301. 嵐の中で輝いて
駄作評判をふまえていたせいか、面白かったですね。これでもかっっっ! てくらいの劇的状況の連続が妙に古風な盛り上がりぶりで、なんだかもう、戦争どうこうはうっちゃって、ヒロインの強さがまぶしい。メラニー・グリフィス、魅力的でした。マイケル・ダグラスは不要だと思うのですが・・・ なんだかちょこちょこ出て来て格好つけて能書き垂れて・・・これが女がメロメロになる様な超美形俳優が演じているなら判るけど・・・マイケル・ダグラスって所がなんだかいやらしい。もうちょっとリーアム・ニーソンのキャラクターに重きを置いて、あの二人の微妙な駆け引きがもっと見られたら楽しかったのに。残念! 6点(2004-09-27 12:57:24) |
302. シティ・オブ・ゴッド
とにかくエネルギッシュ。こちらの体力が充分にある時に見ないと、勢いにやられる。「え?」と思う台詞や、「オイオイ!」という展開も多いけれど、すべてをあのエネルギーが覆い隠して余りある。けれども映画として秀作だとは思わないし、他人には勧めない。死をライトに扱おうとしているのに、内容が切実なドキュメンタリー風だから、すごい不具合を感じてしまう。見ていて疲れる映画でした。 6点(2004-08-30 19:49:17) |
303. タイムライン
《ネタバレ》 原作は未読ですが(クライトン作品は結構読んでいる方で、どれを読んでもかなり面白いので)、きっと面白いと思うんですよ。それが何だか学芸会ちっくなのは何故でしょう。ストーリーも、夢見がちな歴史オタク少女が書きそうな内容に思えてしまうのは何故でしょう。タイムスリップものにありがちな「過去の女性(or男性)と恋をし、過去に残ることを決めた」人物。何だかウソ臭いんですよね。もうちょっと悩もうよ、みたいな。だって親にも友人にも合えなければ、映画も見れないスキーも出来ない、海外旅行も遊園地も行けないんですよ。矢鱈人物が出て来るのに、どれも没個性的で、どれ役立ち方が中途半端なのも学芸会ちっく。5点は、テンポよくめまぐるしく変わる場面作りのセンスで、文句言いつつも最後までそこそこ面白く見れたので。 6点(2004-08-25 18:09:51)(良:2票) |
304. トロイ(2004)
はぁ~ものすげーお金かかってて凄いね。でも何だかな~ という映画。アキレスのキャラクター作りが完全に失敗している様に思う。彼の信念が何処にあるのかよく判らなくて、いきあたりばったりの人物に見えてしまうし、オネエチャンと恋に落ちるくだりも蛇足としか思えない。パリスの甘ちゃんぶりはあれでOKだと思うし、ヘクトルは格好良かった~! エリック・バナって、顔が横に広くてへんな顔というイメージだったけど、まぁなんてイイ男。でも主役のアキレスになんの魅力もないせいで、作品の質がガタオチしている。映像と小道具と脇役が素晴らしかっただけに、もうちょっとどうにかなんたんじゃないかと思う、悔しい映画。 6点(2004-07-28 20:39:43) |
305. 8人の女たち
ただ歌って踊って騒いでいるだけでも、超セ・レ・ブな女優さんたちがやるとエンターテイメントになるのね。羨ましい事です。コレは映画の内容にお金を払っているのではなく、名だたる女優たちのキャリアに献金している感じですな。 ダニエル・ダリュー。一体何歳なんでしょう。1917年生まれですか!?。2002年の映画だから・・・85歳!? 『うたかたの戀』のシャルル・ボワイエも、『赤と黒』のジェラール・フィリップも、彼女の大ファンだった谷崎潤一郎もとうの昔に死んだのに、歌って踊っている・・・ 美人薄命ってウソよね~ そういえばうちのおじいちゃん(故人)も大ファンだったなぁ~「官能的白痴美」とか言って。 ちなみに本作のダニエル・ダリューは、「官能」と「美」が廃れて「痴」だけが残っている感じだ。 しかし、末娘役のリュディヴィーヌ・サニエなんか、それほど美人女優って感じじゃない、どちらかと言えばファニーフェイスだけど、すごく可愛く見える。 ダニエル・ダリューも、ヴィヴィアン・リーと並ぶ世界一の美女と言われたカトリーヌ・ドヌーブも、トリュフォーの愛人ファニー・アルダンも、綺麗っていうより恐い。確かに魅力的だけど、私が男だったらリュディヴィーヌ・サニエ嬢の方を選ぶわ・・・ やっぱなんだかんだ言って、女は若さよのぅ・・・(泣) 6点(2004-07-05 20:06:15) |
306. ジャイアント・ピーチ
クレイアニメかと思ったら、いきなりものすごいメイクの叔母さんが出て来たので、びっくりしました。いじめられる両親がいない子供というありきたりな設定を、ここまでシュールに描いてしまう世界観には感心しましたが、この映画のターゲットが一体何歳なのか、かなりナゾ。息子(5歳)は、面白くなさげな様子でした(ジャック・スケリントンの登場シーンだけは喜んでた!)。大人向けという程の内容でもないし。う~~ん。全編通じて色々なモノが気色悪かったというのが一番の感想。ミミズもキモいし、魚の頭もキモいし、熟れた桃の感触もキモいし、蜘蛛の目つきもキモいし、謎の老人ピート@ミスターコバヤシも微妙にキモかった(てゆーか笑えた)。映画玄人好みってかんじ。 6点(2004-06-13 11:52:36) |
307. 北京ヴァイオリン
チェン・カイコーって、最近マトモに映画を撮ろうと思っているのだろうか・・・ アメリカ進出した時の「キリング・・・」は本っっっっっ当に酷かった(T_T)。この「北京ヴァイオリン」それよりかははるかにマシだったけど、何だかなぁ~ という感じ。出て来る人は「みんな良い人」ちっくだし、キャラも何だかありきたり。浅く、そつなく、丸くまとまっているけれど、いまいちパンチがなくて、がっかりした。映像の美しさと、音楽の素晴らしさが救いでした。 6点(2004-05-20 11:36:37) |
308. フォーン・ブース
電話ボックスから出ない、というのがウリで、私もその設定を聞いて「面白そう!」と思って見たんだけど、後半だんだんコリンのアップに飽きてきた。で、オチはというと・・・小物スチュを狙う犯人も、結局は小物なんじゃないの~ という、肩を竦めたくなるオチでした。あと、奥さんとの愛に目覚めるみたいな部分に、すごく興ざめした。6点欄の「ま、損はしてないかな」という表現が見事にハマる映画でした。 6点(2004-04-16 09:07:40) |
309. ピアニスト
《ネタバレ》 何故このストーリーを映画にしなければならなかったのだろうか。あの女性には、たしかに多少、共感できる部分もある。でもその共感が、ストーリーが進むうちに解決出来るわけでもないし、何らかの感動に変わるわけでもない。映画はファンタジーだから、砂漠の様に乾き切った女に、ブノワ・マジメル君が恋をするのはまぁいい。でもそれを無惨にも潰すラストには、何の意味もない。あの意味の無さが芸術なのだと言われれば、「ああそうですか」と無学な私は言うしかないが、この映画を見た私の二時間に、得るものは何も無かった。無かったのに、あのえぐさは一生忘れられそうも無い。成功している作品なのだろうけど、それを認めたくない怪作。主演二人の演技は、賞を取るにふさわしい、素晴らしいものだったと思う。 6点(2004-04-11 08:14:17) |
310. ブラザー・ベア
ストーリーは、ここ数年のディズニー(ピクサー除く)の中ではかなり良い方。きれいごとと言ってしまえばそれまでだけど、全てに「愛」の気持ちをとか、隣人を兄弟の様に愛そうとか、報復する事は幸せに繋がらないといったメッセージの数々は、子供に見せる映画を選んでやる親の立場として、素晴らしいと思える。しかし絵がいただけない。コーダの表情、可愛くない。キナイのデッサン、どう見ても狂ってる。人間の動作、ぎこちない。多少キャラが立ってると思えたのは、ヘラ鹿の二人(鹿?)組だけ。設定上仕方ないのだろうが、トーンが終始茶色で、「ディズニーストアに行って、ブラザー・ベアグッズを買おう」とは思えない。夏に見た「ニモ」に明らかに見劣りする。頑張ってくれよ、本家! 天童よしみの吹き替え歌も、思ったより綺麗だったし、フィル・コリンズが歌う日本語を劇場で聞けたのは貴重な体験だった。良い所は沢山あるのに、アニメーションの命である「絵」の手抜きっぷりが、何ともおしい一作。 6点(2004-04-05 16:58:01) |
311. シェフと素顔と、おいしい時間
おふらんすの香りがプンプンプンプンして、くらっとしてしまいそうな映画でございました。フランス語って、罵倒する言葉もエレガンスでうっとり。二人とも、若い頃より今の方が素敵で、凄いなぁと思います。日本人で、49歳と56歳でラブコメが出来るカップリングなんてありえないもの。ま、あたしだったらアカプルコで一週間くらいバカンスしてから帰るけど・・・ まさに82分のおいしい時間をごちそう様な映画でした。 6点(2004-03-17 10:08:49) |
312. 黄昏のチャイナタウン
大好きな映画の続編で、大好きなジャック・ニコルソンがメガホンを持って頑張っているのですが・・・う~んやはり本家にはかなわないですね。ストーリーは面白いし、女優さんは綺麗だし、音楽も色彩も雰囲気出ているのですが、何だろう、ポランスキー版に漂っていた、退廃的で乾いた、匂い立つような寂寥感が、いまひとつ足りなりなく、物足りない感じです。 6点(2004-02-09 15:40:28) |
313. 劇場版 仮面ライダーアギト ProjectG4
上手いな~ 自分が子供の頃は考えもしなかったけど、子供が見る番組の最終決定権を持っているのはお母さんなんですよね。そのお母さんが楽しめる番組づくりをするというのは、商戦として上手いです。拍手! 何がいいかって? そりゃ勿論イケメンヒーローでございます。テレビの方も毎週欠かさず見ておりました。私のお気に入りは、ギルス@友井雄亮君です。イイ男です。スクリーンで彼を見るために、子供をダシに2000円払ってもまぁいいかなという気にさせてくれます。内容だって、案外深いのです。というわけで6点です。 6点(2004-01-19 13:53:55) |
314. アナコンダ
B級もいい所なんだけど、それなりにお金がかかっているし、出演陣も豪華だし、期待してなかった分楽しめました。昔なつかしく感じる程の、王道パニック映画ですね。 6点(2004-01-10 13:27:14) |
315. ライオン・キング(1994)
暗く重いテーマなのに、楽しく明るく見せるディズニーはさすが! ただ善悪が明確すぎるのはどうかと思う。悪魔や魔女ならいざしらず、ハイエナもいきなり悪役にされてもね・・・実はハイエナが猟った獲物をライオンが横取りし、ハイエナはライオンが食べ終わるのを待って残飯をあさる、という事も往々にしてあるらしい。ジェレミー・アイアンズの歌が聞けたのが、ちょっと嬉しかった。 6点(2004-01-08 16:27:22) |
316. アレックス
描きたかったことはよくわかる。人生で、ほんの些細な過ちが、大きな悲劇に繋がって、人も神も何もかもが信じられなくなることは、往々にしてあることだと思う。映画のすべてがハッピーエンドでなければならないという法はないし、色調に独特の美学もあった。あの逆まわしは、痛みを想像させる手段としては有効だったと思うし、あの手ブレ映像も、前半は酷く揺れていて、後半は随分落ち着いている事から、マルキュスの精神状態の反映なのかなと思えば納得がいく。だが、エンドロールを最初に持って来たり、キューブリックのポスターを貼ったりしたのは蛇足だ。斬新な(メメントのパクリだといってしまえばそれまでだけど)手法も、微妙なさじ加減がないと、ダサイだけ。またベルッチの非の打ち所のない美貌は、女性が持つ「美」の部分を象徴する様で、シミひとつ見当たらない肉体は、あまりに暗すぎるこの作品を、観賞に堪える映像に仕上げるために不可欠だ。だが相手役がヴァンサン・カセルだと、「露出狂夫婦だねぇ」という感想をついつい持ってしまう。確かにカセルはとても上手い役者さんなんだけど、あの夫婦共演は食傷気味。成功作とは世辞にも言えないが、駄作と言い切るには、なにかえぐられるような痛みを残した存在感だけは立派にあった映画。 6点(2003-12-31 23:28:14) |
317. ファインディング・ニモ
ピクサー本筋からズレてないかい? と思った一作。私は正直楽しかったです。とてもグラフィックとは思えない、美しい背景と、キャラクター設定の秀逸さ。スピード感あるストーリー展開。ですが隣の息子は・・・というと、水族館大好きな彼は、映像の凄さに引き込まれて一言も発しず画面にくぎづけでしたが、観終わった後、なんとストーリーが全く理解出来ていない。思えば息子はダイビングをした事もなければ、海底になぜ爆弾が沈んでいるのかも知らないし、サメが恐い生き物と言われ、イルカに嫉妬しているというギャグなど(ギャグは全般に大人向けでした)、解るわけもないのです。さらに息子がかわいくて仕方がない故に、過保護になりすぎてしまう葛藤を抱える親の気持ちなんて解らないでしょう。ここが、子供なら誰でも持っている玩具(多くの子供でも、新しい玩具を買ってもらって、古い玩具をおざなりにしてしまい、良心がとがめた経験を一度は持っているはず)や、一度は想像した事があるオバケの国の世界との差異であると思います。ピクサー、単純に子供たちを楽しませようというより、「どうだ~」と大人にCG技術を誇示する方に情熱を傾けてはいないかい? (え、うちの息子が頭悪いせいだって? う~ん、そう言われればそうかもしれない)それでも次作が公開されたら、また観に行くんだろうな~ 6点(2003-12-30 21:30:04)(良:4票) |
318. ストーカー(2002)
《ネタバレ》 まず邦題について一言苦言を呈したい。「ストーカー」と書かれると、あの奥さんに惚れている男の話だと勘違いしてしまう。原題のOn Hour Photoには、もう少し詩的な意味が含まれているのに。ひとりの人物の心情をじっくり追いかけていて、興味深かったけれど、最期の不倫現場の写真を撮るシーンには、嫌悪感を感じてしまった。ヌードは観客を呼ぶ材料のひとつなのかもしれないけど、蛇足だと思う。ロビン・ウィリアムズは相変わらず演技が上手い。茫洋としていながら、内に何かを秘めた男のオーラが、よく出ていた。だがそれより素晴らしいのは、カメラワークと構図。色遣いもいい。シーンごとの登場人物の心理を、背景や色で表していて、面白く見れた。それだけにやや中途半端な内容が残念。 6点(2003-11-29 14:31:18) |
319. マトリックス リローデッド
わたしたちにとってマトリックスは、前作の世界観の衝撃があって、その後にこの延々暗く、ただ特撮の「どうだ!」映像のオンパレードがあり、いまいちの感がある。でも作った人間にとっては、前作は「起」であり「きっかけ」であり「説明」であって、本当に描きたかった世界はこれなのかもしれない。そう思いつつも、あまりにも「おたく」的になってしまった本作に、どうしても好印象は持てなかった。「愛」が重要なテーマになっているんだけど、これが何の深みもない。パーセフォニーとトリニティーの描き方なんか、あまりに陳腐で笑ってしまう。まさにおたく少年が考えそうな女性像だ。それでもあの脳が痺れるような映像の数々は素晴らしい。だから「二時間を費やす価値」はある。 6点(2003-11-23 07:23:05) |
320. ハワーズ・エンド
アイボリー作品はほとんど見ているが、この作品が一番パンチが効いていない。ようするに「どうだっていいじゃん」という次元の話が延々続き、最期だけがドラマティックに盛り上がっている。ハングリーじゃない。かといって貴族の退廃を感じるには、エマ・トンプソンのキャラクターがあっけらかんとしすぎている。英国田園風景と、そこに溶け込むヘレナ・ボナム・カーターの絵画的な美しさには、目をみはるものがある。 6点(2003-11-18 20:50:25) |