3041. 愛する人
設定とキャスティング、それにオープニングでは十分期待していたんですが・・・母と娘のセットを何組か登場させるのが、いかにも「いろんな母娘を取りそろえて用意しましたよ~」というような作為的な感じで、そこから物語が広がっていかないのです。初期設定から想定される範囲内だけで話を終えてしまった印象。なので、せっかくのアネット・ベニングにもナオミ・ワッツにも、芝居の精彩がありません。 [DVD(字幕)] 4点(2014-03-23 02:04:06) |
3042. テイク・ディス・ワルツ
《ネタバレ》 不倫モノというのは、その前提となるべき日常生活の「生活感」をしっかり表してこそ、そこから逸脱することへの飛躍感や背徳感があるはずなんだけど、ここではまず、そこがダメ。主人公は何かのライターっぽく登場するんだけど、実際何をやっているのかさっぱり分からないし、プライベートでものんびりプールに行ったりなんかして、凄くお気楽に生きているように見える。輪をかけて、不倫相手との逃避を決めた後の展開は完全にグシャグシャで、ほとんどファンタジーの領域にしか見えない。結局、雰囲気だけの作品にしかなっていないのです。 [DVD(字幕)] 4点(2014-02-24 00:26:58) |
3043. マリー・アントワネット(2006)
中途半端にシリアスっぽく、中途半端に前衛的。要するに、監督も自分が何をやりたいのか分かっていなかったのではないだろうか。結果、中身に何のテーマ性も存在せず、完全に衣装負けしてしまっている。大体、「ベルサイユのばら」というアントワネット関連芸術の金字塔を知っている日本人に、このレベルのものを見せてはいかんよ。 [DVD(字幕)] 4点(2014-02-20 00:21:13) |
3044. ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式
冒頭、変な人たちが吸い寄せられるように集まってくるシークエンスでは大いに期待させたのですが、その後の発展がありませんでした。これだけ変な人たちが一所でぶつかり合えば、もっといろんなギャップや摩擦やねじれがあって、それが笑いを生じさせるはずなのですが、初期設定そのままで終わってしまっているのです。 [DVD(字幕)] 4点(2014-02-14 02:29:10) |
3045. 月夜の宝石
ほのぼのアイドル映画の雰囲気で進行していながら、登場人物ほぼ全員が、やっていることは滅茶苦茶で、論理的一貫性もなければモラルもない。しかも各登場人物が、自分がやっていることに何の疑いもなく堂々と自信満々であるのが凄い。そのうち、アナーキーでパンキッシュな空気すら感じてしまう。さすがフランス。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-02-07 00:18:41) |
3046. 深呼吸の必要
5人の若者がみんな同じ顔をしている時点で、創作としては失敗。各人が過去を語らないということは、各人に過去や背景がないということを意味しない。明示的に表現しないのであればなおさら、人格について丁寧な作り込みを行わないと、登場人物としての必然性がなくなってしまうのだが、この作品はそこまで考えていない。結果、サトウキビ畑の風景や作業そのものに寄りかかってしまっただけ。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2014-01-07 00:55:05) |
3047. トイ・ストーリー2
とにかく、みんなが喋りすぎ、動きすぎで、むしろそれを目的として作品を作っているのかということを疑わざるをえない。いくらCG技術が優れていても、それを用いて物語として何がしたいのかが定まっていなければ、面白くはないのです。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2014-01-04 18:51:13) |
3048. 子宮の記憶 ここにあなたがいる
《ネタバレ》 出だしのところがあまりにも安直で、主人公の元の生活の描写も目的地を見つけ出すまでの過程も全部すっ飛ばして進んでいるので、説得力が全然ありません。その後の脚本も全体的にグダグダで、何かありそうな脇役も使いこなされていなくて、あっさり墜落してしまいそうだったのですが、それを救っているのが松雪泰子の演技です。生活に疲れて希望もなくなりながら、どことなく妙な色気のある感じを、巧いバランスで表現しています。熱を出した松雪に主人公が添い寝をするシーンは、何ともいえない心理の綾があり、こういうところをもっと見たかったのですが。 [DVD(邦画)] 4点(2014-01-01 05:17:54) |
3049. 君と歩く世界
《ネタバレ》 スタートのところで、ヒロインが何を考えてどのように調教師業に取り組んでいたかが描かれていないので(シャチ調教のディテールを省いているのも問題)、彼女が足をなくすというのも、設定のための設定になってしまっています。つまり、物語が始まっていません。肝心の両下肢喪失場面も、何がどうなってどうなったのかというところを適当に済ませている。つまり、制作者自身がヒロインに向き合っていないのです。というわけで初手からこけてしまっているのですが、その後もグズグズのまま最後まで続いていて、特に終幕近くで突然子供の存在がクローズアップされているのは何だったんでしょうね。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2013-12-29 01:30:30)(良:1票) |
3050. マリーゴールド・ホテルで会いましょう
《ネタバレ》 導入部で、それぞれがいともあっさりと目的地を決定してしまい、しかもお互いのコミュニケーションも最初からできている時点で、「ああ、もったいないことをしてしまったな」と感じました。あえて異なる環境や生活の登場人物を設定する以上は、それぞれがこの場所に集ってくる過程や理由にこそ最初のドラマがあるはずで、その辺の可能性をあっさり飛ばして、こじんまりと刈り込んだ導入をしてしまった時点で、重要な魅力を捨て去っているのです。はたして、そこから展開される個々のストーリーも、似たり寄ったりの感じで、せっかくのこれぞブリティッシュというキャスティングが生かされませんでした。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2013-12-23 23:31:55) |
3051. 尼僧物語
長期間にわたる話のスケールがありながら、結局は最後まで単調に流れてしまいました。何よりも、主人公の設定と裏腹に、実際の主人公の行動の1つ1つに「意志」が感じられないのです。なので、制作者がこの主人公によって何を表現したかったのかが不明です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-12-16 01:54:10) |
3052. リトル・マーメイド(1989)
《ネタバレ》 王子と出会うまでの前置きは妙に長すぎ、逆に出会ってからはすべてがあっという間。つまり、あまり深く考えずに適当に作ってしまったということです。あと、字幕版で見たのですが、全般的に声優の発声がえらく弱くないか? [DVD(字幕)] 4点(2013-12-14 23:08:54) |
3053. モンテ・ウォルシュ
《ネタバレ》 没落に直面するカウボーイというテーマに徹底的に即した作り方はなかなか面白いが、話が動き出すまでがえらく長いのが難点。あと、没落の象徴である仲間たちの殺し合いなんかの部分にしても、ただ撃ち合うのではなく、もう少しいろいろ表現してもらいたかったと思うが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-12-02 03:52:52) |
3054. ママの遺したラヴソング
トラボルタはこのキャラを演じるにしてはヘンさ、エキセントリックさが足りないし、ヨハンソンは相変わらず表情不足で、ただの根暗少女にしか見えない。キャスティング次第でもう少しなんとかなったかとも思うが、この凡庸な脚本では限界があるか。あと、尺も長すぎです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-10-13 00:16:46) |
3055. 初恋の想い出
《ネタバレ》 何かが起こりそうで起こらないまま、最後まで延々引っ張られてしまうという困った作品。要するに、主人公の2人がうじうじうじうじと悩んで考え続けるのを見せられるだけなのである。したがって、ドラマとしては何も起こっていません。過去にあったことがどうこうという部分も、もっともらしく提示されてくる割には、それを踏まえた各親の思考が停止状態なので、設定として安直になってしまっているのです。 [DVD(字幕)] 4点(2013-09-17 00:21:33) |
3056. 八日目の蝉
《ネタバレ》 誰がどういうことを考えてそうなってしまったのか分からないのだが、最大の敗因は、井上真央の側に重点を置きすぎてしまったこと。●原作では、まず逃亡時の部分を全部一続きにまとめることにより、先がどうなるか分からない、どこから誰が追ってくるか分からない主人公の不安感に読者を巻き込み、また逃亡終了の際のあっけなさ、容赦なさを際立たせることができた。しかも、そこから現在の話が始まることにより、自分が物心ついたときにはすべてが終了していて、その十字架を背負わされることになった、娘にとっての環境の理不尽さをも実感させることができた。この作品では、同時並行の形をとることで、永作の側は単なる過去の回想同様の扱いになってしまっている。裁判後(出所後)の永作が完全に無視されているのが、その象徴。●ラストの部分は、ほとんど別作品といってもいいくらい改変されているが、とりあえず、物語の最大のクライマックスである、岡山港でのすれ違いの場面を奪ったのはなぜなのか。また、娘が新たな視野に気づくのが、「その子はまだ朝ご飯を食べていないの」というたった一言であるところに意味があるのに、現像された写真などという分かりやすすぎるアイテムを持ち出しているのは、見る側をなめているとしか思えない。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-09-15 01:42:50) |
3057. サブウェイ
《ネタバレ》 徹底的に地下にこだわった構成はそれなりに潔いが、ローラースケート男以外は、出てくる人のキャラクターがあまり面白くない。退屈な時間の方が長かったです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-09-03 02:40:48) |
3058. ホームレス中学生
《ネタバレ》 すでに指摘されていますが、前半のホームレス生活が、服は綺麗なまま、髪はサラサラ、お肌はつるつるで、何のリアリティもありません。友人宅で食事にありついた際の描写にしても、えらく落ち着いて普通に食しており、それまで飢えた生活を送っていた人にはとても見えません。なので、そこから3人の生活が始まるに至っても、予定調和にしか見えないのです。なお、当時27歳の池脇千鶴が女子高生というのも凄いキャスティングなのですが、いろいろな意味で巧すぎで、周りの芝居を助けています。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-09-02 00:59:34) |
3059. すべて彼女のために
《ネタバレ》 平凡な国語教師がいきなり脱獄実行というのが面白いのに、延々と準備をしてる風である割には、肝心の作戦自体が目新しいわけではないし、また地道な調査の結果が特に生かされているわけでもない。というか、作戦に関するゴミを適当に捨てていたり、あまり所有者がいないであろう車で危険な部分を実行したりとか、結局細かいところが雑なんですよね。なので、全体が限りなく予定調和的です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-08-28 02:06:32) |
3060. アニマル・ハウス
ドタバタ・コメディがドタバタしすぎて、笑いの部分がついていっていない。生徒以外の部分も含めていろんな魅力的なキャラがいるはずなのに、生かされていません。 [DVD(字幕)] 4点(2013-08-12 01:26:32) |