姿が描かれているが、たとえ最初の動機は不純でも趣味を持つことの大切さ、素晴らしさや楽しさ、またそれによって人間は変われるということを感じることができるし、また、中年サラリーマンの悲哀を描いたドラマもよく描けていて、(この辺、初めて見たのが中学生くらいの頃だったんで分かんなかったんだろうなあ。)決して話題性だけではないちゃんとしたドラマとしての面白さのある映画になっているし、まさしく日本映画らしい映画で、日本映画だからこそできた傑作の一本だと改めて見て思った。周防正行監督の映画に欠かせない存在である竹中直人をはじめとしたわき役陣の強烈な個性も光り、周防監督らしいコメディとしての面白さもじゅうぶんあり、やはり周防監督はこういう肩の力を抜いて楽しめるコメディのほうがのちの社会派ドラマよりも合っていると思うしやっぱり好み。とはいえ、本作も次回作である「それでもボクはやってない」も電車が話の発端となっているのは偶然なのだろうかとつい考えてしまった。(まあ、考えすぎだとは思うけど。)ラストはなにか強引な気がしないでもないが、このラストの後味が最高なので気にはならなかった。タイトルになってる曲は劇中でも言及がある通り、もともと「王様と私」で使われた曲ではあるが、やはり今でも個人的には「王様と私」よりも本作のほうが印象が強い曲だ。ハリウッドリメイクもされているが、さっきも書いたように日本映画ならではの魅力のある映画だと思う。(2021年1月17日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2022-11-03 16:01:58)
286.  椿三十郎(1962) 《ネタバレ》 
黒澤映画では珍しい前作「用心棒」の続編的作品。加山雄三、田中邦衛、小林桂樹、平田昭彦ら当時の東宝の各人気シリーズのレギュラー俳優が脇を固めるどちらかといえばプログラム・ピクチャー色の強いのも黒澤映画では異色な感じ。それでもじゅうぶんに楽しめる。中でも小林演じる見張りの侍が人質なのに敵である若侍たちと一緒に喜んでしまうシーンは笑える。そしてやはりラストの三十郎と室戸の対決シーンの衝撃は初めて見た時から忘れられない。
[地上波(邦画)] 10点(2022-10-26 23:21:42)
287.  BROTHER 《ネタバレ》 
たけしが日英米合作で手がけたロサンゼルスを舞台にしたヤクザ映画。見るのは今回が2回目だが、「アウトレイジ」シリーズを見た後になって改めて見てみると、本作のほうがたけしらしさは出ていて、寡黙な主人公や全体に漂う独特の雰囲気はいかにもたけし映画という感じがする。ストーリーは分かりやすく、「アウトレイジ」シリーズのように娯楽色が強くなっていて、たけし映画の中では比較的見やすい作品に入ると思うし、実際娯楽映画としてはそこそこ面白く見られる。しかし、合作ということを意識しすぎたようなシーンも多く、中でも大杉漣の切腹シーンは確かに強烈で印象には残るけれどもほとんどストーリーに無関係なシーンのためか、なんか浮いて見えてしまったのは残念。しかし、たけしはじめ登場する男たちはカッコよく、いかにもハードボイルドな印象。中でもたけしの舎弟を演じる寺島進演じる加藤が良く、「ちょっと用が。」と言い残し、たけしたちの乗るリムジンを見送る姿にこれから自分の命を投げ出す覚悟のようなものが見てとれるし、このシーンの演出もたけしらしさが出ていて良かった。タイトルの「BROTHER」とは本来はたけし演じる主人公・山本と彼がロスで出会う黒人青年・デニー(オマー・エップス)のことを指していると思うのだが、それ以上に山本と加藤の関係の深さがこのシーンを見ただけで分かり、「BROTHER」というタイトルはこの二人のことでもあるのではと思えてくるほどの名シーンだと思う。ただ、その後の後半の展開はけっこうグダグダしていたのが惜しかった。(2014年1月16日更新)
[DVD(邦画)] 6点(2022-10-08 23:07:32)(良:1票)
288.  隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS 《ネタバレ》 
「椿三十郎」に続く黒澤時代劇のリメイク。同じ脚本を使ったリメイクになっていた前作と違って、こちらは「隠し砦の三悪人」の脚本を原作にした映画になっていて、もう何年もオリジナルを見返していないというのもあるが、思ったよりはそれなりに面白かった。でも、やはり何か軽いし、松潤演じるオリジナルと違う主人公である武蔵と長澤まさみ演じる雪姫とのロマンスが描かれるあたりは何か違う気がする。オリジナルは「スター・ウォーズ」に多大な影響を与えたことで知られているのだが、悪役である椎名桔平の衣装など「スター・ウォーズ」を意識した部分もあるのは好きでやっているのだろうけど、なんか無駄な部分で凝っている感じでちょっとどうなんと感じてしまった。それにオリジナルで有名な「裏切り御免」というセリフが主題歌のタイトルにまでなっているが、本編中で軽々しく何度も口にしているのは違和感がある。三船敏郎が演じていたオリジナルの主人公である六郎太も登場するが、演じるのが阿部寛というのはイメージ的にもよく合っていて、この配役は素直に良かったと思う。
[DVD(邦画)] 5点(2022-10-08 22:56:54)
289.  ピンポン 《ネタバレ》 
最近テレビアニメ化もされていたが、あらためて久しぶりに見てなるほどこれは単発の映画よりも連続ものでやったほうが見ごたえがあるだろうなと感じた。とはいえ、映画としてそこまで悪い出来ではなく、特撮スタッフ出身の監督にしてはドラマがわりとしっかりとしていて、CGを駆使した卓球シーンもCGが全面に出ているような違和感はなく、すんなりと見られる。昔見た時は中村獅童演じるドラゴンのインパクトが凄かったのだが、(今見てもインパクトのある登場人物で、演じている中村獅童もやっぱりいちばんのはまり役だと思う。)今回見てみると卓球好きでありながら才能の無さを指摘され、屈折して卓球から身を引くアクマ(大倉孝二)に共感するところがあった。クライマックスのペコ(窪塚洋介)とスマイル(井浦新)の試合シーンを直接的に描かずに結果だけをラストシーン間近に写真で見せるのは潔さが感じられる。ドラゴンの「才能は求める者にだけ与えられるものではない。」というセリフが印象に残るのだが、脚本のクドカンは後年「あまちゃん」で鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)に「向いてないけど、続けるのも才能よ。」というセリフを言わせており、今になって見るとあのセリフはこのドラゴンのセリフに対するアンサーだったことが分かって面白い。(このドラゴンのセリフは原作の漫画にあるんだろうとは思うけど。)一方でペコが「アイキャンフライ!」と叫んで橋の上から川に飛び込むシーンは本作の中で有名なシーンの一つだが、冒頭にも出てくるこのシーン、その後のシーンでそれに関して一切触れられないためか、なんかただインパクトのある映像を撮りたかっただけに見えてしまうのはかなり残念だった。まあ、ここも今見ると「あまちゃん」を思い出すような部分ではあるのだが。(2017年10月7日更新)
[DVD(邦画)] 6点(2022-10-03 22:19:19)
290.  フィールド・オブ・ドリームス 《ネタバレ》 
「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」を見たら久しぶりに見たくなって25年ぶりくらいに見た。「声」に従って生活の糧である畑をつぶして野球場を作ろうという突拍子もないことを言い出した主人公レイ(ケビン・コスナー)に対して反対するどころか後押しする奥さんが素晴らしいし、出来上がった野球場に現れた亡霊の野球選手たちが試合をしているのをレイ一家が見ているシーンは郷愁を感じられるのが良い。それに、ジェームズ・アール・ジョーンズが良い味を出しているし、なんといってもバート・ランカスターの登場シーンがとても印象的で、なぜかこのシーンだけで泣けてくる。この映画のテーマは野球そのものではなく、誰でも持っている夢というものをテーマとし、叶えられなかった夢を叶えようとする男たちのファンタジーという印象が強いのだが、レイが亡き父ジョンとキャッチボールをするラストシーン、レイはこのキャッチボールを通してようやく父との確執を解くことができた。やはりこのラストシーンは本作がそれに加えて野球を通した父と息子の親子関係、これをいちばん描きたかったのだと感じるし、このキャッチボールのシーンは本当に自然と感動してしまって、このラストシーンだけでやっぱり本作は紛れもない野球映画の名作なのだと確信することができた。中学時代にこの映画が大好きという野球好きの先生に薦められて見て以来の再見だったのだが、その時は正直あまりピンと来ずに終わっていたのに、今見るとすごく良い映画だった、見直して良かったと思えた映画だった。やっぱり、映画の見方って年を経るごとに変わるものなんだなと改めて思う。(2019年3月9日更新)
[DVD(吹替)] 7点(2022-09-29 18:19:39)
291.  マルサの女 《ネタバレ》 
伊丹十三監督と聞いて真っ先に思い浮かぶ本作(ちなみに俳優としてすぐ思い浮かぶのは「家族ゲーム」。)もかなり久しぶりに見たが、やっぱりストーリーテリングがしっかりしていて面白いし、例のテーマ音楽を聴くだけでワクワクできる。一般的にこのあたりから伊丹監督の映画に社会派的要素が加わったと言われているみたいだけど、きちんと社会性と娯楽性を両立させているのが上手いし、権藤(山崎努)をはじめとした脱税者たちと板倉亮子(宮本信子)らマルサとの戦いがスリリングに描かれていて最後まで飽きさせることなく楽しめるのが良い。いかにもバブル真っただ中の映画なのだが、そのことも含めてこの時代ならではのリアリティーというものがよく出てて、まさしく時代に合った映画だったのだろうと感じるし、伊丹監督のその時代を読み解く力のすごさというものを改めて感じることができる。登場する脱税者は曲者揃いだが、やはり伊東四朗演じるパチンコ屋の社長と絵沢萌子演じる特殊関係人のエピソードはそれぞれのキャラクターのインパクトもあって今見ても印象に残る。権藤も完全に悪というふうにはなっていないのも良かった。(この役名の人物を山崎努に演じさせているあたりはおそらく「天国と地獄」のオマージュだろう。)そしてラストの夕焼けを背にした板倉と権藤のやり取りはいつ見ても痺れる。(2022年9月25日更新)
[DVD(邦画)] 9点(2022-09-28 18:17:33)
292.  タンポポ 《ネタバレ》 
伊丹十三監督の第2作。久しぶりに見たが、やっぱり面白いし、さびれたラーメン屋を立て直すメインストーリーに人々の食に関する群像劇を絡めて構成されているが、それがいかにも伊丹監督らしい着眼点で描かれていて、伊丹監督の食に対するこだわりのようなものも感じられる。「ラーメン・ウエスタン」とも称される映画だが、冒頭のゴロー(山崎努)とガン(渡辺謙)が「タンポポ」に入った後の店の雰囲気がいかにも西部劇の悪役がいそうなガラの悪い雰囲気だったり、このメインストーリーである「タンポポ」の立て直しのエピソード自体も西部劇を意識しているようでなるほどと感じる。このメインストーリーの合間にあるのがその他の人々による食に関する群像劇で、この部分もメインストーリー以上に面白く絶妙で、これがあるからラーメン屋のサクセスストーリーというだけではない幕の内弁当のような楽しさがある映画になっていると思う。その中でもやっぱり井川比佐志演じる男が今わの際の妻(三田和代)に炒飯を作らせるエピソードは今見ても印象に残るし、炒飯を食べる家族を見つめて笑顔を見せる妻がなんとも切ない。深夜スーパーに現れた老婆(原泉)とスーパーのマネージャー(津川雅彦)との攻防も面白いが「スーパーの女」を先に見ていると津川雅彦の役柄が正直屋の五郎の若い頃のように見えてしまうのも面白い。タンポポ(宮本信子)の息子にせがまれてホームレスが作るオムライスは相変わらず美味そうだ。大学教授を騙って詐欺を働く老人役が中村伸郎だったのは今回見て分かったが、彼のインテリ系イメージを逆手に取ったうまいキャスティングだ。そして狂言回しとして登場する白服の男(役所広司)のエピソードは黒田福美や洞口依子とのエロシーン(生まれて初めて見た濡れ場シーンだったので強烈に覚えていた。)が今見ても強烈なインパクトを残している。(黒田福美は同時期に戦隊もので悪役やってたのがこれを見ると信じられない。)料理映画だけあって登場する料理はどれも美味しそうに描写されていて、そのあたりも抜かりはなく、見たのは数日前だったが、見る前の夕食にラーメンを食べ、深夜寝る前に見たのだが、思わずまたラーメンが食べたくなってしまった。(2022年9月18日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2022-09-18 23:21:53)
293.  トップガン
今まで一度も通して見たことがなかったが、続編が大ヒット中ということもあり、初めて最初から最後まで見た。確かに戦闘機によるドッグファイトシーンや、バイクに乗ったトム・クルーズ、それになんといっても音楽のカッコよさが印象に残るものの、はっきり言ってそれだけという印象の典型的で能天気なハリウッド娯楽映画という感じで、見ている間はそこそこ面白いし、爽快感もあるものの、見終わって何も残るものがなく、しばらくするとさっき書いた三つ以外はほとんど記憶に残ってなさそう。グースの奥さんを演じるブレイク前のメグ・ライアンが少しの出番ながら可愛らしく、ヒロインであるチャーリーを演じるケリー・マクギリスよりも個人的にはやはり好みだった。リドリー・スコット監督の「エイリアン」でダラス船長を演じていたトム・スケリットがリドリーの弟であるトニー・スコット監督のこの大ヒット作にも出ているのは面白い。ちなみに続編を見るかどうかは分からない。
[DVD(字幕)] 5点(2022-09-11 18:29:33)
294.  眠狂四郎 勝負 《ネタバレ》 
三隅研次監督が初登板となるシリーズ第2作。シリーズで初めて見たのがこの作品で、20年ぶりに見たのだが、この後のシリーズを何本か見ていると、(そんなに多く見たわけではないのだが。)雷蔵の狂四郎は確かに1作目ほどではないにしろ、まだ役をつかみ切れていない感じがするものの、話は1作目より面白く、また、今回のメインゲストとなる勘定奉行 朝比奈(加藤嘉)やおつや(高田美和)とのやりとりも楽しく、そこはそんなに気にならずに見れたし、三隅監督の映像美もシリーズで言えばこの後の「無頼剣」や「炎情剣」の方が今から見れば好みかなと思うものの、それでも三隅監督の映像美は今回ももちろん健在で、雪の降る中での五味龍太郎との対決シーンとか構図も美しく、思わず引き込まれてしまった。今回の狂四郎はお茶に薬を盛られたり、入浴中に刺客に襲われるなど、ピンチシーンも緊迫感というよりはどこか狂四郎の情けなさというのが出ていてそこにもどこか親近感のようなものが感じられる。さきほど書いた高田美和をはじめ、暗躍する女占い師を演じる藤村志保、悪役の久保菜穂子といった女優陣が充実しているのもこのシリーズらしいのだが、やはり、初めて見た時もそうだったのだが、朝比奈役の加藤嘉の飄々とした演技がとても印象的で、この役は今まで見た加藤嘉の演じた役の中では個人的には「砂の器」の千代吉に次いで好きかもしれない。(2022年5月23日更新)
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-09-10 10:22:04)
295.  男はつらいよ 純情篇
若尾文子の登場する後半よりも、宮本信子と森繁久弥演じる親子が登場する前半のほうが印象深い。 それにしても宮本信子が若い。
[地上波(邦画)] 7点(2022-09-05 23:22:22)
296.  十五才 学校Ⅳ 《ネタバレ》 
麻実れいの引きこもりの息子とのエピソードが感動的だった。ゆずの主題歌もいい。主人公のガールフレンドの名前が泉、丹波哲郎の息子(前田吟)の名前が満男というのが寅さんシリーズへのオマージュのようで印象的だった。 そういえば主役の俳優は顔が吉岡秀隆に似ている。
[ビデオ(邦画)] 8点(2022-09-05 23:08:12)
297.  男はつらいよ 寅次郎相合い傘 《ネタバレ》 
メロンのことで文句を言う寅さんに啖呵を切るリリーがカッコ良かった。雨の中を相合傘で歩く二人も印象的だった。やっぱり寅さんとリリーはお似合いだと思う。
[地上波(邦画)] 9点(2022-09-05 23:07:18)
298.  天国に行けないパパ 《ネタバレ》 
血液検査で血をすり替えられ、余命二週間と診断されてしまった定年を間近に控えた刑事バートが家族に対し金を残すために自ら殉職を試みるコメディ。だからと言っておちゃらけた雰囲気ではなく、ドラマとしてしっかり真面目に作られている感じで、余命を宣告された主人公が自らの人生を見つめなおす物語として普通に見ごたえのある映画になっていて、ほろっとくるシーンも多く、とても面白い映画だった。時限爆弾を手に立てこもった男を説得するシーンでの「子供の成長した姿を見たいだろう」というバートの言葉が思わず胸に沁みるし、相棒・アーニーに食事を奢るシーンでのバートのセリフも人生を見つめなおしたからこそ説得力のある言葉になっていて味わい深く、見ていてなにか勇気をもらえたような気がした。アクション映画としての面白さももちろんあり、既にみなさん書かれているが、殉職を試みるバートがそのあまり管轄外の区域にまで手を広げ、逃走する犯人の車とカーチェイスを繰り広げるシーンはその味付け程度とは到底言えない本格的で壮絶なカーアクションが凄すぎて、思わず目を見張るほどの迫力で手に汗握る。アクション映画の主人公というのはどんな危険な目にあっても死なないのがお約束のようになっているが、このシーンのバートもそういうふうに描かれているのが見ていてつい笑ってしまう。でも、やっぱり本作の本質は最初にも書いたようなバートが自分自身を見つめなおしていくドラマ部分にあり、今回初めて見た映画だったが、今見るからこそバートに感情移入できる部分もあり、それはたぶん中年になった今だからこそ分かることだと思うし、紛れもない名作だと感じることができるのだろう。もし、10代くらいの頃に見ていたらコメディとしては単純に楽しめてもそこまでよく理解できなかったかもしれないし、気づかなかったかもしれない。やはり映画とは見た年齢やタイミングも重要なのだということをあらためて感じられた。
[DVD(字幕)] 8点(2022-09-04 12:12:25)(良:1票)
299.  新・刑事コロンボ/殺意のナイトクラブ<TVM> 《ネタバレ》 
シリーズ最後のエピソードとなった作品だが、最終回らしい雰囲気はなく、印象としてはいつも通り。しかし今回はオープニングのクレジットの出し方などがこれまでと異なっていて、ところどころに今風な感じを受けるつくりになっている。でも、それがこのシリーズの雰囲気に合っているかといえば、現代的な感じがしすぎて妙な違和感を感じるのが正直なところ。76歳のピーター・フォーク演じるコロンボはとっくに刑事を引退していてもおかしくない風貌なのだが、手慣れたベテランとして事件を解決に導いていくあたりは安心して見ていられるし、今回はいつもの強引なやり方もない。少し犯人の存在感が弱すぎる気がするのだが、新シリーズではよくあることなのであまり気にならなかった。見たバージョンでコロンボの声を吹き替えているのは旧シリーズの追加部分でコロンボの声を担当している銀河万丈なのだが、旧シリーズでの演技と比べて抑えた感じで、年老いたコロンボの雰囲気がよく出ていたと思う。これで新シリーズはすべて見たことになるのだが、それにしてもピーター・フォークは35年間も同じ役を演じ続けて、渥美清の寅さんと同じく、役者と役柄が見事に一体化した良い例だと本作を見てあらためて思った。残りの旧シリーズの作品も全部見たいな。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2022-09-03 14:04:02)
300.  プリンセス トヨトミ 《ネタバレ》 
設定だけは魅力的なのに実際に見てみるとやっぱり話題の小説を取りあえず映画化してみたというだけの代物で面白くない。大阪中が口裏合わせをしているという設定に無理を感じる。下の方も書いておられるが、大阪は大阪出身者だけが暮らす街ではないだろうに。クライマックスの中井貴一のセリフも感動させようとしているのかもしれないが、都合のいいことを言っているだけのような気がして説得力なさすぎ。王女を守るという部分がセリフだけで終わってしまっており、なんか設定だけ設定して野放し状態という感じだ。2回出てくる全停止した大阪の街を綾瀬はるかが走るシーンは画的にはシュールで面白かったが、なぜに胸を強調する必要があるのだろう。ただのサービスカットだったのか。あと一つ、茶子を演じる沢木ルカを初めて見たのだが、外見があまりにもボーイッシュすぎてとても王女という感じではなく、オーディションで選んだみたいだが、ミスキャストにしか思えなかった。
[DVD(邦画)] 3点(2022-09-03 12:32:16)
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