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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2402
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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281.  ピラニア リターンズ 《ネタバレ》 
“バカがおバカ映画を撮ると悲惨なことになる”という定説を見事に実証してくれました。前作の監督アレクサンドル・アジャのおバカ・センスには足元にも及びません、彼が巨匠に思えたぐらいです。前作に比べるとグロなパワーはダウンしてしまったので、エロのネタで挽回しようとしたみたいですが単なる下品な下ネタだけと言う感じです。アソコからピラニアが飛び出してくるというのは、どう考えてもその理屈が判りません。デヴィッド・ハッセルホフのネタになると、自分はこの俳優の出ていたTVシリーズのことなんか知識皆無なので全然面白くもない。前作から登場のクリストファー・ロイドとヴィング・レイムスだけは少しクスッとさせられました。でも理解不能なのがラストの生意気小僧を襲う惨劇で、さすがにこれは監督の趣味を疑いたくなりました。そしてやっぱり出てきました駄作の証明・エンド・タイトルに流れるNG集、これがまた長いんだ10分以上あります。正味の上映時間が70分少々ですからねえ、こんなに長いNG集は珍しいんじゃないですか。
[DVD(字幕)] 3点(2015-07-17 23:31:13)
282.  マラヴィータ 《ネタバレ》 
『マラヴィータ』って飼い犬の名前なんですね、でもなんでこれを映画タイトルにしたのかはさっぱり理解できませんでした。もう一つの原題“The Family”の方がよっぽどしっくりくるんじゃないでしょうか。 リュック・ベッソンが監督なんで正直あまり期待してませんでしたが、そこそこ愉しむことは出来ました。コメディ・パートはいかにもベッソンらしい泥臭さに満ちているんですけど、マフィア・パートになるともうどこから観てもスコセッシ節のシビアさです。問題はこの両パートが上手く融合されていないように感じさせるところでしょう。ラスト・シーンなんかはまるで『ケープ・フィアー』とそっくりなんですが、そこにかぶさるデ・ニーロのコメディ・タッチのモノローグがまるで映像にマッチしてなかったですね。でもあの『グッドフェローズ』ネタには、不覚にも声をあげて笑ってしまいました。 トミー・リー・ジョーンズがこの映画でいちばん可笑しいキャラだったかもしれません、CMの“宇宙人ジョーンズ”とまるで同じ演技なんですから。良く考えると、あの缶コーヒーのCMはトミー・リーにコメディ演技を開眼させた偉大な功績があるのかもしれませんね。
[DVD(字幕)] 6点(2015-06-22 21:24:59)
283.  女子ーズ 《ネタバレ》 
なんも期待せずに観始めましたけど、実は思わぬ掘り出し物でした。もう最初の30分のチャールズ司令官や怪人たちとのグダグダなガールズ・トークはもう爆笑です。考えてみれば、この映画は日本版『デス・プルーフ』みたいなもんなんですよね。ガールズ・トークと女子アクション(もっとも日本の方は迫力負けですけど)は共通じゃないですか、ちょっとムリありますけど(笑)。それにしてもこの監督の“戦隊もの愛”には頭が下がります。地球制服を企む怪人たちが、埼玉かどっかの砂利採掘場をいつも通って都心を目指していたとは不覚にも今まで気が付きませんでした(笑)。もう一つ伝わってくるのが、監督の強烈な韓流憎悪じゃないでしょうか。レッドの恋愛シークエンスはモロに韓流のパロディで、メチャクチャ韓流ドラマをコケにしてるような気がするんですけど。女子―ズに居酒屋で群がってくるチャラい男たち、もう雰囲気が韓流男優そのものって感じでした。 それにしても桐谷美玲や藤井美菜が「ウ●コ~ウ●コ~」なんて連呼する映像を眼にするとは、世の中何が起こるか判らないもんです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-06-19 20:49:02)(良:2票)
284.  ジャッジ・ドレッド(2012) 《ネタバレ》 
スタローン版のせいでどうしてもイメージが悪くて可哀想なんだけど、最近のマーヴェル・コミック映画とは一線を画したダークな世界観が素晴らしい。主演のカール・アーバンはメットを被りっぱなしでとうとう最後まで素顔を見せずじまいでしたけど、これもある意味いい役者根性と言えるでしょう。ルーキー・ジャッジのオリヴィア・サールビーは 反対に被らないで通したけど、“ヘルメットの装着すると超能力が使えない”というのは実に上手い説明です。たしかにアーバンはどうでもいいけど、彼女のルックスを堪能できるのは眼福ですよね(笑)。 それにしても、ここまで顔面破壊に拘った映画には初めて出会った気がします。これはかなりエグくて痛そう。展開が気のせいか『ザ・レイド』にそっくりになっちゃってるのは、まあご愛敬と言うことで。でも8万人が居住している200階建てのビル、そして8億人がうごめくアメリカ東部全体ぐらいの規模を持つメガシティなんて、もうそのセンス・オブ・ワンダーには痺れてしまいますね。バルカン砲で撃ちまくられても無事だったり銃弾が命中してもまるでプレデターみたいに応急処置が出来たり、などご都合主義なところはありますがシンプルながらも見応えは十分でした。 カール・アーバン自身が署名活動しているそうですが、続編製作は難航しているみたいですね。私もドレッドとアンダーソンのコンビをもう一度観てみたいので、署名してみようかな。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-06-13 23:08:49)
285.  おとなのけんか 《ネタバレ》 
金物屋の店主、いわゆる“意識が高い”系のその妻、シニカルなエリート弁護士、投資コンサルタントをしているその妻、といういかにもニューヨーカーといった風情の登場人物たち、数いる芸達者の中からそれぞれにピッタリの俳優たちをキャスティング出来たのが大成功でしょう。プロットを見ただけでお話しの展開はだいたい読めるわけですけど、劇中の彼らの“人生最悪の時間”と上映時間をピッタリとシンクロさせているのも舞台劇の映像化としてはシンプルですが効果的、もっともこのケンカを見せられる方としてはこの上映時間が正直限界でしょう。ケイト・ウィンスレットのゲロ吐きとスコッチの酒盛りがストーリー展開上のターニング・ポイントになっていますが、四人が夫婦関係を離れてバラバラの口論になってゆくのは良く練られた演出ですね。面白いのは、ジョン・C・ライリー以外の三人が大事にしているもの(スマホ・画集・バッグ)がそれぞれ非常事態に陥るところで、そこで彼女らの人間的本性がむき出しになってしまいます。でもライリーだけにはそんな執着するモノがなく、逆に秘蔵のスコッチやら葉巻を皆に分け与えるところが面白い。まあもっとも、それによってさらに事態が悪化しちゃうんですけどね。ラストでカメラが屋外に出ると、地面では死んだと思われていたハムスターが動き回り、遠景では息子たちが仲直りしているというのは実にシャレてました。 昔の淫行事件のせいで逮捕されちゃうので合衆国に入国できないポランスキーがNYが舞台の映画を撮るとは予想外でいたけど、なるほどこういう小品なら十分可能なわけですね、わずかな屋外シーンだけはカメラマンを派遣して撮影すればよいわけですし。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-06-11 23:51:46)(良:1票)
286.  アンダー・ザ・スキン 種の捕食 《ネタバレ》 
あなたたち、“スカ・ヨハのヌード”というキーワードに期待を膨らましてこの映画を観ると、手痛いしっぺ返しを喰らいますよ(かく言う自分がそうでした)。考えてみれば、『スピーシーズ』の○番煎じみたいな映画にスカ・ヨハが主演してヌードを見せるわけありませんよね。 いきなり『2001年』みたいな映像を見せられたうえもう極端にセリフが少ないときたら、「キューブリックの後継者か?」なんて勘違いするあわて者がいても不思議ないですね。全篇通じてもほとんど音楽が使われず、流されるのはほとんどワン・フレーズだけの不安をかき立てる不協和音みたいなやつだけ。その分映像には凝りまくってて、やたら引きで撮るシーンが多く風景の中で良く観るとスカ・ヨハが動いているという感じです。彼女の正体なども説明は一切なく、バンを運転しては男を物色して声をかけることを単調な繰り返しで見せるだけの展開には恐れ入りましたが、でもヘンな中毒性すら感じました。中盤から現れるバイクに乗って走り回る男、これもいっさい説明がないので?ですけど、どうもスカ・ヨハを探し回っているみたいでしたね。そんな彼女も例のエレファントマンくんに声をかけてからは、鏡に映る自分を意識しだしたりして何かが変化したみたいですが、さすがにあの最中にいきなり鏡で自分の股間を観察し始めたのには思わず笑ってしまいました(お前は小野小町か)。レイプされそうになって森の中を逃げ回るところまで退化(?)するとは意外な展開でした。そしてスカ・ヨハのあの最期、エイリアン映画史上に残るあっけなさでした。 まあ正直人に薦められる作品ではないんですが、どこか麻薬性がある不思議な映画であるのは確かです。
[DVD(字幕)] 6点(2015-06-07 22:40:25)
287.  コーマン帝国 《ネタバレ》 
ロジャー・コーマンの自伝(これ、傑作です!)を読んだことのある自分としては、まあ波乱万丈の映画人生を表面的になぞっている可も不可もない内容でしょうか。コーマンというお方は、B級映画の帝王のくせして風貌は優雅で語り口もまるで大学教授みたいなのが面白い。そこら辺はトロマのロイド・カウフマンやキャノン・フィルムズのメナヘム・ゴーランとは大違い、ビジネスマンとしての手腕もハイレベルなのもこの人の凄いところ。ドキュメンタリーなので彼の映画人生をかつての門下生たちが回想するわけですが、それがジャック・ニコルソン、マーティン・スコセッシ、ジョー・ダンテ、ロン・ハワードたちでこれまた豪華な面々です。でもなぜかそこにコッポラとキャメロンがいないのがちょっと残念ではあります(きっとややこしい人間関係があるんでしょうね)。ジャック・ニコルソンが「彼の事はみんな大好きなんだ」と感極まって泣き出してしまうところには、こちらまでジーンとさせられました。 コーマンのもとで映画の世界に入って成功した映画人は数え切れないけど、面白い事に彼の元にとどまった人はいないしコーマン自身もひきとめない。コーマンが手掛けるのはとんでもないB級映画だから、「いつまでもこんなことしてられない」と才能ある連中の発奮材料になっているのかもしれないですね(笑)。 ドライブイン・ムーヴィーからビデオ・DVDへとB級映画を取り巻く環境は大きく変わり、コーマンのビジネス手法にも確実に打撃を与えられてきたのは確かでしょう。映画はコーマンがアカデミー特別功労賞を授与されるところで終わります。これは長年ライバルだったハリウッド・メジャーにとって、もはや彼が脅威では無くなったことの証しなのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-06-05 22:01:32)
288.  ハングオーバー!!! 最後の反省会 《ネタバレ》 
三作目にしてかなりプロットを変えてくるとは、このシリーズの脚本家はなかなかクレバーですね。冒頭からいきなりMr.チャウの脱獄と来ましたか、このシークエンスは『暴走機関車』のオープニングとそっくりに撮られていて監督の茶目っ気が感じられます。 本作のゲスト・スターはジョン・グッドマン、確認すると黒いダグは「マーシャルに殺されちゃうよ」というセリフを一作目でちゃんと言ってましたね。本作ではチャウの悪事に三人がつきあわされて振り回されるという展開ですが、前作とはちょっと毛色は違っているけど、これはこれでそこそこ面白いんじゃないでしょうか。前作までのネタは律義に踏襲されています、これはファンとしては嬉しいところです。まず動物ネタ、トラ、サル、と来て今回はキリンですか、可哀想な結末でしたがこのブラックさはツボですよね。アランのスピーチ、今回のお葬式での弔辞が今までの最高傑作です。そしてビリー・ジョエルのネタも健在でしたが、今回はスチュの替え歌がなくて残念でした。中盤まで微塵もその可能性が感じられない展開だったのに、まさかの強引さでアランの結婚で幕を閉じさせるとは予想外でした。 今回は見送りなのかと思っていたら、最後にちゃんとパーティをしてくれて期待通りでした、でもこれってバチュラー・パーティじゃなくて花嫁も参加してるから披露宴の二次会か三次会ということなんでしょうかね。そして気になって仕方がないのはスチュのオッパイ、どうしてあんなになっちゃったのか気になって夜も眠れません(笑)
[DVD(字幕)] 6点(2015-05-31 22:47:31)(良:1票)
289.  ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える 《ネタバレ》 
ネタのヤバさで売っているシリーズですけど、この第二作目はまさに『国境を越える』あらため『一線を超える』じゃないでしょうか(笑)。指ネタはさすがに「おい、ほんとにそれでいいの?」とドン引きさせられました。夜のバンコクで暴れ回るのは観ていて痛快ではありますけど、この映画タイ国内で上映出来たんだろうか?、とさすがに心配になりました。 本作では“スチュいじり”がテーマみたいなもので、刺青から始まって平常は真面目そうな彼が本性に目覚めたというかどんどん変貌してゆくのが実に愉しいところです。船上でスチュが途方に暮れて歌うビリー・ジョエルの替え歌がまた大爆笑で、これアドリブ演技をそのまま使ったんじゃないかと思うほど自然な感じです。 またまた出ました“タイソン・ネタ”そしてMr.チャウ(正直これには驚きました)、とひとつのパターンを作っていてシリーズ化するのかはともかく、さらに続編撮るのは確定していたみたいですね。当然だれしもが予想するのがアランのご結婚でしょうけど、果たしてどうなりますやら…
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-05-30 20:55:45)(良:1票)
290.  ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火 《ネタバレ》 
オープニングに登場するのは、おお、懐かしのモス・フィルムのマーク映像!旧ソ連時代と同じなんです、まだ使っているんですね。 最近ロシアやその周辺国で撮られた安っぽいCGを多用した第二次大戦もののアクション映画がレンタル店に溢れていますが、その同類と思って観たら全然レベルが違うちょっと興味深い作品でした。かなりスーパー・ナチュラルの要素を取り入れた幻想色の強い異色作です。 まず冒頭で撃破されたT-34戦車の中で全身大やけどの黒こげ状態になっていた戦車兵が野戦病院に運ばれます。不思議なことに生き延びられるはずがなかったこの戦車兵がやけどの跡も消えてどんどん回復しますが、戦車の操縦以外の事はすっかり記憶喪失しています。戦車兵が不足しているので記憶喪失のママ病院で適当に名前をつけてもらって実戦部隊に送られますが、彼は破壊された戦車と話が出来ると主張し始めます。そのころ前線ではホワイト・タイガーと呼ばれる一輌のティーガー戦車にソ連軍は大打撃を受けていて、このヘンな戦車兵にチューンナップしたT‐34と乗員を与えてこのティーガー戦車を撃破することを情報部の少佐は命じます。 モス・フィルムには独ソ戦映画のための専用車両工場まであるそうですが、それにしても冒頭から貴重な戦車が登場して驚かされます。残骸状態なんですけど四号戦車やレンド・リースでソ連に供給されたマチルダ戦車まで出てくるんですからね。撮影用のプロップなのかもしれませんが、ロシアのことですからまだまだナチスドイツの兵器が残っていても不思議ありません。謎のホワイト・タイガーは戦後型のソ連戦車を改造したものですが、正面から見ると驚くほどティーガーそっくりです。このティーガーは明らかにこの世の存在ではない超自然的な存在なので、実物とはちょっと違うスタイルであっても別に違和感がないわけです。この映画のすごいところは、随所で観られる激しい戦車戦や砲撃シーンなどをCGなしで見せてくれるところで、さすがかつて『ヨーロッパの開放』を製作したモス・フィルムの伝統技は健在です。 観たら理解できますけど、この記憶喪失のナイジョノフ少尉ももう霊的な存在なのです。対するホワイト・タイガーも北欧神話のオーディンの化身というかナチス・ドイツの武力が神格化した象徴みたいなもので、それはもう神々の闘争みたいなものです。音楽も『ニーベルンゲンの指環』をアレンジした様な曲で雰囲気が出ています。 この映画の不思議なところはラスト20分が45年の陥落したベルリンに舞台が飛んでしまうところで、生き残ったナイジョノフ少尉は一人戦車を整備して、ホワイト・タイガーと決着をつけるために消えてゆきます。最後のシーンでは自殺してあの世にいるヒトラーが登場してびっくりです。でもなんか不思議な余韻を残してくれるんです。個人的には『フューリー』よりはるかに面白いと感じました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-05-18 23:08:47)
291.  フューリー(2014) 《ネタバレ》 
ここ10年ぐらいブラピの映画にははずれがないと信頼していましたが、今回は期待を裏切られてしまいました。 まず、フューリー号の乗員を始めとする戦車兵がなんかとても薄汚い感じがします。イケメンのブラピですらとてもヘンな髪形で、シャバにいたときはブルーカラーかド田舎の百姓の兄ちゃんみたいなとても粗野なキャラが最後まで馴染めませんでした。『イングロリアス・バスターズ』のアルド・レイン中尉が戦車兵になった様な感じかと思っても、彼の行動にはユーモアのかけらもないんでつまらない、そう言えばこの映画には全篇を通じてもユーモアが皆無なんですよね。彼のキャラに古参の乗員たちがなんで敬服するのかも判らなかったですよね。すでにご指摘がありましたが、この映画は『プライベート・ライアン』の縮小バージョンみたいな脚本構成なんですよ。ブラピがトム・ハンクスのミラー大尉みたいな説得力ある演技が出来なかったのがこの映画の失敗でしょう。 確か世界で一輛しかない可動する本物ティーガー戦車を撮影に使えたことは、マニアにとっては眼福としか言いようのない感激でした。敵味方とも本物の戦車を使った欧州戦の映画となると、ルネ・クレマンの『鉄路の闘い』以来の快挙になるんじゃないでしょうか。米独両軍とも軍服や徽章にまで凝りまくっていましたからね。ただ両軍の機関銃が撃ち出す曳光弾はCGを使っているんでしょうけど映像的には強調し過ぎ、あれじゃあまるでスター・ウォーズです。 兵器考証については完璧なんですけど、プロットはどうもムリがあり過ぎです。だいたい45年4月というソ連軍がベルリンに突入しようかという時期に、いくら武装SSとはいえ軍歌を歌いながら意気揚々と行軍してくるなんてちょっとあり得ないでしょう。つまりドイツ軍があまりに戦意があり過ぎで、こういう展開にするならちょっと前のバルジの戦いあたりのストーリーにしたら良かったんでしょうね。それを言ったらもっとおかしいのは米軍の方で、史実では4月にはドイツの敗北は決定的なのでお偉いさんも下っ端の実戦部隊もいかにムダな損害を出さずにドイツ国内を進撃するかが最大の関心事だったのです。悲壮感を出したかったのは判りますけど、あれじゃみんなムダ死にですよ。
[DVD(字幕)] 4点(2015-05-12 23:15:01)(良:3票)
292.  世界にひとつのプレイブック
最後までまで観てもどうしても判らなかったのが、“銀の縁取りをしたプレイブック(原題)”って何のことでどこに出てきたのか、ってことですね。まあつまらないことですけど(笑)。 ジェニファー・ローレンスという女優はナイスバディだけどそれ以上にあの表情が独特ですね。ひょっとして先祖に東洋系が入っているんじゃないかと思わせる様な顔立ち、その無表情が突然がなりたててシャウトし始める演技は、とても21歳の若さとは思えない演技力ですね。ジュブナイル小説の映画化である『ハンガー・ゲーム』でジョシュ・ハッチャーソンとカップルしてるのがお似合いだった彼女を、一挙にオスカー女優まで持って行ったワインシュタイン兄弟の炯眼と剛腕には毎度のことながら頭が下がります。 デ・ニーロにとっては本作での演技なんて余裕なんでしょうが、近年これといった企画と縁がなかったので久々のオスカー・ノミネートは納得です。ブラッドリー・クーパーも、『リミットレス』でデ・ニーロと出逢ってからはメキメキと演技力に磨きがかかって来た感じがしますね。 まあストーリー的にはよくあるタイプの映画ですけど、俳優の演技は愉しめました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-05-10 20:37:45)(良:1票)
293.  バーニー/みんなが愛した殺人者 《ネタバレ》 
実験的な映画を撮るかと思えば『スクール・オブ・ロック』みたいにメジャーで王道的な作品もこなしちゃうリチャード・リンクレイターの、どちらかと言うと彼らしいかなり捻った笑えない(これは良い意味です)実録コメディです。 テキサス東部の田舎町で葬儀屋の助手を勤める40手前の独身男バーニーは、町の誰からも善人と認められて愛されていた。彼は町随一の資産家の未亡人に気に入られて同居する様になるけど、この未亡人はバーニーとは真逆で恐ろしいまでに性格がねじ曲がっていて町中の人から憎まれていた。このバーニーをジャック・ブラックが演じるのですが、良い人を説得力ある演技で好演するけど彼のことですからなんか胡散臭さがつきまとっちゃうんです。これも監督の計算通りなんでしょうが、最後まで観るとどうもゲイみたいだけどそれ以上におかしなところは見られない。どうも現代社会では度を越した善人=変人と言うことになる、という一種の問題提起なのかもしれません。未亡人マージョリーは、もう笑っちゃうほどイメージ通りのキャスティング、シャーリー・マクレーンです。最初は良き友人同士だった二人も、マージョリーが本性を剥きだしにしてバーニーをこき使う様になってきて、とうとう彼はマージョリーを衝動的に射殺して冷蔵庫に死体を隠します。 この映画は実際の町の人たちが語るバーニーの想い出を繋ぐ形で進行するモキュメンタリー風の演出が特徴です。殺人が発覚して裁判になりますが、なんせ町中の人がバーニーを擁護しているんですから、その中から選出される陪審員は無罪の評決を出す可能性が高い。そこで検事は裁判を70キロも離れた隣の郡に変更しちゃいます。ここでは当然のごとく有罪判決が下り、あわれバーニーは終身刑を宣告されてしまいます。テキサスは全米屈指の厳罰司法の州ですけど、それにしても終身刑とはキツイですね、日本でしたら懲役10年ぐらいでしょう。そこら辺は、裁判所の違いで無罪か終身刑という両極端な判決が出る可能性があるというアメリカ裁判制度の矛盾を監督は指摘したかったのかもしれません。地方検事役はマシュー・マコノヒーでこれが実に可笑しいキャラで、この映画の中でいちばん笑わしてくれます。 けっきょくバーニーはほんとはどんな人間だったのかという疑問には何も答えてくれずに映画は終わるのですが、それでもいろいろ考えさせてくれる作品の様な気がします。ラストにバーニー本人とジャック・ブラックが刑務所で面会している映像が流れるのですが、なぜだかギョッとさせられるものがありました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-05-08 23:27:24)
294.  ザ・パシフィック<TVM> 《ネタバレ》 
スピルバーグとトム・ハンクスが製作総指揮をとったいわば『バンド・オブ・ブラザーズ』の太平洋戦争・海兵隊版と呼べるTVミニ・シリーズです。“ミニ”と言いましても全篇通してみれば8時間半あまりもあり、製作費も200億円(!)かけているぐらいですから凄いもんです。原作はドラマにも登場するユージン・スレッジとロバート・レッキーがそれぞれ書いた従軍回想記で、それに海兵隊の伝説的な英雄ジョン・バジロンの物語を加味した脚本構成となっていますが、この脚本は『バンド・オブ・ブラザーズ』よりも優れているんじゃないかと思います。この三人は所属する連隊も実戦参加時期も違っていて物語の中では絡むところはないのですが、観終わってみるとこの三人が同じ中隊で肩を並べて戦っていた様な錯覚に陥るほど秀逸なストーリーテリングでした。 ●ガダルカナル まず彼ら第一海兵師団はガダルカナル島に投入されるのですが(スレッジはまだ入隊していない)、米軍側から見たガダルカナル戦がまた興味深いところです。夜に海上で砲火が瞬き砲声が聞こえてくるのを見物して「海軍が日本艦隊を追っ払ってくれてるな」と歓声をあげてるんですが、実は米艦隊が惨敗した第一次ソロモン海戦を陸から見ていたわけで、夜が明ければ艦隊も輸送船もいなくなっていて孤立無援になっていることに気がついて愕然としまう。これはもう『遠すぎた橋』の英空挺部隊と同じ様な状況で、この状態から日本軍を撃退したんですから決して楽な闘いじゃなかったことが判ります。この戦いでバジロンは名誉勲章を授与されて本国帰還し戦時公債ツアーのスターになります。●ペリュリュー 三話も使って繰り広げられるのがぺリュリュー島の死闘で、ここから実戦経験したスレッジの視点で描かれます。さきに両陛下が訪れたことで少し知名度は上がりましたけど、あまり現代日本人には馴染みがないこの島で海兵隊がいかに苦戦したかが判ります。ガダルカナルでは輸送船から縄梯子を伝って上陸用舟艇に乗りこんでいたのに、この作戦では水陸両用戦車を使う様になってきて、海兵隊の戦術の進歩がよく判ります。日本軍も九五式戦車(もちろんレプリカですけど良く出来ています)を繰り出して反撃するけどあっけなくやられちゃいます。このシリーズでは武器考証はハイレベルですが、全篇を通じても代表的な分隊火器であるブローニング自動小銃が使われていないのは解せないところでした。●沖縄 それまでは民間人のほとんどいない孤島が戦場でしたが、沖縄戦になってくると日本人としては観るのが辛くなってきます。米軍にも苛酷な自然環境は平等ですし、ずぶぬれの泥だらけで野宿しなければいけないというのは、歩兵のつらいところです。育ちの良いスレッジまでもが日本兵の死体から金歯を集める様になってきて、戦争が人間性を狂わせる恐怖をひしひしと感じました。 このシリーズでは一話をまるまる使ってスレッジとレッキーが復員する姿を描いているのが、物語に深みを与えてくれたと思います。狩りに行ったけど「もう死ぬまで銃を撃ちたくない」と父親の胸で泣くスレッジの姿で物語は終わります。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-04-29 20:52:55)
295.  キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け 《ネタバレ》 
この種のプロットのサスペンス映画は昔から山ほどあって正直新鮮味はないんですけど、リチャード・ギアとスーザン・サランドンがあまりにハマっているのでそこそこ観られました(スーザン・サランドンは、最近はこういう有閑マダムみたいな役が多いですね)。大抵なみの映画だと、ギアが邪魔になった黒人青年を殺害していっそうドツボに嵌まってゆくというパターンなんですが、そこは脚本にちょっと工夫の跡がみられますね。冒頭から何度も出てくる慈善パーティへの寄付の催促があのラストのシーンに繋がってゆくところは、脚本も書いているこの監督さんまだ若いのになかなかやるな、と感心しました。アメリカの上流社会には付き物のチャリティがけっこうきつく皮肉られる終わり方で、タイトルを“Vanity Fair”とでもしたらピッタリだったと思います。邦題はかなり内容とかけ離れてるという感じです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-04-28 22:39:41)
296.  最後のマイ・ウェイ 《ネタバレ》 
この映画を観るまではクロード・フランソワという人の事は正直知りませんでした。60年代から70年代にかけてフランスで大人気だったアイドル歌手で、いわばフランスの郷ひろみか西条秀樹という感じでしょうか。またあの名曲『マイ・ウェイ』も実はこの人が歌ったシャンソンがオリジナルだというけっこう凄い人だったんです。 あまりにダサい邦題のせいもあり世間によくある歌謡もの映画と思っていたら、これがどうしてグイグイと引きつけられるパワーを持った作品で、最後にはホロリとさせられてしまいました。物語はスエズ運河会社の偉いさんの息子として生まれたフランソワが、歌手として成功してゆきこれから全米に進出だというところで信じられない様な事故で他界するまでを追ってゆきます。主演のジェレミー・レニエはメイクもあるでしょうが実際のクロード・フランソワにそっくりで、歌も上手いなと感心したけど良く調べると実際のフランソワの音源を使っているみたいです。この映画の巧みなところは、フランソワに決して感情移入させない様な距離を置いた撮り方をしていることでしょう。たしかにかなり自分勝手な男だし、若いころから整形して顔をいじっても平気だし、落ち目のときには仮病を使ってステージで倒れて同情を買うなんてことまでやってのけます。女性関係も男の眼からも勝手邦題で、フランス・ギャルとのエピソードでは“なんなんだ、こいつは!”って観てて腹が立つこと請け合いです。でもこれもジェレミー・レニエの名演のなせる業なのは間違いないでしょう。母親もまたろくでもなく、ギャンブル狂で借金の山を築くんだから困ったもんです。 成功した中盤以降はこの種の映画ではふつうだれるもんですが、変幻自在な映像を駆使してそのパターンに陥らないように工夫されていてそれが成功しています。朝起きてからファンが群がる自宅を出て始まるある日のフランソワを、長回しを多用して見せてくれたのにはこの監督の才気が良く出ていました。各所で見せてくれるフランソワのド派手なステージ・パフォーマンスも観ていて愉しかったですね。 スターと言うのは頂点に立った瞬間から落ち目になって忘れられてゆく恐怖が始まるものなんですね、そういうスターの強迫観念がとても切実に伝わってくる映画です。ちょっと長尺でしたが、時間を感じさせない濃い一篇でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-04-27 00:27:05)
297.  アップサイドダウン 重力の恋人 《ネタバレ》 
重力と反重力が存在する双子の世界、このアイデアとプロットはセンス・オブ・ワンダーに満ち溢れていてグッドです。緻密に創りこまれたCG映像もレベルが高くてよかったんですが、この映像は大スクリーンで観ないと真価が判らないでしょうね、なんせTV画面では小さすぎて映像の情報量に全然追いつけないですからね。でも脚本はびっくりするほど稚拙です。リュック・ベッソンの『フィフス・エレメント』じゃないけど、まるで監督が中坊の頃に自分のイマジネーションを書きとめた脚本を映画化したみたいな出来です。そのイマジネーションは確かに凄いんだから、せめて脚本は腕のたしかなプロに任せた方がよかったですね。プロットやディティールには『ブレードランナー』など過去のSF映画からの影響が強く感じますし、何度も出てくるカフェのシーンでは『ガタカ』の世界観と雰囲気が彷彿されました。 「これはまた別のお話し」なんて思わせぶりなナレーションで終わるけど、続編を撮る計画があるのかな?
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-04-13 20:13:29)
298.  ペントハウス 《ネタバレ》 
これもリーマン・ショック後のアメリカの世相を反映させたってことなんでしょうかね、まあ別に退屈する様な類のお話しではなかったですけど。 とにかくこの映画の最大の欠点は、観た人みんなが同意すると思いますけど、エディ・マーフィの存在感のなさに尽きるでしょう。なんで出演する気になったんでしょうかね、この人『ドリーム・ガールズ』でオスカー逃がして燃え尽きてしまったんでしょうか。スティーヴ・マックイーンが乗ってたフェラーリが登場したところでだいたいオチが見えてきましたし、メイドがあっさり金庫を開ける展開からもそれは察しがつくことでしょう。それにしても自動車が通れる幅の廊下って、このマンションどんだけ広いんだよって感じです。 アラン・アルダの悪役ぶりは憎々しくてよかったですね、こいつならほんと何をしても許される気がします(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-04-11 22:24:38)
299.  アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー 《ネタバレ》 
ダリル・ハンナの『ジャイアント・ウーマン』の主人公をチアガールにして、ロジャー・コーマンがリメイクしてみましたって感じでしょうか。どっちも身長50フィートですしね。 主人公のチアガール、冒頭ではちょっと賢そうなニキビ面のメガネッ娘だったのが、薬を注射して巨大化してからはセクシーなナイスバディに大変身、なかなかレベルが高いです(なんの?)。巨大女のビジュアルは、チャチというか超原始的な遠近感ででかく見せるという、なかなかプロの映画人では恥ずかしくて使えない様な手法です。後半のフットボール場での大暴れでも単純な合成でしたけどね。ここではライバルのビッチなチアリーダーも巨大化させて、しかも両者トップレスでビンタ合戦に女闘美アクションと、さすがコーマン御大、ツボがよく判ってらっしゃる。懐かしのショーン・ヤング(あのレイチェルがこんなぶくぶくしたおばさんになってしまうとは!)とトリート・ウィリアムズにジョン・ランディスまで、ちょっと地味なムダに豪華なキャスティングはこれもコーマン御大の人徳というか手腕の賜物かな。 この映画を観たらあなたの人生の貴重な時間をムダに費やすかもしれませんが、私は残りの人生の80分余りのひとときを有意義に使うことが出来ました、大した点数はつけてあげられませんけどね(笑)
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-04-07 20:36:38)
300.  エンド・オブ・ザ・ワールド(2012) 《ネタバレ》 
「もしブルース・ウィリスが『アルマゲドン』で小惑星の爆破に失敗したら、人類は残された時間をどうやって過ごすだろうか?」という妄想を映像化しました、って感じでしょうか。世界の情勢はほとんど判らず、主人公のカップルの周りで起こっている出来事だけで人類の滅亡を見せるとは、ラース・フォン・トリアーの『メランコリア』への返歌という意味合いもあるのかもしれません。私は『メランコリア』は未見ですけど、あくまでファンタジーだと判っていても本作で名もない庶民たちが見せる様々なリアクションは微笑ましくも有りまたリアルです。来週も来る気でいるハウスキーパーのおばさんやスピード違反の取り締まりに一生懸命な警官って、人間は恐怖から逃れるために無意識にルーティーン・ワークに没頭したがるものだという本質を突いていますね。 スティーヴ・カレルとキーラ・ナイトレイという意表を突いたようなキャスティングも良かったですね。二人とも良い演技でしたし、奇しくもそれぞれ別の作品で今年のオスカー演技賞にノミネートされたのも当然の結果かもしれません。ラストにバート・バカラックの『ディス・ガイ』を流してくれるところなんか、思わず涙がこぼれそうでした。
[DVD(字幕)] 7点(2015-03-30 23:43:01)
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