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コメント数 885
性別 女性

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281.  山猫
豪奢で華麗な舞踏会など転換期の貴族社会を描いた壮麗な映画だけれども、コッポラが「ゴッドファーザー」でマフィアを貴族のごとく描いたのは、この作品の影響もあるのかと。 音楽もニーノ・ロータ、老主人公の自己陶酔も共通しており、貴族もマフィアも民衆から隔絶した一族なのが似かよっていて、あれが好きな方が同じ匂いのするこれも好まれるのは当然。 原作がシチリア貴族、監督ヴィスコンティも貴族の末裔とあって、生粋の貴族意識が見られるが、それを演じるのが見目よきアメリカとフランスの男優でイタリア語吹替なのは、些細な事かもしれないが興がそがれる部分もあり。イタリア式憂愁がお好みでないと耽溺できないかもしれず、バート・ランカスターの涙はいかにも…な気がし、ドロンはやんちゃな青年貴族という印象。 鑑賞前は山猫とはドロンかカルディナーレのことかと思っていたが、そうではなかった。 最後にファブリツィオが本懐を遂げられたのはよかったと思う。 天上に輝いていた日が落ちてゆく物語には、残照こそが相応しいのであるから。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-09 07:00:01)
282.  フィッシャー・キング
この映画のDJは、ロビン・ウィリアムズではなくてジェフ・ブリッジスの方。 リンチに「ストレイト・ストーリー」が、バートンに「ビッグ・フィッシュ」が、スコットに「プロヴァンスの贈りもの」があるように、ギリアムにはこれがある。 らしくないヒューマンもの。 その中にまかれたギリアム印は、バリーのオタク小屋だったり、ステーション・ダンスだったり、輝く騎士だったりだが、タランティーノが「イングロリアス・バスターズ」に置いてまわる自分の印より心地よいものだ。 風向きが変わった途端に世話になった女を捨てにかかる俗物ジャックと、聖人を絵にかいたようなバリーは対照的な人物に見えながらも、夜の公園で素っ裸で寝ころがると違いはぼやけていく、そんなに変わらないんじゃないかと。 ジャックに尽くすアンは、みじめったらしくなりそうな役なのに生きた女になっててうまいな~と思ったら、オスカーもらってるんだね。 彼女もよかった。 ギリアムって名前は聞くけどなんかコワそう、と思ってる人はこれから見たらいいのかもしれない。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-08 06:59:57)
283.  グッドモーニング,ベトナム 《ネタバレ》 
戦場ぬきのベトナム戦争映画。 アメリカのコテコテな感動作はしらけてしまうことが多いんだけれど、提示するだけで感動させようとはせず、押しつけがましさはない。 ロビン・ウィリアムズのハイテンションな演技が生かされ、スタンダップ・コメディアンから出発した彼の資質が遺憾なく発揮されたDJはハマリ役。 全てのネタが理解できなくても、彼がサイゴンで戦闘に疲弊した兵士たちを励ます特別な存在だってわかれば。 よかったのは、意気消沈したクロンナウアーが往来で自分のリスナーたちに遭遇し、即席トークライブを敢行して自分を取り戻す場面。 あの時初めてマイクのむこうにいる彼らの体温を感じ、自分が不毛な存在でないことを肌で実感できたのだと思う。 好んで戦地に来ているのではない彼らのつながりは、戦争が生んだものの中でも有意義なものに思える。 DJの目をとおして当時のサイゴンを見せ、彼が口説こうとする美少女からその兄との関係にシフトし、ある事実が明るみにでて静かにこの地を去るクロンナウアーの心は、ガーリックが受け継ぐ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-07 07:00:02)(良:2票)
284.  サンダーバード6号
映画的なゴージャス感のある前作よりシンプルでテレビシリーズに近い印象ですが、「サンダーバード」本来のハラハラ感はこちらの方がありそう。 出動シーンが省略され、オープニングもちがうので少し地味な気はしますが。 IRの頭脳ブレインズが大きくフィーチャーされた作品で、ジェフに依頼されたサンダーバード6号の試作品を作っては壊すのがもったいない。 一方で彼が開発した人工重力飛行船スカイシップ・1をめぐる陰謀が進行、ぺネロープも巻き込まれてしまいます。 彼女の声を録音するテープレコーダーや前作のトランジスタなど、今ではレトロなアイテムが使われるのもこのシリーズの興味深いところ。 サンダーバードよりも黄色い複葉機が活躍するのも特色で、アクロバティックな飛行が楽しめます。 サンダーバード6号のお披露目シーンは「やっぱり!」なのですが、なんともほほえましいラスト。 既存5機の中では2号が一番人気があり、輸送能力だけでなく発進シーンやズングリとした愛嬌のある生物的なフォルムに加え、渋いグリーンもきいてます。
[DVD(字幕)] 7点(2012-05-06 06:59:57)
285.  ハイ・フィデリティ
タイトルはハイファイということですね。 ジャック・ブラックを最初に見た映画で、「この小柄で太ったネコ顔のオタク店員は誰?」 原作ホーンビィ、監督フリアーズの英国コンビ、舞台はロンドンからシカゴに。 中古レコード店主のジョン・キューザックの失恋遍歴カメラ目線トーク(コレばっかりだとキツイけど、お店とサンドになってるから見られる)もアメリカ人だったら「ウディ・アレンっぽくなる」のを危惧して避けたかもしれない。 元カノたちもゼタ=ジョーンズ、リリ・テイラーと色とりまぜ、姉ジョーン・キューザックも顔を出す。(「スクール・オブ・ロック」のニセ教師と校長がすでに顔合わせ!) オタク談義が楽しくヴェルヴェッツの2枚目を賛美するあたりマニアックだけど、知識のない人を見下すマニアの体質にツッコむフェアな精神も忘れず。 ブルース・スプリングスティーン特出にオドロき、ティム・ロビンスはジャックと一緒の時はヘンな役。 最後はジャック・ブラックの歌できれいにシメて。 サントラも「エンパイア・レコード」より上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-04 16:59:58)
286.  プラダを着た悪魔 《ネタバレ》 
たかがファッション、されどファッション。 またまたアン・ハサウェイが大変身! これと「プリティ・プリンセス」で00年代のジュリア・ロバーツ的だった彼女は華麗に変身するがんばりヒロインとして十分に機能しているけれど、BFや友人はいないと不自然だから入れてるような感じでそれほど重要とも思えず、原作者が自分をモデルにした女の子の業界体験記のようでもあり、見ていて面白いのはメリル・ストリープ、スタンリー・トゥッチ、エミリー・ブラントらが演じる業界人たち。 トゥッチが「バーレスク」でも似た役がきたのは新旧の女を描く同じタイプの映画だからだろうし、引き立て役のブラントはヒロインより印象に残り、助演ながら彼女のキャリアの中で一番光ってるかも。 トンプソンは鼻持ちならない役かもしれないけど、俳優さんのせいか嫌味は少なし。 オニ編集長ミランダを超ワンマンな人物と認識しつつ観客が嫌うことができないのは、ストリープが男性をイメージして演じた役が、仕事には真剣で女の嫌らしさも少ないからか。 口より目がモノをいうミランダのセルリアンに関する弁舌は、「何もわからないアナタに軽口たたいてもらいたくないのよね」が言外にありそうで、でもそこまでは口にしない。 この瞬間はアンディを憎んでたと思うけど、根に持つような人じゃないのが男っぽい。 人に好かれようとしていない彼女が、唯一愛されたい人からは拒絶される皮肉な面も。 終盤の「失望」はそれまでの失望とは意味がちがって、I MISS HER ということ、最後の笑みがいい余韻を残してくれる。 ニューヨーカーやヴァニティ・フェアの記者志望で、(ヴォーグを模した)ランウェイを経て、NYミラー(英デイリー・ミラーのような新聞社?)に新たな場を見いだすアンディの衣装も3パターンに分かれ、最後の服は地味だけどシックで、ブーツのピンヒールがミランダから学んだプロ意識が彼女の中に残っているのを象徴しているよう。 マドンナの「ヴォーグ」は流行って意味なので使われてもおかしくはないけれど、くすぐりも入っていそう、光輝くパリの夜景にはU2の「目もくらむ光の街」、こちらもぴったり♪
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-02 07:00:01)(良:4票)
287.  ウォレスとグルミット/ベーカリー街の悪夢<TVM>
元のスタイルに戻って本来の良さが出た(今のとこ)最新作。 邦題の「ベーカリー街」はホームズのベーカー街にひっかけ(ともにパン屋)、一段と犯罪ミステリータッチ。 ホレっぽいウォレスの恋愛沙汰は「危機一髪」と同じだけど、理知的なグルミットの恋にドキドキ。(ポッとホホ染めたりして…) フラフルスは初対面の時はコワくて足がプルプルしてんのに、相手が自分に気があると見るやパッと元気になるあたりが女のコ、「危機一髪」に続く「犬キャメロン」は彼女がリプリーになりきる「エイリアン2」。 ご主人のパイエラ嬢はヴィジュアルからしてひとクセありそうなんだけど、自分を愛しすぎた報いとはいえ悲劇的な結末、ウォレスの心の中でベイクライトガールのイメージが永遠なものとなる哀切な美しさはあっても、ヘヴィな内容がこのシリーズにマッチしてなかったみたいです。 技術では旧作より上を行っている部分(ふくらむパン、リアルな雨水など)もありますが、なんとなく全体としてピークを過ぎた感があるのは否めません。(それでも十分WELL-MADEなのはさすが!) ニック・パークはもう長編は作らないっていってたけどホントかな?
[DVD(字幕)] 7点(2012-04-07 07:00:00)
288.  オリバー・ツイスト(2005) 《ネタバレ》 
ロマン・ポランスキー版「オリバー・ツイスト」は、ディケンズの原作に真摯に取り組んだ力作、美術(セット)も立派ですが、きちんとしすぎていて堅苦しく、その雰囲気をレイチェル・ポートマンの音楽が和らげているよう。 ハリー・イーデンのドジャーは魅力がありますが、オリバー(バーニー・クラーク)は美少年だけれど彼自身が行動するよりも周りの思惑で動かされ、他のキャラクターの性格を浮き彫りにする役目なのは本と同じで存在感は薄い。フェイギン役のベン・キングズレーは熱演を見せますが、最後のオリバーとの別れのシーンは必要以上に感傷的になっておりとってつけたよう、重要なビル・サイクスやナンシーの印象も弱い。 保護者となるブラウンロー氏はテレビ「シャーロック・ホームズの冒険」の二代目ワトソン、エドワード・ハードウィックが演じ、このバージョンでは原作を簡略化すると同時に彼とオリバーの血縁関係もなくしており、血のつながりがなくとも注がれる愛情の方が得難いと考えたのかもしれず、原作の強い偶然性を排したことにもなりますが、一番の悪党モンクスの出番もなくなりミステリー的な面白さは減りました。 ドラマとしては物足りないものの、ディケンズが意図したように19世紀前半の英国の救貧制度を背景にした下層階級の世界を描いたことにはなり、ポランスキーが「テス」「戦場のピアニスト」同様に過酷な運命に翻弄されるキャラクターに抱いているシンパシーも感じ、それは彼の苦難に彩られた少年時代や青年期と無関係ではないように思えます。
[DVD(字幕)] 7点(2012-04-05 07:00:09)
289.  それでも恋するバルセロナ
ウディ・アレンのお気に入りスカーレットと、「プレステージ」で彼女と共演ずみのレベッカ・ホールによるスペイン・バルセロナのバカンス。 本能の中に理性が見え隠れするクリスティーナ、理性の奥の本能が目覚めるヴィッキー。 アレンは理性的な人はスクエアと見なして徹底的にからかう、「ホラ、そんな理性の薄皮なんて脱いじゃいなさい、それはホントの君じゃない」と。 彼女たちの前に現れるファン・アントニオが赤いシャツ着てるのは、情熱=本能の色。 マリア・エレーナも同じ色の人で、だから間にクッションが必要なのね。 演じるハビエル&ペネロペ夫妻は、アレンがカリカチュアライズしたラテン系のカラーに愉しんで染まっているよう。 内容とは関係ないけれど、クリスティーナのデジタル一眼のブランドは目に触れないようにしつつ、マリア・エレーナのアナログ一眼のライカの赤いマークはしっかり見せて、クリスティーナを銀塩写真にハマらせるのは、アレンはデジタルカメラ嫌いなんじゃないかと思われて、そうしたカメラへのこだわりに+1点。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2012-04-04 06:59:59)
290.  トロン:レガシー 《ネタバレ》 
「トロン」の続編はディズニー(グリッドのシンデレラ城!)らしく破綻のないSFファンタジーで、未来的なCMのジョセフ・コシンスキーのファースト・ムービー。 映像は先鋭的でもオリジナルより普通っぽいのは確かだけれど、冒頭でフリンが息子に語り聞かせる形で前作の解説を入れて、前作を見ていなくてもわかるようにしてあるのは親切。 前作の主役フリン(クルー)のジェフ・ブリッジスは、オビ=ワンとベイダーを一人二役でやっているようなもので、フリンは隠居老人、クルーは最初マスクをつけて現れるのでなおさら。 クルーはVFXで若いままの姿、完璧とはいかないものの昔の顔が見られて感慨深い。 他にも「スター・ウォーズ」のモチーフが意識的に用いられてるようで、終盤の空中戦や一度悪に転じたトロンことリンズナーの二刀流ならぬ「二円流」はダース・モールみたい。 現在はエンコム社重役におさまっているアラン(トロン)役のブルース・ボックスライトナーは今でも素敵な感じで、もうちょっと素のトロンが見たかったのだけど。 フリンとローラ(とおぼしき写真あり)の息子サムが主人公になり、グリッドで父を探す彼と行動を共にする新人間ISO(アイソー)のクオラが魅力的。 前作のヨーリよりアクティブなヒロインで、髪のカッティングや少しだけ肌がのぞく衣装の外見よりも無垢なキャラ。 オリジナルの特色は人間がプログラムになることだったのが続編はその逆をいったり、「以上」の意味で使われていたEND OF LINEがクラブの名前になってたり。 デジタル・ドメインによる新しい「グリッド」はレイヤーもありゲームは華麗、ディスクの設定やライトサイクル・監視機・ソーラー船のデザインも生きていて、「トロン」好きには好感がもてる「遺産」。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-02 07:00:04)
291.  エイリアン4 《ネタバレ》 
前作から200年というのがふるっている。 作品間の距離は広がるばかり、未知の異生物と関わったばかりに死ぬこともままならず、再び命を得たリプリーは彼女であって彼女でない別の人格に。 体内にエイリアンを宿したままクローン再生というのも、別の個体でありながら記憶まで保持というのも実に嘘っぽいが、SFの枠の中では何でもありなのだ。 かつて地球で母であり宇宙でも代理母となったリプリーが、一番畏れていたはずのものをも子として愛しむのも宿命といえ、蠢くエイリアンの群れに沈む彼女の表情は陶酔そのもの。 もう一人の「女」コール(ウィノナ・ライダー)にも秘密があり、もう一方の系譜。 監督ジャン=ピエール・ジュネがフランスから招かれたのは、ユニークなヴィジュアリストとして注目されていたから。 パールマンやピノンら馴染みの俳優を起用し、相棒キャロは正式には参加していないが現場を訪れ衣装デザインでサポート、1作目のスコット同様アメリカでは異邦人(エイリアン)であるジュネには心強かったはず。 シガーニー・ウィーバーをして「1作目が持っていた知的でエレガントな部分を蘇らせた」と言わしめたレザレクション(復活・原題)は、CGエイリアンが水中に身を躍らせる流麗さを持つと同時に最もグロテスクな世界でもある。 累々と並ぶ失敗作、宇宙の塵となるニューボーン。 宇宙空間を漂う揺り籠のような宇宙船をおもな舞台としていた物語が、母なる地球を目前にして役目を終えるのは当然であるかもしれず、ともに人でない女たちの瞳に反射光が照り映える。
[映画館(字幕)] 7点(2012-03-07 06:46:42)(良:1票)
292.  スター・ウォーズ/ジェダイの復讐 《ネタバレ》 
「新たなる希望」と同じファンタジーに逆戻りで、クリーチャーがいっぱい。 ルーカスはクリーチャー好きですけど、観客はどうかな。 (「帝国の逆襲」がよかったのは、パペットがヨーダだけだったのもあります) ルーカスが絶対の自信を持っていた(笑)森の小熊もネックですよね! とはいえ「帝国」に一体だけ出ていたチキンウォーカーが美しいエンドアの森をのし歩くのは見応えがあったし、スピーダーバイクは乗ってみたい♪ ジャバは「特別篇」のCGよりこのラテックスのゴワついた質感がよいです。 ルークの衣装は白→中間色→黒と色が変化して、ダークサイドに堕ちる危険性を示唆しているようで、ハリソン・フォードは既に「インディ」「ブレラン」に出ていたから、ハン・ソロの衣装が似合わないみたい。 ダース・ベイダーは以前とは別人のように覇気がなくなっていて皇帝が一人で気を吐き、ステージを三つに分けていたのは変化があったけれど最終章にしては思いのほかあっけなく、急に世界が小さくなっていました。 サーガ全体の主人公はダース・ベイダーだろうけれど、旧トリロジーに限れば苦難の道を歩んだルーク。 「特別篇」は常に追加より修正が気になるのですが、特に物議を醸していた最後の「3人ジェダイの霊」のアナキンがセバスチャン・ショウからヘイデン・クリステンセンにすげかえられたのは、元のおじさんの方がよかったな。 あの哀れだったダース・ベイダーの最期の後では、穏やかな笑顔でヨーダやオビ=ワンと一緒にルークを見守る老アナキンにどれだけホッとしたことか。 そう思う人が多いから一部のソフトにはしかたなくシアター版も入れてるのかも。
[映画館(字幕)] 7点(2012-03-06 07:00:01)
293.  スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 《ネタバレ》 
オリジナルの「スター・ウォーズ/新たなる希望」に直結するエピソード3は、前2作よりもテンションがあり悲劇的。 傑作かどうかはともかく、旧作ファンであれば心を動かされる方が多いのではないかと思います。 当初エピソード6についていた「復讐」(REVENGE)を公開前に「帰還」(RETURN)に変えておりこちらの方で復活した格好ですが、復讐という言葉は善よりも悪にふさわしいのでしょう。 メイス・ウィンドゥを始めとする、オビ=ワンとヨーダ以外のジェダイ一掃も痛ましい。 ヘイデン・クリステンセンが黒装束をまとい、先日のアカデミー賞で特別賞を受けていた俳優ジェームズ・アール・ジョーンズがあの声を吹き込み、ダース・ベイダー卿の誕生。 しかしその声は悪の権化と化しても愛する人を求める哀しいものでした。 C-3POのアンソニー・ダニエルズやヨーダのフランク・オズ以上に、ジョーンズの特徴ある声色は「スター・ウォーズ」と感じさせる威力があり、アナキンがベイダーにとってかわる瞬間はトリロジーの要といえます。 パルパティーン議長(イアン・マクダーミド)がある人物となることは旧作ファンならわかることですが、その文字通りの「変貌」にも納得がいくよう配慮されていました。 パドメは出産直後に絶命するので「ジェダイ」のレイアの記憶とは合致しないことになりますが、ストーリー構成上仕方がないかもしれません。 それぞれ別の里親に引きとられた双子の兄妹があいまみえるには20年の歳月が必要となり、懐かしいタトゥイーンの二つの太陽がそれを予感させる。 新シリーズは堕ちていく物語、けれどそれから復活するための物語でもあるのですから。
[映画館(字幕)] 7点(2012-03-03 07:00:01)(良:1票)
294.  U2/フロム・ザ・スカイ・ダウン
「U2/魂の叫び」は「ヨシュア・トゥリー」(87)の映画だったけれども、これは次の「アクトン・ベイビー」(91)に関する映画。 2011年のグラストベリー・フェスティバル会場から始まり、20年の時を遡る。 「ヨシュア」の巨大な成功を受けての次作の製作は楽ではなかったはずで、イーノとラノワの指揮の下ベルリンの空の下で試行錯誤を続けるメンバーたちの曲作りの過程、当時を振り返るメンバーの語り。 「WAR」以降彼らのジャケット写真を撮り続けるアントン・コービンも姿を見せ、「魂の叫び」撮影時のフッテージや懐かしくも奇抜なZOO TVツアーの映像も挿まれる。 タイトルはボノによる「空から降ってくる言葉」、メロディという言葉を編んで生計を立てるコンポーザーの人生の不思議を謳うものか。(監督デイヴィス・グッゲンハイムは「ゲット・ラウド」(08)でもエッジの言葉からタイトルをつけていた) 90年代のエレクトリック三部作の最初にして最も良質な作品である「アクトン・ベイビー」(続く「ZOOROPA」と「POP」は自己満足的でやや精彩を欠く)の舞台裏レポートとしての魅力をそなえ、彼らの女装やアニメなどの「余興」はあるものの、総体的に質素でファン向きであり、それだけにエンド・クレジットでの再度グラストンベリーでの「リアル・シング」がレイアウトも含めて一段と鮮烈には映るのだけれども。 これほどの成功を収めながらU2がロックバンドとして異質な感じがするのは、ダーティなイメージとは無縁だからだろうと思う。 「アクトン」に始まり2000年の「オール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインド」で原点回帰するまでの享楽的なイメージもステージという舞台で演じられる演目にすぎず、彼らの誠実さには変わりがないことを大衆は知っていて親近感を持たれ続けるのではないだろうか。 (U2へのエントリーは"18 SINGLES"がいいかも!)
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-10 06:59:59)
295.  ドアーズ/まぼろしの世界
オリバー・ストーンによる伝記映画(トラボルタも候補だったが、キルマーが主演となった)はあっても、意外にもドアーズにとって初のドキュメンタリー映画。 ジョニー・デップがナレーションをつとめ、「ビートニク」(99)にも出演していた彼にはカウンター・カルチャーへの関心が今でも根強いのだろう。 この時期夭折したミュージシャンは数多く、ヴォーカルのジム・モリソンもその一人。 10代の頃多くの詩人に耽溺した彼の書く詞はポエティックで、グループ名もウィリアム・ブレイクの詩から彼が名付けた、「知覚の扉」。 レイ・マンザレクとコンビを組んで才能を花開かせた彼の心のよりどころだった恋人パメラ・カーソン(映画ではメグ・ライアンが演じた)の映像はわずかで、プライバシー保護には厳格だったのかもしれない。 時代を映した彼らの曲は映画でもしばしば使われるが、一番有名なのは「地獄の黙示録」の「ジ・エンド」。 コンラッドの「闇の奥」をコッポラが映画化した作品世界に幻想的な彩りを添え、「これで終わりだ、美しき友よ これで終わりだ、たった一人の友よ」とモリソンが憑かれたように歌う曲がなかったら、あの映画の印象も変わっていただろうと思う。 「ハートに火をつけて」でラッキーなスタートを切った彼らの活動は平坦ではなかったが時代に刻みつけられ、時の彼方の彼らを垣間見ることができる。
[DVD(字幕)] 7点(2012-02-09 07:00:01)
296.  シュレック フォーエバー
ついに完結! タイトル(原題)もよいね。 「4」にはしないで、フォー+エバー・アフター(めでたしめでたし)= FOREVER AFTER。 エバー・アフターの強調にもなるし。 内容は(「コナンが一番」さんがおっしゃるように)あの映画に似たパラレル・ワールド、「失ってみて初めてその価値がわかる」パターン。 フィオナは2・3作目とはちょっとイメチェンして野性味あるヒロインに、シュレックが彼女との愛をとりもどせるかがポイント。 太ってブタネコになった長靴猫の必殺技もみがかれて三連発、進化してる・・・☆ 「3」より活気がありますが、画的に物足りないのはキレイどころが少ないせいか。 エンドクレジットは二部構成、一部はスティービー・ワンダーの"FOR ONCE IN MY LIFE"にのってキャラクター総出演、チャーミング王子はこっちに♪ 楽しいけれど、これでホントに終わりかと思うとシンミリしてしまったりも。 (でも長靴猫のスピンオフがありますね。 一番のスターかもだ) 「トイ」も好きだけど優等生なピクサーとちがってイタズラっ気のあるのがこのシリーズの魅力だったけれど、「美女と野獣」な1作目がやっぱり一番よかったかな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-08 07:00:09)(良:1票)
297.  クレアモントホテル
日本公開が遅れた05年の作品です。 おばあちゃまと青年の交流というと「ラヴェンダーの咲く庭で」もあったけれど、あまり現実味のないメルヘンチックな世界ではあるかもしれません。 スティングの「ブリムストン&トリークル」では中年主婦だったジョーン・プロウライト(ローレンス・オリヴィエ夫人)がロンドンのプチホテルに逗留するミドルクラスの高齢者の中でもアッパーな雰囲気、でも気どったところのない品のいい老婦人に扮し、偶然知り合った作家志望の青年ルード(ルパート・フレンド)にはからずもつれない孫息子の代役をつとめてもらうはめに。 好奇心のつよいお仲間に面目を保てた上に年若い友人ができた夫人のみならずルードにも影響がおよぶ。 現代人の役はめずらしいフレンドが役には色気ありすぎかもしれないし、「ラヴェンダー・・・」が現実的な苦味が切なさを生んでいたのに比べて女性の原作らしい理想的な甘さはあるけれど、人生の黄昏とやさしい余韻があっていい作品。 原作が書かれた40年前は、今より世の中が世知辛くなかったのかもしれません。 パルフリー夫人が縁でルードが知り合うグェンドリン(ゾーイ・タッパー)が美しい少女ですが、ホテルのウェイトレスさんのお茶目なキャラも印象に残りました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-02 07:00:05)(良:1票)
298.  わたしの可愛い人―シェリ
「クィーン」のスティーヴン・フリアーズの贅を尽くした最新作。 彼の「危険な関係」に出演したミシェル・ファイファーはもうあの時のように若さに輝いてはいないけれど、まだお美しく優雅な元高級娼婦レラ。 開ききって花びらが散りそめる白バラが彼女をシンボライズする。 母子ほど年の離れたシェリ(愛しい人)ことフレッドには、ルパート・フレンドが黒髪にして紅をさし、美青年でも印象の薄かった以前とはガラリと変わって今までで一番のハマリ役。 その母マダム・プルーのキャシー・ベイツがなんとも奇怪なキャラクターで2人を翻弄する。 彼女やレラと同様ココットあがりの老女たちの強烈な存在感も味つけとなっており、ベル・エポックの絢爛たる世界の中でシェリの若妻も絡んでのフレンチな恋愛摸様ながら、フランス映画ほどにはルーズにならずにイギリス映画然とした硬質な感触もそなえる。 「青い麦」「ジジ」のコレット原作「シェリ」を主体とした上で、続編「シェリの最後」の世俗的な内容は省きその結尾につなげることで彼らの物語を凝縮。 フリアーズは自分の描きたい部分だけを選りすぐって、甘美で悲痛な世界を構築したかったのか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-01 07:00:02)
299.  リトル・ロマンス
天才肌の少年少女のイタリア・ヴェニスの旅。 ダイアン・レインが「トスカーナの休日」にキャスティングされたのは、このデビュー作のせいもあるのかな。 長い髪を結わえたローレンは清潔感があってかわいらしく利発。 以前はダニエル役セロニアス・ベルナール君がイマイチに思えたのですが、なかなかしっかり演技していて彼らの友だちもそれぞれ個性的。 女優の母親サリー・ケラーマンと腰巾着の映画監督のヘンな関係も笑えるし、話のわかる義父リチャード(アーサー・ヒル)はやたらカッコイイ。 ローレンス・オリヴィエの哀愁漂うジュリアスもよかったですが、ジョージ・ロイ・ヒルは犯罪者キャラがお好きなようで、(社会のはみだし者として描くのに好都合なのだろうけど)彼には足を洗ってほしいな。 「明日に向かって撃て!」「スティング」の挿入はちょっとしたお遊び。 わが子かわいさというか、自分の子供を出すようなものだけどファンの心をくすぐりそうな趣向。 ロマンティックなSUNSET KISS、大人目線ではあるけれどさわやかな後味のジュニア映画。
[DVD(字幕)] 7点(2012-01-09 07:00:01)
300.  オーケストラ!
アンヌ=マリーを演じる「イングロリアス・バスターズ」のメラニー・ロランの存在感が大きく、一緒にいるミュウ=ミュウのギレーヌが引き立て役になってしまうミューズ。 プライド高きアーティストが優れた才能には瞠目する魔法の瞬間も目にすることができる。 もう一人のアンドレイの目論む返り咲き大作戦とあいまって、音楽によって本来の自分を取り戻す人々のドラマを彩る名演奏に聴き応えあり。 クラシック音楽は崇高なイメージがあってあまりドタバタは似合わない気はしましたが、堅苦しさを避け親しみやすい雰囲気にしたかったのかもしれません。 邦題の「!」は「ブラス!」にあやかって、でしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-07 07:00:04)
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