281. ボディヒート(1992)
《ネタバレ》 まだヤサグレていたころのドリュー・バリモアをフューチャーしたエロ・サスペンスですが、このときバリモアなんと17歳!もうエロ貫禄十分、この歳で酒・男・薬を極めた女のふてぶてしいまでの迫力は見ものです。といっても脱ぎがあるわけではありません、さすがのハリウッドも未成年を脱がすわけにはいかなかったんでしょうね。他のレヴュアーの方々と同じく、わたくしめもディカプリオを見つけることが叶いませんでした。この時の年齢は18歳ぐらいですから、出ているとしたら冒頭の森の中のブランコあたりのシーンのはずですがね。 バリモア自身はなかなか良い演技だとは思いますけど、根本的にお話しがつまらなすぎです。アイヴィーを単なるサイコパスという風に演じなかったのはこれはこれでバリモアの識見でしょうが、それじゃあサスペンスが成立しにくいし、ドロドロの三角関係としてはパンチがないし、要は中途半端なんです。あとトム・スケリットのキャラもどうかと思いますね、単なるスケベで俗っぽい中年オヤジとしか思えないので脚本としては失敗でしょう。 “暇つぶし用映画“として観れば、可もなく不可もなくというのがせいぜいです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2019-04-24 19:52:23) |
282. GONIN2
《ネタバレ》 タイトルバックの映像は前作とまるで同じじゃないですか。そのほか中盤以降の舞台となる廃業したディスコも前作で佐藤浩市がオーナーだったところ。おまけに暴力団の組長と若頭も前作ではたしか死んだはずの永島敏行と鶴見辰吾とくれば、ちょっと混乱します。そして前作の五人組も本木雅弘以外の四人がちょい役で特別出演しているので、まるで死んだキャラを演じた役者が別の役で何度も顔を出してくる『仁義なき戦い』シリーズみたいです(笑)。 まあとにかく、女優に入れ替えた五人のキャラ付けが前作以上にピンボケだし、途中で本職の宝石強盗の女まで加わるので“GONIN”じゃなくなるし、けっきょくセーラー服姿で通した大竹しのぶと乳だしまでしてくれた喜多嶋舞しか印象に残らなかったじゃないですか。でも大竹しのぶのJKコスプレは明らかに放送事故でした(笑)。「これは緒形拳を見るための映画だ」と言ってしまうと元も子もないんですが、緒形拳、お前死ぬまでに何発タマ撃ち込まれてるんだよ!ストーリーも相変わらず陰鬱だし、ラストでまさかお元気そうな三人娘(?)が左とん平のタマをとるとは、これはこの監督なりのハッピーエンドなのかもしれません。 思うに石井隆という人は三池崇史になり損ねたと総括できるんじゃないかと思います。逆に言えば、三池崇史は進歩した石井隆なのかもしれません(笑)。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2018-08-25 23:24:19) |
283. ピーター・グリーナウェイ 81/2の女たち
《ネタバレ》 この監督は、自分の撮っている映画の前には観客というお客様がいるんだぞ、ということを微塵も考えないタイプの映画作家なんです。まあそういうところは画家に似ていると言えなくもないです。そういえば映画の前半で主人公のフィリップがモンドリアンのただの幾何学模様にしか見えない有名な絵に講釈を垂れるシーンもありまして、グリナウエイもそこらへんは自覚しているのじゃないですか(笑)。 大富豪が妻の死を忘れるために世界の美女を集めてはハレムを作る話と予備知識を持って観てしまうと、ものの見事にノック・アウトされてしまいます。そのために集めた女優も中にはそこそこにネーム・ヴァリューがある人もいますが、ほとんど脱ぎもないというのはちょっと致命的。お話はもちろんわけが分からない代物なんですから、せめてそれぐらいのサービスはして欲しかったな。あとこの監督は日本びいきだということでやたら日本文化(というかなぜかパチンコ屋)がモチーフにされてますけど、けっきょくは日本という国は雨が降るみたいにしょっちゅう地震がおきるところだということに落ち着きそうです。これってもちろんジョークですよね… [ビデオ(字幕)] 3点(2016-11-06 22:50:46) |
284. メンフィス・ベル(1990)
《ネタバレ》 ぶっちゃけたところ、「第二次世界大戦でアメリカは精密な照準でドイツの軍事目標だけを爆撃した」というお話は、西部開拓神話と同様の神聖なメルヘンに過ぎないのです。たしかに当時としてはハイテクなノルデン爆撃照準器は一定の効果があったが、爆撃目標が砂漠の真ん中にあるわけではないので、周囲の市街にも爆弾は落ちて民間人も多数が犠牲になっています。爆撃機の搭乗員に責任が問われることはありませんでしたが、たぶん当時の搭乗員たちは地上で何が起こっているかは考えないようにしてたでしょう。 だからM・モディーンの機長が「目標の周囲には学校や病院がある」と言って爆撃進入をやり直させる偽善的なシーンが私は反吐が出るほど嫌いです。こんなことは実際には起こり得なかっただろうと確信しますし、かような幼稚な描写など使わなくてももっと違う観点で爆撃作戦の苛酷さをいくらでも表現出来たでしょうに。 この映画は製作時期からして、湾岸戦争の戦意高揚プロパガンダ映画だったと思います。M・C=ジョーンズ監督の作品にはスプラッターじみた描写が多いのが特徴ですが、機首がちぎれて乗員がこぼれ落ちたり空中衝突して真っ二つになったり、本作では人ではなくてB17爆撃機自体をその残酷趣味の対象にしているみたいです。実話をモチーフにし当時の若手俳優を集めて青春映画っぽくしたかったみたいですが、あまりに幼稚な脚本には呆れるばかりでした。 クレジットを良く見ると、なんとフジサンケイ・グループがこの映画に出資していたことに気がつきます。これもあの当時叫ばれていた“対外貢献”のひとつだったんですかね。 [映画館(字幕)] 3点(2013-07-28 22:12:06) |
285. 陰謀のセオリー
《ネタバレ》 まずキャスティング、実際の言動を考えると、陰謀論に取り付かれた様に見える主人公にメル・ギブソンを持ってきたのは、まず成功です。だってメル・ギブソン、陰謀論をほんとに信じていそうですから(笑)。しかしですね、ヒロインがジュリア・ロバーツってのは無駄に豪華なキャスティングの見本みたいな失敗です。彼女の現実味のない映画での行動は脚本のせいだからしょうがないけど、このキャラは花のある女優を使ってはいけません。 ストーリー・テリングも「虚実とり混ぜて」という風に引っ張っていくのが常道なのに、意外とあっさり黒幕を出しちゃって、しかもそれが薄いキャラだから嫌になっちゃいます。私の大好きな名曲"Can't Take My Eyes off of You"にしても、下手な使い方をされてしまって可哀そう。ジョエル・シルバー製作だから深みのあるお話しのはずもなくドンパチ・アクションを期待していましたが、その方面もびっくりするほどつまらなかった。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-06-08 22:39:32) |
286. 8mm
《ネタバレ》 スナッフ・フィルムを観たがるのは絵に描いたような大富豪、撮るのはコテコテのビザール野郎ども、とまあなんの工夫もない直球勝負で来られても面白くもなんともない。使われる音楽はインド風というかアラブ風のエスニック系で、“スナッフフィルムのジム・ジャームッシュ”と呼ばれる監督はハリウッドの業界人ではなくNYが本拠地であるなど、製作者たちが深く考えずあざとくこの映画を撮っているのが良く判ると言うものでしょう。ラスト、“マシーン”が覆面をとって素顔を見せるところで観客にサプライズをぶつけれるとこの監督は思っていたのでしょうが、冗談じゃない、みーんなこの展開は読んでいましたよ。 思えばニコジーも、この映画あたりから芸歴の大迷走が始まった様な気がしますね。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-09-19 22:11:58) |
287. ブレックファースト・オブ・チャンピオンズ
ブルース・ウィリスもアルバート・フィニーも一生懸命に演技しているのは判るんだけど、全然面白くない。そもそも原作が映画化困難なのか、はたまた脚本がヘボなのか。カート・ヴォネガットJr.の小説は映像化するには優れたセンスの監督と脚本家が必要です。並み以下の力量では、こんな出来になってしまいます。 [ビデオ(字幕)] 3点(2009-10-13 22:24:40) |
288. GODZILLA ゴジラ(1998)
《ネタバレ》 私を含めた全世界のゴジラファンを激怒させた問題作。ゴジラを「核実験の死の灰を浴びて突然変異したイグアナ」と設定した時点で、もうこれはゴジラのリメイクじゃないですし、そもそもゴジラの名称を使わせたこと自体が間違ってます。 ローランド・エメリッヒが監督と聞いただけで危ないと心配してましたが、ここまでひどいとは予想を超越してました。元祖『ゴジラ』が名作と今でも語り継がれるのは特撮だけじゃなく本編の人間ドラマがしっかりしていたからで、ところがこの映画に出てくる人物はみんなバカばっかりでもううんざりです。その中でも特にひどかったキャラがこの二人です。一人はあのバカ女レポーター・オードリーです。演じたマリア・ピティロはこの役で見事にラジー賞をゲット。この人ここまでは割と順調にキャリアを積んでいたのに、本作以降はメジャーな作品どころか映画出演自体がほとんど無くなっちゃったのはちょっと可哀想かな。そしてもう一人はエバート市長。有名な映画批評家ロジャー・エバートがモデルで、『インデペンデンス・デイ』を酷評された腹いせに監督がコケにしたというのは有名なエピソードです。市長役の俳優はロジャー・エバートにそっくりですし、金魚のフンみたいな市長の側近ジーンもロジャー・エバートとコンビを組んでる批評家ジーン・シスケルに瓜二つという念の入れよう。この不愉快な市長が本作で唯一の悪役みたいなもんだけど、ここまでやるとはエメリッヒという人執念深くてけっこう嫌な性格みたいですね(笑)。 まあこの映画は怪獣映画じゃないですよ、笑えないコメディ映画だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2014-06-29 20:44:07) |
289. インデペンデンス・デイ
ここまで“アメリカ万歳!”を見せつけられると、もう突っ込む気にもなれません。公開当時アメリカでは、大統領が出撃するところで観客がスクリーンに向かって歓声を上げたと聞いて気が萎えました。 [ビデオ(字幕)] 2点(2009-11-29 23:16:46) |
290. シベリア超特急
《ネタバレ》 いやーあ、これは聞きしに勝る酷い映画ですねえ。これほど苦痛に満ちた90分というのも滅多に体験できることではありませんよ。マイク水野さん、あんなに延々とセリフの棒読みを続けて、ご自分でなんか変だぞと思わなかったんでしょうか?ど素人を起用した佐伯大尉と車掌の二人が巧者に見えるぐらいですから、相当なもんです。本編の方はいわば大人が会社の余興会かなにかでコメディ芝居をやっていると割り切れば何とか耐えられますが、あの2回のどんでん返しはもう意味が判らないしマイク水野さんの狂気すら感じて戦慄しました。ほんとエド・ウッドが巨匠みたいに感じるほどです。聞くところによると、シベ超シリーズは第5作まであるそうですけど、たぶん通して鑑賞したら発狂してしまうでしょうね(笑) [CS・衛星(邦画)] 1点(2016-03-20 23:31:29) |
291. みんな~やってるか!
今まで4~5回これ観ているけど、このたびやっと通して観ることに成功しました。だって最初のころは、もう30分ぐらいでギブ・アップでしたから。チャンバラトリオが出てくるあたりからは、今でもかなり観るのにしんどい思いをしてます。たけしもこれが監督第一作だったら、もう映画は撮れなかったでしょうね。 それにしてもこの映画、ロンドン映画祭で上演しちゃいくらなんでも拙いだろう… [CS・衛星(邦画)] 1点(2013-05-09 00:23:19) |
292. 北京原人 Who are you?
東映という看板のもとで一流のスタッフとキャストが集まって撮ったのに、どうしてこんなになってしまったのか、もう私には理解不能です。『シベリア超特急』や『幻の湖』みたいに狂ったこだわりが監督にあったわけではなさそうですし。でも、公開当時はそこそこヒットして会社も損はしなかったみたいだし、片岡礼子はオッパイを見せて伝説の女優になれたし、普通なら忘れ去られるところが迷画として邦画史に燦然と輝く星となれたし、皆さん満足なんじゃないでしょうか・・・お、お前ら、ほんとにそれでいいのかよ!!(怒) [ビデオ(邦画)] 1点(2012-12-29 23:11:31) |
293. 素顔のままで
《ネタバレ》 噂には聞いていましたが、ここまでひどいとは…。公開時に雑誌か何かで「FBI捜査官デミ・ムーアがストリッパーになり済まして潜入捜査」とこの映画の紹介記事があった記憶がありましたが、全然違うじゃん!そのプロットで撮った方が、よっぽど面白い映画になったと思いますよ。まあこの監督じゃ、どっちにしても同じ出来か…。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2009-11-04 00:28:55) |